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| プロジェクトマネジメント用語 |
用語の解説と補足説明 |
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| Project プロジェクト |
プロジェクトは、次の5項目の特徴を持つ。(1) 始めと終わりがある、一連のタスク(業務)である、(2) 割り当てられたリソース(資源)を使う、(3) 最終のゴール(目標)がある、(4) 計画的かつ組織的なアプローチをして目標を達成する、(5) チームで作業を行う。 プロジェクトには原則として同じものはない。日常の繰り返し作業はプロジェクトとは言えない。なお建設プロジェクトの伝統的な4要素は、「スケジュール」、「コスト」、「品質」、「安全」である。最近は、リスク、スコープ、コミュニケーション、組織、プロジェクト統合など幅広い配慮が必要になってきている。 |
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| Development Project 開発プロジェクト |
建設プロジェクトでは頂上が定まり麓から頂上に至る道筋がはっきり見える。しっかりした旗振りがおればプロジェクトは進む。これに対し、開発プロジェクトでは頂上が明確でないことが多く、頂上へのルートも定まらず途中で行きつ戻りつすることもある。この時、DSM(設計構造マトリックス)が役に立つ。またプロジェクトの旗振り役だけでなく、中止役も必要になる。 | |
| Project Management プロジェクト管理(PM) Construction Management 建設管理(CM) |
PMとは、全く新規な(類似の案件でも、いつ思い掛けないことが起こるか分からない)業務を限られた資源、予算のもとに期日までに達成するための管理手法をいう。プロジェクトの起案者(owner)が当然、全体のPMを行うが、施工管理者(エンジニアリング会社)や施工業者にその主な部分又は一部の業務をを委託することもある。CMは、建設業務を施主が直接、施工業者に発注し、建設業務の管理だけを施工管理者に委託する方式である。 なおProperty Management(資産管理)もPMと略されるが、これは個人や公共の資産、財産を管理運営する業務である。Facility Management(施設管理)は施設を管理する。 |
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| Project Cycle Management(PCM) プロジェクト・サイクル・マネジメント |
PCMは国際機関等で開発援助プロジェクトに適用される管理手法である。 プロジェクトを計画立案、実施、評価のサイクルで捕らえる。 (1)問題の把握、目的の決定、プロジェクトの設定と、(2)実行中のプロジェクトのモニタリング、評価 を 関係者の参加の下に自由に討論し、PDM(LFAともいう)フォームにまとめて行う。 問題解決を要する状況下でのプロジェクトの発見と選定、あるいは、多数のプロジェクトを運営するプロジェクトオフィスでの プロジェクトの管理と評価に役立つ。 従来のPCMは計画、評価に重点を置いているが最近、PCM−Iとして PMBOKを参照してプロジェクト実施のガイドラインが作成されている。 PCM手法、PCM−Iともに、PCM東京のHPから説明資料をダウンロードできる。 | |
| Plant Construction Contract プラント建設契約 |
顧客(施主)と施工管理者(エンジニアリング会社や工事会社)間の契約に基づいて、契約に規定されるプラントや機器の性能や納期を実現すべく建設プロジェクトがスタートする。契約にはそのサービス範囲により、(1) FOB型契約(機器納入のみ)、(2) FOB型+工事指導者派遣、(3) ターンキー契約、(4) プロダクトイン契約がある。また、対価の支払い方法により、(1) ランプサム契約(固定価格)、(2) コストプラス契約、(3) ユニットプライス契約がある。契約形式に応じてプロジェクト体制、管理方式を決定する。一方、施工管理者(エンジニアリング会社)は、プロジェクトの実行に際して、メーカーと機器購買契約、工事業者と工事契約を締結する。これらの実行契約は、顧客との受注契約が反映されていること。 | |
| Project Management Body of Knowledge (PMBOK) プロジェクトマネジメント知識体系 (ピンボック) |
