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タイトル | シンフォニック=レイン |
| メーカー | 工画堂スタジオ | |
| ジャンル | ミュージックアドベンチャー | |
| シナリオ | シナリオライターズ Q’tron | |
| 原画 | しろ | |
| 対応OS | WIN98/Me/2000/XP | |
| ボイス | フルボイス | |
| 定価 | 9,800円 | |
| 発売日 | 2004年03月26日 | |
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| 評価 | ||
| シナリオA/システムB/グラフィックB/サウンドS/キャラクターA/総合80点 |
| レビュー |
| この物語は音楽の街ピオーヴェにあるピオーヴェ音楽学院を舞台に繰り広げられます。 主人公はフォルテールという楽器の奏者であるクリス。 近々卒業を迎える彼は、数ヵ月後に迫った卒業演奏でパートナーとともにオリジナル曲を演奏しなければならないのですが、未だにそのパートナーさえ決めようともしません。 そのことを心配した幼馴染のトルタに促される形で、渋々パートナー探しを始めることになったクリスは、トルタを含めた三人のパートナー候補と出会い、アンサンブルの練習を重ねることによって彼女たちはクリスの中で気になる存在になっていきます。 ここで問題になるのが、故郷に残してきたクリスの恋人・アルの存在。 彼女が彼の行動を縛る足かせになっており、ヒロインたちの歌声に惹かれていくのを感じつつも、恋人への遠慮や罪悪感といった感情もあって、クリスはなかなかパートナーを決めることが出来ず、長い葛藤に悩まされることになります。 序盤から中盤にかけて、こうしたクリスの葛藤を描くことによって、物語は進行していきます。 私的には、このクリスの葛藤によって遅々として進まない展開にまどろっこしさを感じて少々退屈でしたね。 しかしながら、終盤に入ると、三角関係による修羅場や父親による恒常的な虐待の発覚など、これまでとは一変した非常に重苦しい雰囲気が漂い始めます。 この辺りの展開は非常に私好みでゾクゾクしながらテキストを読み進めることができました。 このゲームは攻略制限がかかっており、最初はトルタ、ファル、リセの3つのシナリオ(da capoシナリオ)しかプレイできないようになっています。 主人公視点で進められるこれらのシナリオをクリアすると、トルタ視点で進められるal fineシナリオが選択できるようになり、物語の真相がほぼ解き明かされることになります。 そして最後にフォーニシナリオをプレイすることによってこの物語は真のハッピーエンドを迎えます。 このような、当初一人称視点で進められていた物語を、途中から別の人物(二人称・三人称視点)の視点を採り入れることで、真相を解き明かすという手法を採った作品は、個人的には大好きですね。 al fineシナリオによって、トルタの言動の裏に秘められた真意や葛藤、クリスへの想いがより鮮明に伝わってきたり、登場人物の何気ない行動にまったく違った意味があることに気付いたりするなど、すでに一度見た場面にもかかわらず、ドキドキしながら物語を読み進めることができました。 登場人物のセリフ自体は、トルタシナリオとほぼ同じなので、人によっては退屈と感じるかもしれませんが、まるでテストの答え合わせをしているようで、私は最後まで飽きることなく楽しめました。 ただし、物語のプロローグとも前提条件とも言える主人公視点のda capoシナリオ(特に序盤から中盤にかけて)がやや面白みに欠けたのは減点材料。 最後にいくら良いシナリオを用意していても、まず元になるシナリオの質が高くなければ、作品全体の完成度は高くなりませんし、場合によってはそこにたどり着く前に投げ出されかねないですからね。 一応、da capoシナリオも標準レベルにはあると思うのですが、al fineシナリオ以降の出来が素晴らしいので、それと比較するとどうしても物足りなさを感じてしまうんですよね(苦笑 システムについてですが、まず目に付くのがキーボードを鍵盤に見立てた音楽演奏パートでしょう。 音楽をテーマにした物語に相応しい斬新な発想と言え、難易度調整や演奏スキップ機能も設けられており、演奏が苦手なプレイヤーやシナリオだけ楽しみたいプレイヤーへの配慮も忘れていません。 また、点数を競うフリーモードも実装しており、コンプリート後も十分楽しめます。 ゲームを進める上で気になったのが、文章スピードが極端に遅くなる箇所がいくつか存在するところ。 私が文字速度を最高速にしてプレイしていることもあり、物語を読み進めるテンポが著しく妨げられてるように感じられ、非常にイライラさせられました。 この点以外に関しては、概ね問題なく、いたって普通と言えるでしょう。 次にグラフィックについてですが、立ち絵の瞬きやイベントCGの塗りの綺麗さなど特筆すべき点はいくつかあります。 しかしながら、背景の描き込みの物足りなさやイベントCGの少なさなど不満点もいくつかあり、特にCG枚数に関しては大きく不満が残りました。 差分無しで40枚という数は同じ規模のゲームの半分以下ですからね。 このため、重要な場面でイベントCGが用意されていないことが多々あり、イマイチ盛り上がりに欠けました。 音楽を主題にしたゲームらしく、サウンドに関しては、ほぼ満点でしょう。 あの岡崎律子氏が作詞作曲を担当したボーカル曲が計10曲使用されており、これだけで値段分の価値があるといっても過言ではありません。 個人的にはフォーニシナリオの卒業演奏曲である「fay」がお気に入りかな。 明るい前向きな歌詞と音楽は聴いていて気持ちが良かったですね。 その反面、BGMは若干曲数が少なく、ゲーム中では同じ曲を繰り返し聞くことになりました。 ただ、曲自体は素晴らしいものばかりなので、許容範囲と言えるかな。 次はキャラクターについて。 ヒロインはツンデレ・腹黒・オドオドなど、どんなキャラか一言で表すことができる強い個性をそれぞれが持っていて、住み分けが出来ていましたね。 ヒロインの数がそんなに多くないので、これくらいはっきり方向性が示されていた方が好ましいですね。 個人的にはファルさんの黒さがたまりませんでした(笑 脇を固めるサブキャラたちも、人数こそ多くないものの、それぞれ強い癖があり、存在感を発揮していましたね。 特にコーデル先生はクリスたちを陰ながら支え、物語中でも要所要所で重要な役割を果たしていて、かなり好感が持てました。 攻略対象にして欲しかったと思ったのは私だけでしょうか?(笑 このように、ヒロインとサブキャラに関しては文句の付けようがないのですが、それが主人公の存在感のなさを浮き彫りにしてしまいましたね。 物語の設定上、あまり強い個性を与えるわけにはいかなかったのでしょうが、主人公はいわばプレイヤーの分身ですから、もう少し魅力的に描いて欲しかったと思ったのは私だけではないはずでしょう。 それだけがキャラにおける唯一の不満点ですね。 各項目とも平均以上のレベルにある作品ですが、音楽以外は特に傑出した面も見られず、また、序盤から中盤にかけて物語に動きがないことやCG枚数が絶対的に足りないこと、演出効果が地味で今ひとつ盛り上がりに欠けたことなど、いくつか粗も目立ちました。 そのため、個人的には良作の域から抜け出すことができなかった作品という印象を受けましたね。 それでも値段分の価値はある作品なので、過度の期待さえしなければ、間違いなく楽しめると思います。 |
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