印 章は芸術品でなく、実用品である。
よって私も芸術家でなく一職人である。
しかし、この職人が この国から姿を消そうとしている。
いや消されると云った方が正確であろう。
手で彫った美しい印章よりも コンピューター彫刻機で
削られた安物を買うことを 美徳と考えた人たち、
消費の常識に犯されたこの国・・・・
それによって長年の修行の末に身につけた腕を
振るえなくなってしまった。
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印章は人生の大切なパートナーであり、あらゆる持ち物の中で
もっとも大切な宝器である。
これを百歩譲ってすばらしい文字を得て、よい判下を書けたとしても、
これをスキャナーで読み 彫刻機 で彫れば、
気迫と気品は生じる筈もなく、平々坦々とした凡作に終わる。
これを人生のパートナーとして
重要な契約、高額商品の購入 に使えるだろうか。
印刀を正しく研ぎ、これでよしとするまでには三年。 刻技にまた五年。 文字を自由に変化応用出来るのは 十年以上であり、 しかもその道は無限につづく。その道を 私はあえて歩んでいる。
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