米国のプロジェクトマネジメント協会「PMI」作成の、プロジェクトマネジメントの実行に必要な知識をまとめたもの。プロジェクト管理のためには、一般管理知識とその実践、専門的知識とその実践に加えて、PMBOK規定の知識とその実践が必要であると言う。PMBOKとは、プロジェクトに関する、業務の統合、スコープ、時間、コスト、品質、ヒューマンリソース、コミュニケーション、リスク、調達の9項目の知識である。PMPプロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル試験では、PMBOK2000年版に基づくPM知識が問われる。 | |
| Project Management Professional (PMP) Project and Program Management (P2M) |
PMPは、プロジェクトマネジメントの知識を問うPMIの資格試験である。2007年8月、資格者は世界で約25万人、日本では2万という。日本の試験合格率は約60%。PMP試験についてはPMI東京(日本)本部の受験資格、PMIのページのPMP紹介を参照のこと。 一方、P2Mは、JPFM(日本PMフォーラム)とPMCC(PM資格認定センター)が統合されてできたPMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)が主催する資格試験のこと。PMC、PMS、PMR、PMAの四段階がある。詳細はPMAJのHP参照のこと。 |
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| Feasibility Study (FS) フィージビリティ・スタディ |
施主(owner)はプロジェクトの計画に際し、その評価をしてプロジェクトを実行するかどうかの判断をする。例えば、プロジェクトの結果生み出される製品のコスト、市場性、利益の見通し、投資額、実現のための技術力、企業のイメージへの影響などである。これらを重み付けして評価する。フィージビリティ・スタディ(FS)は、客観性をもって投資効果を数値化できる。FSの手法には、回収期間法、割引キャッシュ・フロー法(DCF)、正味現在価値法(NPV)、内部利益率法(IRR)がある。複数のプロジェクトがある場合、プロジェクトの優先順位の決定にも使用される。 | |
| Project Life Cycle プロジェクト・ライフ・サイクル |
あらゆるシステムは生物学的Sカーブを描くと言われる。プロジェクトの経費や工数も典型的なSカーブを描く。プロジェクトのライフは、(1) 概念化(立上げとも言う) (2) 計画 (3) 実行・コントロール (4) 終了 の4フェーズから成る。 | |
| Project Design Matrix (PDM) プロジェクト・デザイン・マトリックス |
PCM手法で使用される一枚のシート。プロジェクトの開始に先立ち関係者が集まり、問題を明らかにし、アプローチ方法を決め、実施計画を詰める。その結果をPDMにまとめる。PDMは、縦欄をプロジェクトの、上位目標、具体的目標、成果、活動に区分し、横欄に上位目標、具体的目標、成果について其々、指標、入手手段、外部条件を記載し、活動について投入、外部条件及び前提条件を記載する。PDMを基にプロジェクトのモニタリングをする。 | |
| Design Structure Matrix (DSM) 設計構造マトリックス |
DSMは仕事をするために必要な情報の流れを示すシートである。製品開発プロジェクトでは再々、下流の作業の結果を上流にフィードバックする必要を生ずる(建設プロジェクトでは通常、生じない)。現在考えている作業を順番に縦軸、横軸の双方に記載し、縦軸の仕事に情報を必要とする横軸の仕事をXでマークする。すると縦横軸が交差する対角線の上部はフィードバックを要する作業を示す。そこで作業の順番を変える、コンカレントにする、作業を分割するなどして、作業の戻りを減らす。(参考:ITIDコンサルティングのHP) | |
| Project Phase プロジェクトフェーズ(局面、段階) |
プラント建設プロジェクトでは、(1) 立上げ段階:顧客の期待を明らかにしてプロジェクト憲章をまとめる。(2)計画段階:プロジェクトの目標、範囲をもとに、工程、予算をまとめる。(3) 実行段階:プロジェクトチームを運営して、設計、調達、工事を行い、プロジェクトを遂行する。(4) 終了段階:プロジェクトの実績、反省をまとめる。 | |
| Project Management Process プロジェクト管理プロセス |
