PCゲームレビュー 乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-

乙女理論とその周辺~Ecole de Paris~ -Limited Edition- タイトル 乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-
メーカー Navel
ジャンル
恋愛ADV
シナリオ 真紀士/王雀孫/東ノ助/森林彬
原画 鈴平ひろ/西又葵
対応OS WinXP/Vista/7
ボイス フルボイス(主人公以外)
定価 10,290円
発売日 2013年07月26日
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評価
シナリオ/システム/グラフィック/サウンド/キャラクター/総合90点


レビュー
「だが己の立場すら危険に晒し、それでも俺と兄妹であることを訴え続けたおまえたちを見て、感動を覚えずにいられるほど、この心は腐ってはいない。おまえたちに感謝しよう。詫びは言わない、礼だけだ。それがおまえたちの兄として出来る、最大限の俺の誇りだ」

主人公『大蔵遊星』は、日本の財界を代表する“華麗なる一族”大蔵家の末端に、望まれぬ子として生を受けた。
長じて人並みの夢と希望を手に入れた遊星は、性別を偽り「桜小路ルナ」に仕えることで、大蔵家という自らを閉じこめる籠を脱して夢の一端に触れることができた。
しかし些細なミスで掴んだ夢の端は崩れおち、居場所をなくした遊星は、兄に拾われて再び籠の中の鳥となった。

遊星の妹「大蔵里想奈」は、大蔵家の嫡子と正妻の間に生まれ、愛の上に愛を重ねて大切に育てられた。
何一つ不自由なく育てられた里想奈だが、幾重にも重ねられた両親の愛は、やがて固まり歪な繭となって、さなぎになる前の彼女を包みこんだ。
里想奈が気付いた頃には、その繭は自力で破れなくなってしまった。居心地の良い繭の中で抵抗する気力を奪われ、里想奈は外へ出ることを捨てた。

――ある日、彼らの兄は試みとして、籠の中へ繭を放りこんだ。

里想奈は外の世界に憧れて、兄に尋ねた。「私は繭の外へ出られますか」
遊星は繭を啄き、その殻を嘴で壊せることに気が付いた。「出られるよ」
安全だった籠と繭を捨て、遊星と里想奈は微笑みあいながら同じ言葉を口にした。「二人なら旅立てる」――

「フィリア女学院日本校」へ通えなくなった遊星のため、里想奈は「パリ本校」への留学を提案する。
遊星は再び庶民の娘「小倉朝日」となり、りそなに仕えるメイドとして、服飾専修機関へ通うこととなった。

パリには新しい少女たちとの出逢いがあった。
純粋な心に卓越的な才能を持ちあわせる「メリル」。
その主人であり、明るく親切に二人を迎える「ブリュエット」。
同級生の「リリアーヌ」や、個性的な留学生の「ディートリンデ」。そしてそれぞれの従者たち。

新しい国で様々な出会いを経験し、遊星兄妹の主従としての生活が始まった。
遊星=朝日は自らの夢を追い、りそなは自立するための勇気を求める。
しかし全てが前途洋々に進むはずもなく、新天地の厳しさ、二人を逃がした兄、さらには大蔵家の追跡が襲いかかる。

果たしてお互いの願いを支えあいながら、遊星兄妹は学院生活を送ることができるのか?

――花の都を蝶が舞う――
(OHPより抜粋)


2012年に発売され人気を博した「月に寄りそう乙女の作法」のバッドエンド──八千代に女装がバレて桜屋敷を追い出されたあと衣遠に保護された朝日(遊星)のその後を描いた物語。

前作ではルナのメイド“小倉朝日”としてフィリア女学院日本校に通っていた遊星ですが、本作では再び“小倉朝日”に扮してりそなのメイドとしてフィリア女学院パリ本校へ通うことになります。

今回のヒロインは大蔵里想奈(りそな)、メリル・リンチ、ブリュエット・ニコレット・プランケット(エッテ)の3人。
ただし、エッテについてはエンディングこそ用意されているものの、内容自体は他のノーマルエンド(衣遠&駿我、ディートリンデ)のストーリーを踏襲した短めのシナリオになっており、ヒロインとしてカウントするのは苦しい気がします。
実際3人の個別ルート攻略までの所要時間はエッテが約1時間半程度、メリルが約3時間、りそなが約6時間となっており、実質的にはりそながメインヒロイン、メリルがサブヒロイン、エッテはその他大勢の一人というポジションと言えますね。

