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毎月第一金曜日
代官山Bar Stellar
23:00 open
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RESIDENT DJ
Die
NOBU SAKAI
s.A.T.o.

with special food!

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奇数月第二金曜日
吉祥寺BAR DROP
22:00 open
2000yen 1drink

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飯田和敏
佐藤譲
マル
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サガラノブヒコ
坂井ノブ
吉岡たく

VJ
久保田テツ

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interview
Riow Arai interview


アンダーグラウンド/オルタナティヴなダンス・シ−ンの中で今、抜群の個性を放っているのがRIOW ARAIだ。かなり変わっている音だと思う。ベースもウワものも極端に少なくて、カットアップされた細かいリズムが独自のセンスで組み合わされ、いびつに、リズミックに、ユーモアたっぷりに、踊らせていくのだ。ストレートなのにどこか奇妙でつんのめったビートが身体の中を切り裂いていくように駆け抜けていく。まるでロンドンから東京に越して来て心身ともに江戸っ子になったクラブシーンに巣食うジャック・ザ・リッパーがゲラゲラ世界中のビートを切り刻んで遊んでるみたいな。なんつーか僕らの、東京発のコールドカットの登場を予感させる痛快さがあるのだ。中でも今回リリースされる最新作『rough machine』では、彼の中のハードな面が全面に出されていて、その乱暴さから溢れるエネルギーは迫力満点。冒頭の耳をつんざくノイズでキマりまくることだろう。というわけで東京が生んだオリジナル・ビート・クリエイターに話を聞いた。




宅録世代が生み出した。カットアップ・ハード・ブレイクス

●はじめまして。よろしくお願いいたします。『Rough Machine』はARAIさんの攻撃的な側面が非常に出た作品だと思うんですが、今作を作るに当たって何か特別な背景みたいなものはあったんですか?
「前作からのスタイルの延長なんですけど、意識的に変えたというのはないんです。いつも使ってるサンプラーが壊れたりして、それを復活させるのに時間を取られたので、気分的に作るときはシンプルに難しく考えずに、煮詰まらずに作っていった感じだったんですよね」

●攻撃的になったっていうのは自分の中であったりするんですかね?
「その辺は分からなくて、自分のスタイルの中で新曲っていう意識でやるんですけど、それがいつもとどう違うのかっていうのはなくて、新曲として作った感じですね。あとはリバイアスにレ−ベルが変わって、よりブレイクビーツっていうものに意識的になっている感じはありますよね」

●アブストラクトなものではありながらも、ベースになっているのはブレイクビーツですよね。元々音楽的なルーツはヒップホップなんですか?
「いや、違います。元はYMOとか聞いていてシンセ買って宅録をはじめた世代なんですよ。それをやりつつバンドもやったり、普通にロックをやってましたね。僕はバンドではドラムをやってて、家に帰ると打ち込みをしているみたいな感じでした。結局宅録でやっていた音がどんどん変化していって今に繋がっている感じですね」

●そうした打ち込みとロックって部分はARAIさんの中でどんな風に混ざっているんですか?
「自分の中では共存しているものですね。リズムの追求とかそういのはあると思います。96年にフロッグマンからレコードを出したんですけど、それはテクノっぽい音。サンプリングも使ってますが、アンビエントな感じもあって、今作のような感じではなかったですね、当時は」

●そうだったんですか。
「そのあとに、スープディスクというレーベルからレコードを出したんです。そこはテクノのレーベルではないし、僕もテクノのレコードを出したいわけではなかったんで、ブレイクビーツやドラムンベースをやりつつ、サンプリング中心のサウンドに移行していって、今のスタイルが確立されてきた感じです」

●じゃあ、そのブレイクビーツはどのタイミングでARAIさんの中に入り込んで来たんですかね?
「ブレイクビーツ自体は80年代にジェイムス・ブラウンとかが再評価されて...レアグルーヴの復活ですよね。そういった流れが出てきていて、サンプリング自体はやっていたのでそれで入っていったと。ブレイクビーツという言葉が当時はあったかどうかは分からないですけどね。今みたいなヒップホップDJ的な作り方という感じではなかったですけどね」