PMBOKには、プロジェクトの各フェーズについて、立上げ、計画、実行、コントロール、終了の、組織的アプローチによる管理プロセスを説明している。 | |
| Project Management Principle プロジェクト管理の法則 |
プロジェクトを、予定通りに、予算内で、顧客と合意した仕様に沿って実行するには、次の10則に従う。(1) プロジェクト目標のコンセンサスを得る、(2) 最良のプロジェクトチームを編成する、(3) 最良のプロジェクト計画を立て、常に更新する、(4) 必要なリソース(資源)を確保する、(5) 現実的な工程を組む、(6) 人を大事にする、(7) 社内各部門、顧客の支援を得る、(8) メンバー、顧客へのコミュニケーションを良くする、(9) 変更を受け入れる、(10) 斬新な技術を取り入れる。 | |
| Project Resources プロジェクトのリソース(資源) |
プロジェクトで利用できるリソースは通常、ヒト、カネ、モノをいう。リソース5Mという場合、マンパワー、マネー、マテリアルにマシン、メソッドを加える。プロジェクトで利用できるリソースは物理的に、あるいは金銭的に制限を受ける。最近、知的財産などの情報もリソースに加えることがある。 | |
| Project Mission (Charter) プロジェクト使命(憲章) |
プロジェクトの開始に際しトップやプロジェクト部門長が行う、プロジェクト実施の理由と目的の明確化をいう。プロジェクトのオーソライズ、すなわちプロジェクト名称、プロマネ氏名の公表とプロジェクトへの支援の宣言、さらにプロジェクト目標(工程短縮、安全確保、技術移転など)を簡潔に述べる。70年代のテレビ番組「Mission Impossible」で、Peter Graves演じるチームリーダーが受け取ったカセットテープは5秒で消滅したが、プロジェクト使命は、公表と持続が原則。 | |
| Project Rules プロジェクト基準書 またはProject Plan プロジェクト計画書 |
プロジェクトマネージャおよびチームメンバーにより作成される、プロジェクト実行のための規範である。具体的には、プロジェクトの目標、業務内容、スケジュールなどのプロジェクト内容の記述、プロジェクト組織、責任分担表、コミュニケーション計画を規定する。プロジェクト支援部門(プロジェクトオフィスPMO)で、基準の標準化および更新を行う。 | |
| Project Management Office (PMO) プロジェクトマネジメント・オフィス |
組織内で実施されるプロジェクトを支援する部門。過去のプロジェクトの実績データを収集し、今後のプロジェクトのマネジメントに役立たせる。例えば、プロジェクト管理ツールの整備と改善、プロジェクト実施の標準化、リソースの管理と配分、プロマネやメンバーの訓練など。さらにプロジェクトの選別と順位の決定まで行うこともある。 | |
| Project Organization プロジェクト組織 |
企業内でプロジェクト実行のための組織として、機能的組織、完全プロジェクト組織、マトリックス組織の三形式がある。プロマネ権威は、機能組織、マトリックス、完全プロジェクトの順に強くなる。 プロジェクト組織が成功するためには、3C (Communication連絡, Cooperation協力, Coordination調整) が必要である。 |
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| Functional Organization 機能的組織 |
既存の機能的組織をそのままに利用してプロジェクトを実施する。PM(プロジェクトマネージャ)は、機能的なラインに対してスタッフとして位置することにより、責任が明確になる。従来組織をそのまま利用するので受け入れ易いが、PMは人材不足のために権限が発揮できないこともある。円滑なプロジェクト運営のためには強力な権限をPMに持たせる必要がある。 | |
| Pure-Project Organization 完全プロジェクト組織 |
常時、いくつかのプロジェクトが同時進行する場合に採用される。製品毎の事業部制組織をプロジェクトに適用したものである。PM (プロジェクトマネージャ) の責任は明確であるが、要員を抱え過ぎてプロジェクトコストが高くなる。プロジェクト間の人材の交流がなくなる恐れもある。大型の長期プロジェクトが複数存在する場合に利用する。 | |
| Matrix Organization マトリックス組織 |
