PCゲームレビュー ChuSingura46+1-忠臣蔵46+1-

ChuSingura46+1‐忠臣蔵46+1‐【予約特典:ChuSingGura 46+1 歌姫之刃(やいば)付き】 タイトル ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-
メーカー インレ
ジャンル 燃え萌えサウンドノベル
シナリオ 葉山こよーて
原画 ぬい
対応OS WinXP/Vista/7
ボイス フルボイス(主人公以外)
定価 9,240円
発売日 2013年5月31日
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評価
シナリオ/システム/グラフィック/サウンド/キャラクター/総合85点


レビュー
「私に愛した男を殺させるような真似をさせないでくれ」

元禄十四年(1701)三月十四日。
勅使饗応役の任を仰せつかっていた播州赤穂藩主・浅野内匠頭が高家筆頭・吉良上野介を江戸城、松の廊下で斬りつけるという前代未聞の事件が発生した。

その知らせを聞いた五代将軍・徳川綱吉は激怒し、浅野内匠頭を即日、切腹。浅野家には城地没収、お家断絶を命じる。一方の吉良には何の御咎めもなかった。
一夜にして三百人の家臣は路頭に迷い、非業の死を遂げる者もいた。

それでも、亡君の仇を討つべく立ち上がった四十六人の浪士たち。
そして、謎のタイムスリップで現代から江戸時代の赤穂に来てしまった主人公の深海直刃(ふかみすぐは)。
赤穂浪士の運命に翻弄されつつも、浪士と共に仇討ちへと驀進する様を描いた時代劇サウンドノベルゲーム。
(OHPより抜粋)


タイトルが示す通り、赤穂浪士による仇討を描いた“忠臣蔵”を題材にした作品
呪いにより現代から約300年前──元禄14年3月の赤穂にタイムスリップした少年・深海直刃が、赤穂四十七士の一員(寺坂吉右衛門)として元禄赤穂事件に関わっていく姿が描かれています。

シナリオは「假仮名手本忠臣蔵編」、「江戸急進派編」、「百花魁編」、「仇華・宿怨編」、「刃・忠勇義烈編」の全5章構成。一部を除き登場人物は女性化されており、それぞれの章で大石内蔵助、堀部安兵衛、大石主税、清水一学、矢頭右衛門七がヒロインを務めることになります。

第1章となる「假仮名手本忠臣蔵編」では、元の世界に帰る手掛かりを探すためやむを得ず内蔵助と生活を共にしていた直刃が、彼女たちの胸の内を知るうちに次第に惹かれていき、ついには彼女たちとともに仇討に臨むことを決意する──というのが大まかなあらすじ。
展開的には非常にベタではありますが、古くから愛されてきた物語をモチーフにした作品だけに、こういう王道的な展開の方が素材の良さが活きますね。特にこの章は元ネタのストーリーをベースにした話となっているだけに余計にそう思えました。
個人的にはこの第1章が一番好きですね。

第1章終了後、直刃だけが元禄14年3月に巻き戻され、以後呪いを解くまでループを続けることになるのですが、2周目以降、いわゆる“強くてニューゲーム”な展開にならないところがまた面白いですね。
例えば第2章の「江戸急進派編」では、1周目の経験を生かして赤穂浪士たちを死なせないよう奔走するのですが、そのためにとった言動が原因で最愛の人である内蔵助から遠ざけられることになり、堀部安兵衛をはじめとする江戸急進派と行動を共にすることになります。直刃は元々忠臣蔵に対する知識が豊富というわけでもないため、この時点で1周目の経験が生かせなくなるわけです。

また、ループするごとに人間関係がリセットされるため、章が変わると内蔵助や安兵衛など各章で恋仲となったヒロインたちに忘れられてしまうことになるのですが、この事実に対する直刃の葛藤やヒロインたちへの想いの変化が丁寧に描かれているところも本作における大きな見所の一つですね。
2章以降は恋の終わりと始まりが両方描かれるわけですから恋愛ゲーム好きにはたまりません♪
個人的には内蔵助への想いが終わるシーンが特に印象に残りましたね。


前述したとおり、各章のヒロインは大石内蔵助→堀部安兵衛→大石主税→清水一学→矢頭右衛門七の順。
最初の二人がビッグネームすぎるため、章が進むごとにヒロインの印象が薄くなっていく感はありますが、これはシナリオ構成上致し方ないので目を瞑りましょう。
物語のトリを飾る「刃・忠勇義烈編」のヒロインが人気投票で10位に甘んじるなんて切ない現実には全力で目を背けるのが武士の情けというものです。

個人的な好みを言えば、純粋なビジュアルだけなら一学なんですが、シナリオ補正を加えると大石母子(内蔵助&主税)が双璧になるかな。
内蔵助は表向き飄々としながらも実は責任の重さに押し潰されそうになっているギャップが、主税は愚直なまでの直刃への献身が男心をくすぐるんですよね。
特に主税の献身は忠犬と呼ぶに相応しく、(当事者になれば鬱陶しく感じるかもしれませんが)傍から見ていて実に微笑ましく映ります。緊縛お漏らしなんてマニアックなプレイを自ら進んで出来る子はそうはいませんからね。

ヒロインの中では最も人気がある(人気投票第2位)安兵衛も彼女たちに負けないくらい魅力的ではあるんですが、どちらかというとヒロインとしての魅力よりも武士としての魅力の方が強いんですよね。
そのせいか安兵衛は自身のルートよりもそれ以外のルートの方が印象に残っていたりします。

ヒロイン以外にも魅力的なキャラが多く、攻略できないのが不思議に思えるようなキャラもちらほら。少なくとも右衛門七よりも魅力的に思えるキャラは5指に余ります。
人気投票第1位の新八をはじめ、萱野、新六、小夜、小平太、首斬り師匠辺りは攻略したかったですね。

また、最終章の空白の1年間やエピローグ後の生活などシナリオ的にも見てみたいシーンが多々あるので、是非ともファンディスクを発売してもらいたいですね。


最後に総評。
プレイする前は「美少女ゲームの題材に忠臣蔵ってどうなの?」と疑問視していましたが、実際にプレイしてみると想像以上にマッチしており、気が付けば寝る間を惜しんでプレイしていました。
群雄割拠の戦国時代に比べて江戸時代以降は淡白なイメージを持っていましたが、なかなかどうして武士の魂を感じる熱い作品に仕上がっていました。
特に“忠臣蔵”のストーリーをベースに描かれた1〜3章は万人受けする好シナリオと言えるでしょう。

ただし、物語の真相を描いた4,5章はそれまでの章とは雰囲気が一変した荒唐無稽すぎるストーリーが展開されるため評価がわかれるかもしれません。
私的にも4,5章は微妙に感じられ、点数を付けるなら1〜3章が90点だったのに対して4,5章は70〜75点って感じかな。それでも最後に訪れる大団円は感慨深いものがありましたが。

公式サイトで公開されている体験版では第1章の「假仮名手本忠臣蔵編」が丸々プレイできるので、少しでも興味を持ったなら是非ともプレイしてみてください。




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