●ざっくりとした記憶だとヒップホップがUKに輸入されてコールドカットがエリックB&ラキムをリミックスした辺りからブレイクビーツって言われ出した感じがしますね。ヒップホップDJ的な作り方じゃないというのは?
「やっぱり最初はシンセサイザーを目の前にして、普通に作曲みたいなことをやっちゃうんですよね。コードやメロディとか。そういうのに限界を感じていたんですよ。作曲作曲って感じが辛かった。そうやって作ると結局普通のポップスとか映画音楽とかコマーシャル音楽みたいにある程度決まった形にしかならない。当時はもちろんエレクトロニカなんて言葉は存在しないし、アブストラクトな世界というのもまだまだでしたし。ビートものやアンビエントとか色々なサウンドが出てきて、海外の情報もありつつ、色々な道が自分の前に出来てきたわけですよ。だから色んなものがグチャグチャになっちゃって。で、やっぱりメロディよりはビートを作ってた方が自分にとっては自然なことだったんですよね」

面白いこと、面白くないこと

●なんでまたそういうメジャーなサウンドがダメだったんですか?
「数年前だとウワものを付けたりしていたんですけど、それがまず面白くない。かっこよくないと。チャラい感じがしたんですよね。サンプリングの質感とデジタルシンセもアンバランスだし。メジャーっぽいサウンドではあるんですけどね。例えばピアノの音自体はデジタルシンセのピアノの音使うとダサい。逆に60年代の音の質感で作るとなると、サンプリングが便利なんですけど、フレーズが限定されちゃって自分の思うようなメロディが作れなくなってくると。僕にとってはドラムをサンプリングするのとウワものをサンプリングすることっていうのは同じことなんです。だからリズムを組み立てるのと同じ感覚でウワものを作るようになってくるんですよ。エディット感覚というか。普通はウワものをサンプリングしてビートを1小節分作って、はめていくって基本的なやり方があるんですけど、それが面白くなかったと」

●面白くないというのは?
「なんかロング・サンプルでワンフレーズ・ループっていうのが退屈だったと。それはあまりに借り物すぎるし、面白くないし、何もで出来ないんですよね。それでサンプルの長さがどんどん短くなっていったんです。そうした短いサンプル・フレーズを鍵盤にアサインして音階をつけると、メロディってほど柔軟なものではないんですけど、リズムに音階が出来てきてメロディらしきものが生まれてくる訳なんです。そうやってスタイルが出来上がっていったんですよ」

●それってARAIさんの意識や気持ちはともかく、後にアブストラクトと言われるようになってくる音楽ですよね。
「そうですね。アブストラクト・ミュージックが90年代後半に出てきたじゃないですか? だからそれと一緒にされることがやっぱり多かったですね。ダウンビートは好きだったんですが、僕の中ではそういう意識はなかったんです。DJクラッシュとかも通ってないし。ヒップホップだったらビートを作ってラップとか乗っければ曲は完成するんですけど、インストでどうやって聴かせられるかなっていうテーマもありつつ、そうした流れの中でサンプルの長さを短くして、音階をつけたりビートを組んだりっていうトラックメイキングが長いスパンの中で出来ていったんですよね。ちなみに二枚目は『Circuit'72』なんですが、この作品ではドラムンベースみたいなこともやっていて、その次に『Beat Bracelet』『Mind Edit』があって現在のサウンドが確立したって感じですね。当時はドラムンベースが来てて僕もそういうサウンドもやってたんですけど、『Mind Edit』以降はそういうのもなくなっていった。で、ドラムンベースの次は2ステップやビッグビートだったんですけど、そこにはもうなんとなく乗れなくなってたんですよね。自分の好きな音楽を聴きつつ、それとは別に制作のスタンスもあってっていう中で作られる流れになってきたので」

●サウンドは現在と比べてどうだったんですか?
「微妙な質感や作品の違いでいうと、『Beat Bracelet』は柔らかい、『Mind Edit』はもっと柔らかなものなんですよ。で、『Device People』からサウンドはハードになっていったんですよね。それはなんでかと言うと、結局CDを出して、僕はDJではなくライヴなので自分の曲しかかけないんですよ。そうすると自分の曲でハードもなものがどうしても欲しくなってくるという」

●対フロアの武器として必要に迫られてって感じだったんですね。
「自分のトラックが自分で使えるトラックではないとダメなんですよね。ライブの時に曲が足りなくなっちゃいますから(苦笑)。『Mind Edit』は結構ユルい曲が多くて、『ユルいなあ、使えないなあ』って(笑)。だから作品としては全然良いんだけど、現場で使えないというジレンマがあったんですよ」

