ライトノベル まよチキ!1〜12 レビュー

まよチキ! (MF文庫 J あ 7-1) タイトル まよチキ!112
レーベル MF文庫J
著者 あさのハジメ
イラスト 菊池政治
発売日 2009年11月25日〜2012年7月25日
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評価


レビュー
「だから……アタシはあんたの本当の家族になりたいっ。本当の家族になれば、ずっと一緒にいられるからっ」

クラスメイトの涼月奏に執事として仕えている美少年・近衛スバル。
ふとした事故により、俺はスバルの秘密を知ってしまう。
華奢な身体。かすかに漂う香り。 掌に吸い付く柔らかい感触……
って、こいつ女の子だったのか!?

「ボクはおまえの記憶が飛ぶまで殴り続ける。それが執事の記憶消去術だ」
「その方法に執事は関係ねえだろ!」
どうやら彼女は家庭の事情とやらで、女の子であることがバレると執事を辞めなくてはいけないらしい。
そんな中、奏はスバルの秘密を守ることと引き替えに、ある協力を俺に申し出てくるが……?
第5回新人賞〈最優秀賞〉受賞の学園執事ラブコメ!
(OHP1巻あらすじより抜粋)

表紙につられて発売当初に1巻を買ったものの、レーベルが萌えありきのMF文庫で、ヒロインが男装執事のラブコメといういかにもイロモノの臭いがプンプンしていたため、「どうせただの萌えラノベだろ」という色眼鏡で見てしまい、長いこと積んだまま放置していたのですが、暇つぶしも兼ねて読んでみたら予想以上に面白く、深夜に本屋へ走り最終巻まで買い揃え、最後まで一気に読んでしまいました。

ストーリー的にはベタな展開が多いんだけど、ヒロインたち(特に最後に選ばれないヒロインたち)が非常に良いキャラしてるので感情移入しやすく、読んでいてニヤニヤさせられる場面が多いんですよね。
純粋にラブコメ部分だけを評価すればラノベでは5指に入るラブコメと思ってます。

タイトルの“まよチキ!”は“迷える執事とチキンな俺と”の略。
メインヒロインはとある事情から男装して学園に通っている執事の女の子・近衛スバル、主人公は女性恐怖症のチキン野郎・坂町近次郎(通称ジロー)というようにタイトル通りの配役になっています。


ひょんなことからジローがスバルの正体(女性)を知ってしまい、スバルの主・涼月奏と、“スバルの秘密を守る見返りにジローの女性恐怖症を治す手伝いをする”という協定を結ぶところから物語が始まり、3人で秘密を共有し学園生活を過ごす中でスバルとジローはお互いに惹かれ合うようになるんですが、二人の関係を温かく見守っていたはずの奏もいつしかジローに惹かれていってしまいます。

そして奏が自身の恋心を自覚し始めた矢先、スバルからジローを好きだという相談を受けて二人の恋を応援する役回りを演じることを決めた瞬間から、少しずつ彼女たちの歯車が狂い出していくことになります。

自らの気持ちを抑え込んでまで自分の従者の幸せを願って奔走する奏が最高にいい女なんですよね。彼女の心中を慮ると思わず目が潤んでしまいます。
この序盤で一番愛おしく思えるキャラは間違いなく奏だと断言できます。

そんな奏の献身の甲斐もあり、スバルとジローは距離を縮めていくんですが、二人が恋人になるのは時間の問題というところで、スバルが奏の気持ちに気付いてしまい、三人の関係がギクシャクしていく──というのが中盤までの流れ。

奏とスバル、お互いのことを想い合う主従の姿は心地よい気分にさせてくれるだけに、同じ人を好きになってしまったことで苦しむ姿は見ていてとても切なくなりますね。


この三角関係だけでもラブコメとしては十分合格点を上げられるんですが、この作品にはもう1人ヒロイン格の少女おり、この3人目の存在がこの物語をもう一段階上のレベルに引き上げています。
そのヒロインの名は宇佐美マサムネ、私がこの作品で最も魅力的なヒロインと思う少女です。

マサムネは3巻から登場するんですが、登場当時はいかにもツンデレのテンプレ的なキャラといった感じで、正直なはなしあまり魅力を感じませんでした。
しかしながら、巻を重ねるに連れて彼女がジローたちに心を開き始めると魅力が加速度的に高まり、終盤に入る頃(8巻以降)には「この物語の結末はマサムネエンド以外考えられない!」と思うほどになります。
冒頭に書いたように序盤〜中盤にかけては奏の可愛さが目を引くのですが、終盤以降はマサムネの独壇場と言っても過言ではないくらい破壊力が凄まじいんですよね。

