第9章 鷹と神々と地に住む人が見るもの

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ルブリンは樺の木の皮に絵を描き始めました。
族長の広間で炉石に描いた、緊張と警戒感を漂わせてたたずみ、風の匂いを嗅ごうと頭をもたげる馬を再び描いていったのです。
それは戦を告げる遠い角笛の音を聞く戦闘用ポニーであり、あるいは群れを守ろうとしている種馬の姿でした。
そのような馬の絵は、押し拡げた辺境の標(しるし)に相応しいものです。

一日中、ルブリンはお気に入りの枝に横たわって丘陵の斜面を見つめ、斜面と馬とが一つのイメージとなるまでデッサンを繰り返し、やがて線を走らせるべき場所を悟ったのです。
それは、あそこのさんざしからあのくぼ地の縁まで、そして曲がりくねった古い馬追い道へと連なるなだらかな起伏の下まででした。

ルブリンは、その全ての見取り図を最後の樺の木の皮に描きつけると、夕日に長く伸びる影とともに木から降り、丘砦へと戻りました。
夕暮れの薄暗がりが深い闇になる頃、そして族長の広間でも捕虜の檻でも夕げが済んだ頃、ルブリンは再び族長クラドックの玉座の前に立っていました。

「丸一日眺めてみて、どう線を走らせればよいかわかったので、いつでも作り始められます。 明日、谷間の森へ行って樺の若木を切り倒すことをお許し願います。 塁壁の材木を白く塗るために使った石灰と、牛革を10枚頂きたい。 そして我が民から選んだ者たちを連れていくことをお許し下さい。 そうすれば二日のうちに、ドラゴンの丘の上の斜面に最初の線を引いてみせましょう。」

「お前は、そんな少しばかりの牛革と若木と石灰塗料で、お前の頭の中にある線を丘陵の斜面に描こうというのか?」族長は興味深げであると同時に訝しげに眉をひそめました。
「どうやったらそんなことができるというのだ?」

ルブリンは首を横に振ると、

「しばらく時間を下さい。このようなことは今までしたことがないし、誰かそのようなことをした者を知っているわけでもありません。だから僕はその秘密を、やりながら身に付けなければならないのです。それまではお話しできません。」

「なかなか正直な物言いだ。」族長は言いました。
「明日ではなく3日のうちに、新しい門の防御柵が完成したら、牛革と石灰、樺の若木を切り倒しに行くこと、そしてお前の民からいくらでも助けを選ぶことを許そう。」











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