各個別ルート攻略までの所要時間からわかるように、シナリオによって開示される情報(とりわけ大蔵家関係)に大きな差があるので、物語を楽しむためには情報が少ない順──エッテ→衣遠&駿我orディートリンデ(順不同)→メリル→りそなの順にプレイすることを推奨します。
基本的には物語の大部分の真相が明らかになるりそなシナリオさえ最後に持ってくれば、それ以外のシナリオは前後しても問題ないんですが、個別ルートの短いエッテは最初に持ってこないと大部分をスキップで飛ばせてしまい味気なく感じるので、上記の順が理想だと個人的には思います。


シナリオ的にはりそなシナリオの出来が飛びぬけて良かったですね。
口ばかり達者な引きこもりの少女が次々に起こるイベントを乗り越えるたびに少しずつ強さを身に付けていき、名家である大蔵家に相応しい女性へ成長していく姿は非常に眩しく映りました。
中でも三方向からの悪意によって完全に詰んだ状態からの大逆転劇が描かれる終盤以降の展開は熱いの一言。その転換点となる公園のシーンでは、この乙女シリーズの真のヒロインが誰かということを改めて思い知らされましたね。

もちろん単にシナリオだけではなく、りそな自身にとってもこのシーンは重要な転換点となっています。
最愛の下の兄(遊星)と幸せになるためには“繭”に籠ったままでは絶対に叶わないことを身を持って知り、りそなが“繭”を破る意志を固めた起点となるわけですから心に残らないわけがありません。
正直、ここに至るまでのりそなはヒロインとしてはどこか物足りなさが感じられ、他のシナリオでこそ存在感が生きる名脇役タイプに過ぎなかったんですよね。
しかしながら、これ以降のりそなは次第に一人の女性としても魅力的に映るようになり、最後にはルナたちと肩を並べても恥ずかしくない本当の意味でのヒロインになれたと感じました。

各ヒロインのシナリオに評価を付けるなら、りそながS、メリルがA+、エッテがBといった感じかな。
続編という位置付けにもかかわらず、シナリオ全体の出来は本編を上回っているように感じられました。
りそなシナリオが長いので全体のボリューム的には十分なものがあるのですが、魅力的なキャラが多い割に攻略できるヒロインが少ない点はやや物足りなく感じますね。
ヒロインの3人以外にもリリアーヌ、華花、ディートリンデ、ヴァレリア、アパートの住人A,B、駿我、衣遠などなど、ヒロインとしての魅力を持ったキャラが大勢いただけに、もう1人くらい個別ルートを用意して欲しかったと個人的には思いますね。


キャラ的にはヒロインのりそなやメリルを筆頭に魅力的なキャラばかりなんですが、一番魅力的なキャラを挙げるならやはり主人公の朝日になるでしょう。
性格が天使なこともさることながら、男の娘にもかかわらずビジュアル的にも非常に可愛い点は強みですよね。
当然ながらエッチシーンではヒロイン以上に朝日が可愛く描かれており、ヒロインたちの痴態そっちのけで朝日の気持ちよさを耐える表情に目を奪われてしまいました。
エッテに脅迫逆レイプまがいのプレイでお尻を開発されたり、りそなにメイド服たくしあげプレイを強要されたり、もうどっちがヒロイン何だかわかりませんよね(笑
朝日が可愛過ぎて生きるのが辛いです。

朝日以外で気に入ったキャラを挙げるなら、新規キャラではメリル、華花、ヴァレリア、リリアーヌ、駿我、アンソニー辺り、前作から引き続き登場するキャラでは衣遠、ルナの二人ですね。
中でもルナさまの存在感は別格で、登場シーンこそ短いものの印象度という点では全キャラ中1,2を争うほど。
いやもうあのタイミングで登場するとか反則にもほどがあるでしょ!そりゃ大蔵兄妹も号泣するわ!
もう少しだけ朝日と再会するタイミングが早ければ、ルナルートに分岐してたんじゃないかと思ったのは私だけではないでしょう。


最後に総評。
本編のバッドエンド後の物語だけにプレイ前の期待度はさして高くなかったのですが、蓋を開けて見れば本編以上に中身が詰まったシナリオで大満足♪
大蔵家の秘密が明らかになるりそなシナリオは本編以上に面白かったですし、今回新たに登場したキャラたちについても非常に魅力的なキャラばかりだったので、文句のつけようがありません。
ここまで個別ルートのないキャラの中でも魅力的なキャラが多く、八千代や華花、ヴァレリアといった従者組は是非とも攻略したいと思えるので、更なる乙女シリーズの続編が出ることを期待したいと思います。


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