●そうした思いが『Rough Machine』に向かっていったと。
「だから『全曲使えるくらいじゃないと!』って。普通アルバムはもうちょっと緩急をつけるんですけど、もう全部ガツンと使えるものにしたかった。全曲シングルカットできるみたいな。自分が実際それを使うんで。『Device People』を作る動機もそうだったんですけどね」

●実際そうした流れがあって、いざ『Rough Machine』を作るときはどういうテーマがARAIさんの中で設定されていったんですか?
「まず、今言ったような使える使えないをやるかどうか。CDで聴くのであればハードでなくてもいいわけですしね。で、路線をガラっとかえる選択肢はあったけど、それはやらないと(笑)。まだそっちにはいかないと(笑)。リバイアスがエレクトロニカのレーベルだったら考えないといけないんだけど、その必要はなかったし。あとはただのトラックものでは、物足りなくなっちゃうので作品性を同時に出さないとっていう。その辺のバランスですね」

●作品性というのは?
「多分、単にフロアで使えるっていうとシンプルなブレイクビーツになると思うんですよね。僕のトラックは展開もするし、カットアップもされていてアブストラクトな感じもあるし、本来ならそれらは必要ないですよね、クラブという空間でなら。でもそういった部分で作品性を高める、オリジナリティを出すっていう感じですかね」




東京発のダンス・ミュージック

●僕が面白いと思うのはそうしたフロアを指向するARAIさんのマインドと作品性のあるトラックを作ろうとするARAIさんのマインドってかなり引き裂かれてますよね(笑)。
「(笑)。その引き裂かれた感じは作品性や作家性という所ですよね。カットアップっていうのとファンクとのせめぎ合いですよね。ファンクっていうともっと色々な解釈があるじゃないですか。いわゆるファンクとかそういうのとも違うという」

●ARAIさんにとってのファンクの定義ってどういったものなんですか?
「ブラックミュージックが基本なんです。ビッグビートとかが好きじゃないのって、多分白いのが好きじゃないと思うんですよ(笑)。でもヒップホップでもダメなのがある。別に黒人になりたいわけじゃないので。だからその辺がすごくゴチャゴチャしている。要は自分の音楽を作りたいんですよ。ヒップホップが好きで、ヒップホップになればいいって問題じゃない。オリジナルが欲しいんですよ。引き裂かれたものですね。でも、それは僕の中で自然だと思ってるんですよね。結局は自分のオリジナルの音楽を作りたいだけなんですよね」

●すごく失礼な質問なんですが、ARAIさんは自分のことを難儀な人間だと思いますか?
「う〜ん……どうでしょう(笑)。ジャンルを決めて作れないんですよ。そこら辺はすごく不利な面もあると思うんですけど。でもね、それって結構普通だと思うんです。ここ東京に住んで、日本人ってことを考えると。結構正当性があると思う。ハウスやテクノ、ヒップホップと本当にありとあらゆる音楽を聴ける所だし、そういう色んな要素が入ってくるのが当たり前の場所じゃないですか。それを素直に出すんですよ。でも、それを『僕、こんなのが好きです』ってバラバラにやるんじゃなくて、自分のスタイルをカラフルに出していくということですよね」

●じゃあ、ARAIさんの中では自分の音楽が東京の音楽を端的に表現しているという感覚はあったりするんですか?
「う〜ん、そうですねえ。例えばYMOがそういう感じのスタンスだったんですよ。彼らのスピリットやスタンスには影響されていますからね。自分は東京育ちだし。それと、80年代は特にジャンルが分かれている時代ではなかったですから。グチャグチャだったんですよね。それが自分のベースになっているので、素直に自分のスタイルとして追求しているこうなっていく」

●ARAIさんが日本のコールドカットみたいな解釈ってありだと思いますか?
「そういう面も当然ありますよね。でも、それってすごくUK的な解釈だと思う。アメリカからUK経由で日本に来るじゃなくて、東京は東京で考える。東京は東京の音楽を作ればいいと思うんですよ」

●もうひとつサウンド面に関してなんですが、ARAIさんの音には横のグルーヴがあるのにベースがとても薄い。これがすごく面白いと思うんですけど。
「それもさっきのサンプリングの話に繋がるんですけど、ベースも単音でいいのがなかなかないし、ベースをワンフレーズで取って来ても、それを使うのはつまらないと。だからリズムもカットアップだし、ウワものもベースも全部一緒、同一線上にあるんです。その違いはほとんどないんです。『Mind Edit』『beat bracelet』はスカスカ感がまだあるんですけど、『Device People』からよりウワものの要素をもっと増やしてそれを素材化していって連打してリズム化しているという。それで結構ヘビーな作品になってるんですよね。そういった経緯があって『Rough Machine』があるという」