実際に最も多く採用される組織である。ラインは機能責任を持ち、PM(プロジェクトマネージャ)はプロジェクト遂行の責任を持つ。この組織は変化に対応し易く柔軟性があり、企業に活気を与える。チームの維持コストも低くできる。プロジェクトメンバーはプロジェクトチームに属するとともに、機能組織の代表者であり機能組織の持つ知識や情報を有効に利用する。メンバーは蛸壷的な機能組織から這い出してPMの下で自由に活躍できる。しかしラインマネージャとPMの二人の上司を同時に持つことになるので、抵抗を感じる人もいる。また、ラインマネージャとPM間に葛藤を生ずることがあり、チームに対するトップのバックアップが重要である。 | |
| Linear Responsibility Chart (LRC) プロジェクト責任分担表 |
プロジェクトの業務 (work packages) について、関係する監督者の権限と責任を明確にチャートに表示する。トップ(部門長)、機能組織のラインマネージャ、プロジェクト部長、プロジェクトマネージャについて、「作成する、承認する、通知を受ける、相談を受ける、監督する」などの権限と責任を明らかにする。 | |
| Stakeholder ステイクホルダー (利害関係者) |
本来は、出資者の意味であるが、プロジェクトではプロジェクトに関係する全ての人々を意味する。例えば、顧客、会社トップや部門管理者、ラインの長、プロマネ、プロジェクトメンバー、メーカー、工事業者を言う。欧米のPM解説書に頻繁に現れる用語。 | |
| Project Manager プロジェクトマネージャ |
プロジェクトのリーダー。プロマネは、プロジェクトスポンサーと自分が属する組織の両方に奉仕する。プロマネに要求される資質は、通常のビジネス常識、技術的専門知識、プロジェクトマネジメント知識に加えて、(1) プロジェクトに熱意を持っている、(2) 変更や変化に効率良く対応する、(3) あいまいな組織や行動に対し寛大である、(4) 交渉力を発揮し、プロジェクトメンバーに連帯感を持たせる、(5) 顧客を第一に考え、顧客の意向を知る、(6) 企業の目的(利潤の追求)を忘れない、ことが必要。 | |
| Project Member プロジェクトメンバー |
プロジェクトメンバーは、プロジェクトからパッケージ化された業務 (work package) を与えられ、その達成に全力を尽くす(与えられた業務はラインマネージャの責任である。) メンバーはプロジェクトマネージャとラインマネージャの二人の上司を持つが、プロジェクトチームの中では機能を代表する専門家として働く。 | |
| Work Breakdown Structure (WBS) 作業分割図 |
プロジェクトで実行する業務の種類を言う。WBSは必要なレベルに応じて作成する。例えばプラント建設では、土建工事、機械工事、電気工事、計装工事、試運転が一次レベルのWBSである。WBSは、プロジェクトメンバーの役割分担、スケジュール表、予算構成などを区分するベースになる。WBSの最小単位業務がタスク(task)である。1個のタスクは1週間から10週間位の継続期間にして、余りに細分化しない。実際の業務ではWBSを意識せずにWBSの作成作業を行うことが多い。 | |
| Activity (Task) アクティビティ(タスク) |
プロジェクト業務の最小要素である。PM用のソフトによっては、要素の一つ一つをタスク、同じ種類のタスクの集まりをアクティビティと定義することもあるが、同義語としたものも多い。タスク(アクティビティ)はその内容を示し、期間、費用、リソースの情報を含む。あるタスク(アクティビティ)を終えると、イベントを経て、次のタスク(アクティビティ)に移る。ネットワーク図を参照。 | |
| Project Management Information System (PMIS) プロジェクト管理情報システム |
大規模プロジェクトで採用される、プロジェクトの進捗に応じてあらゆる情報をコンピュータを利用して管理するシステムである。対象にはドキュメント、工程、機材、マンパワー、コスト、キャッシュフローなどが含まれる。小規模プロジェクトではその考え方を学ぶことが大切。工程とリソースに重点をおいたプロジェクト・マネジメント・ソフトウェアは中規模プロジェクトに採用される。 | |
| Project Management Software プロジェクト・マネジメント・ソフトウェア |
プロジェクトを計画し管理するためのソフトである。小規模案件ではMS Excelを使用したガントチャート(バーチャート)で十分である。PERT図を作成しようとするとマネジメントソフトが必要になる。Microsoft社のMS Project、Primavera Systems社のSureTrak Managerなどが有名。これらの日本語版の他にも多くの日本製ソフトがあり、プロジェクトマネージャが業務を効率的に行うのに役立つ。 | |
