Aficionado
Review
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KD-My Kentucky Home New KD Feat.Demi,Goodfella & Child"My Kentucky Home" Universal(# UNIR 2135-1)
Produced By:Shuko

モハメド・アリを生んだ、 アメリカkentucky州Louivilleからは初となる メジャーディールを勝ち得た彼の地の出世頭KD。 自身のレーベルBluegrass Entertainmentsを拠点に、 すでにインディレベルでは2枚のアルバムをリリースしている彼の、 メジャーデビュー曲"My Kentucky Home"は、 自身の生まれ育ったKentucky周辺のルーツミュージック、サザンロックの影響色濃い一品。 Crosby & Nashのサンプリングを下敷きに、 バンジョウ風のストリングスに、 所々で挿入されるブルースハープと、 オーセンティックなブルーグラス/カントリー調のトラックに、 KDをはじめフューチャーされるDemi、Goodfella、Child (各人共に地元のKD一派と思われます)のラップもほどよい、 陽気なお祭りパーティーチューン。 もちろんパーティチューンとは言っても、 煌びやかなネオンやダンスホールというよりは、思わず体が動き出すプリミティブで楽しいそれ。 タイトルそして曲の内容、どこを切ってもKDの地元愛と、 ローカルラップの面白みと醍醐味をかねそろえた一曲。 JuvenileをフューチャーしたB面の"We Gon' Rock It"は、 メジャー進出のきっかけとなったローカルヒットナンバーです。



Mobb Deep-Have A Party Mobb Deep Feat.50 Cent & Nate Dogg "Have A Party" G-Unit 2005(# B000615-11)
Produced By:"Fredwreck"Farid Nassar

映画"Get Rich Or Die,Tryin"で、 銀幕進出という男なら誰でも抱く壮大な夢を、 主演という段違いのスケールで実現させたラップ界の風雲児50 Cent。 自身の率いるG-Unit軍団が大暴れするサウンド・トラック"Get Rich Or Die,Tryin"からの2ndシングルは、 2005年夏に電撃的にG-Unit入りを果たし、 次なる刺客として睨みを利かすMobb Deepが50 Cent、 そしてウエストコーストからNate DoggとFreadwreckを招いた"Have A Party"。 良くも悪くも90年代のNYのハードコアヒップホップを牽引し、 そのアイコン的存在でもあったMobb Deepとウエストコースト勢との邂逅。 一部では"Mobb Deepらしくない"という声も挙がっていたこのシングル。 荒々しいドラムが効いたFredwreckのトラックは殊更にウエストコースト風というわけではないですし、 Nate Doggのコーラスがウエストコーストの味を出しているというのもわからなくはないですが、 かといって全体にウエストコースト的作風かといえばそうでもない。 なによりも、 ここ数年は決して好調ともいえず、 ともすれば時代の趨勢に飲み込まれかかっていた彼らが、 カムバックを感じさせてくれるのは一ファンとしては嬉しい限り。 らしくないという意見もわからなくはないですが、 めでたい再出発としてここは一つ目をつぶって耳を傾けて欲しいですね。

Pete Rock-Revange Pete Rock Feat.Grap Luva "Revenge" Handcuts 2006(#)
Produced By:?

2005年の秋にリリースされたGhostface Killahのシングル"Take It Eazy"のプロデュースで、 久しぶりにメジャーヒップホップに帰ってきたPete Rock。 ここ数年はインディを起点としていただけに、 GFKとの合体によるメジャーシーンへの復帰は、 驚きと共に興奮を禁じえなかったファンも少なくないはず。 というわけで今後はメジャーなポジションでの活躍も期待されるPete Rockのニューシングルは、 日本限定リリースによるコンピレーション・アルバムからのシングルカット。 昨今のPete作品では欠かすことが出来ない存在の一人、 実弟にして伝説のユニットIniの一員でもあったGrap Luvが参加。 日本限定ということもあってか、 イントロから"Okinawa""Sibuya"のシャウト・アウトも交えながらも、 重厚なベース、フリップされたピアノのサンプル、 そしてSP1200系のロウなドラムで構成された濃厚で、どこかヴィンテージな匂いを漂わせるビート。 新機軸こそありませんが、 自らが作り上げてきたNYヒップホップのトラディションを体現する一曲。 Kanye WestやJust Blazeら、 サンプリングをプロダクションの軸にしたプロデューサーたちが活躍する今こそ、 "サンプリングマスター"Pete Rockの復活・再評価にはまたとない時では?

Tha Alkaholiks-The Flute Song Tha Alkaholiks "The Flute Song(LaLaLa)" Koch 2006(# KOC 128472)
Produced By:E-Swift

90年代初頭、後にヒップホップ界を席巻することとなる、 黎明期のLoudからデビュー。 LA出身ながらギャングスタラップとは一線を画した、 Pharcydeらに続くポスト・ギャングスタラップ的な立ち位置と、 飲めや歌えや、陽気で緩々な飲んべえキャラクターで、 ヒップホップ界に独自のポジションを築いてきた三人組Alkaholiks。 そんな彼らもデビューから十数年、 残念ながらグループとしてのラストアルバムとなる"Firewater"からの1stシングルがこちら。 "Flute Song"はタイトルそのままに、 心地よいヴィンテージなフルートと、 呪術的に繰り返されるフルートの音色を模した女性コーラスのサンプリングが印象的なトラックに、 まるでベースメントでの酒入りセッションそのままの、 どこかリラックスしながらも風刺を交えたTash、J-Lo、E-Swiftのラップは変わらない。 B面の"Party Ya Ass Off"も飲めや吸えやでパーティ三昧。 Alkaholiksとしては最後という事実ががオーディエンスを感傷的にさせてしまうのか、 両面共にどこか物悲しい空気を感じてしまうのは気のせいでしょうか。 ビルボードの一位にならなくても、 自家用ジェットで飛び回らなくても、 旬のシンガーと共演しなくても、 彼らはデビューから今日までヒップホップし続けてきたし、 その姿はヒップホップを愛する多くのファンの心で生き続けるはず。

E-40-Tell Mw When To Go E-40 Feat.Keak Da Sneak "Tell Me When To Go"
BME/Warner 2005(# PRO-A-101697)  Produced By:Lil Jon

Bay Areaローカルながら着実に盛り上がりを見せるHyphy(Hyper + Fly)ムーブメント。 地下深く沸騰するマグマが如く、 アンダーグランドなムーブメントだったHyphyですが、 そのエネルギーは最早アンダーグランド/ローカル・レベルでは納まりきらないのか? 当地Bay AreaのスターE-40のニューシングルは、 Hyphyムーブメントを代表しメジャーシーンに切り込まんとするまさに意欲作。 近年のE-40作品では欠かすことが出来ないLil Jonのプロダクションは、 Lil Jonらしく分厚く疾走するドラム・ビートに極僅かなSEを加えただけ。 ダンスミュージックの原点ともいえる肉体的な衝動を駆り立てるプリミティブで極上のトラックに、 重鎮E-40とKeak Da Sneak(Hyphyという言葉を生み出したのもこの人だといわれているオリジネーター) のHyphyムーブメントを代表する二人が、あくの強い個性的なラップで絡みあい。 曲中のブレイクではHyphyカルチャーのキーワードのチャントも出るなど、 Hyphyとは何かを具現化したHyphyアンセムといえる強力すぎる一曲。 Lil Jonがディレクションを手掛けた、 Hyphyカルチャー(ダンスや、車の箱乗りなどなど)を映像化したビデオクリップ共々完璧です。

Dr.Dre Feat.Snoop Dogg And Nate Dogg "Next Episode 2006"
Cut Creators(# CCS-1011)  Produced By:?

当初の予定ではとっくにリリースされていてもおかしくないDr.Dreのアルバム"Detox"。 リリース中止が発表されたり、 再び制作続行が発表されたりと、 とかく噂、話題の絶えないアルバムですが、 そのアルバムが待ちきれないDreファンの皆様にお届けしたいのがこちら。 様々な未発表音源や怪しげな音源を積極的にディスカバリーするCut Creatorsが、 "Dretox"という便乗商法的なタイトルも嬉しい三曲入りEPをリリース。 その中でもズバリ注目!は2005年の末にMix CD等に収録され話題の、 SnoopとNate Doggが参加した"Next Episode 2006"。 Dreがビッグカムバックを果たし、 ウエストコースト・ヒップホップに火をつけた歴史的名作"2001"に収録された、 特大ヒット曲"Next Episode"の2005-2006年版。 Dreのトレードマークともいえる硬い音色のドラムビートに僅かなSEという、 無駄なものを完全にそぎ落とした、ミニマムながらこれ以上ないビートに、 Dre、Snoop、そしてNate Doggが歌う一撃必殺ナンバー。 Mix CD向けに作られた感じですが、 この面子が揃えば無条件に一聴の価値あり。 他にもRakimがAftermath在籍時のものであろう未発表音源なんかも収録されていますが、 ひたすら"Next Episode 2006"ということで。

DPGC-Real Soon DPGC Feat Snoop Dogg,Daz,Kurupt And Nate Dogg "Real Soon"
Doggy Style/Koch 2005(# KOC-12-5874)  Produced By:?

ウエストコーストのヒップホップ・シーンにMix CDの灯を点すべく始まった、 Snoop Dogg主宰のMix CD"Welcome To Church"シリーズが、 "Big Snoop Dogg Presents Welcometo The Curch : The Album"としてコンピレーション・アルバムとして登場。 そのアルバムからの1stシングルとしてカットされたのがこの曲"Real Soon"。 Snoop、Daz、KuruptそしてNate Doggの、ウエストコースト・オールスターズがDPGCの名の下に集結した本作は、 西海岸のヒップホップ・シーンを代表するベテランプロデューサーBattlecatがプロデュースを担当。 いい意味で力の抜けた、ウエストコーストらしい軽やかなトラックに、 Snoopを軸としてDaz、Kuruptが絡みそしてNate Doggが歌い上げる展開は、 特に斬新さがあるわけでもありませんが、磐石の安定感を感じさせてくれますし、 さすがにこの四人の揃い踏みは華があります。 塀の向こう側にいる仲間たち(もちろん先ごろ死刑を執行されたStan Tookie Williamsも)に向け、 もうすぐみんなでまたつるめるよというNate Doggのフックにもあるように、 連帯や団結への思いを感じさせる昨今のSnoopの姿勢は、ウエストコーストシーンの隆盛を願い、 ビーフ解消等の活動にも積極的な彼の姿ともどこか通じているはず。

Warren G-I Need A Light Warren G Feat.Nate Dogg "I Need A Light" Hawino 2005(# SIMP12020)
Produced By:?

2005年秋にリリースされたWarren Gの最新アルバム"In The Mid-Nite Hour"からの、 6枚目のシングル"I Need A Light"は、Warren Gといえばこの人Nate Doggが参加した一曲。 フィンガー・スナップがビートを刻む、Warren Gらしいレイドバックした空気感が濃厚なトラックに、 Nate Doggがどこか憂いを含ませたヴォーカルで参加。 自身が過ごした若き日のストリートライフの情景を織り交ぜるWarren Gの語りかけるようなラップと声からは、 勢い一発の若手ラッパーには出すことの出来ない、 酸いも甘いも噛分けた大人の貫禄や、 いい意味での"枯れ"、 もしくは"渋み"を聴き取れることが出来るはず。 もちろん、盟友に華を添えるNate Doggのゴスペル的荘厳ささえ感じさせる客演も素晴らしく、 これぞWarren Gといえるアルバムのベストカットではないでしょうか。 一方B面に収録されたアルバムのタイトル曲"In The Mid-Nite Hour"も同じくNate Doggが参加。 "I Need Light"と同系統のレイドバック路線をいきながらも、 こちらの方がソウル指数はやや高めの、どことなく立ち込める、あるいは煙る濃い香りがたまらない。

Warren G-Take Your Time Warren G Feat.Nate Dogg "Take Your Time" Hawino(#)
Produced By:?

2003年の夏アンリリースドながらもLAを中心とする西海岸のラジオで、 へヴィーローテーションの一角を占めていた話題の一曲がHawinoからついに待望の正規リリース。 Warren GとNate Doggという "Regulate" をはじめとした、 歴史に残るクラシックを世に送り出してきた西海岸を代表するふたりのコラボレーションというだけで、 ウエストコースト・ファン以外のラップファンも思わず反応してしまうであろう本作。 のっけからNate Doggが、どこかで一度は耳にしてる Earth Wind & Fireの"Fantasy"のフレーズを大胆に歌うイントロからして、 大ネタ使いに長けたWarren Gの巧みな手腕が垣間見れますが、 そうしたサンプリングソースだなんだといった部分にとらわれることなく、 曲を構成する要素が一体となった素晴らしいナンバー。 過去のキャリアを噛み締めるかのようにラップするWarren Gに絶妙のタイミングで絡むNate Doggのボーカル。 デビュー前から活動を共にしてきただけあってまさにあ・うんの呼吸を聴かせてくれる二人。 彼らのキャリアの中でも燦然と輝く"Regulate"に勝るとも劣らない一曲。

Jungle Brothers-Funky Magic Jungle Brothers VS Skeewiff "Funky Magic" Ramble 2005(# RBJE-2008)
Produced By:?

Sammy B脱退後の99年にリリースされた"VIP"で所謂ヒップホップ的ビートから、 よりダンスミュージック的な方向へのアプローチを図ったJungle Brothers。 その後2002年に6枚目のアルバム"All That We Do"を、 2005年にはベスト盤をリリースしながらもイマイチ話題性には乏しかった彼らが、 UKのブレイクビーツ・ユニットSkeewiffをパートナーに帰ってまいりました! ニューアルバム"I Got U"からの1stシングルは ゴダイゴの大ヒット曲にして、 80年代を代表する大ヒットTVドラマシリーズ西遊記の 主題歌"Monky Magic"をカバーした驚愕のパーティチューン。 (日本以外ではこの曲の面白さは伝わらなそうですが・・・ このアルバム自体が日本限定リリースの模様なんで日本向けに制作されたと思われます) 原曲のイメージを壊すことなく、 よりビートを強くしたトラックにアッパーなJungle Brothersのラップ。 フックはもちろん原曲のサビの"Monkey"を"Funky"に差し替えと、 嬉しいぐらいに原曲に忠実なんでオリジナルを知っている人にはたまらない、 それでいてオリジナルを知らない人でも、 Jungle Brothersのファンキーなマジックで全然楽しめるのが嬉しい最高のパーティチューン。

Kanye West-Hard Em Say Kanye West Feat.Adam Levine "Heard 'Em Say" Roc-A-Fella 2005(# B0005794-11)
Produced By:Kanye West

全ヒップホップファンはもちろんのこと、 多くのポップミュージック・ファンが注目した、 Kanye Westの2ndソロアルバム"Late Registration"からの3rdシングルは、 Maroon 5のAdam Levineが参加ということでアルバムリリース時にも話題にされていた"Heard 'Em Say"。 前二作の"Diamonds"と"Gold Digger"はシングル曲らしい、 (話題性と曲そのものの)華やかな佇まいを感じさせてくれたのに比べて、 この"Heard 'Em Say"は地味めながらも、 洗練されたピアノのサンプリング(Kanye Westのピアノのサンプリングは絶妙)や、 シンプルながらも浮遊感を感じさせるしっかりとした骨組みのビートなどまさに質実。 ゲストのAdam Levineも過剰に露出することもなく自然体のパフォーマンスも好印象。 そして曲の後半では前半の洒落た展開から一変、 ディストーションの効いたギター渦巻くビートに一転するなど、 地味ながらも綿密に作りこまれた一曲。 B面にはCurtis Mayfieldをサンプリングしたドラマチックな展開のビートが密かに注目を集めていた"Touch The Sky"を収録。 しっとりとしたA面とは対照的な、ソウルフルで熱いトラックはJust Blaze。のってる男は違います。

Notorious BIG-Spit Your Game The Notorious BIG Featuring Twista & Bone Thugs-N-Harmony
"Spit Your Game" Bad Boy 2005(# 0-94145)  Produced By:Swizz Beats

ヒップホップ界にに大きな足跡と偉大なる功績を残したNotorious BIGのBad Boyからの最後の公式、 アルバム"The Duets:Final Chapter"からの1stシングルは、 彼の2ndアルバム"Life After Death"に収録の、 "Nasty Boy"のBiggieのパート(テイクは違うのかな?)を基に、 Jazzy Phaのプロデュースのテンポの良い軽快なトラックで、 BiggieとゲストのP.Diddy、Nellyが参加。フックをJagged が歌い上げる、 良くも悪くもBad Boy的なポップ色の濃い一曲。 一転、B面のSpit Your Gameも"Life After Death"収録の"Notorious Thug"を基に、 オリジナル同様にBone Thugs-N-Harmonyと、 さらにはTwistという早口の自慢の猛者達が、 Swizz Beatsの勇壮なビートに乗せ、 早口ラップでしのぎを削る骨のあるナンバー。 全体的に音数を抑えながらも、 Swizzらしいパーカッションが際立ったタフなトラックなかなかで、 ひたすら高いテンションでラップしまくる三人のパフォーマンスに圧倒されること請け合い。 Biggieの早口ラップと言うのは珍しいですが、 Big Poppa、何をやっても様になります。 芸風が似ていることもあって、 どちらが早口ラップのオリジネーターかで、 一時期ビーフもあったBone ThugsとTwistの両者を競演させたP.Diddyのヒップホップ心、 プロデューサーとしての眼の確かさはさすが。

Notorious BIG-Hold Your Head The Notorious BIG Featuring Bob Marley "Hold Your Head"(#)
Produced By:?

