PCゲーム(エロゲ/美少女ゲーム)レビュー もしも明日が晴れならば

タイトル もしも明日が晴れならば
メーカー ぱれっと
ジャンル AVG
シナリオ NYAON
原画 くすくす
対応OS WIN98/Me/2000/XP
ボイス フルボイス
定価 9,240円
発売日 2006年02月24日


評価
シナリオ/システム/グラフィック/サウンド/キャラクター/総合85点


レビュー
主人公、鳩羽一樹にとって、野乃崎明穂はかけがえのない人だった。
ずっと、家族同然に暮らしてきた、主人公にとって姉であり、母親であり、恋人でもあった居候の女の子。
だが、そんな彼女は病に倒れ、あっけなくこの世を去ってしまう。
それから数ヶ月、彼らがようやく立ち直りかけた頃、明穂は何の前触れもなく、この世に舞い戻ってくる。
「思い残すことがあったから」
そんな言葉と共に微笑む、ひとりの幽霊として───
というのがあらすじ。

恋人が幽霊、その上妹も主人公に恋心を抱いているという設定。
うん、完璧。
これ以上ないほど最上級の素材と言えますね。
そしてこの作品は素材を殺すことなく、見事に良作以上の作品に仕上げています。

各シナリオごとに評価を付けるなら
つばさシナリオ:S+
明穂シナリオ:A+
珠美シナリオ:B+
千早シナリオ:B+

って感じかな。

すべてのシナリオにおいて中心になるのが、メインヒロインの明穂。
主人公の恋人であり、幽霊となった今でもお互いがお互いのことを好きでいるため、彼女が身を引かない限りは他のヒロインにチャンスはないんですよね。
だから他シナリオにおいても彼女にスポットが当たるのは当然であり、そんなつらい選択を強いられる以上、他のヒロインが霞むほどの印象を与えるのも必然と言えるでしょう。

特に珠美・千早に関しては明穂の活躍があったからこそのB“+”で、それがなければごくごく普通のシナリオと言えるものでした。
まあ、野乃崎姉妹以外のシナリオは期待できないとハナから思っていただけに、この結果は想定の範囲内ですけどね(苦笑

明穂シナリオも(シナリオ・内容ともに)ほぼ予想通りだったかな。
「Dear My Friend」のスタッフだけに、明穂シナリオは絶対にハッピーエンドに持ってくと思ってましたし、すでに幽霊になってしまったヒロインとハッピーエンドを迎えるには、(守護霊になって見守り続けるとか主人公が死ぬときに迎えに来るとかだと、厳密にはハッピーエンドとは言えないので)“生まれ変わる”か“生き返らせる”かの二択しかないですからね。
結末が想像できてしまう以上、いくら欠点のない綺麗な物語でも過度の評価はできないんですよね(´・ω・`)
それにやっぱり明穂の存在が活きてくるのは脇役に回ってこそですからね。
それにしてもメインヒロインなのに、脇役のときの方がきらめきを放つって、ある意味不遇なヒロインですよね(苦笑

でもそういうとこがまた好きなんですがっ!(ぉ

そして期待を遥かに上回るパフォーマンスを見せたのが、つばさシナリオ。

“唯一の肉親である姉が死に、「これで諦めていた10年来の恋が叶うかも───」と思い始めた矢先に、姉が幽霊になって戻ってきて───”

この設定における最良のシナリオと言ったら一つしか思い浮かばなかったのですが、そのエピソードを序盤の三章で持ってこられたときはラストをどうするのか不安になりました。
それがまさかそれをさらに上回るエピソードを持ってくるなんて…
“黒さ”と“優しさ”という相反する感情のせめぎあいにより、次第に壊れていくつばさの心を描くシナリオはまさに圧巻の一言!
完璧だよ…完璧すぎるよっ!

それに圧倒的な存在感を誇る明穂に食われず、互角に渡り合ったヒロインは間違いなくこのシナリオのつばさだけ。
姉妹が一歩も引かない名演を演じ合えば、そりゃ名シナリオにもなるさ!
特に姉妹が最後の会話を交わす砂浜でのラストシーンは涙なしには見られません(涙

個人的に明穂のベストパフォーマンスは珠美シナリオかな。
あの携帯電話は「加奈」のボイスレコーダー級の破壊力!
もうね、「もしらば」は明穂の明穂による明穂のためのゲームと言っても過言じゃないですよ!

惜しむらくは主人公の魅力が致命的なまでに欠けていること。
“優柔不断・ヘタレ・鈍い”の三拍子が揃った典型的なギャルゲー主人公なんですが、最後までかっこいいところを見せることがないんですよね。
あまりにも魅力に乏しい主人公なので、ヒロインたちが好きになる相応の理由を持ってなければ、ストーリー展開が不自然になりかねないところでしたよ(苦笑

共通ルートの長さに比べて個別ルートが短いことや、主人公が魅力的ではないことなど、細かな欠点もいくつか目に付き、作品全体の完成度は決して高くはないけれど、つばさシナリオがとにかく素晴らしく、これだけで十分良作以上の評価を与えられます。

この作品に…いや、野乃崎明穂に出会えて良かった。
心からそう思えた作品でした。


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