PCゲーム(エロゲ/美少女ゲーム)レビュー グリザイアの迷宮

グリザイアの迷宮 タイトル グリザイアの迷宮
メーカー フロントウイング
ジャンル ADV
シナリオ 木緒なち/藤崎竜太/桑島由一/かづや/鳴海瑛二
原画 渡辺明夫/フミオ
SD原画 ななかまい
対応OS WINXP/Vista/7
ボイス フルボイス
定価 9,240円
発売日 2012年02月24日
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評価
シナリオ/システム/グラフィック/サウンド/キャラクター/総合80点


レビュー
「…神様、どうか私のジーニーに幸運を…出来ることなら、この世の全ての幸せを…ジーニーに…どうか、お願いします────彼の行く末に、ありったけの、幸運を。」

──これでよかったのだろうか?
それは1分1秒とてゆるがせに出来ない日々に生きてきた少年の中で、なんども繰り返された疑問。
あたかも罪悪であるかのように感じる穏やかな日々の中で出会った少女達は、かつての自分を見るようで少年の心を苛んだ。

──その少女が見つけた、生まれてきたことの意味
偽る必要のない本当の自分──
──必死に生きるとはどういうことか
守られる側から守る側へ──
──生きていてよかった、本当によかった。

少年の干渉を切っ掛けに、少女達の灰色の果樹園は再び色づき始めた。
永遠を手に入れてやることは出来ない。
だが、掴んだその手を放さずに居ることぐらいは出来るだろう。

それは、一人の少年が胸に秘めた一つの決意──
(OHPより抜粋)

雄二の過去と各ヒロインのアフターシナリオを収録したグリザイアシリーズ三部作の第二弾。

「グリザイアの果実」で描かれた5人の物語のアフターシナリオ(由美子After、天音After、みちるAfter、蒔菜After、幸After)、雄二の過去を描いた「カプリスの繭」、一姫や千鶴などのサブキャラとのIFエッチを収録した「デイブ教授の抜きまくりChannel」、登場キャラたちによる小話を収録した「ショートショートシナリオ」からなるグリザイアシリーズの第二弾。

各コンテンツのテキスト量は、アフターシナリオが各200kb強、ショートショートとデイブ教授がそれぞれ約150kb、カプリスの繭は約600kbとなっています。
テキスト量ではどれくらいの長さなのかピンとこないと思うので、参考までに私がコンプするまでにかかった時間をあげると、アフターシナリオはそれぞれ1時間強、カプリスの繭は4時間弱くらいかな。
アフターシナリオはあくまでも本編の後日譚なので、この程度の長さでも十分満足できるボリュームだったのですが、カプリスの繭に関しては完全新規の1シナリオとして捉えてしまう分、アフターの3倍の分量でもかなり物足りなく感じました。

また、カプリスの繭のラストは次回作「グリザイアの楽園」のプロローグになっているため、1本の独立した作品という感じはあまりせず、「グリザイアの果実」と「グリザイアの楽園」の繋ぎという印象が強いですね。
そのため、ファンディスクとして見れば文句のない出来ですが、続編として見ると物足りないといった評価が的確なんじゃないかな。

ただ、ボリュームはともかく、シナリオ自体は十分満足できる内容だったので、前作のファンにとっては買って損はない作品と言えますね。


さて、ここからはシナリオの内容について具体的に言及していきます。

まずはアフターシナリオについてですが、シナリオの方向性は3つに分類されます。
学園生たちとの再会と日常に溶け込むまでの過程を描いているのが榊と蒔菜、雄二との絆を確かめ合い家庭を築くまでの過程を描いているのが天音と幸のシナリオとなっています。

前者二人のシナリオは序盤の再会シーンでいきなりピークを迎えてしまった感があり、それ以降はひたすら日常シーンが続くためやや尻すぼみな印象。
内容自体は決して悪くはないのですが、取り立てて目立つ点も少なく、後日譚として見てもごくごく平均点なシナリオだったかな。

一方、後者二人のシナリオについては、雄二との愛を育んでいく過程がじっくりと描かれており、恋に破れたその他のヒロインたちの心情もしっかり描かれているため、胸にじわりと染みる好シナリオになっています。
特に幸シナリオの出来は素晴らしく、選ばれなかったヒロインたちに“失恋”の機会を与えたうえで改めて幸と雄二を祝福させるとか、幸と雄二の結婚観がかけ離れていることを露呈させたうえで歩むべき方向を二人に考えさせるとか、シナリオの構成が実に巧みで読んでいて引き込まれるんですよね。
最後のエピローグもこれ以上ない演出だったし、Afterの中では間違いなく幸シナリオが1番良かったと思います。

どちらにも属さないみちるAfterはどんなものを描いているかというと…あー、えーと、そのー…みちるを描いてます。

や、なにも浮かばなかったわけじゃなくて、みちるAfterに関してはその表現が一番しっくりくるんですよ!(汗

何せ冒頭から、雄二とのデートが上手くいかないのは季節(夏)のせいで冬ならデートが上手くいくと言い出し、真夏にもかかわらず(冬に金髪は似合わないから)髪を黒に染めてダッフルコートを着込んでデートの7時間半前から待ち合わせ場所に立ってるんですよ?
そのデートが失敗に終わった翌日に再度デートを申し込むんですが、デートが楽しみすぎて日付が変わる前から待ち合わせの場所に行こうとするんですよ?
常人には理解のできないおバカな言動が最初から最後まで続くわけですから、もうこのシナリオはみちると描いているとしか言いようがないでしょ(苦笑