Rough Machineに流れるヴァイブレーション

●ARAIさんの作品には一貫としてユーモア精神みたいなものが含まれていると思うんですが、具体的にリスナーに伝えたいメッセージとかはあるんでしょうか?
「特にはないんですけど、ユーモアは大事ですよね。ゴリゴリなものはそんなに好きじゃないし。『Rough Machine』のroughは最初は笑うのlaughだったんですよね。結構前からレビューとかで『荒々しいブレイク』とか書かれたりしてたし、自分でもそれは自覚していたのでそういうタイトルにしたんですけどね。相当ラフだし過剰な音楽だとは思うんで(笑)。それに、笑いっていうのは大切。ただ暗いだけとかそういうのはつまらない。攻撃的な感じが出ているのは分かっていたので、ユーモアであるとかポップであることは作品を作っていく中でトータルのテイストとして意識してますよね。あとはセンスの話になっちゃうと思うんですけど、ポップじゃないヤツとかあんまり笑えないヤツとか堅苦しいのはちょっと良くないかなと。それでアブストラクトが出来ないというのはあるんですよ。難しいというか自分のセンスとは違うなっていうのがあるので選択してないんですよね」

●さっきはコールドカットを引き合いに出したんですが、RIOW ARAIのサウンドは彼らや初期のケミカルのような90年代初頭を彷彿とさせる空気感があります。
「例としてはいいと思いますけどね(笑)。ケミカルはあんまり好きじゃないですけど、あれはロックより過ぎると思うし。ああいうノリは元々やろうとは思わなかったんですよね。ロックやハードロックとか。僕の音楽の入りはYMOだったのでヘビメタとか聴かなかったんですよね。今の音になっていくのはYMOだけじゃなくて色々な影響がありつつ、暴力性や勢い、テンションは必要だと思っているのでそういう要素はあると思いますけどね。そうした要素はグラデーションになっていて徐々に出て来ているものですから今作で特にというのはないんですけどね」

●以前はもっとメロウでアンビエントに近いトラックを作ってたということなんですが、今後そういうトラックを指向することはあるんでしょうか? 例えば今作のラスト“overtime”では非常にメロウな側面も出てますよね。
「う〜ん。僕のアルバムを聴いてもっとメロウな要素が欲しいという人もいると思うんですけど、それはまだ分からないですね。アルバムには収録されていない曲をホームページで公開しているんですけど、そこにはそういう曲がありますけどね。フォーマット的な意味でそういうメロウなトラックを最後にアルバムに入れたりしているわけですが。今の流れでは自分のトラックをイベントでかけるというのがあるので、そんなには作らないですかねえ。単にメロウといっても結構難しい感じもあって、BPMも遅くすればいいって話でもないですしね。今多いですからね。そういうのも。エレクトロニカは特にそうじゃないですか」

●ええ、そうですね。ポップトロニカと言われるくらいですから。ARAIさんが一般的によく比較対象として上げられるのは、プレフューズ73だと思うんですが、彼をどう評価していますか?
「ビートトラックとメロウというさっきの話の流れで言えば、プレフューズ73があってサバス・アンド・サバラスがあるっていう。そういう触れ幅がないとやれないって思うんですよね。だから、すごく気持ちは分かりますし、僕自身そういう気持ちもありますよ。だから佐藤さんの言ったメロウな部分とかは、例えば自分のアルバムじゃなくて人の作品のプロデュースとかソロ以外の機会でやるとか考えてますね。去年ドイツから出たツジコノリコのトラックで、結構ミニマルダブっぽかったりするんですけど、まさにそうした部分をやっていたりとか。今度半野喜弘と田中フミヤのレーベルに参加するのですが、そこはクリック系のサウンドをコンセプトにしたレーベルなんで、そういう音楽を作ったりとか」

●RIOW ARAIの今後を教えていただけますか?
「流行ものとか色々とあると思うんですけど、新しいものを取り込んでやるよりは自分のスタイルを追求していくという。成熟や洗練ということですね。ヒップホップかブレイクビーツかっていうのは考えない。エレクトロニカが好きな人にとってはヒップホップじゃん、ヒップホップの人にはエレクトロニカ過ぎるじゃんっていう。そのバランスが結構面白かったりするし、一つの理想としているところなんですよね」




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