ライトノベル 憑物語 レビュー

憑物語 タイトル 憑物語
レーベル 講談社BOX
著者 西尾維新
イラスト VOFAN
発売日 2012年09月28日
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評価


レビュー
「いやあ、いいなあ。人が真っ当に成長する姿を見るのは。成功譚よりも成長譚のほうが私は好きですね。たとえ失敗しようと、それで人間的に成長できるのならば、ストーリーってのはそれでいい気がするんですよ」

“頼むからひと思いに──人思いにやってくれ”

少しずつ、だがしかし確実に
「これまで目を瞑ってきたこと」を清算させられていく阿良々木暦。
大学受験も差し迫った2月、
ついに彼の身に起こった“見過ごすことのできない”変化とは……。
<物語>は終わりへ向けて、
憑かれたように走りはじめる──

青春に、別れの言葉はつきものだ。
(OHPより抜粋)

終幕へのカウントダウンが始まる第体話「よつぎドール」を収録した<物語>シリーズファイナルシーズン第一作。

今回のヒロインは童女こと斧乃木余接。
端役として再登場したとき(幼女と童女と少女が一堂に会したとき)とは違い、今回は物語にがっつり絡んでくるため、彼女を使役する影縫余弦も当然のごとく登場します。

不死身の怪異の専門家である影縫さんは暦と忍にとっての天敵とも言うべき存在のため、彼女が登場した瞬間から空気が一変、まさに一触即発といった感じの緊迫感がひしひしと伝わってくるんですよね。
ここからは怪異を語る話に相応しい非日常が最後まで続くことになります。

前半はコミカルな掛け合いばかりで中盤以降シリアスな話に入っていくというパターンは毎度のことですが、影縫さんの登場のおかげで今回はいつも以上にその落差が大きかったように思えますね。

なにせそのシーンに至るまでは、人はなぜ目覚まし時計に嫌悪感を持つのかについて8ページ近くに渡り延々と語ったり、火憐ちゃんの足を舐めたり、月火ちゃんと一緒にお風呂に入ったり、月火ちゃんをキスで黙らそうとしたり、上半身裸の月火ちゃんを抱き締めながら耳元で囁いたりなど、日常的なシーンが描かr…

あれ?今回前半部分も日常的なシーンが一切描かれてなくね?(汗

…きっと僕らが生きる日本と違って阿良々木ハーレムでは実妹と性的な行為に及ぶことは日常茶飯事なんでしょう。
だから日常パートってことにしておきましょう(遠い目

(閑話休題)

忍野メメの姪を自称する忍野扇が登場してからというもの、暦を取り巻く運命の歯車が軋み始め、「囮物語」では取り返しのつかない出来事まで起こるようになりました。
以降、これまで暦が手にしたものが次々と失われていく話が続きましたが、今回のエピソードでは暦自身の身に取り返しのつかない変化が起こると同時に、彼の近しい人たちにも危険が及ぶ出来事が起こり、その結果1人の命が失われることになります。

精神的なショックの大きさという点では「鬼物語」には及びませんが、実質的な被害の大きさという点では今回の方が大きいと言えるだけに、ことシリアスさにかけてはシリーズ最高と言っても過言ではないでしょう。

それでもセカンドシーズン終盤のように重苦しい雰囲気のまま終わるのではなく、このぬるま湯のようなかけがえのない日常が続くことを予感させる前向きな終わり方をしてくれた点は大いに評価したいところ。
<物語>シリーズの日常パートで繰り広げられるキャラ同士の小気味よい掛け合いに魅せられた一人としては、もう少しだけこの作品の持つ騒々しくて楽しげな雰囲気に酔っていたいですからね。


個人的な感傷はさておくとして、今回のエピソードのハイライトは何といっても暦と一連の出来事の黒幕と思われる忍野扇の会話になるでしょう。
目の前に見えるすべてのものを守るためなら例え“歪”なものでも是とする暦と、“正しさ”に固執しねじ曲がったものを正すためなら犠牲が出ようとお構いなしの扇、対照的な価値観を持つ二人の会話は強烈に印象に残りました。

扇の主張の正当性を認めながらも、それでも自分の意見を言い切った暦はホントかっこよかったなぁ。
こんなセリフが自然に出てくれば、そりゃ阿良々木ハーレムも建国されるわ。


でも私が今回一番衝撃を受けたシーンは、某ヒロインが暦にチョコをあげたときのセリフだったりするんですけどね。
その時の某ヒロインの発言がこれ。

???「はいっ。バレンタインデーのチョコだぞっと」

???「どう?おいしい?おいしい?こよこよ、おいしい?」

???「ふふっ。いえーい」

…このヒロイン、蕩れすぎってレベルじゃねーぞ(ゴクリ

まあ、こんな蕩れ蕩れなセリフを吐くヒロインに心当たりはないので、きっとこの憑物語からの新キャラなんだと思います。
斎藤千和さんの声でセリフが脳内再生されたような気がしますが、きっと気のせいでしょう。
うん、きっとそうに決まってるさ!(現実逃避


最後に総評。
<物語>シリーズのファイナルシーズンの幕開けらしく、暦自身に起きた大きな変化によって物語が大きく動き出すとともに、臥煙伊豆湖や忍野扇といった黒幕的な人物たちの動きも表立つようになり、いよいよ物語の終幕が近づいてきたことが感じられてきましたね。

今回新たに制約が生まれたことで、果たしてどのような形で黒幕と決着を付けるのかますます想像がつかなくなり、俄然続きが楽しみになってきました。

でも私個人の本音を言ってしまえば、この<物語>シリーズにおいてはシリアスな要素の強い物語の根幹に関わる話よりも日常パートにおけるコミカルな掛け合いにより魅力を感じているので、もう少し日常パートに時間を割いて物語の完結を少しでも先延ばしにしてほしいとも思ってしまうんですけどね(苦笑


これで完結まであと2巻となりましたが、次巻のタイトルが「終物語 第完話 おうぎダーク」ということは、次で黒幕との全面対決を描くことになるのかな?
発売が今から楽しみですが、「悲痛伝」を年内に出すらしいので、「終物語」の発売は早くても2,3月になっちゃいそうですね。
「悲鳴伝」が私好みの作品だったので「悲痛伝」ももちろん楽しみなんですが、欲を言えば先に<物語>シリーズを完結させてからにしてほしいなぁ。


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