1997年に凶弾に倒れた後も、 2Pacと並びヒップホップ・アイコンとして、 多くのファンからの支持を得ると同時に、 いまだにその輝きを失うことがない存在"King"The Notorious BIG。 その死後、公式、非公式を問わず数多くの音源が世に出ているわけですが、 Bad Boyからの公式アルバムとしては死後2枚目にして、 ラスト・アルバムとなる"Duets:The Final Chapter"からBob Marleyとの時代を超えた共演が実現したシングル。 まるでBiggieのことを取り上げたかのような、息子を殺された母の悲しみと慟哭の姿を歌い上げる、 "Johnny Was"からサンプリングされたBob Marleyの切ない歌声で幕をあけ、 Clinton Sparksプロデュースによる重厚で、 ストリングスも効果的なビートにBiggieの超重量級のラップ。 吐き捨てるように繰り出される、 Biggieの暴力的で、 彼の持つ厭世観や諦世観を漂わせ、 "死"というキーワードを軸に展開されていくリリックが作り出す世界は陰鬱。 ビデオクリップまで作られているのを考えると、 当初の予定ではこの曲が1stシングルとして予定されていた模様ですが、 内容が重いという判断があったんでしょうか。 いわゆるストリート向けシングル的な扱いになってはしまいましたが内容はバッチリ。

Bun B-Get Throwed Bun B Feat Pimp C,Z-Ro,Young Jeezy & Jay-Z "Get Throwed" Rap-A-Lot 2005(#)
Produced By:Mr.Lee

Draped UpのヒットとアルバムTrillでソロとしての評価を固めた感のあるUGKのBun B。 H-Townのオールスターが大挙して参加したDraped Upの必聴リミックスに続く"Trill"からの全3曲入りの3rdシングル。 タイトル曲"Get Throwed"はBun Bと言えばこの人、朋友Pimp C、 サウスの次世代を担うYoung Jeezy、 H-Townを代表する超実力派Z-Roのフックに、締めにはJay-Zと、 素晴らしいメンバーが集結した"Get Throwed"はレイドバックしたメロディに、 細かく刻まれたハットがメリハリをつけながらも緩さを感じさせるメロウなバウンス・ナンバー。 参加メンバーそれぞれのパフォーマンスも大人の色香を感じさせ余裕綽々。 このメンバーの中では若手の部類に入ってしまうYoung Jeezyですが、 この雰囲気、並み居るベテランに混じってこの貫禄ですよ。 そのJeezyとさらにはサウスの"キング"Scarfaceが参加した、 "Pushin'"("Get Throwed"に続きプロダクションはMr.Lee)もB面に収録。 こちらはCurtis MayfieldとThe Impressionsのボーカルフレーズをサンプリングした、 ソウルフルなトラックにサウスのキーパーソンともいえる3人が集う男臭い一曲。 クランクでもバウンスでもスナップスでもS&Cでもありませんが、 サザン・ヒップホップの魅力と味を充分に感じることが出来る良作です。

Bun B-Draped Up Bun B Featuring H-Town All Starz "Draped Up RMX" Rap-A-Lot 2005(# PR-302041)
Produced By:?

相棒のPimp CとのコンビUGKによる長きに渡る活動によって、 地元テキサスをはじめ南部のシーン全体に大きな影響を与えてきたBun B。 Pimp Cが拘留されてからは南部系の作品を中心に多くの客演をこなしながら、 満を持してリリースする1stソロアルバム"Trill"からの1stシングルのリミックス。 H-Town Allstarzと冠されていますが、その看板に偽りはなし。 Lil Keke、Slim Thug、Paul Wall、Mike Jones、Aztek、Lil Flip、Z-Roという、 H-Townシーンの過去、現在、そして未来を紡ぐ面々が・・・ SUC、Swisha House、そして当地のパイオニアたるUGKのBun Bが、 古くからH-Townを支えてきた名門Rap-A-Lotの下で邂逅するまさに記念碑的な一曲。 Lil KekeによるDJ Screw、Fat Pat、Big Mello、Big Steveといった、 今は亡き彼の地の先人へ哀悼をささげるイントロから、 DJ ScrewとLil Kekeによる名曲"Pimp My Pen"の フレーズ(もちろんScrewed!)で構成されたフックを挟み、 そのフレーズから入るLil Kekeのパートから前述のメンバーが一気に駆け抜け、 最後は真打Bun Bが締める、 H-Townへの愛、そしてプライドがぎっしりと詰まった真のポッセカット。 プロデュースはオリジナルバージョン同様、 2005年のH-Townヒットを影で支えたCarnival BeatsのSalih Williams。 H-Townが築き上げてきた歴史の一つの到達点であり未来への架け橋。 ともかく聴いて欲しい。

Mike Jones-Flossin Mike Jones Featuring Big Moe "Flossin" Swisha House 2005(# 0-4285)
Produced By:Mike B

自身の携帯電話の番号を一般公開するという奇抜なプロモーションと、 楽曲中で自身の名を連呼しまくるありそうでなかったスタイルが全開した "Still Tippin"、"Back Then"ら一連のシングルと、 メジャーデビューアルバム"Who Is Mike Jones?"のヒットによって、 一躍シーンに躍り出たMike Jones。 そのアルバム"Who Is Mike Jones?"のアルバムサンプラーにも収録され、 シングル化が待望されていた"Flossin"が大ヒットアルバムの3rdシングルとしてリリース。 H-Townの巨漢シンガーBig Moeがコーラスで参加した、 兎にも角にも軽快にして爽快なこの曲。 前二作のシングルがSalihによる、 ローカル色が強めな楽曲であったのに対して、 この曲はH-Townのメロウというよりはウエストコースト系の作品にも通ずる爽快なトラックに、 これまた涼しげな声を朗々と響かせるBig Moeのコーラスがこれでもかという気持ちよさ。 Mike Jonesのハイトーン気味のラップも軽快なビートでさらに小気味良く、 もはやお約束の"Mike Jones!"のフレーズ(というか名前)も登場。 彼の場合所謂ハードコア・ラッパーというよりも、 むしろエンターテイナー的なスタンスを感じさせるだけに、 この手のポップな楽曲、間口の広い楽曲だとそのキャラクターがより生かされるのでは。

Paul Wall-Sittin SIdewayz Paul Wall Featuring Big Pokey "Sittin Sidewayz" Swisha House 2005(# PR-301874)
Produced By:?

H-Townマニアの方にはChamillionaireとのColor Changin' Clickや、 Paid In Fullからリリースされたソロ・アルバムで。 そうでない方もMike Jonesの大ヒット"Still Tippin"のトリを飾った、 ご存知"People's Champion"、ラッパーにしてグリル・デザイナーの顔を持つマルチな男、 Paul Wallのメジャー進出第一弾シングル。 スロウなビートにScrewedされたヴォーカル・フレーズで構成されたフックのトラックは、 どこか土臭さも醸し出すまさにH-Town流。 ただ晴れのメジャー・デビュー曲としては、 ちょっと地味目な気もしますが、 どうでしょう、聴けば聴くほどに、 Carnnival BeatsのSalihの手による、 (Screwed & Chooped時も念頭においてるであろう)絶妙な揺れるグルーブは病み付きになるはず。 ビート同様に抑揚を抑えながら、 シロップが入ったかのようなダウナーで気だるいPaul Wallの車ネタのラップとも相性は完璧。 さらには最近はインディーで気を吐いていたベテランBig Pokeyがゲスト参加。 スロウでダウナーなビートとラップにScrewedヴォイスのサンプルという、 ある意味では非常にローカルなH-Townサウンドをメジャーデビュー曲に持ってくる、 Paul Wallの心意気とH-Town愛には痺れますが、所謂パーティチューン的な派手さがない分日本では受け入れられにくいかも。

Juelz Santana-Murda Murda Juelz Santana Featuring Cam'Ron "Murda Murda"(#)
Produced By:?

増殖し続けるメンバーと、夥しい数のMix CDの物量作戦で、 今やNYを代表する一大勢力となったHarlemのDiplomats軍団。 そのDipsetの中でも人気、 実力共にうなぎのぼりのJuelz Santanaのアルバム"What Game Been Missing"からコマーシャル、 というよりはMix CDユーザー向けと思われるシングルを一つ。 2005年を代表するレゲエ・ヒットの一つ、 Damian MarleyのWelcome To Jamrock (元はIni Kamoze)を惜しげもなく使用したWelcome To Damn-Blockなナンバー。 鉄は熱いうちに打てとばかりに 2005年のヒットシングルを間髪いれずに借用(サンプリング)するその動きは、 Dipsetが大活躍するMix CDの世界では当たり前のことで、 そんなストリート・レベルで培われてきた彼らの感覚が最大限に生かされた曲でもあり、 Mix CDとメジャーディールの間で夥しいリリースを続ける彼らの強みともいえるはず。 個人的にはレゲエのルードな空気感と、 イーストコーストのギャングスタラップの空気感は相通ずるものがあると感じていただけにこれはかなりツボ。 Heatmakerzばりのハイピッチ風なサンプルに、 重量級のドラム。Juelz SantanaとCam'Ronのギャングスタ・トークが絡む展開は、 Dipsetファンなら必須です。

Redman-Rush Da Security Redman "Rush Da Security" Def Jam 2005(# DEFR 16422-1)
Produced By:?

ソロ・アルバムは2001年以来ご無沙汰で、 ここ最近は自身のインディーレーベルから、 ストリート向けのCDリリースを活動の中心にしているRedman。 そこではDef Jam批判も飛び出し、 デビュー以来のパートナーであるDef Jamとの関係が冷えているのを匂わすなど、 ちょっと先行不透明な感じがあった彼ですが、 そうしたファンの不安を払拭するかのような新作"Rush Da Seculity"は、 そのDef Jamからのリリースされるニューアルバム"Red Gone Wild"からの1stシングル。 さすがはRedman、ファンの期待を裏切ることはありません。 そのラフでワイルドなたたずまいのラップは全く変わりませんし、 にじみ出るようなねちっこいファンクネスも相変わらず。 そんなRedmanを支える(彼とは相性のいい)Adam Fのトラックも、 派手さや華やかさはないものの、 Redmanのラップに劣らぬファンク度の高さとねちっこさを内包。 曲全体の尺が短いのがちょっと残念なところですが、 それを補うだけの内容の濃さは充分。 内情はよくわかりませんが、 この曲も正規盤が予定されながらポシャったりと、 彼を取り巻くビジネス面での環境は厳しいのかもしれませんが、 この曲もアルバムもお蔵になるのは何とか避けて欲しいと思います。

D.P.G. "DPGC Music" (#)
Produced By:?

可愛さあまって憎さ百倍。 その蜜月関係の解消から一時はいたるところでビーフが見られたDazとKurupt。 両者のファンであり、D.P.G.の再結成を強く望んでいたファンの方は、 内心複雑な気持ちで見守られていたでしょうが、 DazとKuruptのビーフの解消で、 一時はもうないかと思われていたD.P.G.が待望の復活。 いや、世の中内が起こるかはわからないとはこういうことを言うのでしょう。 その帰ってきたD.P.G.の復帰を飾るシングル、 ズバリきました"DPGC Music"。 Dazのプロダクションによる、 細かいことは気にしない男臭く、どこか怪しげなピーヒャラシンセ爆発の、 疾走するアグレッシブなトラックは、 彼のソロ作品にやられた人はほぼ納得でしょう。 しかも今回はそこにKuruptが参加ということもあって華やかさ倍増。 ストレート一本で押しまくるDazと、 多彩な変化球を交え緩急豊かなKuruptのコンビネーションは、 言うまでもなくD.P.G.ファンが待ち望んでいたそれ。 Daz一人でも男臭さは抜群なんですが、 そこにKuruptのヤサグレながらもソリッドなラップが加われば・・・ まさに待った甲斐ありのDPG復帰を告げるに相応しい一曲。 恐らく日本限定のこのヴァイナル。他にも"Ryde & Creep"、"Hittin Donutz N The Streetz"を収録。 ヒップホップ・ファンなら絶対の一枚。

Soopafly "Bangin West Coast"(#)
Produced By:?

プロデューサーとしても名を馳せながら、 自身でもマイクを握るこの男、 DPGCの隠れたキーマンの一人Soopafly。 2001年には初のソロアルバムDat Whoopty WoopをDaz率いるDPG Recordsからリリースした彼ですが、 ソロアーティストとしてのデビューはさかのぼること95年。 その後99年にはDeath Rowからもシングルをリリースするなど、個人的にも西物好きにもはずせない一人。 そんなSoopaflyが1stアルバム以来のニューアルバムをリリースするのか? DPGのサイトでも公開されていた"Bangin West Coast"をDPG同様に、 日本限定のプロモーション・ヴァイナルをリリース。 ソロとしては久しぶりながらさすがに楽曲はタイト。 Ohio Players(ウエストコースト物でこの名を聞くと"Funky Worm")の"Ecstacy"のサンプリングを、 そのまま使ったイントロから流れるように本編突入していく構成は、 特濃でスリリング(この導入部分に謎のスクラッチが入るんですがこれがなんとも情緒不安定な味わいが)。 イントロだけを聴くと西物っぽさがないというか、 ウエストコースト的ではない音作りですが、 サンプリングされたギターとヴオーカルに、 打ち込みで音を加えた本編は、あら不思議。 実に決まったウエストコースト・サウンドに仕上がっているのはさすが。 Soopaflyの職人技を味わっちゃってください。

Trina "Da Club" Slip-N-Slide 2005(# 0-94147)
Produced By:Mannie Fresh

アルバムジャケットに診療台プレイというマニアックな世界をフューチャーするなど、 ボンクラ系ラップマニアの心を捉えて離さないTrina嬢のシングル。 遅すぎた自身のソロアルバムを置き土産に、 Cash MoneyからフリーエージェントとなったMannie Freshがプロデュース及びフックを担当。 自身のクラブでの体験をそのまま歌詞に投影させたような、 Mannieのかなりいい味出しているヘタウマなフックと、 ボンクラ系ラップマニアお待ちかね、 期待にたがわぬエロエロなリリックをさらりと流すTrina嬢が悩ましく絡み合うパーティ・ソング。 細部にわたりこだわりを感じさせる必殺のドラム・ロールに、 心地よいギターのカッティング。そして所々で挟まれる、 感傷的なメロディのブレイクと、 むやみやたらな派手さはありませんが、 最近のMannie Freshワークスの中でも(彼のフックでの働きも含めて)出色の一曲ではないでしょうか。 B面にはLil Scrappyが参加した"Shake"を収録なんですが、 こちらは元Beats By The PoundsのKLCがプロデュース。 A、B面共にNOLA=バウンスを語る上で欠かせない、 元Cashと元No Limitの立役者がプロダクション担当ということでNOLAファンも要注意の一枚。

M.O.P "Big Boy Game"(B-Side Of "Pain") Koch 2005(# KOC-12-5825)
Produced By:Fizzy Womack

Roc-A-Fella移籍→Damon Dash預かり→電撃的なG-Unitへの参戦と、 所属レーベルに関して二転三転が続いていた近年のM.O.P。 そんなレーベル契約等のビジネス的な問題で、 お蔵入りとなっていた音源で構成されたKochからリリースされた、 ニューアルバム"St. Marxmen CD "からの2ndシングル。 A面の男性ボーカルを絡めた"Pain"もまずまずなんですが、 M.O.PファンにはそちらよりもB面に収録された"Big Boy Game"。 もともとM.O.PのG-Unit入りが発表されるかされない頃に、 ミックスCDなどでリリースされた作品で、 50 CentがフューチャーリングされたことでM.O.PとG-Unitの合体が事実上宣言されたのがこの曲。 しかしながら今回リリースされたバージョンでは50 Centは抜きのM.O.P純度100%。 ためを生かした極太なファンク・ビートに、分厚いホーンセクション。 何もそこまでしなくてもと言いたくなるぐらい、 今日も熱すぎるBillyとFameのラップ、 そして二人の磐石なコンビネーション。 もはやファンの方には説明不要。 ちなみに50 Centの"G-G-G G-Unit!!!"のシャウトが入ったバージョンも、 ブートレグ(Words Of Mouthからリリース)ながら存在するのでそっちが気になる方は是非探してみてください。

Blazhy Featuring M.O.P. "We Connected" (# BB005)
Produced By:Felp Dollaz

"Danger"の一発ヒットで名を上げた、 P.F. CuttinとOutloud(Blah)の二人組、 元Blahzay Blahzay、現Blahzay。 "Danger"以降もちょくちょくとリリースはしているんですが、 残念ながら"Danger"級のインパクを残すには至っていない彼ら。 そのBlazhyのM.O.P.をゲストに招いたニューシングル。 P.F. CuttinではなくFelp Dollazが手掛けた、 明らかにM.O.P.の登用を睨んだと思われる、 太くてロウ極まりないトラック。 まさに細かいところは気にしない、 前へ前へと突き進むビートに、 両者が入り乱れるような形でラップする構成のこの曲。 イントロから放送コードに触れそうな雄叫びをM.O.P.が響かせたと思えば、 勢いそのままに主役であるOutloudを喰いつくさんかという暴れっぷり (フューチャーリングはM.O.P.となっていますが、 主にフューチャーされているのはLil Fame)。 Outloudも渋いラップでM.O.P.に応戦していますが、 このトラックにここで聴かせるOutloudのラップなら、 特にフューチャーリングがなくても(例えばフックと合いの手だけとか)全然OKなような気も。 ちなみにこの曲にはかかわっていない模様のP.F. Cuttinですが、 彼の制作するミックス・テープは非常に評価が高いので、 特に90年代前半から中盤にかけての作品を見かけることがあったらチェックしてみてください。

50 Cent "Window Shopper" G-Unit/Interscope 2005(# B0005848)
Produced By:?

今やわが世の春を満喫する50 CentがメンターであるEminemの成功に習うかのように、 自身のサクセスストーリー<半生>を描いた映画"Get Rich Or Die,Tryin'"でいよいよ男の到達点、 銀幕の世界に進出。 そのサントラから1stシングルとしてカットされたのが、 このWindow ShopperとHustler's Ambition。 Window Shopperはそんなタイトルどおり、 手に入れることもできずに宝石店のショーケースを眺めるという切ないフックを、 50 Centの十八番、鼻歌交じりで歌うナンバー。 ちなみにストリート向けのシングルとして出回ったバージョンでは、 某ラッパーに向かってWindow Shopper呼ばわりしているんですが、 もともとはそちらがオリジナルだったものの、 トラブルを懸念したレコード会社の意向でこちらが採用されたとのこと。 B面のHustler's AmbitionはMazeをサンプリングしたソウルフル(かなりよいです)なトラックに乗せ、 自身の体験を色濃く投影したであろう、 主人公のハスラー人生を歌ったもの。 いわゆる両A面的な仕様ですが、 記念すべき銀幕デビューを飾るナンバーにしては両面共に地味め。 アルバム"Massacare"に感じられた、 華やかさはあまりありませんが味わい深さはこちらが上か。 むしろアングラ時代の50 Cent好きな人にはツボなシングルかもしれません。

Pharell Featuring Gwen Stefani "Can I Have It Like That"
Star Track/Interscope 2005(# B0005660)  Produced By:Pharrell Williams

最早言わずと知れたNeptunesですが、 そのフロントマンとして、 最近は服飾も手掛けるなど、 一プロデューサーの枠を超えた活躍を見せる男Pharrell Williams。 そのPharrell様が、 いよいよ待望のソロ・アルバム"In My Mind"のリリースに向け発進。 すでにNeptunesのレーベルStar Trackのお披露目コンピレーションでも、 ソロ作"Frontin"(Jay Z参加)のシングル・リリース、 N.E.R.D.での活動と、ソロデビューに向けての下地は既に充分。 むしろ遅すぎるぐらいに感じるPharrell様の本格的なソロ活動。 その先陣となる本作は、 ゲストにスカバンドNo Doubtの紅一点ボーカルGwen Stefani嬢が参加と、 現在のPharrellのポップス界での立ち位置も見えてくるかと。 ソウル・シンガーのライブの導入部を思わせる、 ホーンセクションが織り成すイントロから、 ベースがうねりまくるメインのトラックに一気になだれ込む血沸き肉踊る迫力の一曲。 Pharrellじきじきに手掛けた、生音主体の、いわゆるヒップホップ・サウンドにおけるベースというよりも、 N.E.R.D.顔負けのロック的なベースのうねり具合。これたまりません。 そしていつものファルセット・ボイスを潜めた、 Pharrellのぼやき節のラップにはなんともいえぬ華が。 時代の寵児としての輝きを感じちゃって下さい。

