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どこのそば屋さんでも売れ筋トップは天ぷらそばではないでしょうか。天ぷらそばには、なぜか注文してしまうふしぎな魔力があるようです。今月はそんな天ぷらそばについて調べてみました。
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てんぷらとそばの出会い
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天ぷらそばがいつどこで生まれたのか調べてみましたが、結局わかりませんでした。
江戸時代はそばも天ぷらも屋台で食べることが多かったので、そばの屋台でかけそばを食べていた客が、となりの天ぷら屋台から天ぷらを1つ買ってそばにのせてみた、みたいなことがあったのかもしれません。
どこのなんというそば店が始めたのかわかりませんが、江戸時代にたくさんとれて安かった江戸前の芝海老をかき揚げにしてみた、そしてそばにのせてみたのが始まりのようです。
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エビについて
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■ 芝海老
10センチ〜12センチの小型のエビで、体色は灰色。江戸時代には東京湾でたくさんとれました。
幕末の守貞漫稿という本にも、そば屋の天ぷらは芝海老と書かれており、最初の天ぷらそばは芝海老のかき揚げだったようです。
今でも東京の老舗のおそば屋さんなどでは、芝海老の殻をむいてかき揚げにして、天ぷらそばにしているお店もあります。
■ 車海老
エビのなかで最高級とされているのがこの車海老です。クルマエビ科のエビで白と焦茶色のシマ模様です。ほとんどが国産で天然ものも養殖ものもあります。値段は需給で決まるためか、常に天然のほうが高いというわけでもなさそうです。
大きさは25センチくらいのものもありますが、天ぷらには小振りなほうが甘味があって美味です。9センチまでをマキ、さらに小さい6センチまでのものをサイマキといい、どちらも高級天ぷら店で使われています。
しかし車海老だったら絶対にうまいのかといえば必ずしもそうでもありません。以前ためしに中国産の車海老を買ってみたのですが、ブラックタイガーよりまずくて使い物になりませんでした。
逆にオーストラリア産の車海老(正確にはクルマエビの近縁種)は国産よりもおいしいと私には感じられました。しかし残念なことに、オーストラリア産車海老は今ではほとんど手に入らなくなってしまいました。
■ ブラックタイガー
最も多くのそば屋さんで天ぷらそばに使われているのが、このブラックタイガーです。東南アジアなどで養殖し冷凍で輸入されています。ブラックタイガーというのは流通上の名まえであって、生物学上の種名ではありません。
輸入冷凍海老は黒っぽいブラックタイガー、白っぽいホワイトタイガー、茶色っぽいブラウンタイガーなど、エビの色でおおざっぱに分類されいて、生物学的に何という種類のエビなのかあいまいな状態で取引されるのが普通です。
ちなみにブラックタイガーなどの輸入冷凍えびは、1箱4ポンド(1.8kg)単位で販売されています。エビ1匹のサイズは1ポンド(450g)あたりのエビの数で表示されます。ですからサイズの数字が大きくなるほど小さいエビということになります。
■ 大正えび
いまではめったにお目にかかれないエビですが、かつて昭和の時代には天ぷらそばの主役でした。その正体は渤海湾から黄海の中国沿岸に生息するコウライエビです。大正えびの名前の由来は、大正時代になって大量に採れるようになったからだとも、大正組という水産会社が漁獲していたからだともいわれています。
クルマエビ科のエビですが、色は白っぽくてシマ模様はありません。大きさは15〜27センチです。
今でも大正えびを使用しているお店もあるようですが、なかにはそっくりなインド洋や南太平洋産のホワイトタイガーを、大正えびと勘違いして仕入れておられるお店もあるのかもしれません。エビ屋さんの世界ではホワイトタイガーを大正とよぶ慣習があるそうですので、そういうことも無理からぬことなのでしょう。
■ バナメイ
南米に生息する芝海老に似た小型のエビです。主に中国で養殖されていて冷凍むきえびで輸入されています。まだあまり一般消費者には知られていないようですが、値段の安さから食品メーカや外食産業での使用が増えています。冷凍食品やコンビニ弁当に使われているむきえびはほとんどバナメイだと思われます。そばの世界でもかき揚げそばに使うお店が増えています。
■ なにが本当の海老の味なのかわからない?
ところで最近の海老、妙にプリプリしているなと感じたことはありませんか。これもはっきりとしたことはよくわからないのですが、エビをプリプリにする添加物(ポリリン酸など)を使っているらしいのです。そしてかすかに舌にまとわりつくような旨味。これもアミノ酸(化学調味料など)を添加して旨味を増しているようです。
添加物を使っておいしくなるんだったら、それはそれでいいじゃないかというご意見もあるでしょうが、人工的に作った味を海老本来の味だと勘違いするかたが増えるのではないでしょうか。それもちょっとさびしい気がするのです。
添加物で作られたニセモノの味が、「この海老プリップリッでおいしい!!」ともてはやされ、本物は嫌われているという現実が、1杯の天そばにもあるのです。
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油と衣
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てんぷらといえば、なくてはならないのは油と衣ですが、有機化学や物理がからんできますので、少々ややこしい話しになりそうです。ということで油と衣については次回に。
てんぷら2へつづく |