3人の審判の動きに関する考察
2000年シドニーピリンピック柔道男子100Kg超級の決勝戦は日本の篠原信一とフランスのDavid Douilletの間で争われることとなりました.試合開始後約1分30秒,ドゥイエが篠原に内股を掛けます.篠原はその内股をかわし逆に内股すかしを掛け,ドゥイエを仰向けに倒しました.しかし,審判の判定はドゥイエの有効.(有効は効果的なポイントのことです)
(ところで,国際柔道連盟(IJF)は内股すかしを「うちまたすけし」と表記しています.これは間違いです.詳しくはこのWebにて)
誤審に関する考察は既に公開しています.
日本語
その時何が起こっていたのか?私はこう考える
英語
Consideration for the misjudgment in the Sydney Olympic Judo
フランス語
Considérations sur les erreurs d'abitrage
de Judo aux jeux Olympiques à Sydney.
私はこれまで3人の審判に関する動きを詳述してきませんでした.残念なことですが,私はそれを書くに十分な証拠を持っていなかったためです.しかし,今やそれの十分なものを持っています.私は3人の審判の動きに関する考察を以下のように発表します.
篠原とドゥイエが倒れるとほぼ同時に,主審は「有効」を示します.その主審は篠原の体がどこから落ちるかだけに注目していたようです.その様子はビデオに記録されています.彼はドゥイエに有効を与えました.なぜなら,内股すかしをわからなかったからです.それと同時に,試合場の直ぐ近くにいるフランスのコーチが「有効」をアピールします.彼もまた内股すかしをわからなかったために,ドゥイエの「有効」を信じたと私は考えています.残念ながら彼らの基準ではドゥイエが「有効」を得たのは全く正しいことであったようです.(その)内股すかしはあまり有名ではありませんが,将来に重要な問題をきっと引き起こすでしょう.それについては既に言及しています.
日本語
なぜ日本人はこの問題にそんなに怒っているのか?
英語
I will tell to all people in Judo countries why many Japanese get so angry.
主審が「有効」を示してから1.5秒後,一人の副審(B)が一本を示します.一本はレスリングのフォールやボクシングのKOに当たるものです.彼(B)が誰に対する一本を示したのかは誰にもわかりません.しかし,彼(B)は二人の選手に一番近い場所にいたので,篠原に一本を示したように見えます.副審(B)は日本人に一本を示したと言ったことを,シドニーオリンピックで審判を務めた二宮氏は,日本の柔道雑誌「近代柔道11月号」の中で述べています.この情報は私の見解を支持するものです.
主審はその副審(B)の異なる判定を見た後に,もう一人の副審(C)の動作を見ます.私はその副審(C)の動きをビデオで確認することが出来ないので,彼(C)が何を示したのかはわかりません.もし彼(C)の動作を確認できる方は私のところまで知らせて下さい.(電子メールアドレス) しかし,伝聞情報によれば彼(C)は何も示しませんでした.それは主審の判定に同意することを示してします.
従って,各審判の最終的な表明は次のとおりとなります.
- 主審:ドゥイエの有効
- 副審(B):篠原の一本
- 副審(C):主審の判定を支持
IJFの柔道ルールによれば,主審と二人の副審はこの状況において合議を行なう必要がありました.
第7条 副審の位置と役割(一部)
「主審または副審の一人が他の二人に見えないものが明らかに見え,それが判定を変えうるものである場合,合議は可能でありかつ必要である」(独自に日本語訳)
副審(B)は篠原に一本を示していましたが,主審ともう一人の副審は次のように誤解していたと思われます.
- 主審:ドゥイエの有効
- 副審(B): ドゥイエの一本
- 副審(C):主審の判定を支持
一人の副審が主審の判定に反していただけだったので,主審は判定を変える必要を認めませんでした.副審(B)は次のように誤解していたと思われます.
- 主審:篠原の有効
- 副審(B):篠原の一本
- 副審(C):主審の判定を支持
一本を示した副審(B)はその判定の食い違いを重要なものではないと考えたために,彼(B)は最終的に主審の判定に従いました.そして主審が「まって」と言った後に,試合は続行されました.(ここで「まって」は日本では「待て」のことです.「まって」は間違っていて,「待て」が本来であり正しいのです.「まって」は「待つようにお願いしている」という意味であり,「待て」は一種の命令です.この二つの意味は全く違うものです.しかし,IJFのルールには「まって」と書かれています.それは奇妙です.「待て」は「ま・て」あるいは「matay(「マテッ」あるいは「まてェ」)」のように発音される.友達の意味の英単語mateとは発音は異なる.−日本人のスタッフはなぜ直していないのだろうか?−主審は試合を一時的に止めるために「待て」を宣告します)
それは非常にひどい誤解でした.審判の誰もが合議の必要性を認めることが出来ませんでした.
しかし,ここで奇妙な「間違い」が残ります.スコアボードがドゥイエの有効を示した後ならば,一本を示した副審(B)だけはそれが間違っていることに気付かなければなりませんでした.スコアボードの表示が彼(B)の判定と全く逆であったので,彼(B)だけはそのひどい誤解が起こったことに気付くことが出来たはずです.彼(B)は主審にそのことについて注意を促すべきでしたが,何もしませんでした.
第7条 副審の位置と役割(一部)
副審がスコアボードの間違いに気付いた時は,そのミスについて主審に注意を促さなければならない.(独自に日本語訳)
この判定には4つのミスが含まれていました.
- 主審は篠原の内股すかしを見抜けませんでした.彼(主審)は返し技の可能性を見ておくべきでした.
- 主審は判定の大きな食い違いを見たときに,試合を止めて副審二人と合議すべきであった.しかし,彼(主審)は何もしませんでした.
- 一本を示した副審(B)は判定の大きな食い違いを見たときに,試合を止めて主審ともう一人の副審と合議すべきでした.しかし,彼(B)は何もしませんでした.
- 一本を示していた副審(B)はスコアボードが彼(B)の判定と反していたにも関わらず,何もしませんでした.
この考察は私のストーリーであるだけかもしれません.しかし,この食い違い状況を解き,その時何が起こっていたか明らかにすることをIJFに切望しています.
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今後ともよろしくお願い致します.
疑惑の金メダル(2000年シドニーオリンピック柔道男子100Kg超級決勝戦)
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