Fugees "Take It Easy" Columbia 2005(# 44-675252B)
Produced By:Wyclef Jean

1996年にリリースされたアルバム"The Score"の世界的な大ヒットで、 一躍大ブレイクを果たした、 言わずと知れたLauryn Hill、Pras、Wyclef Jeanの三人、The Fugees。 その後グループとしての活動は休止しながらも、 各自がソロ活動に邁進。 特にLauryn Hillはソロアルバム"The Miseducation of Lauryn Hill"の大ヒットで、 一人の女性として多くの女性の憧憬の的となるなど、 音楽を超えたところでも注目を集めたのは記憶に新しいところ。 待望論はあったものの、現実には難しいと思われていたFugeesが、 なんと約十年ぶりに大復活の狼煙となる最新シングル "Take It Easy"(ミキシングにはDJ Quikのクレジットが!)をリリース。 ちらほらとそういう噂はあっただけに、 いよいよ来たかという期待感に胸膨らんでしまうのも事実。 やはり"The Score"当時のFugeesを想い起こし、 さらには各メンバーが築き上げてきたソロキャリアを考えると、 新生Fugeesに対する幻想は大きくなるばかり。 しかしながら、あくまでこのシングルに限っていえば、 自分が期待していたFugeesではなかったというのが正直なところ。 良くも悪くも現代風の音作りにシフトしているのはちょっと残念。 復帰作としては消化不良ですが、これで終わる彼らではありません。 次作に更なる期待を膨らませましょう。

Tru Life "New New York" AV8 2005(# AV-574)
Produced By:9th Wonder

日本では"Beef"収録のエピソードでその名を轟かした感もありますが、 以前にも数枚のシングルをDream Worksからリリースしながらも、 フェードアウト気味になっていたTru Life。 そんな彼のMix CD用に作られた最高の新作が、 AV8からアナログでリリース。 アメリカ音楽界の巨星Frank Sinatraの数多の代表曲の一つである"New York,New York"の、 最も盛り上がる部分のコーラスをサンプリングしたイントロから一気に聴かせます。 "The Beef"のエピソードを想像させる、 まさにラフ、タフ、ワイルドと三拍子そろった吐き捨てるようなTru Lifeのラップ、 9th Wonder手掛けるトラックががっちりと噛み合ったTru Lifeの再出発にふさわしい逸品。 LA風にキメるのも、サウス風にバウンスやクランクもいいけど・・・ 俺たちはNew Yorkだぜ、わかってんのかよ?お前ら目覚ませよと、 サウンド面・スタイル面で西海岸や南部の影響を隠せない、 "首都"ニューヨークを鼓舞する彼の熱い想いが(一部では某ラッパーをディスとの噂も)。 B面の"22 Two 2005"は彼のボスJay Zの"Song Cry"のリメイク的なナンバー。 Roc-A-Fellaとの契約にもサインしたTru Life。 この勢いでNew Yorkヒップホップの新時代を築くか?この曲はぜひとも聴いていただきたいです。

AZ Featuring Raekwon & Ghostface "New York"(B-Side Of "Still Alive")
Fat Life 2005(# FSL-SI-63)  Produced By:Emile

ネット上での音源流出等の憂き目に会い 当初の予定より約一年ほど遅れながら、 内容も全面的に差し替えられてリリースされたAZのアルバム"A.W.O.L."。 アルバムもランダム・ラップ好きの方々などを中心に、 密かに好評を博している模様ですが、 そんな90年代前半、所謂黄金期のヒップホップを愛する皆様にはたまらない一曲が、 B面ながらもシングル化。 RaekwonとGhostfaceのWu Tangコンビが参加した"New York"は、 映画"Wild Style"でお馴染み、 "Gang Bustered"のブレイクをサンプリングしたトラックに、 AZ→Reakwon→Ghostfaceの三人が、 不穏なベースが響くビートに負けずタフなラップで痺れるマイクリレー。 サンプリング・ソースのタイトルそのものに、 ギャングスタ・メンタリティを前面に押し出したアプローチで、 彼らの故郷NYを謳いあげる秀作。 ほぼ同時期にシーンに飛び出した三人。 サイクルの早いヒップホップ界にあっては、 今やベテランといわれる部類に入ってしまうかもしれない彼らですが、 ここではベテランならではの渋さをみせつつも余裕さえ感じさせるところがニクイ。 しかもフックを構成するカット、スクラッチはわれらが匠Premier師とくれば、 イーストコースト・ラップのファンは見逃せないはず。

Ghostface Killah "Be Eazy" Def Jam 2005(# B0005116)
Produced By:Pete Rock

ソロでの活動が目立つWu Tangにあって、 その中でも大きな成功を収めていると言えばGhostface Killa。 2003年には古巣であるEPICを離れ、 名門Def Jamとのソロ契約を果たすなど、 着々とキャリアを築き続けるGhostfaceのニューシングルは、 プロデュースにPete Rockを迎えた、 NYヒップホップの底力と粋を感じさせる一作。 今作ではピート印ともいうべき、 彼の音楽的嗜好から繰り出される、 ヴィンテージな香りと温かみのあるサンプリングを排し、 SP-1200を思わすロウなドラムを前面に打ち出した、 シンプルながらも厚みのあるトラックでGhostを援護射撃。 シンプルなドラムビート一つで独自の世界観を作り出すPeteに対し、 ライブ仕立て風の最高のイントロから、 相も変わらずこれでもかというようなアグレッシブなラップを放つGhostface。 途中、舎弟格のTriefを交えるなどはあるものの、 特に新機軸を打ち出すわけでもないんですが、 Ghostfaceファンならずとも、 東海岸のヒップホップを愛好している方には耳にしていただきたい一曲。 サンプリングが復権した今、 Pete Rockのようなプロデューサーがメジャーシーンに登場するのは、 タイミング的には絶好ですし、そのお膳立てをしたGhostfaceの慧眼には感服そして感謝です。

Young Jeezy Featuring Jay-Z "Go Crazy" Def Jam 2005(# B0005456-11)
Produced By:Don Cannon

Boyz-N-Da-HoodのメンバーとしてもおなじみのYoung Jeezy。 ローカルながらインディペンデントでのソロ作品をリリースするなど、 すでにソロ・アーティストとしての活動歴もある彼がソロ契約を交わした、 名門Def Jamからのリリースとなるアルバム"Let's Get It : Thug Motivation101"からの4thシングル。 ドラマティックなイントロに導かれ、 Curtis Mayfieldをサンプリングした、 ソウルフルでどこか土臭い、 しかし壮大なスケール感をも感じさせるトラックに、 こちらもニューカマーとは思えない、 スケール感を漂わせるまさに大器と呼ぶにふさわしいJeezyのラップがピタリとはまったパーティー・チューン。 Jeezyの節回しのようなラップも、 どこか土臭さと不良性感度の高さを感じさせるんですが、 それがまた渋い! そしてこの曲のもうひとつの注目といえば、 Def Jamを率いるJay-Zの参戦。 Jay-ZがJeezyのことを高く評価しているということもあるようですが、 それにしては顔見せという範疇を超えた本気ぶり。 確かにこの手のソウル系のサンプルを主体にしたトラックといえば、 "Blueprint"以降のJay-Zのトレードマークなんではまり具合はいいんですが、 Jay-Z以上に聴かせるJeezyのラップに軍配ありか。 Jay-Zを向こうにまわしてこの貫禄、タダモンじゃございません。

DJ Quik Featuring Nate Dogg "Black Mercedes" Mad Science(#)
Produced By:?

裏方専業宣言もどこ吹く風に吹かれてリリースされた、 DJ Quikのニューアルバム"Trauma"。 ウエストコーストを代表するトップ・プロデューサーとして、 長いキャリアに裏打ちされた実力と、 常に外さない作品の数々で、 長きに渡ってファンを魅了し続けるDJ Quikのニューシングルは、 "Trauma"の中でも一際シングル化が待たれていたであろう、 Nate Doggをフューチャーした"Black Mercedes"。 QuikとNateというと、Elektraからリリース予定がありながらお蔵入りになった、 Nateのアルバムからの未発表音源として、 比較的最近出回ったブートレグ盤にも収録されていた、 "There She Goes"(なんとか正規でのリリースはならないものでしょうか) での相性のよさも記憶に新しいところ。 今作はその""で聴かせた爽やかスムース路線とは異なる、 重量感のあるドラムを軸に哀愁漂うメロディーを絡ませた、 Quikの手腕が光るシングル。 スローテンポなビートに漂う哀愁のあるメロディーとNateのコーラスもピタリ。 時に涼しげに、時に高らかに、 そして今作のように時に哀愁を漂わすNateのヴォーカル表現には脱帽です。 ファンならずともQuikとNate Doggのコラボレーションということで、 耳にしておいても損はない一曲ですね。

The Heatmakerz Featuring M.O.P. & Big Scoob "B.K.N.Y." Major Key 2005(# mk-105)  Produced By:The Heatmakerz

NYを代表する一大勢力となったDiplomats関連のプロデュースでもお馴染み。 Rsonist、Pop、Thrillerの聖地ブロンクス出身、 三人で結成されたプロダクションチームThe Heatmakerz。 Diplomats以外にもAZらのプロデュースを手がけるなど、 躍進中の彼らがリリースする"The Crack"からの1stシングル。 "BKNY"のタイトルが示すように、 Blookryn代表M.O.P.とBig Scoobが参加。 バスドラがドコドコ響くスロウな重たいビートに存在感のあるハイハット。 ドラマチックなSEと子供たちによる"BKNY"の合唱。 Diplomats作品にも相通じる、 勇ましくそして男っぽいトラックながら、 ドラムの手数の多さとハイハットが、 M.O.P.のラウドなラップと絡むと、 どうもごちゃごちゃとまとまりがなく、 相性という部分では今ひとつのような気も。 もっとソウルフルな、あるいは彼らお得意のネタ感の強いトラックの方 がM.O.P.の良さをより引き出すことが出来たのでは。 カップリングの"Back In The Building"は、 DiplomatsのHell Rellをフューチャー。 ややバウンス感が増したものの"B.K.N.Y."とは同路線のトラックは、 HeatmakerzとDiplomatsのこれまでの作品がイメージさせるのか、 DiplomatsのHell Rellのラップにはしっくりときています。

Busta Rhymes Featuring ODB "Where's Your Money" Aftermath(# INTR-11557-1)
Produced By:?

数々のヒットを飛ばしたJ-Recordsから旅立ち、 泣く子も黙る御大Dr.Dre率いるAftermathへと移籍を果たしたBusta Rhymes。 そのAftermath移籍第一弾アルバム"The Big Bang"からの1stシングル。 詳しいクレジットがないのでわかりませんが、 巷の噂などなどではプロダクションはDr.Dreとのこと。 乾いたドラムのビートに、 低いキーの不穏なピアノ、 フックで歌う少年合唱団のコーラスが絡んだトラックは、 ちょっと聴く限りはDreっぽさを感じさせない、 でもよくよく聴くと半端じゃない音の鳴りのよさは、 やはりDreの技でしょうか? Bustaのラップも彼のトレードマークである、 所狭しと縦横無尽にラップする、 いつものアグレッシブ姿はやや影を潜めているものの、 レーベル移籍という大きな転換期にも気負いなく、 気合が入ったパーフォーマンスはベテランの余裕でしょうか。 そしてゲストには我らがODB! 天に召されたのが信じられないような、 のっけからぶっ飛ばすラップには涙涙です。 世の中的にはBusta移籍一発目という点で話題にされているこの曲ですが、 プロダクションがDreということですと、 DreとODBの絡みという点でも注目。 J-Records時代は自身のキャリアの中でも代表曲となるようなナンバーを生み出していったBusta。 Aftermathへの移籍で更なる爆発なるか?

Warren G "PYT" Hawino/Simply Vinyl(# SIMP12017)
Produced By:?

Warren Gの6thアルバム""から、 2004年に念願の1stアルバムをリリースしたWarren Gもメンバーに名を連ねる、 西海岸の伝説的ユニット213のSnoop Dogg、 Nate Doggが参加した"Pyt"が日本限定風の嬉しいヴァイナル化。 Snoop、Nate、Warren Gの三役の揃い踏みということで、 いやがうえにも注目を集めると思われるこの曲。 しっとりとしたメロディのトラックで、 SnoopとWarren Gのぼやくような語り、そして繊細なコーラスを披露するNate Dogg。 トラックの雰囲気もあってか、 大人の艶っぽを感じさせる極上のスムース・チューンに。 この艶っぽさの中にも、うらぶれた、 そして陰のあるパフォーマンス。 デビューから様々な波風を乗り越え、 酸いも甘いも噛み分けてきた3人だからこそ出すことができたベテランの味と、 いえるのではないでしょうか。 逆にB面ではWarren GやSnoop、 Nateが作り上げてきた西海岸の歴史を受け継ぐChuck TaylorことThe GameとLA超世代軍結成。 A面ではSnoopらとは大人の魅力を見せ付けたWarren Gですが、 Gameを迎え、若いモンには負けないぜっ!とばかり弾けたラップで応戦。 Chuck Taylorさんの出番がやや少なめな気もしますが、 こちらも見逃せないパーティーチューンでございます。

Warren G Featuring B-Real "Get U Down" Hawino(#)
Produced By:?

Warren Gの4年ぶりとなる6thアルバム"In The Mid-Nite Hour"からの2ndシングル (公式にはこの曲が1stシングルのようなんですが、 アルバムからのカットとしては2枚目ということで2ndシングルとさせていただいております)。 ブラックコミュニティー代表Warren G、 そしてゲスト参加のラティーノコミュニティー代表B-Realの両者が、 LAにおけるブラックコミニュティーとラティーノコミュニティー間に横たわる、 対立や諸問題を取り上げ、両コミュニティーの団結を謳ったメッセージで、 リリース前から話題となっていた本作。 Warren G、B Real共々既に十年以上のキャリアを誇るベテランラッパー二人の共演。 両者ともにベテランということで、 いい意味で出過ぎることもなければ、 二人の声質やラップのスタイルも違うんでこのコラボは吉。 そしてなによりも彼らのようなベテランだからこそ、 平和と団結を訴えるメッセージにも説得力があるというもの。 WARの"Don't Let No One Get You Down"をサンプリングした心地よいトラックも、 Warren Gのらしさが光った聴き所。 B面には、カトリーナの被害者に向けられたSnoopのラップと、 さらにはIce Cubeまで参加してしまった、 ベテラン4人がマイクをまわす、 アルバム未収録の"Get U Down Part2"を収録です。

Warren G "Make It Do What It Do" Hawino(#)
Produced By:?

2004年にはSnoop、Nateの両Dogg氏と、 ハイスクール時代に結成していた213を復活させた話題を呼んだWarren G。 そんなわけで不在感らしき不在感はなかった彼ですが、 ソロとなるとUniversalから2001年にリリースした"Return Of The Regulator"以来、 実に4年ぶりとなるニューアルバム"In The Mid-Nite Hour"からの1stシングル。 一昔前のカートゥーンのテーマのようなイントロから、 ポコポコと鳴るチープなエレクトリックパーカッション主体のトラックのA面"Make It Do What It Do"。 Warren Gも囁く様なラップを聴かせているんですが、 そのチープな感触がかもし出す、 なんともいえなく緩い空間は妙なインパクトあり。 こういうデジタルな感じを前面に押し出したWarren Gの曲というのも珍しい気もしますが、 賛否は分かれるところかと思います。 B面の"Gorilla Pimpin"は硬質なドラムに、 大仰なSEが被さるDr.Dre風なナンバー。 もともとこちらの曲の方が先にインターネットなどではいち早くリークされていたんですが、 A面の妙な空気から一変、 ゲストのBishop Lamountの絞り出すような声で歌われているフックも映えた好曲。 Warren Gファンにはこちらの方が評判はいいのでは。

Daz Dillinger "All I Need" So So Def 2005(# 0946-3-40544-1-6)
Produced By:Jermaine Dupri

So So Defとの契約が伝えられてからリリースされたのは、 Nate Doggをゲストに迎えたシングル"Boyz-N-Da-Hood"一枚のみ。 その間にもインディーズでは2枚のソロ・アルバムを、 さらには旧友Kuruptとの電撃和解によるDPGのアルバムリリースなど、 相変わらず精力的な活動振りながら、So So DefのSoの字も感じさせない動きを見てると、 なかった話なのか? なんて危惧していた矢先に"So So Def"からの久々のリリース。 セルフ・プロデュース作が多いDaz作品ながら、 今作はレーベルオーナーでもあるJermaine Dupriがプロデュース。 どちらかといえばポップな作風が持ち味のDupriと、 ラップも含めて一本気な野太いファンク魂全開が持ち味Daz。 正直、当初は両者のキャラ違いがちょっと気になるところだったんですが、 それも杞憂に終わる、意外や意外の噛み合いぶり。 だいぶ前のTVゲームの音楽のようなチープなウワモノや、 ペーストされた声ネタが配置された軽めのトラックに、 インディでの諸作で聴かせる荒々しさを所々で見せつつも、 全体としては抑え気味のラップを聴かせるDaz。 呪術的にタイトルを連呼するフックは必ずや耳に引っかかるはず。 ただこれだけリリースが遅れてると、 アルバムの方はどうなんでしょうか? インディで大爆発し続けるDazも最高なんですが、 メジャーシーンにも絶対必要な人。気長に待ちますか。

Boyz-N-Da-Hood "Gangstas" Bad Boy 2005(# PR301902)
Produced By:Erick Sermon

ユニット名を見れば一目瞭然。 南部のN.W.A.を標榜するアトランタ発Bad Boy経由、 Jody Breeze、Young Jeezy、Big Gee、Dukeの若武者4人組、 その名もBoyz-N-Da-Hood。 GameやT.I.が参加したリミックスまで作れらた、 "Dem Boyz"のヒットで一躍その名を響かせた彼ら。 その"Dem Boyz"も収録された1stアルバムからの最新カット。 注目はB面に収録された"Gangstas"。 よく言えば一本気でわかりやすく、 悪く言えばひねりがないといわれてしまいそうなタイトルですが、 ギャングスタラップ界の大立役者、 今年で死後十年のEazy-Eがフューチャーリングとあれば聞き逃すわけにはいきません。 南部のN.W.A.を標榜するBoyz-N-The-Hoodの曲に、 オリジナルN.W.A.の創設者であり、 デビュー曲"Boyz-N-The-Hood"で、 その後のヒップホップをすべて塗り替えることとなったEazy-Eが参加・・・ ヒップホップ・ロマンの溢れることとなったこの曲ですが、 Boyz-N-The-Hoodの面々が紡ぎだす男っぽいラップに、 唯一無二のヴァリトンばりの高音ラップで割り込むEazy-E。 やはりあの声、存在感はかなりあり。 そのEazyの存在感を向こうにまわしつつも、 負けずと勢いで押し倒すBoyz-N-Da-Hoodの面々のマイクリレーは好感触。 緊迫感漂うイントロから耳を引き込まれるトラックはなんとErick Sermonでございます。

