北海道産の新そばが出始める,そば好きにはワクワクする季節となりました。
今回は,玄そば(そばの実)がそば粉になるまでを紹介します。
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玄そば
(ソバの実)
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そばの実を石臼か何かで挽けばそば粉が出来ると思っていらっしゃる方もいるかもしれません。それも間違いではありませんし,実際そば粉は出来ます。
一般的には以下のような手順で製粉されそば粉が出来ます。

■ 玄そばの購入
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玄そばや碾いた粉を保管する冷蔵室です。(みなみ製粉さんの工場で撮影)
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そばは農産物,生き物です。気象条件等によって出来が違ってきます。
集荷された玄そばは等級選別が行われます。北海道の場合5段階に選別され,等級によってそれぞれ市場で価格が決定されます。この価格は日経新聞にも載るのでご覧になった方もいらっしゃると思います。
こういった価格を参考に農家と直取引する庭先取引や農家が直接小売りする直売もあります。一般の方の中には北海道産,国産なら皆同じと考えている方もいらっしゃる様ですが,その中にも出来の良し悪しはあるのです。今年良いそばが取れたから来年も良いそばが取れるとは限りません。
あるそば粉屋さんは,年によってそばは違って当り前,畑一枚違えば,違って当り前といっていました。農業技術者の中には同じ畑でも場所によって出来が違うのは珍しくないという人もいます。
良い玄そばを仕入れるには,選別されたものをさらに見極める目と生産地の情報と生産地の人との信頼関係が必要です。
■ 磨き
一般的には玄そばは45sを一袋にして取引されます。この段階では,葉っぱや草,
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(みなみ製粉さんの工場で撮影)
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砂や小石などのゴミが混ざっていることがあります。これを取り除いて玄そばの殻についている汚れを取る工程を磨きあるいは石抜きといいます。今は機械化されゴミを取る精選と汚れを落とす研磨をいっぺんにできます。
■ 抜殻
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(みなみ製粉さんの工場で撮影)
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抜殻とはソバの実の殻をむくことです。
玄そばをそのまま挽く場合もありますが,それでは,殻を取り除くための篩いが必要で,殻の厚みの分,臼が浮くので製粉能力が落ちたりします。
直径の小さい臼なら2度挽き,3度挽きすれば,いわゆる田舎そば粉として風味豊かなそば粉になるのですが,そば粉屋さんの大きな石臼ではそれもできないので,ほとんどの場合殻をきれいに剥きます。
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丸抜き
(殻をむいたソバの実)
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殻を剥いたそばを丸抜きといいます。自家製粉をするそば屋さんでは,多くの場合これを製粉工場から仕入れています。よっぽど大きな店でないと磨きや抜殻するための機械を置くスペースがとれないとか、機械の騒音問題などがあるからです。
■ 選別
抜殻したものの中には割れたものや
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(みなみ製粉さんの工場で撮影)
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,殻が取れなかったものが混ざっていることがあります。これを取り除く工程です。ホシのないきれいなそば粉になります。
そば粉屋さんによっては,選別を省略したり,わざと1〜2割殻付きの玄そばを混ぜて製粉して香りや風味の強いそば粉にする場合もあります。
■ 製粉
製粉方法としては胴搗きと
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(みなみ製粉さんの工場で撮影)
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かもありますが,一般的には石臼製粉とロール製粉が主流です。よく巷間語られる石臼製粉が優れているまたは,ロール製粉が不味いとする説は粉体工学の権威である三輪茂雄先生の著作から引用,転用です。
三輪先生はその幾つかの著書で高速ロ−ラーによる粉焼けを指摘し,熱変性のもとになる破砕熱を計算で求め,さらに実測したうえで,生産性重視の高速回転から品質重視の低速回転を推奨されています。
本当にロール製粉がわるいのでしょうか?三輪先生の著書の中には以下の記述もあります。
「現在のロール製粉は十九世紀にヨーロッパで種々の試みが行われた結果である。そして二つのロールが同時に回転する現在の方式が生まれた。スパイラルはロールの長さに対する円周上でのねじりのパーセントで表わし,6〜10%が普通である。低速ロールと高速ロールの組み合わせ速度比は1〜2である。二つのロールは僅かの間隔を保って運転され,ぶつかり合うことはない。そして高速ロールと低速ロールの回転速度の差により石臼と同じ原理で粉砕される。この速度差は毎秒1メートル以内に設定されるから,普通の石臼とほぼ同じ粉砕が行われているわけだ。したがってロール製粉と石臼製粉に粉の性質では差はない。むしろロール製粉の方が精密な原料供給速度の調節が行われ,サニタリー設備も整っているので安心できる。」
※ 抜粋するとき縦書きを横書きにしたので,漢数字をアラビア数字にするなど一部表記を変更しました。 |
どうも,ロール製粉の弊害を指摘した部分だけが独り歩きしているようです。ロール製粉が悪いと思い込んでいる人,ロール製粉より石臼の方が良いということにしたい人は,まず結論ありきで自説に都合の悪いところは引用したく無いようです。
ただし石臼で碾いたほうが高く売れるので,より上等な玄そばを石臼製粉のほうにまわし,等級の低い玄そばをロールにまわすような傾向はあるようです。味に違いがあるとすれば,製粉方式の違いというよりは,原料の違いによるところが大きいのではないでしょうか。
三輪先生は石臼であっても円周速度は毎秒1メートル以内にするべきで,それ以上だと風味を落とすことも指摘されています。
■ ふるい
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写真がブレているようにみえますが,はげしく振動して粉をふるっているからです。(みなみ製粉さんの工場で撮影)
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挽いた粉を篩(ふるい)にかけます。
60メッシュが標準です。
サナゴをどの程度取るかで味,風味が違ってくるので,総仕上げ的な重要な工程です。
45sあった玄そばは,最終的には25s前後のそば粉になります。
- メッシュとは,ふるいの目の大きさをあらわす単位です。数字が大きくなるほど目がこまかくなり,きめ細かな粉になります。
- サナゴとは,ソバの実の米でいえばヌカにあたる部分です
■ 取材協力感謝
このページを作るにあたりまして,みなみ製粉さんにご協力いただきました。この場を借りまして感謝もうしあげます。
みなみ製粉さんは札幌郊外の自然豊かな山の中にある小さな(ごめんなさい)製粉工場です。でもほんとに,うっかりすると気付かず通り過ぎてしまいます(行くときには気をつけてください)。
素人さんにもそば粉の小売りをしているそうです。くわしくは電話でご確認ください。
| みなみ製粉株式会社 |
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電話:011-591-1429 |
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場所:札幌市南区石山612(地図をごらんください)
地下鉄真駒内駅からじょうてつバス石山六区行き
六区中央バス停下車
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