| Risk Management リスク管理 |
プロジェクト、特に海外プラント建設においては海外取引に伴うリスク(輸送事故、代金回収トラブル、国内での経験や支援体制が通用せず)と、プラント自体の持つリスク(建設中の事故災害や機械性能の欠陥トラブル、契約変更など)がある。プロジェクト開始時に予想されるリスクを特定し、リスクの発生確率と発生時の重大性に基づいて、対策を立てておく必要がある。 | |
| Conflict Management コンフリクト・マネジメント |
プロジェクトの立上げ時には組織や権限で、実行時にはスケジュール、予算、品質で、関係者間のコンフリクト(利害の衝突)が起きる。コンフリクト無しのプロジェクトはないとも言える。その結果が変更になることが多い。プロマネは、対立の兆候を察知すると、すぐにその場に行き、現場を見て、関係者の話を聞き、事実を認識する。コンフリクトの内容により、回避、順応、妥協、対決、強制の手法で解決する。両者がwin-winになる解決策が見つかれば「雨降って地固まる」。 | |
| Project Start プロジェクトの開始 |
契約書に規定された目標、範囲、工程、支払い予定などを分かりやすくまとめて、チャートにして表示する。顧客やプロジェクトメンバー、関係者との打ち合わせを行い、業務の進め方、連絡報告の方法、問題点やリスクの把握と対処方法、変更処理方法を取り決める。 | |
| Project Planning プロジェクトの計画 |
プロジェクトメンバーにより、受注契約書をもとに設備仕様の確定、実行予算や実施工程を作成する。品質、安全対策についても検討する。 受注競争の激化により、予算や工程について無理な受注をせざるを得ないことが多い。プロジェクトチームとしては現実的な予算、工程を組み、問題を早めにプロジェクト関係者に認識させる。プロジェクトの予想される問題点、リスクを特定し、その対策を立てる。なおプロジェクト実行時のリスク、費用追加を配慮して予算に、ある程度のコンティンジェンシー(危険費)があれば、プロジェクトマネージャは決断が容易である。 | |
| Project Execution プロジェクトの実行 |
プロジェクト計画に沿って実行する。プロジェクトには、リスクの一つとして、品質欠陥や工事ミスなどの問題が必ず隠されていると考えるべきである。早く発見すれば工期、費用への被害も少なくて済む。発見が遅れるほど悪影響が大きくなる。またプロジェクトには、変更作業が必ず出てくる。変更費用については後で話し合いましょうと言って、誰が費用負担するかを決めずに変更工事を行うと、後でもめることが多い。 | |
| Project Control プロジェクトのコントロール |
プロジェクトの実行状況を常に監視 monitor して、実施計画と比較し、ずれが生じておればその影響の度合いを調べ、対策を立てる。例えば工程の遅れ、予算超過、品質トラブルなど計画にない問題が必ず発生する。問題を早く感知し原因を把握し対策を立てる。顧客やプロジェクト関係者を巻き込み、早期の相談、交渉が大切である。そのためには、問題の予測と処理、すなわちリスク管理の導入が重要である。 | |
| Project Termination プロジェクトの終了 |
顧客がプラントを受け入れ(acceptance) ても、プロジェクトは終了しない。最終ドキュメント、工事実績データ、完了報告書、反省提言事項などまとめて初めて終了する。フェーズアウト phaseout、閉鎖 closure とも言う。なお、プラントでは、プラントの検収後も一定期間、機器の性能保証が継続する。 | |
| Schedule Control スケジュール管理 |
プロジェクトの計画段階で、工程表の詳細をプロジェクトソフトなどを利用して作成する。工期短縮が可能であればそれを盛り込む。プロジェクト実行の基準になる基準計画 baseline Plan である。定期的に、あるいはマイルストーンごとに、工程をチェックする。工程の遅れは、作業員の増強、作業時間の延長、作業順序の変更、同時平行作業の実施、工事機械の追加、新規業者の投入などで取り返すが、いずれもコストへ影響する。なおスケジュール管理はコスト管理と合わせて行うことが大事である。 | |
| Network ネットワーク図 |