DJ Green Lantern "Invasion Wax Vol.2" AV8(# AV553)
Produced By:Green Lantern

Shady/Aftermath軍団所属ながら、 50Centとのビーフ真っ只中のJadakissに、 "もっと強烈なのやった方がよいよ!"というような旨のアドバイスをしたことで、 50らに誤解を与えてしまったことに責任をとる形で、 自らEminemのツアーDJを辞任した男気DJ、Grean Lantern。 そんなGreen Lanternによる、 AV8からリリースのInvasionシリーズからの新作。 A面の"Growin' Up In The Hood"はThe GameとObie Triceが参加なんですが、 このタイトルを聞いてピンとくる方も多いはず。 そうです!Ice Cubeの映画初出演作"Boyz-N-The-Hood"のサントラに収録されている、 Compton's Most Wantedの同名曲のカバーなんですね。 GameといえばEazy-Eの後継者的イメージが強いですが、 コンプトンといえばMC Eiht率いるCMWを忘れちゃいけません。 そのCMWの代表曲を、DJ Slipの手がけたトラックごと丸々引用した企画勝ちの一曲。 しかもObie Triceが担当する2ndヴァースでは、 西の定番ブレイク"Funky Worm"を使うなど、 Green LanternのDJセンスが原曲をさらに発展的にした好カバー。 B面にはBabygroundeからもシングルがリリースされていた、 Immortal Techniqueの"Bin Laden"のリミックスを収録。 Chuck-DとKRS Oneの両ベテランが参加の、 A面とは対極的な(タイトルからもわかりますね)政治的なメッセージの色が強いナンバー。

Black Rob "Ready" Bad Boy 2005(# PR301958)
Produced By:Scram Jones

Biggie亡き後のBad Boyでハードコア/ギャングスタ路線担当として、 この曲のビートを聴くとフリースタイルをしたくなるとまでIce Cubeに言わしめた、 Buckwildのビートが炸裂する大ヒット曲"Who"で颯爽とシーンに登場したBlack Rob。 それ以降はPuff DaddyやG-Depといったレーベルメイトの作品への客演や、 時たま聞こえるネガティブな身辺情報を耳にする程度だったBlack Robの待望のニューシングル。 重たいドラムを中心にしたシンプルなトラックながら、 フックで歌う"Black Robが一番!"ノリの少年少女合唱団による愛らしいコーラスのせいか、 やはりBad Boy作品、(Bad Boyと言われてイメージする派手さや華やかさはなくとも)さすがにポップですが、 Black Robのキャラクターのせいもあってかポップになりすぎていないあたりがミソ。 "Wild Style"のイントロから、 Black Robの男っぽいラップを引き立てる重たいドラム・ビートの合間に、 少年少女の歌声を挟み、 ポップとハードコアの狭間のような絶妙なプロダクションは俊英Scram Jonesの手によるもの。 若干2分半というヒップホップとしては短めの曲ながら、 徐々に熱を帯びるBlack Robラップを聴く限り、ソロ作品としてのブランクも感じさせませんね。 他にもBlack Robらしさがでた、 ギャングスタ・チューン"Star In The Hood"と"Help Me Out"の2曲を収録。

ODB "ODB,Don't Go Breaking My Heart" Damon Dash 2005(# B0005029-11)
Produced By:Damon Elliot

Damon Dash Recordsからリリースが予定されるODB追悼アルバム"Son Unique"。 既に2枚のシングルがそのアルバムからカットされていますが、 その2枚ともどちらもプロモーション盤止まりだったなか、 3rdカットなるこの曲が初のコマーシャル盤としてのリリースに。 今作はElton Johnの同名曲をサンプリング。 ゲストには1stカット"Intoxicated"でも、 朗らかな歌声で花を添えていたMacy Grayがまたもや参加。 非常にテンポの良い軽やかなビートは、 ODBの魅力を存分に引き出すだけでなく、 聴いてるこっちもなんだか楽しい気分になってくるポップさも。 ODBというと、やはりWu-Tangのイメージのせいか、 男っぽいビートが相性良さそうですが、 こういうポップなビートも悪くないですね。 Elton Johnをサンプリングと前述しましたが、 女性コーラスのMacyの参加も含めて、 実質的にはカバーと言える随所で原曲を再現。 Elton JohnとODBのキャラクターはあまりにもかけ離れていますが、 ODBが水を得た魚のごとく歌いまくり(途中ポップコーンをむしゃぶりつく所とか最高です!)。 ODBとMacyの掛け合いもばっちりですし、 聴いてるこちらにも、歌いまくるODBの気持ちよさが伝わってきます。 底抜けに明るくて、底抜けに楽しい。 でもなぜか、どことなく悲しげな (上手くは言えませんが 祭りの後的な)雰囲気をも漂わせる味わい深い一曲。

50 Cent Featuring Mobb Deep "Outta Controll(RMX)"
Interscope 2005(# INTR-11494-1) Produced By:?

大ヒット2ndアルバム"The Masscare"に、 収録曲のビデオクリップを収録したDVDをパッケージした "The Masscare Special Edition"。 DVDをパッケージともなると、 なんとも欲しくなってしまうのが、 ファンの悲しい性。そんなファン心理を巧みにつく一枚から、 オリジナルの"The Masscare"に収録されていた、 "Outta Control"のリミックスが登場。 プロダクションはオリジナル・バージョン同様にDr.Dreながら、 音数多めのオリジナルとは方向転換したシンプルなリミックス。 それでも単調さを感じさせず、 オーディエンスを飽きさせないプロダクションのレベルの高さはDreならでは。 そして何よりも注目は今春G-Unit入りが発表されていたMobb Deepが参加という点なんですが、 Mobb Deepのラップと、Dreのトラックがいい具合に噛み合ってますし、 50 Centとの絡みも違和感を感じさせないどころかむしろ好感触。 やはり心機一転、G-Unit入りしたMobbのお二人も気合が入っているということでしょうし、 ファンとしては嫌がうえでも今後のMobb Deepの動きには期待です。 とMobb Deepのことばかり書いちゃいましたが、 50 Centに関してはのりにのる人だけに言うことなし。 ファンにはおなじみの鼻歌交じりのフックも相変わらず絶好調。 Mobb Deepを迎えて、彼らの旨味を引き出すなど、 "プロデューサー"50 Centの一面をも垣間見せてくれています。

Three 6 Mafia Featuring Young Buck,8 Ball & MJG "Stay Fly"
Columbia 2005(#44-80076) Produced By:DJ Paul & Juicy J

Memphisを代表するスーパーグループにして、 サウス・ヒップホップを語る上で外すことのできないThree 6 Mafia。 いまや重鎮と言っても過言ではないThree 6のニューシングルは、 彼らの故郷テネシーが生んだ、 これまた南部の重鎮8Ball & MJGと、 これからのサウスを背負ってたつYoung Buckをフューチャーした、 メジャーなんだけどローカル色の濃さをも感じさせるこの曲。 プロデュースはもちろんDJ PaulとJuicy J。 Lil JonらATLのクランク勢にも大きな影響を与えていながら、 日本ではホラー系などという一括りの中で、 マニアなファンを除いてはいまいち過小評価されがちだったDJ PaulとJuicy Jのビート。 そんな彼らですが今作はWillie Huchをサンプリングし、 ハイ・ハットの効いたバウンス・サウンドの中にもソウルフルな印象を。 打ち込みによるバウンス・ビートと、ソウル系のサンプルという、 相反するような二つの要素を違和感なく一つのサウンドに仕立て上げてしまうあたりは、 さすがにDJ PaulとJuicy Jの手腕が光っております。 Juicy Jの叫ぶタイトルをトランスフォームした、オールドスクールな構成のフックも、 オーディエンスの耳を確実に捉えるはず。 ゲストを含めキャラ立ちした面々が濃いマイクリレーを聴かせてくれますが、 圧巻はトリをとるMJG。トリッキーなデリヴァーを駆使しつつ、 ベテランらしい貫禄を漂わせる姿はこの曲のトリを飾るにふさわしい抜群の存在感。 Three 6の歴史に新たに加わるクラシック。

Royal Flash Featuring M.O.P. "Worldwide PartU" Major Key 2005(# MK104)
Produced By:M.O.P.

ヒップホップ界における東西の冷戦状態が、 メディアとファンに叫ばれていた96年に、 Blunt Recordsから"New York,New York"のフックをなぞらえた、 Queens賛歌"Worldwide"でデビューしたRoyal Flash。 デビューアルバム"Ghetto Millionaire"も、 自身の出身地であるQueensのマナーを前面に押し出した力作だったんですが、 その後は大きな動きもなく雌伏の時を過ごしつつも、 インディーで自主プロデュース作をリリースしたりしていたんですが・・・ あれから9年の月日を経て彼の代表作となったデビュー曲"Worldwide"のパート2が登場です。 サイクルの早いラップ界にあって9年というのはかなり長い空白の時ですが、 こういう形で"Worldwide"の続編が聴けるとは思っていなかったので、 このリリースには嬉しいと同時に驚きも。 しかも客演、プロデュースには我らがM.O.P.とだてに9年待たせたわけじゃない。 M.O.P.らしい男臭くもワンループで突き進むビートと男たちの叫び。 ひたすらゴリ押しのM.O.P.とは反対に、クールなRoyal Flushのラップ。 客演にしろM.O.P.は相変わらず目立ってますが、 スタイルは正反対のRoyal Flushのクールなラップも渋い! 派手さはないですがニューヨークの正統的なハードコアラップの、 典型的ともいえるスタイルの一曲。 ちなみにトラックは"ロッキー4"のテーマをサンプリングしているような気がするんですが、 ロッキー及びヒップホップ・マニアの皆様判別よろしくお願いします。

Public Enemy "Can't Hold Us Back" Guerrilla Funk 2005(# GFK-31020-1)
Produced By:Paris

1987年の伝説的ロンドン・ライブのDVDリリースや、 2005年のSummer Sonic来日など、 マニアの涙を絞りながらも、 ノスタルジーには浸らない精力的な活動を展開するPublic Enemyのニューシングルは、 PEよろしく過激な政治的メッセージで知られるParis率いるGuerrilla Funkからのリリース。 タイトルから往年のファンの心をもくすぐりそうなわけですが、 Chuck D健在!を誇示するかのような抑揚のあるラップで、 過去の名フレーズを織り込むなどファンには嬉しい限り。 他にも(プロデュースのみならず)Parisやこれまた懐かしい元Ice Cube一派のKam、 そしてPEらの高い志を受け継ぎ、 ポリティカルなラップが向かい風の現在にあって奮闘を続けるDead Prezが客演で参加。 まさにPEの同士ともいうべくこれらのラッパーが大挙参加しているのはいいんですが、 結果的に各人のパート(特にChuck D)が短くなってしまったのと、 Flavor Flavの姿が見えない(ジャケットには参加なんですが・・・コラージュか??)のがちょっと残念。 Paris製の勇壮なトラックも悪くなかっただけにもうちょっとChuck Dを聴きたかったです。 B面に収録された"Pump The Sound,Pump The Sound"はBomb Squadを意識したかのような、 ChuckとFlavorの声をペーストしたインスト・ナンバー。こちらも捨てがたい小品となっております。

The Game "Put You On The Game" G-Unit/Aftermath 2005(# INTR-11448-1)
Produced By:Timbaland

ビーフやディスといったスキャンダラスな話題も含めて、 現在のヒップホップ界で最も多くの注目を集める一人となったThe Game。 いまやシーンにいなくてはならないスターとなった 彼のメジャーデビュー作"The Documentaly"が リリースされたのも2005年の初頭と考えれば、 そのスピード出世振りの早さは一目瞭然。 そのメジャーデビュー作"The Documentaly"からの5枚目のシングルは、 アルバム収録曲の中でも"Higher"なんかと並んで、 アグレッシブなビートとラップに強い印象が残ったこの曲。 プロデュースはGameの師匠筋であるDr.Dreがとある有名プロデューサーを攻撃した際にも、 Dre側の助っ人としておっとり刀で駆けつけたTimbaland。 特に仕掛けや奇をてらった演出があるわけでもないのに、 がっちりと聴かせるあたりはさすがはTimba、平均点自体が高いです。 過去にこのアルバムからカットされたシングルのいずれもが、 どちらというと"聴かせる"タイプが多く、 そしてそれらがヒットしてきたわけですが、 それらとは異なる、この曲のようにラップもビートも勢いのある曲の方もなかなか魅力的。 アルバムからの1stシングルがリリースされたのが2004年の9月で、 このシングルがリリースされたのが2005年の夏。 そう考えると"The Documentaly" のプロジェクト自体が最近のヒップホップには珍しいロングランですね。

Rev Run "Mind On The Road" RSMG/Def Jam 2005(# B0004967-11)
Produced By:Whiteboy

2002年秋、Jam Master Jayの非業の死によってその活動に終止符を打ったRun Dmc。 世界中の音楽ファンを巻き込み、ヒップホップをNYのローカル・カルチャーから、 ワールドワイドなそれに押し上げ、多くの伝説を作り上げてきた彼ら。 その中心人物でもあったRunが、 実兄でDef Jamの創始者の一人でもあるRussell Simonsが、 新たにDef Jam傘下に設立した"RSMG"の第一弾アーティストとしてビッグ・カムバック! Run Dmcにとって最後の作品となった"Crowns Royal"は 正直言って消化不良な内容だっただけに今作には期待半分、不安半分だったんですが、 その不安も一気に吹っ飛ぶようなアグレッシブなこの曲。 ロック好きなら誰もが知ってるJean Jettの"I Love Rock'n Roll"のギラギラのギターリフを、 暴れ太鼓のような前のめりのドラムビートに被せた、 血沸き肉踊る、(Run Dmcの全盛期さえも彷彿させる)"King Of Rock"節全開なナンバー。 スキルだなんだと細かいことは一切度外視したようなRunのラップも、 俺は世界中をロックしてるんだぜ!とばかりに意気込む姿からは、 ヒップホップ史上屈指のライブ・アクトとしてのプライドが。 現在の流行とはまったくかすりもしないですが、 俺がマイク握ればそれがヒップホップ!といわんばかりのRun節が大炸裂で、 やりたい放題はじけ放題。勢いだけで作りましたなノリさえも感じさせるんですが、 最近のヒップホップにこういうノリが足りない気がするので大歓迎。RSMGのロゴ共々かっこいい!

Tony Touch Featuring Nina Sky,B-Real "Play That Song" Rice & Bean(# TT-004)
Produced By:?

カリブ海はプエルトリコを中心に発展してしてきながら、 N.O.R.E.の"Oy Mi Canto"のヒットで、 アメリカや日本でも一躍脚光を浴びることとなったReaggeton。 そのReggaetonシーンを今日の隆盛以前よりサポートしてきたのが、 自身のルーツをプエルトリコに持つTony Touch。 そんな彼が満を持して世に問うReggaetonアルバム"The Reggaetony Album"からのシングル。 CDでリリースされたときから話題になっていた、 World Famous Supreme Teamの"Hey DJ"のReggaetonカバーは、 スペイン語アルバムを出すなど、 以前よりルーツ回帰の動きを見せていたCypress HillのB-Real、 そしてフックではNina Skyが参加。 全編に渡ってスパニッシュでラップするTony TouchとB-Realのラップは、 US物ばかり聴いているオーディエンスにはエキゾチックな響きに感じられるのでは。 しかしながらラップ・ファンに注目してほしいのはカップリング曲の"Gangsta Gangsta"。 アルバム参加メンバー中では、 唯一の非ラテン系となるDJ Premierの手がけたハードなビートで、 Tony TouchとReggaeton界のスターTego Cardonがそれぞれ英語とスペイン語でラップするこの曲。 どちらかというとダンス・ホール向けなイメージのあるReggaetonですが、 この曲のTego Cardonのハードなたたずまいのラップ、 そしてPrimoの男臭いビートのコラボレーションを聴くとそうしたイメージや先入観も一変。 個人的にはここ最近のPrimo物の中でも出色かと。

Kurupt "Throw Back Music" Death Row(# DRR-12-63058)
Produced By:?

