「旬の会」 藤 丹精先生の主宰する俳句の会
「旬」(しゅん)の人が集まって飲み食い、俳句を楽しもうという会です。
Tadani kouhei Homepage
行く年や 捨てたい夢が 降り積もる
持ちきれぬ 哀しみありて ケシボウズ
ありがとう 終わりの言葉 冬の月
狂いぬくこともできずに 木の葉雨
獅子舞の 中にもう一人の 我がいる
油蝉 やみくもに泣くしかなくて
夕方の 風道しるべ 彼岸花
甘茶佛 ピカソの空を 指してをり
梅雨明ける 一本のクレヨンで塗り
初霜や さみしさの扉 封印す
氷菓子 カリリと噛みし別れかな
厳島 引き潮残し 櫻貝
抱擁の 余韻海の薫 夏ツバメ
桜ひとひら 涙の位置に 止まりけり
ラムネ玉 鳴らして風の 泳ぐ空
君なくて 叩いて歩く アセビ花
冬の星 大事な人を しまいこむ
柿の花 子連れの猫が アトリエに
市電行く 10分ほどの 恋を乗せ
さみしさを たたみ抱きしむ 冬の星
桜咲く くらき旧家に 靴を脱ぐ
爪を切る 母の背に 春ショール
金色の リボンを解く 蛤絵
赤く 紅く赫く 楓燃ゆ
指切りを 忘れてました 水引草
クローバーは 星の言葉で 語りかけ
しずり雪 ごめんと君は 顔のぞく
クリスマス 会話途切れし 受話器かな
助手席に 香り残して 月隠れ
風離し ゆらりゆらりと 稲たれる
青きかぜ バラの匂いの 息をする
ひょいと キリンが食べる 雲若葉
暮れる街 裸電球 冬灯り
書初めや 一本の線 したためて
去年の酒 新年の酒で流しる
入道雲古き寓話よみがえり
真っ青な 空に恋した 凌霄花
大欠伸 残して金魚 反転す
ノックなく通り抜けたる恋の猫
夏木立 大空と肩並べけり
初湯殿 しあわせという 時を止め
昼の月 泣かない君の ブランコ揺れ
洗い髪 束ねて風を 招き入れ
誰ひとり 見ていない 夕月夜
春潮に 朱を立ち上げる 大鳥居
冷素麺 一本漂ふ カーテンの夜
蛍火や つらぬくことの できぬ恋
シャワー浴ぶ 愛していない 愛してる
たかが恋 されど恋やと 蚊をたたく
哀しみが 産声上げる 夜長かな
鬼灯や 恋しき文の 現れり
月の夜は 碧き吐息の 櫻貝
頬杖の 瞳の中の 金魚かな
蟻の空 キリンの空と ひとつなる
君がいる ことの幸せ 蜆汁
東風吹くや 秘かな恋の はじまれり
雛の夜 青白きメール 点滅す
おくれ髪 ひとすじ残す 残暑かな
なにごとも なかったように 歳が明け
小春日和 釣りする子らの 大欠伸
シャボン玉 パチンと日差し弾けたり
恋ふ胸に マンゴーの陽 落ちてゆく
半夏生 束ねし髪の 細くなり
青鬼灯 打つ雨の音 恋予感
君は何も言わずにアイスクリーム