各作業(タスク)を終えるに要する時間、日数、期間が所要期間 duration である。タスクには、先行タスク predecessor と後続タスク successor がある。タスクをactiveに捉えて、activityとも言う。相互に関係する dependent タスクを矢印を持った直線で結ぶとネットワーク図になる。タスクのほとんどは、FS(あるタスクが終わると次のタスクが開始する、Finish to Start である。またネットワーク図上でタスクの実行に余裕がある場合、これをフロート float またはスラック slack と言う。タスク(アクティビティ)の開始点と終了点(次のタスクの開始点)をイベント event と言う。 | |
| Program Evaluation Review Technique (PERT) パート図 Precedence Diagram Method PDM図法 |
ネットワーク図の代表である。1957〜1958年に米国海軍、Booz,Allen & Hamilton社、ロッキード社が共同でポラリスミサイルの効率的開発のため開発した。各タスクの所要期間を利用できるリソースをもとに推定し、前後関係 dependency から結んだもの。大プロジェクトでは人力で処理できないので、プロジェクトマネージメントソフトにより作成する。ネットワーク図を用いると、あるタスクの遅れがプロジェクト全体にどのように影響するかが一目瞭然に分かる。なお、タスクを枠で囲み、タスク間の関係を矢印で示した図をPDM図と言う。 | |
| Critical Path Method (CPM) クリティカルパス法 |
ネットワーク図において、プロジェクト開始から終了までの、期間を最長にするアクティビティを結んだ経路を明示したもの。フロートのない一連のタスクである。プロジェクトの各時点で、現在、クリティカルパスCP上にあるタスクの担当者に、CPを意識させて工程を確保させる。1957年、DuPont社とRemington-Rand Inc.がプラント保全の工程管理ために開発した。 | |
| Gantt Chart ガントチャート |
時間を横軸にして、タスクを所要期間に比例した長さで表した工程管理図である。ネットワーク図も計算結果をガントチャートあるいはバーチャートで表すことが多い。この場合フロートは点線で表示される。小プロジェクト、あるいは大プロジェクトの月間、週間の短期工程管理表は手書きのガントチャートで管理する。フロートを表示すると管理がルーズになるので表示しない。ガントチャートは、1917年Henry Gantt(科学的管理法のFrederick Taylorの同僚)が造船作業に使用した。 | |
| Critical Chain Project Management (CCPM) クリティカル・チェイン・プロジェクトマネジメント |
プロジェクトを決められた期限までに完了するために、1)各タスクの余裕(安全時間)を取り去りバッファーとして集約しプロマネが管理する。2)特定のリソースについて依存関係を表示して、複数のタスク(プロジェクト)間でのリソースの競合を回避する。制約条件の理論(Theory of Constraints:TOC)のドラム・バッファ・ロープの考えを適用したプロジェクト管理手法である。 | |
| Cost Management 予算管理、コスト管理 |
受注時の予算に対して、実行予算を作成する。設計業務の進捗に伴い、機器、資材、工事の引き合いを行い、実行予算を修正する。予算の大半は機器代なので、機器発注に先立ち、引き合い先、機器仕様の変更、機器台数の変更、レイアウトの検討などコストダウンのためにあらゆる知恵を絞る。工事についても同様である。機器や工事の発注後は追加、変更によるコスト増が問題になる。 | |
| Project Accounting プロジェクト会計 |
プラント建設業界では、長期請負工事は、工事完成基準に基づき、工事が完成し、引き渡しを完了した時点でその工事に関わる工事収益を認識し、当該会計期に一括して計上した。 しかし、企業会計基準委員会(ASBJ)が2007年12月に公表した「工事契約に関する会計基準」では、2009年4月1日以降に開始となる事業年度から,SIのようなソフト開発企業でも工事進行基準を原則として適用することになる。 |
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| Completed Contract Method 工事完成基準 |
工事完成基準では、工事が完成し、その引き渡しが完了した日に工事収益を計上する。したがって3年のプロジェクトでは最初の2年間は売上げに計上しない。 | |
| Percentage-of-Completion Method 工事進行基準 |