先頃、Snoop DoggやDaz Dillingerといった、 Dogg Poubd時代の仲間たちとの間のあったビーフの解消のニュースも話題となったKurupt。 アルバムも出る出ると言われ続けていながらも、 M.O.P.や実弟Roscoeが参加したシングル以降、 目立った動きのなかったわけですが、 その久々のアルバムからの1stシングルとなるであろう一曲がいよいよ登場です。 前作となるM.O.P.らをフューチャーした"Jealousy"(アルバムにも収録されるようですね)が、 重たいビートにメタルっぽいギターが被さった、 "ウエストコースのKurupt"のイメージとはまた違った感じの一曲だったんですが、 "Throw Back Music"のタイトルからも想像できるように、 G-Funk時代のウエストコースト・サウンドを意識した作りになってるのはファンには嬉しい限り。 特にKuruptのやさぐれたラップのバックで、 ピーヒャラと高音シンセが響き渡るシーンはG-Funkファンには堪らないのではないでしょうか。 フックを中心に所々にフューチャーされているNate Dogg風のコーラスも、 G-Funk時代のサウンドの再現に一役も二役も。 やはりというかこの手のトラックだとさすがにKuruptのラップも映えるというか、 相性はいいんですよね。なんと言ってもウエストコーストの歴史を作ってきた一人。 こういう曲を聴くとこれからの活動にも期待してしまいます。

Common "Go!" good/Geffin 2005(# B0004924-11)
Produced By:Kanye West

2005年のナンバー1アルバムの呼び声も高い、 Commonの6枚目のアルバム(デビュー以来コンスタントなリリースを続けていますね) "Be"からの2ndシングル。 プロデュースはもちろん同郷、シカゴが生んだスパープロデューサーKanye Westを迎え、 グラミー賞の最優秀楽曲賞および、 最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス受賞の経歴を持つ シンガーソングライターJohn Mayerも参加。 いい意味で"これぞCommon"と唸ってしまうような、 多くのオーディエンスがCommonに求めてるであろうステレオ・タイプにがっちりとはまったこの曲。 Linda LewisをサンプリングしたKanye West手がける、 流麗さとクールなたたずまいをかねそろえた、 エレピの響きが最高に心地よいトラックに、 この曲の魅力が凝縮されてると言っても過言ではありませんね 後半のラップが終わったところで挿入されるパーカッションなど、 細かい部分までも計算されつくしたKanye Westのこだわりが。 Commonのラップ(ギャルねた含み)もこういうトラックだと、 相性も良く映えるというもの。 Kanye Westによるフック、そしてゲストJohn Mayerの連呼される"Go"のチャント。 曲の後半を彩るKanye WestのライブDJも務めるA-Trakの切れの良いスクラッチと、 パーカッションの響き。 特別な面白みや新しさはないものの、 曲を構成するすべてのパーツが有機的に結びついた極上のナンバー。

O.S.T. "SBX! Original Soundtrack EP" BBP Records 2005(# BBP12-001)
Produced By:Paul Nice

若き日のLord FinesseとPercee Pによる"幻の!" フリースタイル・バトルの目玉映像を軸に、 ヒップホップのメッカであるBronxに焦点を当てたドキュメンタリーDVD、 "SBX-Holding down the tradition-"。 そのDVDのサントラEPとなるのがこちら。 DVDが聖地Bronxに焦点を当てた作品ということで、 当然のごとく、このサントラに参加したアーティストもA.G.をはじめ、 Party ArtyらのD.I.T.C.系列のBronx勢で、すべてのプロダクションをPaul Niceが担当。 その収録曲の中でも特にヒップホップ・マニアを狂喜させそうなのが、 Lord FinessとPercee Pのハイスクール時代のフリースタイルバトルの再戦となる"Remach"。 James Brownが生んだヒップホップ史上屈指の名ブレイクビーツ、"Funky Drummer"を 荒削りに二枚使いしたトラックにのせ、FinessとPercee Pが熱すぎるフリースタイルで激突する本作。 本当の意味でまじりっけなし、純度100%のヒップホップ・ナンバーと言っても差しさわりなし。 派手な装飾や、小細工は一切なしで、 "Funky Drummer"のブレイクビーツとラップのみによる展開ながらも、 オーディエンスをぐいぐいと引っ張っていく二人のフリースタイルは真の実力者だからこそなせるもの。 ブレイクビーツ・・・フリースタイル・・・ Bronxで産声を上げたヒップホップ・ミュージックの粋でいなせな伝統を継承したこの曲。 痺れます。

M.O.P.-Whoa- M.O.P. "Whoa" Koch (# KOC-12-5825)
Produced By:?

大きな話題となったRoc-A-Fella移籍も、 結局はいろんな意味で不発に終わったM.O.P.。 現在G-Unit入りが間近というのがもっぱらの噂である彼らですが、 そんな彼らのニューシングルはNYのWBLSのラジオ・パーソナリティとして活躍する、 Wendy Williams女史が贈るコンピレーションアルバム "WENDY WILLIAMS BRINGS THE HEAT VOL.1"収録のこのタイトル。 Wendy Williams女史のアルバムはVirginからのリリースで、 そのアルバムから数曲をおいしいところ取りしたサンプラーもリリース (そこにもこの曲は入っています)されていますが、なぜかこの盤はKochのプレス。 もしかしたらRoc離脱以降に、Kochとの間に ディストリビューションの契約が進みつつあったのかもしれません。 恐らくはRoc在籍時にレコーディングされたと思われるこの曲、 四つ打ちのビートと勇壮なメロディを中心にしたトラックをバックに、 M.O.P.節を響かせるわけですが、四つ打ちのトラックの影響なのか非情に軽快な印象。 またフックではさらっと軽やかな男性コーラスが入ってくるなど、 M.O.P.にしては非常に口当たり良く、軽快な感触を受けます。 が、先ほどもいいましたがBillyとFameのラップは相も変らぬM.O.P.節なのはうれしい限り。 不遇の日々が続きましたが、彼らにはスポットライトの当たる場所での活動がふさわしいはずです。

Papoose "Shareds" Streetsweeper 2005(# SSE9701)
Produced By:?

業界を代表するトップDJの一人Kay Slayが 新たに興した自身のレーベルStreet Sweeper。そのStreetsweeperからの記念すべき第一弾となるのがこのPapoose。 この名を聞いてあれっと思われたマニアな方々もいらっしゃるかと思いますが、 99年頃にKool G.Rapの作品に参加したり、自身もそのG.RapやAZといった同郷のラッパーが参加したシングル (特攻野郎Aチーム使い!)なんかをリリースしていた、あのPapooseと同一人物とのこと。 Kay Slayが後ろ盾ということでMix Tape界では露出も多いPapoose。 純粋なデビューというよりも、いわば仕切り直しとなる今作。 タイトル曲"Sharedes"は、過去に何らかの罪で逮捕や投獄されたラッパーの挙げながら、 権力体制への批判を織り込んだ、骨太な一曲。トラックはNasの隠れた名曲"We'll Survive"と同ネタを使用。 憂いのあるフックも印象的な哀愁感を漂わせるしっとりとした仕上がりに。 Papooseのラップもじっくりと聴かせてくれます。 B面の"Monopoly"はR&BシンガーMarioの"Let Me Love You"のビートをジャックした、Mix Tape仕様のナンバー。 "Sharedes"同様に、メロウな中に哀愁を感じさせてくれます。 両面とも既視感のあるビートを用いてるので、ラップ好きの皆さんなら耳になじみやすいのでは。 今やヒップホップ界の中でも大きなウェイトを占めるMix Tapeの力。その力を借りて返り咲きなるか?注目の一人です。

9th Wonder & Buckshot "No Compelion"(#)
Produced By:9th Wonder

2003年にリリースされたアルバム"Total Eclipse"も記憶に新しい、 Black MoonのフロントマンにしてNYのインディ・ヒップホップ界の雄Buckshot。 Sean Price(Heltah SkeltahのRuck)やSmiff-N-Wessun、 そして盟友Evil Dee率いるDa Beatminerzなど周辺の人物のリリースが続いていただけに、 満を持してのBuckshotの登場はタイミング的にもバッチリ。 しかも早くからネット上でリークされ、既に話題となっている、 いまやインディ・ヒップホップ界を超えた活躍が期待される、 スパープロデューサー9th Wonderとの全面コラボレーションアルバムからの1stカットとくれば、 ファンとしては反応しないわけにはいかないでしょう。 緩やかなテンポのビートに、 ソウルフルなメロディとフリップされたような女性ボーカルのサンプリングが施された、 9th Wonderマナーの王道を往く憂いを含んだトラックと、 Buckshotの自在のフロウとデリヴァー。 そして貫禄溢れるラップがこれ以上ないぐらいにバッチリと絡み合っています。 Buckshotのラップが9th Wonderの実力を、 9th WonderのトラックがBuckshotの実力を、 それぞれ互いに引き出しあったかのような相性の良さは、 "Chemistry"のタイトルどうり最高の化学反応を聴かせてくれる、 まさに小細工なしで真っ向勝負のインディーヒップホップの粋を誇示したかのような一曲。

Mike Jones "Still Tippin" Swisha House 2004(# PR301620)
Produced By:?

Rap-A-Lotらと並ぶH-Townの人気レーベルが送り出す Mike Jonesのメジャー進出第一弾アルバム"Who Is Mike Jones?"。 すでにアルバムも大ヒットを記録していますが、 その大ブレイクへの布石となったのがこの1stシングル。 レーベルメイトのPaul Wallと、 Neptunesプロデュースによる諸作品でも御馴染みのSlim Thugという、 Mike Jonesらと共に今後のTexasシーンを背負っていくであろう面々が参加。 もったりとしたロウ・テンポなビートの上でマイクリレーを繰り広げるわけなんですが、 このトラックがまた一癖も二癖も感じさせる曲者。 基本的には音数少なめのシンプルなドラムを中心に構成されているんですが、 声ネタのScrewed感もあってか、 トラック全体にオーディエンスをズブズブと沈めるようなScrewed感を感じさせる仕上がりに。 沈むバウンスビートに怪しい弦楽器の音色が響くトラックは、 聴けば聴くほどはまっていく、耳から離れなくなる危ない逸品。 そんなトラックで主役とゲストの3者がマイクリレーをしていくわけですが、 Slim Thug、Mike JonesのパートではChopped感を演出するなど、 テキサスのローカル感に拘った作りながら、ヴァータサイルな魅力をかねそろえていたところがヒットの胆か? Mike Jonesのメジャーデビューのシングル・ヒットとして語られるであろう曲ですが、 Texasの新世代のMCの台頭、 ダーティ・サウスの新時代をも感じさせられること間違いなし。

Z-Ro -Club Wax- Z-Ro "Hot Wax" Rap-A-Lot 2005(#)
Produced By:V.A.

2003年にRap-A-Lotからリリースされたアルバムの成功と素晴らしいシングルによって、 Z-Roファン、H-Townファンはもとよりそれ以外のラップファンでもこの男に一目置いてる人は多いはず。 そんな注目株Z-Roの待望のニューアルバム""収録曲の中から選りすぐりの6曲を収めた、 懐かしの"Hot Club Wax"形式のEP、その名もClub Wax。 "Platium"は アップテンポなトラックに乗せて鼻歌交じりのラップを聴かせる軽快なナンバー。 ""のタイトルどおりキラキラ感が漂うウワモノがよいアクセントに。 一転"From The South"ではどんよりと沈み込むような、 Screwedなロウ・ビートに、Lil Flip、Paul WallのH-Town勢参加の一曲。 フックで入る"From The South"の声のサンプリング (ESGでしょうか?)もどっぷりとScrewedされてるローカル色の強い仕上がりに。 Mike Deanが手掛けた "Respect My Mind"はたまらない切なさと哀しみを漂わせながらも、 どこか荘厳な匂いも放つスローバラッド。 他にもJuvenileとDevin The Dudeをフューチャーした先行シングル"The Mule"や、 極めつけは"Paid In Full"のビートにのせ、 フリースタイルでラップしまくるZ-Roがまさに圧巻の"Mo City Don"も収録。 Z-Roというと歌とラップを交えつつというイメージがありますが、 このフリースタイルを聴く限りラッパーとしての半端ないポテンシャルの高さを感じますね。 全6曲で様々なスタイルのラップや歌を聴かせる多才振りと、その引き出しの多さに、 Z-Roの底知れぬ実力を見せ付けられた思いです。

DJ Quik-Fandango- DJ Quik Featuring B-Real "Fandango" Mad Science (# Fandango-01)
Produced By:DJ Quik

昨年秋にWarnerからリリースされた"What They Think"(フューチャーリングNate Dogg)で、 以前に宣言していたラッパー引退の宣言をよそに、 再び表舞台への本格復帰となった西海岸のベテランヒットメーカーDJ Quik。 前作はサウンドトラックからのシングルというわけで、 いわば肩ならし的・顔見せ的な感もあったわけですが、 どうやらこのシングル、 Warner傘下のMad Houseなるレーベル(Quik自身のレーベルか?)からリリースで、 ニューアルバム"Trauma"からのカットということで、 Quikファンには嬉しいニューシングルになりそう。 景気のいいホーンセクションが響き渡るイントロにはじまり、 Quikサウンドの大きな特徴であるスムースさとは対照的に、 ハードなビートに所々入るホーンフレーズが緊張感を漲らせるエッジの効いたトラックは、 Quik作品の例に漏れず完成度の高さは間違いなし。 フックおよび2ndヴァースではこれまた西のベテラン、 Cypress HillのフロントマンであるB-Realがラップでゲスト参加。 やや抑え気味のラップではありますがその存在感、安定感は(Quikのヘタウマなラップ同様)ベテランならではのものがありますね。 大きくはずすことがないQuik作品なだけに、 ある意味では手堅すぎる一枚ですが、 カラーヴァイナル(もちろん赤!)等、その辺も含めて充分すぎる一枚であります。 Gameのヒットで再び注目を集めるComptonですが大先輩も貫禄です。

Ghostface-Milk'Em- Ghostface Killah Featuring Trife "Milk'Em" Sound In Color 2005 (# SIC-006)
Produced By:Benny Cassette

Def Jamからリリースされた最新アルバムでも話題を集め、 自身が頭領として若手を率いるTheodore Unitでのアルバムリリースなど、 Wu-Tang勢の中でも一際目立つ動きを見せながら良質な作品を生み出すGhostface。 そのGhostfaceのニューシングルは、 Def Jamではなくインディーレーベルからのリリース。 Theodore Unitの若頭格のTriefをフューチャーした"Milk'Em"は、 合計で5バージョン収録ということでまさに選り取りみどり。 その中でも特に注目なのがA面の一曲目に収められた。 "You're My Sunshine"のフレーズを替え歌で口ずさむ女性コーラスによる、 既聴感大のイントロが印象的なBenny Cassetteバージョン。 そのキャッチーなコーラスで耳を奪われてるやいなや、 コーラス終了と同時に切り込むGhostafaceの鋭いラップが鳥肌もの。 ラップファンならイントロとフックの女性コーラスだけでなく、 このGhostのラップの入る瞬間、 そしてたたみかけるようなラップのGhost劇場(その分Trifeが割を食ってますね)に是非耳を傾けていただきたい次第。 そのほかのバージョンもラップパートは同じながら、 Ghostのラップパートが一番活きているのはやはりこのバージョン。 リズミカルな和風の弦楽器風の音色に、 ヘビー級のドラムで構成されるトラックとGhostのラップが最高の相性を生み出しております。 本当、Ghostのラップかっこいいです。

Beatminerz-Mafia Don- Da Beatminerz Featuring Last Emperor "Mafia Don" Copter 2005(# CPR-1004)
Produced By:Da Beatminerz

2001年のRawkusからのデビューアルバム共々、 どうもアルバムリリースのタイミングに?印がついてしまう Beatminerzのニューアルバムからの1stシングル。 どうやら完全にEvil DeeとMr.Waltの兄弟デュオ的な雰囲気ですが、 一頃のダークな空気のBeatminerzも今や昔と言った感じのポップなナンバー。 93年頃のBoot Camp系のラッパーといえば、 所々にレゲエのフレイヴァーを感じさせる節回しのラップなんかを聴かせてくれてたんですが、 そんな一昔前を思わず回想してしまいたくなるのがこの曲。 Boot Camp勢のレゲエDJ風の節回しとは対照的に、 Beatminerzのはというとストレートなヒップホップ・ビーツ職人といったイメージだったんですが、 フックで挿入される女性コーラス(サンプリングのようですね)、 ロウテンポな裏打ちのビートといいレゲエの要素が満点。 ビートとフックだけ聴いてるとかなりリラックスしてしまうスモーキー・ビーツ。 フューチャーリングされてるガラガラ声でLast Emperorがゴリゴリのラップなんで、 ちょっとトラックとの相性が悪いかなといった感もなきにしもあらずなんですよね。 Last Emperorのラップが悪いというわけでは全然なく、 あくまでトラックとラップの相性がどうかなといった感じ。 こういうビートだとBackshotとかBoot Camp勢の緩いラップが合いそう・・・ なんですが聴いてるとけっこうはまってきます。なかなかいいっすよ。

Kanye West-Diamonds- Kanye West "Diamonds From Sierra Leone" Roc-A-Fella 2005(# DEFR 16334-1)
Produced By:?

Jay-Zの"Blue Print"参加によってその名を上げ、 それ以降Jay-ZらRoc-A-Fella系の作品や同郷であるシカゴのアーティストを中心に、 数々のヒットレコードを生み出してきたKanye West。 2004年には自身の名義でのソロデビュー作となったアルバム "Collage Dropout"の大ヒットとグラミー賞での多数のノミネートもあって、 ヒップホップ界の枠を超えたヒットメーカーにもなりつつある彼。 そんなKanye Westが満を持してリリースする、 全世界のビートジャンキーが注目する ニューアルバム""Late Registrationからのリードシングル。 映画"007−ダイアモンドは永遠に−"のサントラから、 タイトル曲の女性ボーカルのサンプリングで構成されたフックが、 非常にわかりやすくドラマチックな感触を、そして曲のタイトルとも被るアイデア勝ち。 そんな壮大感さえ感じさせるトラックに乗せ、 グラミー賞にまつわる様々な思いなどを歌うKanye West。 前作を貫いていたサンプリングの質感を残しつつも、 メジャー感やポップ感を倍増しさせるところはさすが。 個人的にはKanye Westの曲というといい意味でも悪い意味でも、 どこか野暮ったい感じがしてたんですが、 この曲に関してはそれとは逆に、ダイアモンドのような輝きを放つ洗練されたクオリティーの高さを印象付けさせられました。 アルバムを大ヒットさせ、グラミーにノミネートと出世街道を着実に歩みながらも、 トラックメーカーとしてプロデューサーとして日々進化の止むことのないその姿勢には敬服です。

The Game-Dreams- The Game "Dreams" G-Unit/Aftermath 2005(# INTR-11434-1)
Produced By:Kanye West

2005年を代表するアルバム"The Documentaly"で颯爽とデビューを飾った、 2005年を代表するラッパーThe Game。いまやその存在感と話題性は一介の新人ラッパーの それを遥に超え、シーンの中心人物としての風格さえ漂わせるこの男。 アルバムからの3rdシングル"Hate It Or Love It"も、 ロングヒットを記録し今年を代表する一曲になりそうな勢いの中、 新たにシングルカットされたのがこの"Dreams"。 Kanye Westが手掛けたメランコリックなトラックが、 アルバムの収録曲の中でも特に印象的だったこの曲のシングルカットを待ち望んでいた方は多いのでは。 これより以前にカットされた三枚のシングルは、 いづれもソングライティングで50 Centが携わっていましたが (これが色々とトラブルの元になっているわけです) この"Dreams"はGameの完全な単独作ということで彼の独壇場。 ギャングバングに明け暮れたストリートライフ時代から、 ラッパー道を歩み、 夢のようなDr.Dreとの邂逅によってチャンスを掴んだ一人の男としての想いを吐露した、 パーソナルな、自身の内面やスピリチュアルな面を描いた内容。 先ほどもいいましたがKanye Westのメランコリックなトラックと、 淡々と語るGameの語り口がよく噛み合い重厚な空気を。 またBiggieの同名曲のフレーズの借用もや、 フックではMartin Luther King Jrの名も出てくる、 (曲のタイトルがタイトルだけに、 Martin Lutherの最後のスピーチを思い起こさせます) 聴き応えのある重めの一曲です。
Jim Jones "Certified Gangstas"

OL Dirty Bastards-Lyrical Virus- Ol Dirty Bastard "Lyrical Virus"(# DL-132)
Produced By:J-Love

日本でもアングラ・ラップ/インディ・ラップのファンを中心に、 支持を集める人気プロデューサーJ-Love。 そのJ-Loveが制作するミックスCDシリーズ"King Of What I Do"シリーズの 第七弾(ホストはKool G Rapが担当)に収録されていた、 Ol Dirty Bastrardの楽曲が単独でヴァイナル化されたの一枚。 出典元となる"King Of What I Do 7"には、 この曲の他にも数曲ODBの楽曲が、 ODBトリビュートという形でミニ特集。 さてそんな本作ですが、 J-Loveが手掛けるちょっと暗めのシンプルなトラックで、 意外や意外オーソドックスなラップを聴かせるOl Dirty。 フックはフックであるもののODBのオーソドックスすぎるラップのせいもあってか、 曲全体から受ける印象ははっきり言ってかなり地味目。 J-Loveのトラックも90年代頭のアンダーグランドラップ的な、 ダークで怪しい雰囲気を醸し出す、早く言えばWu-Tang印を感じさせるもの。 多分その辺を意識して制作されているとは思うんですが、 曲中ループされる女性コーラスのサンプリングの雰囲気は、 RZAの作るダークな音の世界と相通じる感も。 ただ聴いててどうにも寂寥感を感じさせるのは、 ODBが2PacやBiggieに哀悼のフレーズを捧げるところ。 そのODBも今やこの世にいないというのは・・・。 B面の"Out Of Control"は2005年の初頭にリリースされた、 "Osirus"収録のChops制作のそれの別バージョンです。
Ol Dirty Bastard Single Selection(R.I.P.)

