ニュースレター
獣医東洋医学会 ニュースレター NO.25
獣医東洋医学研究会、事始め
会長 本好茂一
獣医東洋医学研究会は、1993年10月31日、約1年間の準備期間を経て発足にこぎつけました。日本の近代的西洋獣医学教育は1874年、内藤新宿に農事修学場として呱呱の声をあげました。それまでにも獣医療としては、仏教僧の修業から持ち帰った薬草や、鍼灸、経絡などの知識や技法が秘伝として伝えられてきました。1725年、オランダ、東インド会社から派遣されたハンス・ユルゲン・ケイルズが徳川吉宗に献上した、オランダ馬治療の本とオランダ本草の二著が1730年に翻訳されました。しかし、34年も遅れて訳された解体新書のようには広く学ばれることはありませんでした。
東洋各地で育ったインド、チベット、中国などの医療は、新しい西洋医学に押されたまま、葬られそうになっていました。1983年、第22回世界獣医学大会がオーストラリアのパース市で開催された際、マードック獣医科大学で馬の経絡の図(中国の古い掛軸)が目にとまりました。同時に同大学の鍼灸の実習のビデオを拝見し、大きなきっかけとなりました。
古くから伝承されてきた東洋医学の再発掘の必要を感じて機会を待っていました。臨床家が勝手に経験だけをたよりに使用していた漢方獣医療を研究会の場で勉強しながら、検討しようという方々が集まってきました。ところが医学界では、すでに世界的規模でどんどん取り入れたり、実施している現実がありました。
遅ればせながら、獣医療の中でも漢方、中獣医、ホリスティック、フラワーエッセンス、他の伝承獣医療も幅広く活動する人々の輪ができてまいりました。いずれにしても、豊かな獣医療の発展に資することが目的であります。
カウアイ島におけるホリスティックワークショップ
11月2〜4日にハワイのカウアイ島で、獣医ホリスティックワークショップをアメリカ獣医ホリスティック協会の重鎮であるIhor Basco, DVM, CVAとともに実施することになりました。Dr. Bascoはサンフランシスコのベイエリアで獣医師6名、そしてテクニシャンなどのスタッフ18名を抱える大きな動物病院を開業していましたが、1974年から彼の人生を針治療、ホメオパシー、メディシン、そしてオリエンタルメディシンにかけ、彼のホリスティック動物病院をカウアイ島で開いています。Dr. Bascoは来期のハワイ獣医師会長になることが決まっています。またコロラド大学で針治療の講座を来年度から実施することも決まっています。
さて、カウアイ島でホリスティックワークショップを実施する意味は、当地のエネルギーが非常に高く人と動物の癒しのワークショップを行うのにきわめて適していることと、ホリスティック獣医師のDr. Bascoがそこにいるからです。ワークショップの内容は次の通りです。
●フィールドトリップ
カウアイ島の自然の中に入り聖地を訪問
ハワイの薬草の確認
●講義
ペットに対するマッサージ療法
食事療法/ナチュラルダイエット
健康管理の栄養補助食品
アニマルコミュニケーション:3レベル
ハワイの“ソウル”メディシン
動物に対するフラワーエッセンス療法
●シェアーリング
ハワイの祈りの言葉と古代のフラ
ハワイのHo o pono pono:許しによるヒーリングアート
祈りと瞑想
●セルフヒーリング:オプション(完全予約制:別料金)
Lomi-lomiマッサージ
指圧と針治療
ネットワーク・カイロプラクティック
ディープティッシュタッチ
サウンドヒーリング
これらのプログラムは動物を癒す人々の創造性、集中力、そしてヒーリングのエネルギーを動物たち、そして自分自身に向ける能力を高めるためにデザインされています。
参加のお問い合わせは 事務局・鷲巣 誠まで。
第21回獣医東洋医学研究会
日時 平成10年11月15日(日) 10:00〜17:00
場所 日本獣医畜産大学
内容 漢方薬、ホリスティック医学、中医学、その他。
第20回獣医東洋医学研究会報告
去る6月6日、小方宗次先生のご担当により麻布大学において第20回研修会が開催されました。今回は内蒙古農牧学院中獣医教研室の巴音先生に“蒙古獣医学と中獣医学の治療の実際”と題してご講演いただき、また大阪市開業の竹内裕司先生に“インド伝承医学:アーユルヴェーダ”について講演していただきました。
獣医療を行うにあたって、その診断・治療へのアプローチ方法はそれぞれに異なり、生体や生命というもののとらえ方も各々大きな違いがあり、大変興味深い内容でした。
アンケート実施のお知らせ
獣医東洋医学研究会の発足時にアンケート調査を実施し、70数名の会員からの貴重な解答が寄せられました。来年は本会発足5周年目に入りますので、改めて会員全員にアンケートをお願いすることになります。本研究会では漢方薬、中医学、ホリスティック医学、そして伝承療法などの幅広い分野の講演や発表がなされるようになりました。今回のアンケートでは再度会員の実施している治療方法、使用薬物、そして現在の会の方向性などについて幅広く意見を拝聴し、今後の活動方針の糧にするつもりです。後日アンケート用紙をお送りしますので、よろしくお願いいたします。
書籍紹介
Complementary and Alternative Veterinary Medicine Principle and Practice
著者:Allen M. Schoen and Susan G. Wynn, 1998, Mosby
本書は獣医領域で行われている広範囲なホリスティック療法を詳細に紹介したものです。針治療、漢方薬、ホメオパシー、アロマテラピー、フラワーエッセンス、栄養管理、身体療法、エナジー医学など、実に多岐にわたったホリスティックの治療方法が詳細に記述されています。各分野の専門家がそれぞれのセクションを担当しており、アメリカにおける現状が把握できる素晴らしい内容です。Dr. Schoenはニューヨーク・アニマル・メディカルセンターで針治療を行ってきた獣医師で、針治療を西洋医学的にアレンジして、われわれが十分に理解できるような内容になっています。また、栄養管理面ではさまざまな栄養補助食品の効用が詳細に解説されています。東洋医学、ホリスティック医学に興味のある人の必須の教科書となる本です。
![]()