それにしても、果実のときから相当おバカな子でしたが、このAfterシナリオではそのおバカ加減により一層磨きがかかっているわ、ウザさも数倍に跳ね上がっているわ、着実にダメな方向へパワーアップしてるなぁ。

でもそこがみちるの可愛いところなんですけどね!
みちるウザ可愛いよみちる(;´Д`)ハァハァ

ちなみにみちるは、エンディングのボーカル曲が1人だけ別に用意されていたり、蒔菜Afterにもかかわらず雄二との(ディープ)キスシーンが用意されてたり、何かと優遇されてたりするわけですが、これは制作スタッフからも愛されているということなのかしら?


次は雄二過去編「カプリスの繭」について。
このシナリオは、家族と過ごしてた幼少期から現在に至るまでの雄二の境遇を描いたエピソードとなります。

雄二の過去については果実で断片的に語られていましたが、そこから想像していた以上に不幸で救いのない過去が用意されており、非常に重いエピソードが続くため読むには相応の覚悟が要りますね。
特に一姫がいなくなってから師匠である麻子やJBと出会うまでの間の救いのなさと言ったらもう…(涙

あんな生き地獄のような過去を見せられると、精神が壊れかけた状態の雄二をあそこまで立ち直らせた麻子とJBには敬意を抱くとともに、やはりこの二人はイイ女だという思いも強く抱きますね。

今回のメインヒロインである麻子ももちろんイイ女ですが、個人的にはJBの方をプッシュしたいかな。
物凄く出来る女に見えるのに、朴念仁の雄二の手のひらで簡単に転がされるチョロさがたまりません(笑

何せちょっと真面目に感謝の言葉を伝えただけで
「…(ヤバイ…私いま、この子にプロポーズされたら絶対に断れない…!)」
なんて思っちゃうんですよ?
このモッサリ金髪可愛すぎだろ!!!

(閑話休題)

シナリオについては、冒頭で書いたとおり長さという点では物足りなさを覚えますが、内容自体は非常に良く、泣けるシーンも多々あります。
序盤は重すぎて逆に泣けないエピソードが多いのですが、麻子やJBといった雄二の救いとなる人物たちのおかげで、ある程度重さが緩和される中盤以降は度々泣かされました。

雄二の境遇も涙を誘う要因ですが、それ以上に女性陣の言動の一つ一つがとても温かくて泣けてくるんですよね。
麻子やJBはもちろんですが、まさかネタ要員と思われたミリーにまで泣かされることになるとは思いませんでした。
果実の5人のヒロインたちにも言えることですが、やはりこの作品の女性キャラたちはかっこよさが半端ないよなぁ。


最後にショートショートとデイブ教授について。
前者についてはよくあるアメリカンジョークみたいな感じの寒すぎる小話が33個も用意されており、シナリオ達成率のためだけにプレイすると苦行に近いものがあります。
シナリオ中に時折挿入される分には良いけど、こうやって単体のものを集中的に見させられるとさすがにうんざりさせられますね。
一気に読むと本当にしんどいので、毎回のプレイの度に5個くらいずつ消化していくのが一番ストレスなく消化できる方法だと思います。

後者については、人気の高いサブキャラたち(一姫、JB、千鶴(2回)、キアラ、清夏)のエッチシーンが用意されているのですが、妄想や夢だったり、IF設定(JBが保険医とかキアラが妹)だったり、正直シチュエーションが微妙であまり使えないんですよね。
JBなんかはカプリスの繭のようなチョロさを前面に押し出したエッチシーンの方が受けが良かったと思うんですが…

デイブ教授に収録されている中で唯一良かったのは清夏のエッチシーン
シチュエーションが私好みというのもあるんですが、それ以上に果実の蒔菜シナリオで受けた仕打ちに対していくらか溜飲が下がったというのも大きいですね。
ぶっちゃけ蒔菜シナリオのハッピーエンドはこのシナリオでしょ!(笑
ロリババァ可愛いよロリババァ(;´Д`)ハァハァ


最後に総評。
「グリザイアの果実」の続編──グリザイアシリーズ三部作の第二部という位置付けですが、内容的にはファンディスク的な要素が強い作品です。

収録されていた内容は概ね想像通りだったし、シナリオ自体もそれなりに良かったので個人的には満足していますが、この内容量でフルプライスという価格設定だけはちょっと不満かな。
フルコンプまで10時間程度なので、7,000円くらいが適正価格のような気がします。
前作を気に入った人なら間違いなく楽しめると思うので買って損はないですが、コスパまで気にする人はある程度値段が下がってから手を出した方が良いかな。

グリザイアシリーズ最終作の「グリザイアの楽園」の発売まで1年近く空くのは間違いないので、これからグリザイアシリーズに手を出しても十分間に合うはず。
「君が望む永遠」「WHITE ALBUM2」といった重い話の作品が好きな人には間違いなく合うはずなので、是非ともプレイしてみてください。


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