Tony Yayo "So Seductive" G-Unit/Interscope 2005(# INTR-11418-1)
Produced By:?

2004年に入ってからウエストコーストの大物ニューカマーThe Gameのデビューアルバム、 そして総大将50 Centの2ndアルバム共々大ヒットを記録し、 まさに破竹の勢いでその進撃を続ける軍団G-Unit。 そのG-Unit勢の中でも50 Cent、Lloyd Banksと共に軍団の黎明期からその名を連ねながらも、 一年半に及ぶ下獄によってその活動が阻まれた、 "遅れてきた新人"Tony Yayoの待望のソロデビューシングル。 既にG-Unitのマイナー時代のミックスCDをはじめとした各種ミックスCDなどでその声、そのラップを耳にし、 ソロ作を期待していた方も多いはず。 ある意味ではまさに待望の1stシングルとなるわけですが、 そうした高い期待に応えるところはただのニューカマーとは違うところ。 他のG-Unit勢の作品同様、例に漏れず今作でも大将50 Centが鼻歌まじりにガッチリとサポート。 もちろん肝心要の主演Tony Yayoも50 Centのサポートを受けつつも、 スキルフルというよりも勢いと景気のよさが売りの、 熱く荒ぶる男っぽいラップで熱演。 個人的にはこういう勢いのある男っぽいラップというのは大歓迎。 音はちょっと悪いものの、 荒々しいドラムビーツを軸にした飾り気のないトラックもTonyのラップを最高に盛り上げます。 B面収録の哀愁系"Live By The Gun"共々、 アングラ時代のG-Unitファンも恐らくは満足の"メジャー"リリースながら、 "ストリート向け"の色濃いデビューシングルです。

Nas "Talk Of New York"(B-Side Of "You A Hustler") (# NAS-1050)
Produced By:?

昨年リリースされ好評を博した8thアルバム"Street Disciple"。 そのアルバムのリリース前そしてリリース後を問わず、 "Street Disciple"のレコーディングセッション時に制作されたであろう楽曲が、 未発表音源、アルバム未収録のブートレグ音源として多数世に出回っていますがこちらもそんな一枚。 既にネット上でも流失していた音源なので、そちらで耳にした方も多いかもしれませんが、 "何故この曲がお蔵入りに?"と疑問を抱かずにはいられない素晴らしい一曲。 タイトルを見ればもうおわかりでしょう。 Nasが自身の故郷であり、 ラップ・ミュージックの故郷であるNYCの"今"を、 独自の視点で語るNYC賛歌。 ともかくNasのラップのキレ具合、 ツバの飛び具合も強力なハードかつ、 ストレートな力強いラップが一番の聴きどころ。 ここ数年のNasの曲の中でもここまでスリリングに、 熱いラップを聴かせてくれたのはなかったのではと思わせる熱演振り。 そのNasのラップをよりスリリングに演出する、 不穏なベースラインに低音階のピアノがサンプリングされ疾走するトラックも絶品。 Nasの声をサンプリング、スクラッチしたフックも相成って、 まさにNYヒップホップの真骨頂ここにあり。 正式なクレジットはないんですがこのトラックを手掛けたのはLarge Proffeserとの噂も。 アルバムには未収録でもシングルのB面なんかで正規カットして欲しかった、 ラッパーNasのポテンシャルと凄味が凝縮された珠玉の逸品。 海賊盤にとどめとくには惜しすぎます。

Ol Dirty Bastard "Operator" Damon Dash (# ODB-123)
Produced By:?

大きな話題となったRoc-A-Fellaとのサインをそのまま継続・スライドする形でリリースが予定されている、 Damon Dash版Ol Dirty Bastardのニューアルバム"Son Unique"。 そのアルバムからMethod Man、RaekwonらWu-Tang勢も参加した、 1stシングル"Intoxicated"に続くニューシングルがこちら。 ODBの2ndアルバムでも辣腕を振るっていたThe Neptunesが手掛ける"Operator"は、 "テキサスの暴れ馬"のごとく荒々しくうねり疾駆するトラックと、 イントロから猛り狂ったようなODBのコンビで、飛ばしに飛ばすオーディエンス圧倒の一曲。 ODBもラップというか酔っ払いが叫んでいるといった風情で、 まさにDrunk Masterの面目躍如。NeptunesというよりはN.E.R.D.の方向性・音楽性を感じさせる、 ロック色を強く感じさせるエッジの効いたナンバー。 ODBがラップしていない分をカバーするのがNeptunes子飼いのClipse。 ODBの強烈な存在感の前では分が悪いですが、 そのODBとは対照的に、 派手さはなくともメリハリの効いた堅実なラップを聴かせるラップ巧者ぶりを発揮。 Clipseのラップ・パートはよいアクセントになってます。 裏面(この盤は両A面仕様)には既にリリースされているODBとPrimoのコラボレーション、 "Pop Shot"にM.O.P.のLil Fameが参加した嬉しいリミックス入り。 ODB、Lil FameそしてPrimoと役者が揃えば悪いわけがない!
Ol Dirty Bastard Single Selection(R.I.P.)

Q-Tip Featuring Busta Rhymes "For The Nasty" Motown 2005(# UNIR-21429-1)
Produced By:The Neptunes

JMJの死をきっかけにした、 全世界のヒップホップファンを驚愕させたA Tribe Called Quest(以下ATCQ)の再結成。 その再結成もどうやらシングル一枚のリリースで、 尻切れトンボになりそうな雰囲気ですが、 そのATCQの中でも人気ナンバー1のQ-Tipがニューシングルをリリース。 Q-Tipの名義では久しぶりとなるシングルですが、 プロデュースにThe Neptunes、 フューチャーリングにはTribeの"Scienario"への参加以降、 Q-Tipとは何かと絡みの多い盟友Busta Rhymesと、 イントロではATCQからの影響を公言して憚らないPharrell Williamsの ヒットメーカーが参加した万全の布陣。 これだけの面子が揃えばそれだけで食指が動くというものですか、 その期待を裏切らない完成度の高い一曲となっているところはさすが。 手数の少ないビートに怪しい音色を響かせるSEがのったトラックに、 感情をぐっと抑えたようなBusta Rhymesのラップ。 そのどれもが主役であるQ-Tipのキャラクターを引き立て、 ラップを活かすために有機的に存在してるんですが、 主役であるQ-Tipもブランクを感じさせない堂々たる存在感を十二分に発揮。 ラップ界随一のセクシーボイスで鷹揚に構えるその姿はキャリアの長さくる賜物か。 全体的に派手さはないけどコール・アンド・レスポンスのフックなど、 オーディエンスを飽きさせることはないのでご安心を。 ただ個人的には現行のメジャーヒップホップの一作品としては大推薦ですが、 ATCQ伝説のその後として聴いた方は戸惑いを覚えるも。

213 "Gotta Find A Way" TVT 2005(# TV-2672-0)
Produced By:Lil 1/2 Dead

言わずと知れた西海岸を代表する大物、 Snoop Dogg、Warren G、Nate Doggのお三方からなるスーパーユニット213。 その213名義では1stアルバムとなった"The Hard Way"からの2ndシングル、 "Gotta Get Find A Way"はEmotionsの"Rejoice"をサンプリングした、 まさにディスコ・サウンド直系の煌びやかなナンバー。 アルバムの中でも華やかさでは随一の曲だったので、 アルバムを聴いていた方の中にはお気に召された方もいらしゃったかと思います。 先ほどもいいましたが、いわゆるディスコ、 ダンスクラシックをサンプリングソースにもってきているだけあって、 とにもかくにも煌びやかで華やかなトラックが印象的。 しかしながらメンバー三人各々が西海岸を代表するスターである213ですから、 こうした華やかさというのが実によく似合う。 特に伸びのあるヴォーカルで、 SnoopとWarren Gの両雄のラップをグイグイと引っ張る、 Nate Doggのパフォーマンスは華があってトラックとも相性はバッチリ。 薄暗くも埃っぽいビートで口角泡とばすのもラップなら、 こうした煌びやかなビートに乗せてラップするのもこれもまたよし。 西海岸のラップのいい意味での明るさや陽気さと、 スターの貫禄がストレートに出た一曲。 プロデュースはなんとLil 1/2 Deadというのもマニアにはたまりません。

50 Cent-Just A Lil Bit-レコード 50 Cent "Just A Lil Bit" Shady/Aftermath 2005(# INTR-11390-1)
Produced By:Scott Storch

"Shady!...Aftermath!!..G-Unitッ!!!"とお決まりのシャウトで幕を開ける、 デビュー作に続く大ヒット2ndアルバム"The Massacre"からの3rdシングル。 プロデュースにはエロエロ路線で大ヒットの2ndシングル"Candy Shop" に続き、Scott Storchがプロダクションを担当。 G-Unit関連の作品でのScott Storchといえば外すことなく、相性も良好なんですが、 この曲もその好相性振りがいかんなく発揮されたアルバムの中でも目立っていた一曲。 イントロから全編に渡って貫かれる エスニック調のメロディーがリスナーの耳を捉えて放さない怪しげなトラックに、 50 Centの不穏な呟くようなラップがズバリとはまった快作。 フューチャーリングされたOlivia嬢を除き、 前作"Candy Shop"と同じ面子で製作されていながらも、 前作とは異なりわかりやすいフックがあるわけでもないんですが、 ここまで耳につくのはやはりScott Storchの手掛けたトラックのメロディに負うところが多いはず。 特に曲中シタール系のストリングが入ってくるなど雰囲気たっぷり。 もちろんそこに加わる50 Centのラップがあってこその完成度の高さなわけですが、 50 Centも自然体であたかも軽く流したかのように、 貫禄たっぷりのラップを聴かせ余裕綽々。 今やトップ・ラッパーそしてトップ・プロデューサーの地位を不動のものとした、 両雄の勢いが全面に押し出されたような作品。のってる男達は違います。

Geto Boys-G Code-レコード Geto Boys "I Tried" Rap-A-Lot 2005(# S-56490)
Produced By:?

Willie D、 Bushwick BillそしてScarfaceというグループ史上最高のラインナップで制作された、 "南部の帝王"Geto Boysのリユニオンながらにして、 現役感満点のニューアルバム"Foundation"からの2ndシングル。 1stシングルの"Yes,Yes Yall"はオールドスクールなフレーズのチャントと、 ハードなビートがはまった硬派な一曲でしたが、 2ndシングルとなる"I Tried"は対照的に、 Tone Capone手掛ける、Eddie Kendricksをサンプリングした流麗かつ 涼しげなメロディが秀逸な極上のクール・チューン。 その涼しげなビートもさることながら、 そのビートにぴたりと合わせるように、 さらりとラップする姿はまさにベテランだからこその枯れ具合。 クールさと哀愁を醸し出すトラックに 酸いも甘いも知った男の哀愁漂うラップがはまる大人の味。 一転B面の"G-Code"はScarfaceの手による緊張感溢れるハードなビートに、 迫り来るようなScarfaceのラップがたまらなく痺れるハードコア・ナンバー。 今現在のサウスシーンの主流といわれているようなサウンドとは異なるものの、 これを聴けば、 何故Scarfaceが長きに渡ってサウスシーンの頂点に君臨しているか? 多くのファンから敬意とクレディビリティーを得ているか? その理由の一端が垣間見れるような最高の一曲にして、 2005年を代表するB面クラシック。 両A面でもおかしくない2曲です。

ODB Featuring Method Man,Raekwon & Macy Grey "Intoxicated"
Damon Dash 2005(# DEFR 16275-1)  Produced By:?

実母が中心となり、 故人の意思を受け継ぐ形でリリースされた、 DJ Premier手掛ける"Pop Shot"も好評だった、 アルバム"Osirus"に続き、 かねてから話題だった元Roc-A-FellaのCEOである、 Damon DashとDef JamのジョイントベンチャーとなるDamon Dash Music Groupから リリースが予定されている"Son Unique"からの1stシングル。 実質的には旧RocとODBの間で交わされた契約が基になっているわけで、 その契約の報以来、 Rocからの新作を待っていたファンにとってはまさに待望の一曲。 ゲストにはODBにとってのファミリーであるRaekwonとMethod Man、 そしてMacy Greyが参加。 そのMacy Greyの御馴染みのハスキーボイスの効果もあって、 スローダウンしたトラックはレイドバック感いっぱい。 そのMacyの歌声が効いたちょっとダウンテンポなトラックでRaekwon、 Method ManそしてODBの三人がリレーでラップするんですが、 こういう"聴かせる曲"となるとラップの相性的にはRaekwonが頭一つリード。 その後に続くMethod ManやODBは押さえ気味のラップだと、 今ひとつ彼らのよさが出きられないんでそこは惜しいところ。 役者も揃ってるだけに曲の方は悪くないんですが(何度も聴いてると結構はまります)、 待望のODBのソロ曲としてはちょっと物足りなさも。
Ol Dirty Bastard Single Selection(R.I.P.)

Cuban Link-Sugar Daddy Cuban Link Featuring Mya "Sugar Daddy" MOB Records 2004(# MOB-27A)
Produced By:?

2000年にデビューアルバム"24-K"のリリースが予定されながらも頓挫。 それ以降自らの所属するTerror Squadの団長Fat Joeとも袂を分かつ(金の切れ目は縁の切れ目?)など、 どうにもネガティブな話題が続いていたCuban Link。 日本では彼のデビューアルバムに収録予定だったNeptunesプロデュースによる "Still Telling Lies" の人気もあってか、いまだに人気と期待値が高い Cuban Linkですが、ここに来てMob Recordsなる(恐らく)インディ・レーベルを拠点に活動再開。 その新天地Mobからリリース予定のアルバム"Chain Reaction"から、 Mya嬢をゲストに迎えたこの曲をシングルカット。 まさに"Sugar Daddy"のタイトルに恥じることなくピアノとMya嬢のヴォーカルが鳴り響くイントロから、 ほんのりと甘い香りが漂ってくるわけですが、 Cuban Linkも以前と変わらぬアグレッシブなラップを聴かせるんですが、 全編に渡るMya嬢のヴェルヴェットなコーラスとトラックのせいもあってか、 はたまた曲中随所で発するPlayer Life宣言もあってか、 そんなにアグレッシブなラップに聴こえないのに驚き。 厳しく言えばMya嬢のコーラスに喰われてるという感もありますが、 曲全体の完成度は高し。 個人的には甘すぎる曲なんですが、マスアピールにはこのくらいの甘さでちょうど良しということでしょう。 今までの不遇状態からのカムバックなるか?

Ol Dirty Bastard-Dirty Dirty-Records Ol Dirty Bastard Featuring Rhymefest"Dirty Dirty"(# SSR-1023)
Produced By:Mark Ronson

DJ Premierが手掛けた1stシングル"Pop Shot"も高い人気を誇る、 2004年秋に亡くなったOl Dirty Bastardの自主制作盤"Osirus"からの2ndシングル。 プロデューサーとしてもアルバムをリリースするなど躍進著しく、 DJとして日本でも人気のMark Ronsonが手掛けたタイトル曲の"Dirty Dirty"は、 Mark Ronconお抱えのRhymefestも参加。 イレギュラーなビートにOl Dirtyのイレギュラーなラップがはまった、 ちょっとコミカルな味のこの曲。 フックで挿入されるロボ(虫)声のコーラスが、 コミカルな雰囲気をさらに盛り上げるのに一役買ってる軽快なナンバー。 イントロの跳ねるピアノなんかはRzaのプロダクションを彷彿(意識したんでしょうか?)とさせます。 この他にもアルバム・デビュー以降客演にとどまって早数年の実力派Black Robが参加した、 "Dirty Dirty"とは対照的にハードコアな空気さえ漂わせる"High In The Clouds"。 そしてMountain BrothersのChopsが手掛けたバウンス・ビートにOl Dirtyが吼える、 タイトルどおりサウス・サウンドを指向したありそうでなかった、 ODB Meets Bounceな"Down South"と計3曲を収録。 Mix CD的なアルバムということもあってか、ラフな作りというのは否めませんが、 収録曲のどれを聴いてもOl Dirtyのラップが生き生きとしており、 これを聴くとODBの死が俄かに信じられなくなってしまいます。
Ol Dirty Bastard Single Selection(R.I.P.)

Z Ro-So Much-Record Z-Ro "So Much" Rap-A-Lot 2004(# 52037-1)
Produced By:?