11巻でジローが某ヒロインに告白することになるのですが、それでも最後にはマサムネエンドになると最後の最後まで私は信じてました。
…心の底から信じてたんです(´;ω;`)

や、ホントこの物語がマサムネエンドにならなかったのは時間が経って冷静になった今でも理解できませんね。
家族の愛情を受けることなく育ち、誰も信じることができず心を閉ざしていた少女が、生まれて初めて信頼できる少年と出会って恋に落ちたんですよ?
そんな彼女が9巻ラストにはこんなセリフで告白してくれるんですよ?

「今日一人ぼっちにされてわかったのっ。アタシは……あんたの家族としてずっと傍にいたいっ」

「だから……アタシはあんたの本当の家族になりたいっ。本当の家族になれば、ずっと一緒にいられるからっ」


よし、今すぐ婚姻届を出しに行こうっ!(本気

(閑話休題)

奏とスバルは例えジローにフラれても、将来別の相手と幸せな家庭を築く姿は容易に想像できるじゃないですか。

でもね、マサムネはジローじゃないと絶対幸せになれないって確信できるじゃないですか。
結局家族とは和解することが出来ずに絶縁してしまったし、数少ない友達もジロー絡みがほとんどだし、おまけに住んでいたマンションからも追い出されるんですよ?

そんな少女の恋を実らせないとか鬼畜にもほどがあるだろドチクショー!!!。・゜・(/Д`)・゜・。ウワァァァァン

それでも「家族がほしい」という少女のささやかな願いがラストで叶えられたのは不幸中の幸い。
マサムネ以外のヒロインが選ばれた未来にあって、(マサムネにとっては)これ以上ない結末と言えるので、かろうじて折り合いを付けることはできました。

正直マサムネを選んでくれたら、例えどんなご都合主義の糞エンドだったとしても、これ以上に満足していた自信はあるくらいジローが選んだヒロインがマサムネじゃなかったことには忸怩たる思いがあるんですが、どんな結末であれ四角関係に決着を付けて終わったのは好感が持てます。

やはりラブコメは決着を付けてこそですからね。
10巻以上も続けた挙句、誰も選ぶことなくハーレム状態のまま終わるという読者をバカにしたような結末を迎えた某電撃文庫の某ラブコメに爪の垢を飲ませてあげたいですわ。
確かあっちの方が巻数は多かったはずなのに…

(閑話休題)

ここまで奏やマサムネといったヒロインにスポットを当てて話してきましたが、鳴海シスターズ、坂町妹、近衛パパなど、ヒロイン3人以外にも魅力的なキャラがいるところもこの作品の魅力の一つ。

特に鳴海シスターズの姉・鳴海シュレディンガー(通称シュレ先輩)は登場回数こそ少ないものの残したインパクトは強烈の一言。
四角関係に悩むジローの背中を押す言葉をさらっと言ってのけるシュレ先輩のかっこよさには思わず濡れてしまいました(*ノノ)キャッ

シュレ先輩は学園最強の強さを誇るなど武闘派として名を轟かせる一方で、妹思いで後輩思いな幼女体型の先輩という側面も持っており、まさにギャップ萌えを体現したようなキャラなんですよね。
同性からはモテるのに異性からは恐れられてるせいで男慣れしてないところとか、褒められるとすぐに赤面しちゃうところとか、弄れば弄るほど魅力が出てくるタイプのキャラだけに、もう少し出番があれば奏やマサムネに匹敵するヒロインとして人気を博してもおかしくはなかったと思います。
これがエロゲなら「ファンディスクでシュレ先輩を攻略対象に!」って声が間違いなく挙がっていたはずです(笑


最後に総評。
あまりにも語りたいことが多かったため、長々と駄文を書き連ねてしまいましたが(※これでも推敲の際に4割くらいカットしてます)、結論を言えば
マサムネちゃんマジウサギ(//∀//)
ってことです。
読めばわかります><

ラブコメとしてはかなり上質な部類に入るので王道的なラブコメ好きには全力でオススメします
今年(2012年)の7月に完結したばかりの作品なので、読み始めるにはちょうどいいタイミングじゃないでしょうか。
この作品が本当に面白くなってくるのはマサムネの魅力が発揮され始める4巻以降なので、これから読み始める人は6巻くらいまでまとめ買いして読んでください。


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