第3章 行商人の土産話

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巡る季節の中、一族の暮らしはとどこおることなく営まれていきました。
初夏には牝馬が子馬を産み落とし、秋になると駆り集められた馬たちは焼き印を押され、冬ともなればひょろ長脚の2才馬の調教が始まりました。

赤ん坊テレリの誕生を祝う宴で一緒に戦ったあの日から、ルブリンとダラはいつも一緒でした。
仲良しの二人組の容姿は、大きくなるにつれて奇妙なほどつり合って見えました。
金色のそばかすのダラは体格も良く、狼の子のように手足が長かったので、その隣にいるもの静かで小柄、褐色の肌のルブリンは、まるで真昼の短い影のようでした。
もちろん、ルブリン・デュは決して誰の影でもありませんでしたが。

「あの子たちは同じ月のもとに生まれたのさ。ヘーゼルナッツの片割れ同士ということさね。」

竪琴弾きのシノックは言いました。

「そういうことさね。」

二人は、狩りをする時も、笑う時も、戦う時も一緒でした。
同じ皿から食事を分け合い、毎晩のように同じ毛布にくるまって眠り、やがて二人は9才になりました。
いよいよ男子の館に入る時が来たのです。

毎年、春を告げるベルタンの炎の祭が終わると、前年の祭の後で9才になった一族の男子は皆、族長の前庭の下手に建てられた細長い男子の館に移り住み、戦士としての訓練を始めるのでした。
戦における槍の投げ方や、馬の群れの追い方、狩りの仕方など、学ばなければならないことや身につけなければならない技はたくさんありました。 
剣や槍や投石器の使い方を習ったり、敵の殺し方や口を結んだまま苦痛に耐える方法を覚えたり、馬の群れの追い方や、一才馬の群れの中から焼き印をつける子馬を切り離すやり方を教わるのです。
どの男子も若いうちに戦車使いを経験した後、戦車乗りの戦士となるのですが、まずは戦車の造り方をおぼえて、擦り切れたり壊れた箇所を自分で修理できるようにしました。
それに加え、戦車につなぐ馬たちをならし、調教し、乗りこなせるようにもならなければなりません。
祭司である樫の木のイシュトレスには、皮をはいだ柳の枝に刻まれた呪文の読み書きを学び、シノックの唄からは、そこに込められている一族の歴史を心に刻み込むのでした。
彼らはこれらの全て、そしてそのほかの様々なことがらを、7年という短い期間で習得しなければなりませんでした。

「一人前の男になるってのは、本当に骨が折れるなあ!」

そう言うブラインは、一番大きくて力持ちの男子でしたが、陽射しの中で寝転がっているのが好きでした。



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