2004年のサウスラップ・シーンを代表するアルバムであり、 ScarfaceやDevinらと並んで老舗Rap-A-Lotを代表する一人となったZ-Roの"The Life Of Joseph W.McVey"。 すでにこのアルバムから2枚のシングルがカットされていたんですが、 そのアルバムを聴いた方には特に印象深かったであろう"So Much"が、 日本限定で嬉しいアナログ化。 そのラップが2Pacのフォロアーという声もあるZ-Ro。 確かに(発)声も含めて、フロウやデリヴァーを聞けば彼のラップスタイルが、 2Pacからの大きな影響を受けているであろうことは容易に想像可能。 そのZ-Roが2Pacの人気曲の一つである"Do For Love"でもサンプリングされていた、 Bobby Coldwellの"What You Won't Do For Love"をベースに、 さらにはZ-RoがBobby Coldwellの原曲の節を軽やかな鼻歌感覚でZ-Roが歌い上げるという、 明らかに2Pacを意識しまくり。 しかしながらそうした2Pac云々を抜きにして純粋に完成度の高い、 聴きどころの多い作品であるというのが頼もしいところ。 暖かみと同時に哀愁を感じさせるメロウなトラックに、 Z-Roのタイトなラップ。そのラップとコンボで聴かせる、 本職と遜色ない味わいのあるヴォーカルといい、 Z-Roその人の魅力をオーディエンスに伝えるには充分すぎ。 南部というとクランクや派手なバウンスという先入観や固定概念がある人たちにも、 是非聴いていただきたい。

AZ-Serious-Record AZ & Nas "Serious" Koch 2005(# Koc-12-5726)
Produced By:Salaam Remi

2004年の秋にリリースが予定されていながらも、 再三にわたって発売が延期されている(2005年3月末の現在も未発) AZのニューアルバム"Final Call"。 そのアルバムに収録が予定されているのか? 各種ミックステープに"Nas Featuring AZ"といった名義で収録されていた、 "Serious"がなぜか今になってAZメインの名義でシングル化。 ミックステープなどに収録されていたので既にお聴きの方もいらっしゃるかと思いますが、 プロデュースがSallam Remiということもあって、 恐らくはNasの最新作"Street Disciples"のレコーディング・セッション時に制作されたと思われるこの曲。 ちょっとトライバルなパーカッション・サウンドを中心にしたトラックで、 NasとAZがフックもなく情熱的にマイクリレーをするという展開。 どちらかというとトラック、そして曲全体の構成などかなり作りがラフなので、 やはり正規のアルバムというよりもミックステープ向きの作品 (というかそこら辺のマーケット向きに作られた作品なのでしょうか?) といえるのではないでしょうか。 ただ全体的にラフな音源でもAZとNas、 相変わらず息はあっています。 B面にはこのところ薄くメジャー仕事で良質な作品を残すBucwildが手掛けた"Live Wire"を。 どうやらリリース元もKochなんで、 AZのアルバム・プロモーション用としてカットされたものだとは思うんですが、 そうだとすればちょっと弱い気が・・・。
Nas Featuring AZ "Life's Bitch"

AZ-Magic Hour-Record AZ Featuring CL Smooth "Magic Hour" Koch(# Koc-12-5726)
Produced By:?

その知名度とは反比例にリリース自体は大きな話題にならないものの、 常に地味ながらしかしクオリティーの高い曲をリリースするAZ。 リリースのたびにレーベルがころころと変わっているというのも、 なんとなく浮き草感、あるいは流浪感を醸し出し哀愁を漂わせるわけですが、 そんなAZが2004年秋にリリースが予定されていながらも、 発売が延びに延びるアルバム"Final Call"からの1stシングル。 メインとなるA面の"Talkin Gangsta"は、 Terror SquadのTony Sushineを招いた軽快なノリのラテンチューン。 AZの色というよりもラテンな色合いはむしろTony Sunshineを意識したものといえそう。 しかしながら要注目はB面に収められた、 ベテランCL Smoothをフューチャーした "Magic Hour"。プロデューサーは不明ながらも、 イントロを皮切りに曲全体に配された ピッチを上げてサンプリングされたボーカルのサンプルをアクセントに、 ための効いたシンプルなドラムビートが噛みあう・・・ いうなればKanye WestとDJ Premierサウンドのおいしい所を総取りして、 くっつけちゃいました的な確信犯的トラックも素晴らしいんですが、 そのビートをバックにAZとCL Smooth(渋い!)の両ベテランが、 男気たっぷりなラップを聞かせる熱いナンバー。 ビート、ラップともども小細工は、昨今のメジャーヒップホップ的な派手さはありませんが、真性のラップナンバー。 これがお蔵入りだったら惜しい。

The Game Featuring 50 Cent-hate It Or Love It The Game Featuring 50 Cent "Hate It Or Love It"
Aftermath/Shady/G-Unit 2005(# B11375) Produced By:Cool & Dre

確執発覚からGameのG-Unit破門。そして電撃的な和解を果たした50 CentとGame。 その両雄によって制作された、Gameの1stアルバム"The Documentaly"収録の "Hate It Or Love It"が、A面はGame名義のオリジナルバージョン、 B面は50 Cent名義で同曲のG-unit Remixとして、両A面的な変則仕様でシングルカット。 Remixの方には50 Cent及びThe Game以下Tony Yayo、Young Buck、Lloyd Banksのオールスターキャストが参加。 出世街道を着実に歩むCool & Dreのプロデュースによるトラックはオリジナルと同じなんですが、 曲全体の尺があまり長くはないので、 総勢5人によるマイクリレーとなると、 豪華揃い踏みの反面一人一人の持分が短くなり、 良くも悪くもどうにも詰め込みすぎの感が。 そういう部分ではオリジナルの方が聴き応えがあるんですが、その中でも 幼少期の自身のおかれていた厳しい環境を赤裸々に、 そして淡々と語る50 Centのパートが特に印象的。 50 Centイコール、過剰な暴力描写のギャングスタラップというイメージですが、 自身の過去をそして、内面を語るこの曲のような曲の彼も惹かれてしまいます トラックもどちらかというと、 派手さやアグレッシブさがないので、 50のリリックを非常に染み入るように聞かせてくれます。 ちなみにG-Unitリミックスも50のリリックは一緒なんですが、 それだけお気に入りということなんでしょうか?

Daz Dillinger-EP-Record Daz Dillinger "Do U Think About" Gnagster Advisory 2005(# S-56476)
Produced By:Daz Dillinger

So So Defとの契約以降Nate Doggをフューチャーしたシングル"Boyz-N-The-Hood"をリリース以来、 そのSo So Defからは二枚目のシングルやアルバムへの動きが見られないDaz。 そんな状況に業を煮やしたのか、 自身のレーベルGnagster Advisoryからリリースされたアルバム"Dog Pound gangsta"から、 三曲をピックアップしたEPをリリース。 男気溢れる多くの素晴らしい作品を残しているのは皆様もご存知のはずですが、 そんな実力者Dazの素晴らしい手腕による、 ウエストコーストのギャングスタラップのよさが詰め込まれた3曲を収録。 A面に収録されたメインナンバー"Do U Think About"は、 野太い男の魅力を振りまくいつものDazのイメージとは一転、 Zappの"Be Alright"をサンプリングしたメロウなトラックに、 女性コーラスを絡ませた絶品のとろけるナンバー。 これだけでもDazの力量を示すには充分すぎるんですが、 これで終わらないのがDaz。 B面収録された"Nothin Can Stop Now"は、 Funkadelicの"Knee Deep"をそのまま使った軽快なファンクナンバー。 さらには再びZappの超王道ネタ"More Bouce"を使用した、 ど真ん中ギャングスタ・ラップ・チューンにして、 Dazのテーマと言っても差し障りないタイトルの"Tha Dogg Pound Gangsta"と、 CDがリリースされた時から評価の高かった、 まさにベストトラックで構成された一枚。 大ネタをいかに料理するかという見本のような3曲。Dazはやっぱり外せません。

Foesum-Lost Tapez-Record Foesum "The Lost Tapez EP" Foesum Records 2004(# FR-7042)
Produced By:?

日本におけるウエストコーストラップのレアグルーブの中でも常に高い人気を誇る彼ら、 Foesumの三人が2004年にリリースした未発表音源集アルバム"The Lost Tapez"の中から6曲をセレクトして、 ヴァイナル化されたのが本作。 A面に収録された3曲は比較的最近制作されたと思われる3曲が、 そしてB面にはデビュー以前にレコーディングされたデモテープからの3曲を収録。 A面の3曲はどれも未発表とは思えぬクオリティーの高い、 (マニアだけのものにしておくのはもったいない) Foesumらしさが光るレイドバックしたメロウなナンバー群。 その中でも特に目(耳)を惹くのは、 "Perfection"に収録され人気の高い、 "Whowouldfevathought"のリミックス。 Gitar Mixと題され、 基本的にはオリジナル・ヴァージョンにあまり手を加えずに、 ギターの響きをより全面に押し出したリミックス。 "Perfection"収録のオリジナルよりも、 音の質感がクリアーかつ浮遊感さえ醸し出しているのはミキシングの影響か? オリジナルが好きな人も絶対に納得の仕上がりっぷり。 そしてB面収録の"Country Blues"は若き日のSnoopが参加した、 Foesumデビュー前のまさに秘蔵のデモ・トラック。 マスターの音源が恐らくはテープと思われるため、 音質も悪くビートは荒削りかつラフながらも、 それが逆にライブ感を感じさせてくれる、 これぞ"Lost Tapez"といった雰囲気いっぱい。

Fatlip-Today's Your Day-Record Fatlip Featuring Chali 2Na "Today's Your Day(WhachaGoneDu) "
Delicious Vinyl 2005(# DV9021) Produced By:Squeak E.Clean

Pharcydeの中でも異色のキャラクターとして知られる暴れん坊Fatlip。 数年前にも古巣であるDelicious Vinylからソロシングルをリリースしたり、 Spike Jonesの手掛けるショートフィルムに主演するなど、 薄いながらもソロ活動を続ける彼。最近ではPharcydeのクラシック、 "Runnin"をそのまま使ったMya嬢のヒットシングル"Fallen"でも姿を見せていた彼ですが、 やはりコアなファンはこういう曲を待っていたんではないでしょうか。 ゲストにはJurassic 5からCharli 2naを迎え、 Squeak E.Cleanの手掛けた60年代〜70年代初頭のファンクよろしく、 ワウの効いたギターのカッティングがむせび泣く泥臭くいトラックに耳を奪われてしまいますが、 そんなトラックを意識したかのような、 その名にたがわぬファットで、 ラフなラップと歌、そして酔いどれ風な喋りをごちゃ混ぜに聴かせるFatlip。 特にフックでの歌いっぷりはまるでJBかScreamin Jayが憑依したかのような歌いっぷり。 ゲストの2naも負けじといつもの野太い声で、 存在感を誇示するわけですが今回はFatlipの露払い状態。 エンディングではセッション時に在席した全ての人が参加したかと思われる、 タイトルを歌うフックの大合唱。 レコーディングを和気あいあいに好き放題、 やりたい放題楽しむ姿がオーディエンスにも伝わるようなピースな空気が堪りません。

One Be Lo-Deceptions-Record One Be Lo "Decepticons-Pete Rock Remix-" Fat Beats 2005(# FB2519)
Produced By:Pete Rock

インディペンデントのラップシーンに造詣の深い皆様にはお馴染み、 デトロイトのインディシーン出身のグループBinary Starのメンバーの一人One.Be.Loのニューシングル インディのラップに全く詳しくない自分が言うのもなんですが、 One.Be.Loの1stソロアルバムからのシングル・カット。 注目はなんといってもPete Rockによるリミックス・ヴァージョン。 "Soul Survivor"の第二段のリリースや、 インストゥルメンタル・アルバムのリリース、 プロデューサーとしても インディシーンを中心に多くのアーティストに楽曲を提供するなど、 ここにきて充実した活躍を見せるPete Rockですがここでもその充実振りを発揮。 透明感溢れるキーボードのサンプリングを基調としたトラックに、 肝はなんといっても、フックで響くホーンフレーズ。 日本ではWreckx-N-Effectの"Rump Shaker"で御馴染み、 Lafayette Afro Rock Bandの"Darkest Light" のホーンフレーズを渋くフリップしたPete Rockの手腕が冴え渡った素晴らしいトラック。 先ほど判りやすく説明するために"Rump Shaker"と書きましたが、 Flavar Flavの物真似が出て来るところなんかを見ると、 Public Enemyの"Shoe Em Watch Got"を意識してる様子。 One.Be.Loのちょっと緩い空気を醸し出すラップもトラックとよく合っております。 アングララップ好きじゃない人でも、Pete Rockの名前にピンと来る方は是非。

MOP-Return Of Warriorz-Record MOP "Return Of TheWarriors"(# DL-130)
Produced By:J-Love

2004年はMash Out Posse名義でのRock×Hiphopの激烈コラボーレーションを、 そしてMarxman名義で未発表曲と過去のMOPクラシックをミックス形式の LP四枚組みで、合計2タイトルのアルバムをリリースするなど精力的な動きを見せたMOP。 Rocとの契約以降なかなかアルバムリリース(ポスターまで出来てたんですけどね・・・)まで至らず、 ファンの皆様はやきもきされてる方もいらっしゃるかと思いますが、 そんな中届いたニューシングルはちょっと怪しげな自主制作風の1枚。 "Return Of The Warriors"のタイトルからして、 MOPファンには悶絶物な匂いが立ち込めるわけですが、 そんなファンの期待にたがわぬMOPのらしさが全開。 タイトル曲はイントロから全面に渡って、 NYのストリートギャングを描いた、 大傑作B級アクション映画"Warriors"の劇中に登場する名フレーズ (幾多のHiphop作品でおなじみ) をそのままサンプリングすれば、トラックもなんとその"Warriors"のエンディング・テーマである EaglesのJoe Walsh手掛ける"In The City"をまんまサンプリングと、 J-Loveの気合の入ったプロダクションは 兎にも角にもマニア泣かせ。しかもそんな男臭くもミッドテンポの重量感溢れるトラックに、 常に全力投球、 ラップ界随一の男の中の男達MOPのラップがはまりまくるとくれば、 ファンには堪らない熱く逞しい一曲。 これを聴きながらニューアルバムを心待ちにするとしましょう。

50 Cent-Candy Shop- 50 Cent Featuring Olivia "Candy Shop" Shady/Aftermath 2004(# INTH-11336-1)
Produced By:Scott Storch

2月14日の聖ヴァレンタイン・デイにリリースが予定されながらも、 残念ながら一ヶ月の延期となった2ndアルバム"Mascarre"(アルバムタイトルも リリース延期もあって変更・・・ある意味良かったです)から、 "Disco Inferno"もヒット中の最中リリースされた2ndシングル。 本作ではDreの右腕からトッププロデューサーに駆け上ったScott Storchが、 その外さないプロダクションをここでも存分に発揮。 ロウなドラムにエスニックなメロディのループが響くエキゾチックなトラックは、 Scott Storchの今の充実ぶりを示すかのような外さないお仕事。 そしてもう一つの話題はといえば、 G-Unitの紅一点として注目を集めるOlivia嬢の初お目見え。 私的な意見を言わせていただくと、 G-Unitイコール男の中の男集団というイメージがあっただけに意外ですが、 策士50 Cent、G-Unitに新たな展開を模索中ということでしょか? ただ残念ながらフックで50と掛け合うぐらいしか登場しないので、 この曲からOlivia嬢の実力のほどを量り知ることができないのが実際のところ。 とかく男の世界丸出し感のある50 Centですが、 この曲では50ファンの女子にはたまらないアプローチを。 彼の作品はどれも何気なくポップな仕上がりのものが多いですが、 この曲もその最たる一曲。 The Gameに続いては、大将の大暴れが予感されます!

Memphis Bleek-Yes- Memphis Bleek Featuring Jay-Z "Yes" Roc-A-Fella(# ROC-1046)
Produced By:?

拡大を続けるRoc-A-Fellaにあって、 大将Jay-Zの肝いりで早い時期からその名をレーベルのロースターに連ねる、 いわば若大将Memphis Bleek。 コンスタントなリリースで安定したアーティスト活動に勤しみ、 固定ファンも確保しているMemphis Bleekですが、 その彼が2004年の秋にリリースしたニューシングル。 ぽつぽつとシングルはリリースはあるんですがアルバム・リリースに関しては、 今一つ動きが見られないのでファンとしてはやきもきしているところかと思いますが、 そんなMemphisファンも、そうでない人も必ずややられてしまうだろう一曲がこれ。 Just Blazeが手掛けたハイ・テンションな疾走するビートを背に、 Memphis Bleekの小細工は一切なしの "ど真ん中のストレート"な、 まるでレコード盤からMemphisのツバが飛んできそうな勢いに満ち溢れる、 熱いラップが全編に渡ってノン・ストップ。 荒々しいラップながらもフックではポップに聴かせるなどなかなかの確信犯ぶりも発揮。 ロック調といっても過言ではないインパクトと高揚感、そして緊迫感あるトラックは、 昨今ハードワーキングで鳴らすJust Blazeの作品の中でも特に印象的な仕上がり振り。 互いの力と勢いがぶつかり合ったタフでラフなこの曲、 冒頭には引退宣言もどこ吹く風で活動を続けるJay-Zも登場するなど、 至れり尽くせりでRocファンには言うことなし。 Memphis Bleek "My Mind Right"

Damizza-Mizza- Damizza Co-Staring Mariah Carey "Mizza" Baby Ree(# 7547)
Produced By:Damizza

出る出ると言われながら早数年。 一向に出る気配を感じないDamizzaのアルバムですが、 Baby Reeを足場に定期的にシングルをリリースするなど、 活動自体は非常に活発なDamizza。 すでにアルバム一枚分近くのマテリアルは溜まってるんじゃないかといった感もあるわけですが、 そのDamizzaのニューシングルはMariah Carryをゲストに招き、 Jay-Zの "Jigga My N***a" をカバーした、その名も"Mizza"!。 レコードのクレジットを見ると、 Baby ReeからリリースされるミックスCDに収録の作品ということで、 いかんせん企画物の色が強いですが、 Jay-Zのオリジナルがヒット曲なだけに既聴感もあり、 フックおよびコーラスにMariah Carryを起用するなど力の入り具合もなかなか。 残念ながらDamizzaのラップがちょっと弱いかなといったきらいもありますが、 そこは企画物ということでご了承を。ですが裏方稼業でも名を馳せるDamizzaらしい、 アイデアに溢れた一曲。 B面にはDammiza絡みでBaby Reeから数枚のシングルをリリースしてるButch Cassidyに、 Dre軍団の一人Knoc-Turnalが駆けつけた"So Dope"を収録。 こちらは相変わらずのマイナーコード感たっぷりの、 シンプルなトラックに、Butch Cassidy哀愁溢れる歌声が映えるナンバーとなっています。

Damizza-I'll Do Anything For You- Damizza And N.U.N.E. "I'll Do Anything"(#)
Produced By:Damizza

ギャングアクションを題材に、 プレイ・ステイション用のゲームソフトとして リリースされた"True Crime"。 TVゲームながらリリースされたサウンドトラックには、 Snoop Doggを筆頭に西海岸を代表する数多くのラッパーが参加した、 豪華なコンピレーション盤でしたが、 その中でもベストトラックの呼び声高く、 最もシングルカットが望まれていたこの曲が嬉しいシングル化。 安定した人気を持つDamizzaが手掛けたファンク・ビートに乗せ、 これまたファンキーなヴォコーダーが大炸裂する、 ウエストコースト・ラップのファンには見逃せない内容のこの曲。 Damizzaと共に参加したN.U.N.E.なるラッパー(ちょっと知らないんですが新人でしょうか?) もかなりいきのいいラップを聴かせ、 ちょっとラップの弱いDamizzaをカバーするにも充分すぎるだけの好演を披露するなど、 目立ちまくるヴォコーダー以外にも聴きどころはあり。 最近はBaby ReeからのリリースがほとんどのDamizzaですが、 こういうクオリティの高い曲を聴くともっとメジャーどころでも活躍して欲しいとところ。 B面にはDamizzaファミリーの一人Shade Shiestの女性コーラスがはまったディスコ風のソロ"I Like It"、 DamizzaにKurupt(Death Rowからのソロはどうなったんでしょうか?)と Roscoeの兄弟タッグが加わった"Someday I'ma Get That"も収録と盛りだくさん。

Nas-Just A Moment-レコード Nas "Just A Moment" Ill Will/Columbia (# CAS51389)
Produced By:?

