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タイトル | 恋物語 |
| レーベル | 講談社BOX | |
| 著者 | 西尾維新 | |
| イラスト | VOFAN | |
| 発売日 | 2011年12月22日 | |
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| 評価 | A |
| レビュー | |
| 「二年前のことなんだけど、あなた、本当に私があなたのことを好きだったと思ってる?」 “片思いをずっと続けられたら――それは両想いよりも幸せだと思わない?” 阿良々木暦を守るため、神様と命の取引をした少女・戦場ヶ原ひたぎ。 約束の“命日”が迫る冬休み 彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった……。 <物語>はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる―― 青春は、きみに恋するためにある。 (OHPより抜粋) 第恋話「ひたぎエンド」を収録した<物語>シリーズセカンドシーズンの第六話にして最終話。 前巻「鬼物語」で示唆されてた通り、今回の語り部はメインヒロインの戦場ヶ原ひたぎが務め…ると思いきや、まさかまさかの貝木泥舟!? 女子高生視点による女子高生VS女子中学生のキャットファイトを楽しみにしていたのに、まさか詐欺師のおっさんの一人語りを聞かされることになろうとは思いもよりませんでした(苦笑 これで下手な進行をしていれば大いに叩くところなんですが、そこは天下一の詐欺師たる貝木泥舟。 ところどころにユーモアを交えながら、小気味良いテンポで物語り、最後まで語り部としての職務を真っ当に全うするものだから批判のしようがないんですよね。 おかげでストーリーが引き締まり、純粋な物語としての出来はセカンドシーズンでも屈指と言っても過言ではありません。 ただし、“阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎの恋物語”を期待していた人にとっては期待外れかもしれません。 なぜなら、貝木が単なる第三者の語り部ではなく、物語の主人公になってしまっているからです。 冒頭で自ら「阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎの恋物語を、語らせてもらおう」と宣言していたにもかかわらず、自らを主人公にした物語を語るとは、さすがは天下一の詐欺師、侮れませんね。 もちろん“恋物語”の主人公ですから、当然貝木自身の恋(本人は否定するでしょうが…)が描かれることになります。 そのお相手は戦場ヶ原ひたぎ。 …といきなり言うと、ほとんどの人は「???」と言う反応になると思うので、ここで本作のあらすじ及び物語の背景について簡単に説明します。 「囮物語」で蛇神様に卒業式の日に殺すと宣言された暦とひたぎ(と忍)。 打開策が見いだせないまま、刻一刻と約束の日は迫っていく。 万策尽きたひたぎは藁にも縋る思いで怨敵──貝木に頼ることになる。 ───暦には内緒のまま。 というのが冒頭部分のあらすじ。 過去のエピソードで描かれているように、貝木はひたぎにとっての初恋の人(本人は否定していますが…)。 その初恋の人に彼氏の暦に内緒で会っているというシチュエーションは、ともすれば浮気をしているようにも映ります。 実際、ひたぎと貝木の会話の中で、今でも貝木に惹かれているような言動が垣間見えるんですよね。 私の場合、これまで暦に感情移入してこのシリーズを読んできたせいか、彼女が元カレとこっそり連絡取っているのを知ってしまったような気分にさせられ、読み終わった後もモヤモヤ感が拭えません。 下手な寝取られもののエロゲーをプレイしたあとよりもダメージが大きいため、寝取られ耐性がない人には辛いかもしれませんね。 まあ、私のように二次元でアトリエさくら作品を嗜み、三次元でも寝取られを経験したエリートネトラレイヤーにとっては、このモヤモヤも心の奥の疼きもご褒美以外の何物でもありませんが(`・ω・´)キリッ (閑話休題) さて、この恋物語は<物語>シリーズセカンドシーズンの最終巻ということでしたが、囮物語から続くラスボスとの対立こそ一応の決着をみましたが、<物語>シリーズ自体の決着=黒幕との対決は果たされず、多くの謎と伏線を残したまま幕を閉じることになります。 セカンドシーズンのあとも<物語>は続くんだろうなぁと予想していただけにこれは想像の範囲内。 案の定、巻末で<物語>シリーズファイナルシーズンと銘打ち、「憑物語 第体話 よつぎドール」、「終物語 第完話 おうぎダーク」、「続終物語 第本話 こよみブック」の三作品の刊行が予告されています。 タイトルを見る限り、終物語で本編完結、続終物語でエピローグといった感じになるのでしょうか? …なんて予想をしていると、あえてその予想を覆すような物語を紡ぎ出すのが西尾維新という作家ですから、発売を座して待つしかなさそうですね(苦笑 最後に総評。 奇襲的な始まり方ではありましたが、暦が語り部のときのような度を越した脱線をすることがなく、物語の内容だけで勝負した正攻法なストーリー構成。 それでいて語り部・貝木泥舟の巧みな話術により、キャラ同士の会話も楽しめたため、純粋な“物語”としての面白さはセカンドシーズンでも屈指の出来だったと言えます。 また、キャラについても、指名料1万円の不人気キャバクラ嬢撫子、初対面の男をホテルに連れ込むビッチ羽川、初恋を引きずり情緒不安定気味なちょろいひたぎなど、既存のヒロインたちの新たな面が垣間見え、なかなかに楽しめた一冊でした。 |
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