デビュー作"Illmatic"以来の出来栄えという声も多いNasの最新アルバム"Street Disciple"。 LP4枚組という超大作で、次はどの曲がシングルカットされるのか?と、個人的にも楽しみなところだっ たわけですが、意外にも、渋さが光るこの曲"Just A Moment"がシングルカット。 プロデュースには"Illmatic"収録の "Life's Bitch" 以降プロダクションのみならずDJとしてもNasをサポートするLES、 そしてNasを押しのけるように大々的にフューチャーリングされているのはヴァージニア出身の新鋭( Nas曰くヒップホップの未来を背負って立つ男)Quan。 先ほども申しましたがこの新鋭Quanが曲の大半でパフォーマンスしてるわけですが、 さすがはNasが見初めただけあって、 Nasと共演というスチュエーションでもその存在感を、 そしてフックでは器用に歌も聴かせるなど待機の片鱗を覗かせてくれます。 曲自体が死者への弔辞をメインテーマにしてるだけあって、 NasもそしてQuanも染み入るような情緒的なラップ、 ある種スピリチュアルと言えるラップを聴かせてくれれば、 LESの手掛けたトラックもフリップされたサンプリングで構成された、 抒情的かつ味わい深いドラマチックなトラックに。 全体的に重厚な趣を感じさせる聴き応えのある一曲。 カップリングには飛び跳ねるピアノがなかなか小粋に響く軽快な、 "Just A Moment"とは対照的な"These Are Our Heroes"を収録。 こっちもなかなか。

The Beatnuts-It's Nothing-レコード The Beatnuts Featuring A.G. And Goblin "It's Nothing" Penalty 2004(# PEN-5005)
Produced By:The Beatnuts

盟友Greg Niceがフューチャーされた"Hot"と、 人気上昇中のA-Konをフューチャーしレゲエテイストの軽快な"Find Us"、 と先行シングルが上々の出来だったBeatnutsのニューシングル。 "It's Nothing"では同じくNYヒップホップの良心派にして実力者の一人、 DITCからAGがゲスト参加。BeatnutsとDITCというとベクトルの向きは同じながらも、 Fat Joeなんかは絡みがあったのですが、AGとBeatnutsというと表立っての絡みは今までもそう多くなかったはず。 そういうわけで古くからのファンにはちょっと気になるコラボなんですが、 これがまた変化球なしの直球勝負。力と力、技と技でぶつかり合った男臭いナンバー。 重量感溢れるボトムにBeatnutsお得意の吹奏楽系(フルート等)のウワモノを絡め、 小節の頭に挿入されるSEも迫力満点のトラックに、 ベテラン達の渋くも味のあるラップが乗った熱いこの曲。 さすがはShowやDiamondらの作り出すブッ太いビートを乗りこなしていただけあって、 この手のトラックを料理するのは堂に入ったもの。 B面にはRahzelとRoc Raidaをフューチャーした"Confused Rappers"を収録。 こちらは"It's Nothing"とは打って変わった、 ベースとドラム・ブレイクのサンプリングを基礎にしたビートに、 フックで聴かせるRoc Raidaのスクラッチがくどすぎずに効果的に決まった緩めのポッセカット。

EPMD-Serious-レコード EPMD Featuring Redman,Das Efx "Serious" Nervous 2004(# NE-20549)
Produced By:Havoc

どうやらPMD主導で再々結成されたEPMD。 かなりひっそりとではありますが、 前シングル"Danger Zone"に続いてリリースされたニューシングルは、 なんとRedmanそしてDas EFXをフューチャーした、 古のHit Squadファンにはたまらない"Serious"。 数年前の日本ならEPMDにRedmanそしてDas EFXとくれば、 蜂の巣をつついたような大騒ぎになった気もしますが、 残念ながら話題にする人もあまり見受けられず、 レコード自体もあまり見かけないから売り切れ続出かと思いきや、 あまり入荷していないだけのようでなんとも寂しい限り。 しかしながらさすがは一時代を築いただけはあるこの方々だけあって、 内容はなかなか悪くありません。 タイトルがタイトルだけにお祭り的なリユニオンというわけでもなさそう。 最近はプロデュース業も脂に乗ってなかなか好調な、 Havocの手掛けた、Hit Squadサウンドにインスパイアされたかのような、 ゆったりとした沈むファンク・トラックに乗せEPMD、Das EFX、Redmanの順にマイクリレー。 特にこの面子の中でDas EFX(のパートで)聴くことが出来る変わらぬ例の調子は、 マニアの心をくすぐるはず。 参加メンバーの誰もが気の入ったラップを聴かせてくれるし、 Havocのトラックも悪くないので昔のファンだけでなく今のファンも聴けるはず。 特に締めを飾るRedmanはいつもどおりのかっこよさです!

Z Ro-The Mule-レコード Z-Ro Feauring Devin The Dude & Juvenile "The Mule" Rap-A-Lot 2004(#)
Produced By:?

ヒューストンを代表するレーベルRap-A-Lotからのリリースだったということもあってか、 2004年にリリースされたアルバム"The Life Of Joseph W. McVey"の高い評価で、 一躍テキサスはヒューストンのトップどころにその名を連ねることとなったZ-Ro。 そのZ-Roの早くもニューアルバム収録予定と思われる新曲がレコード・リリース。 ハードコアあり、哀愁系あり、G-Funkあり、おまけにScrewありと盛りだくさんな内容で、 H-Townの奥深さとZ-ROの豊かな才能を感じさせた前アルバムですが、 そうしたH-Town特有の哀愁かつブルージーな味わいがよく出た今作。 ゲストには2004年の南部の顔といえる活躍を見せたJuvenileと、 その特異なキャラクターもあって各方面で引っ張りだこのDevin The Dudeを迎え、 現在のRap-A-Lotの中でも特に勢いがある三人が集結した万全の布陣。 軽やかなカッティング・ギターで奏でられる流麗なトラックに乗せ、 それぞれが肩の力の抜けたラップで共演。 特にフックも歌っているDevinの相変わらずの力の抜け具合は、 曲中でも特に目立つ素晴らしい客演っぷり。 もちろんメインのZ-RoとJuvenileも安定したパフォーマンス振りを見せるなど、 今のRap-A-Lotが堪能できる一曲。 同郷のSlim Thugらも注目を浴びていますが、 ぜひこのZ-ROにも今以上のスポットライトが当たって欲しいところ。 それだけの実力者を持ち合わせてるのは間違いなし。 欲をいえばZ-Ro含みRap-A-Lot関連の正規盤のリリースを願いたいところです。

RA The Rugged Man-Lesson-レコード RA The Rugged Man "Lesson" Nature Sounds 2004(# NSD-9)
Produced By:Koran The LTD

The Notorious BIGと共演した"Cunt Renaissance"などでも知られる、 ニューヨーク・インディー・ヒップホップ界きっての大物ラッパー。 過去にもRawkusなどからシングル・レコードをリリースしていたりするので、 日本でもその名を知る方々は少なくないはず。 そのキャリアに反してアルバムリリースなどもなく、 非常に寡作な印象を受けるRugged Manですが、 それまでの活動の集大成といえるファン待望の"遅すぎた"アルバムからの1stシングル。 細切れにされた女性コーラスとオルゴールが鳴り響いてるような小気味の良いピアノのループという、 いたってシンプルなビートに野太いRA The Rugged Man声で、 自身が見てきたヒップホップ、ミュージック・シーンを語る姿はまるで生き証人のよう。 それのみにとどまらず舌鋒鋭く忌憚のない批判や意見を繰り出す姿は説得力も充分なんですが、 "俺のラップは全て、音楽版のリアリティーTVみたいなもんだ"と言い切る、 そうした押しの強さがインディーラップ・シーンの巨人と呼ばれる所以か。 そして流行り物にはなりたくないし、 レコードをいっぱい売ってビッグにもなりたくない・・・ ショウビジネスのスポットライトにも浴びたくないと主張し、 金満系が溢れる現在のラップ・シーンにアンチテーゼを唱えるなど言いたい放題。 極め付けはKool G Rapを知らないようなファンは欲しくないと痺れる一言。決まった!

Beastie Boys-An Open Letter To NYC-レコード Beastie Boys "An Open Letter To NYC" EMI 2003(#)
Produced By:Beastie Boys

2004年の初夏にリリースされた6枚目のオリジナルアルバム"To The 5 Boroughs"からの最新カット。 古き良きニューヨークの町並みを描いたイラストのジャケットに、 ニューヨーク五区を意味するタイトル。 記憶に新しい2001年の同時多発テロによって傷ついた故郷ニューヨークに対して熱いオマージュが捧げられたアルバムの中にあって、 以前より話題になっていた、 アルバムのメイン・テーマといえるNYへの公開書簡となるこの曲がUKからシングル・レコードがリリース。 緊張感と高揚感、そしてどこかに哀愁を醸し出すギターのカッティングが響くメロディに乗せ、 ストレートに故郷への愛と想いを詩的なラブレターのように吐露。 変わりゆく町に昔日の面影や郷愁、そして自分史を重ねる姿は、 Beastie Boysのみならずかの地で生活する多くの人々のそれとオーバーラップするのではないでしょうか。 数多い彼らのナンバーの中でも特に感傷的、 そして感動的な一曲に。 そのBeastiesの想いを演出するロック色強めのトラックは、 彼らにとっては大先輩にあたる(多分彼らもファンだったはず)、 ニューヨークパンク・シーンのアイコン的なDead Boysをサンプリング。 ニューヨーク・パンクをそのルーツとする彼らだけにそれだけ納得のセレクトなんですが、 傷ついた故郷に捧げる曲に自分達の音楽的なルーツを持ち込むその姿勢に感服してしまいます。

Ol Dirty Bastard-Pop Shot-レコード Ol Dirty Bastard "Pop Shot" 2004(# JCR 1008)
Produced By:DJ Premier

2004年に惜しくも急逝したOl Dirty Bastardの、 オフィシャル・ブートレグのミックスCD、"Osirus"からの嬉しいシングル。 既に2004年末にリリースされていた二枚組みのODB追悼ミックスCD "Loving Memory Of Russell Jones"にも収録されていたので、 耳にされた方も多いかと思いますが、 マイスターDJ Premierとの夢の顔合わせが実現した話題曲がこれ。 DJ Premierといえば以前WBLSの番組内でもOl Dirtyの曲をパワープレイしていただけあって、 Ol Dirtyへの想いも特別なものがあるはず。 でもそれより何よりもヒップホップ史に燦然と輝く最高のプロデューサーと、 ヒップホップ史上最高の異能派ラッパーのタッグという事実に純粋に興奮と拍手。 Big Lを追悼した"Full Clip"を彷彿とさせるODBへの弔辞から始まるイントロが、 なんとも物悲しい気分にさせられますが、ゆったりとした重量感のあるビートに、 Primoお得意のフレーズの切り張りがなされたトラックは、過去のODBのソロ曲にはあまり見られないタイプのもの (というかそもそもWu-Tang勢とPrimoの共演自体が少ないんですが・・・)。 ODBも酔いどれヴォーカルとラップが組み合わさったパフォーマンスを。 またそれがかっこいいだけに切ない気分になってしまいます。 ビートが落ち着いたものだけに、ODBのラップ以外、派手さはありませんが、 ODBとPrimoの邂逅を味わいながら聴き入りたい一曲。B面のClinton Sparksのリミックスは一転、 小細工なんか一切なしの大雑把なビートがODBのラップと妙にスイングした好リミックスです。
Ol Dirty Bastard Single Selection(R.I.P.)

Jay Z/Linkin Park-Numb-レコード Jay-Z Linkin Park "Numb/Encore" Warner/Roc-A-Fella 2004(# 0-42773)
Produced By:Mike Shinoda

MTVの番組企画によって実現した、 Jay-ZとLinkin Parkというヒップホップとロックの現在を代表する二組の "Mash Up"コラボレーション・アルバムからのシングルカット。 Jay-Zの引退作とされる"Black Album"に収録されていたKanye West手掛けた"Encore"と、 Linkin Parkの2ndアルバムのエンディングを飾る激情ほとばしる"Numb"をマッシュアップ!! Kanye Westの手掛けたオリジナル版はソウルフルな味わい豊かな一曲だったのに対して、 こちらのマッシュアップは無機質なビートとメランコリーなメロディで構成された、 Numbのトラックを下敷きにしてるためオリジナルとは対照的。 そういうわけでトラックだけを比べると全く毛色が違う両者なんですが、 そこにJay-Zのラップがのると不思議とその毛色の違いが薄れ、 むしろ違和感を感じさせません。 そもそもLinkin Park自体バンドにDJパート(今となっては目新しくないですが)があったりと、 作品にヒップホップ的なアプローチを導入しているという背景があるだけに、 これだけスムーズな楽曲に仕上がったのではないでしょうか。 Linkin Parkによるトラック演奏とヴォーカル、 そしてそこに絡むJay-Zのラップとそれぞれがぶつかり合い、自己主張しながらも、 その三者が見事に溶け合い、全く別の性格を帯びた一曲として完成している様が最大の聴き処。 ただあまりにも出来すぎているだけに、 まとまりすぎているのが寂しいところ。 もう少しメチャメチャな感じがあっても面白かったのでと思ってしまいます。
X Ecutioners Featuring Mike Shinoda & Mr.Hahn Of Linkin Park "It's Going Down"

-Royce Da 5'9-F*** A Hook-レコード Royce Da 5'9 "F*ck A Hook"(# RFN817)
Produced By:?

DJ Premierとのコンビで放った"Hip-Hop"など良質のシングルをリリースする反面、 同郷の旧友であるEminemやD12らとのビーフはクローズアップされるものの、 作品そのものが大きな話題性に繋がらない感のあるRoyce Da 5'9。 そんなRoyceのSure Shotよりリリースされたストリート向けのミックスCD、 "M.I.C.(Make It Count)"からの2曲を収録した、 別のアーティストのヒット曲のトラックをそのまま用い、 その上でラップし一曲に仕上げてしまうという昨今のミックスCDの常套手段で制作されたシングル。 A面の"F*cK A Hook"では Camp Lo も使用したRun Dmcの"Beat To The Rhyme"を、 B面の"52 Bars"ではMC Lyteの"Paper Thin"と80年代のヒップホップ好きには懐かしの2曲を何の臆面もなくカバー。 特にRun Dmc"Beat To The Rhyme"のカバーとなる(タイトルも目をひく) "F*cK A Hook"ではオリジナル・バージョンに負けぬハードライムで勝負する潔さ。 オリジナルもそうとうに口角泡を飛ばすRun Dmcの掛け合いが印象的なハードなナンバーだったんですが、 それと同等あるいはそれ以上のテンションで迫る迫真の仕上がり。 イントロからエンディングまで息もつかせぬ勢いで疾走するラップは真に実力の賜物。 甘い歌声のフックやもなければ、耳障りのいいフック(このタイトルだから当然ですかね)も皆無。 現在のソフトなあるいはポップなヒップホップに対して、 強烈なアンチテーゼを感じさせるフレーズも繰り出すなど、 Royce自身のヒップホップに対する熱い想いもビシビシと伝わる快作。 B面の"52 Bars"も同様。熱い!

DJ Quik-What They Think-レコード DJ Quik Featuring Nate Dogg "What They Think"(#)
Produced By:?

2002年にリリースされたベストアルバムを最後に、 裏方業・プロデュース業に専念するため"ラッパー"稼業は引退を宣言していたQuikさん。 その後も身内のラッパーらを中心に、 プロデュースやフューチャーリングといった形で、 素晴らしい作品を生み出しリスナーを魅了し続けきたわけですが、 "ラッパーとプロレスラーの引退宣言に引退なし"。 Warnerとのアーティスト契約の報から数ヶ月・・・いよいよカムバックです! とは言っても前述のように引退宣言後もバリバリと活動していただけに空白感のようなものは一切なし。 Dr.Dre調の硬いスネア音が印象に残る、 ハードなビートは音数も少なくシンプルながら、 ぐいぐいと耳を奪われていくように迫力は満点。 Quikといえば流麗でメロディアスなトラックというイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、 "2001"でDreが提示した新たなウエストコースト・マナーに影響されたと思われるタイプの作品も最近のQuikの持ち味の一つなんですが、この曲もその路線の一つ。 重たくハードなビートとは対照的なQuikの甲高い声ももちろん健在。 自己名義作ということもあってか、他のラッパーの作品にゲスト参加したときよりも声に気合が感じられますね。 Quikの新たな船出を祝うかのように駆けつけたNate Doggのヴォーカルも、 いつもより渋めにQuikのラップと絶妙な絡みを聴かせてくれますが、 全体的にもう一つ盛り上がり所がないのが残念なところ。 本格的なソロ活動の再開はどうなるのかはわかりませんが、 この曲がその前哨戦という展開になるよう期待しましょう。

50 Cent-Disco Inferno-レコード 50 Cent "Disco Inferno" Shady/Aftermath 2004(# INTR-11321-1)
Produced By:Dangerous LLC.

レーベルオーナーとして、一ラッパーとして ブレイク以降も寸暇を惜しむことなく精力的な活動を続けている50 Cent。 自身のレーベルから The Gameのデビューももう目前という2004年末、 ついに本格的なソロアルバムにむけての活動を開始。 2005年にリリースが予定されている"オフィシャル"2ndアルバム、 "St.Valentine's Massacre"から待望の1stシングルはその名も"Disco Inferno"。 前アルバムの1stシングルであり特大ヒットとなった"In Da Club"を彷彿とさせるタイトルではありますが、 今作もタイトルどおりフロアーを炎上させんとすパーティーナンバー。 イントロのカウントダウン直後から50 Centお得意のコーラスパートによるフックから、 メインとなるラップパートへとなだれ込むお決まりの展開。 曲が曲だけに太っ腹というか大変景気の良い内容のリリック連発で、 50 Centのハードコアでバイオレントなイメージはやや薄め。 比べるのは野暮ですが"In Da Club"の頃の50 centと比べると、 大ブレイクを通じて彼自身がなにげなくも洗練されていったんだなという印象を受けてしまいます。 Dangerous LLC.なるプロデューサー(名前からいくとプロダクションチームといった感じですが・・・)が手掛けたトラックも、 "In Da Club"のDreを意識したであろうSE使いなどゴージャスな雰囲気も。 ただまるまるDre風というわけでもなく、 ドラムはNeptunes風だったりといい意味で無節操かつ派手なトラックですが、 この景気のいい感じは全面的に肯定したいところ。 アルバムはタイトルを見る限り2005年の2月にリリースのようですが、 ちょっと微妙な感じのタイトルが若干気になります。

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