工事進行基準とは、工事期間中、目的物が完成に近づくにつれて徐々に収益が発生するものと考え、工事の完成度合いに応じて工事に関する収益と原価を計上し、各会計期間に分配する方法である。 決算期末に工事進行程度を見積もり、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上する。すなわち、一定の利益率を盛り込み、実際の支出と収入に対応して売上計上する。 |
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| Value Engineering (VE) バリュー・エンジニアリング(価値工学) |
製品やサービスの価値(Value)を、それが果たすべき機能(Function)とそのために掛けるコスト(Cost)を用いて「V=F/C」で表して評価する。VEにより、システム化された手法で組織的にコストを下げ機能の向上を図り、価値を高める。建設工事では通常、設計時、入札時、工事実施時に行うが、設計段階でのVE効果が最も大きい。GE社の購買部長、L.D.Milesの1947年のアスベスト事件に始まる。VEはVA(Value Analysis価値分析)とも言う。顧客本位の視点に立って、製品やサービスの存在目的を問う。 | |
| Concurrent Engineering (CE) コンカレント・エンジニアリング(同時進行技術活動) |
製品の基本設計、詳細設計、部品調達、製品製作、試運転などの工程を同時平行的に行い、コストダウン、品質向上を図りつつ、納期の短縮を実現すること。さらに広義では、製品の開発・設計の段階で、生産や購買、品質保証、営業、マーケティング、サービスの各部門、さらには社外の部品メーカー、ユーザーなどが参加することで、これら後工程の情報を開発者にフィードバックすることで全体的なコストダウンと納期短縮を行う。 | |
| Earned Value Management System (EVMS)出来高管理システム Earned Value Analysis (EVA)出来高分析 |
プロジェクトがスタートして実施段階に入ると、実行予算BCWS、消費実績(支払代金)ACWPだけで管理するだけでなく、出来高BCWPの概念を導入することによりプロジェクトの進捗管理を行う。EVMSは、時間軸に対し、BCWS、ACWP、BCWPの3曲線を表示することにより、プロジェクトの現状把握と将来見通しを可能にする。米国国防省DoD規定により、C/SCSCとして標準化されている。 (注:出来高だけにより契約の代金支払を行う場合は、ACWP=BCWPになる。1時間当たりや1日当たりで代金支払を行う時にACWPとBCWP間に差異が発生し、BCWS、ACWP、BCWPの三者管理が必要になる) |
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| Budgeted Cost of Work Scheduled (BCWS) 実行予算 |
Planned Valueとも言う。 プロジェクト開始時に作成する予算である。MSプロジェクトなど管理ソフトを使用する場合、全てのタスクについて予算を明確にする必要がある。タスクの予算には二通りある。(1) 金額を固定した費用(例えば機器代、ランプサム契約の外注費)と、(2) 時間単価契約の費用(例えばパート雇いの作業者経費)である。実行中のタスクのBCWSは、予算コスト*予定達成率(=作業期間/予定期間)で計算する。 | |
| Actual Cost of Work Performed (ACWP) 消費実績(支払金額) |
Spent Costとも言う。プロジェクト予算から実際に支払われた費用。例えば、2万円/日のパート作業員が15日働くと、その作業員の仕事量に無関係に、働いた日数に対し30万円を支払う。レンタル料金1日10万円の機械を10日間使用すれば、100万円になる。 | |
| Budgeted Cost of Work Performed (BCWP) 出来高(出来高による支払額) |
Earned Valueとも言う。(予算コスト*実際の仕事の達成率)で計算する。完了したタスクでは達成率は100%である。作業中のタスクでは、そのタスクで実施される業務内容の達成率で表示する。例えば、50枚の図面作成の設計作業で20枚作成済みであれば達成率は20/50=40%であり、設計予算30万円の場合、出来高BCWPは12万円になる。 | |
| Cost Variance (CV) コスト差異 Cost Performance Index コスト性能比 |
CV=BCWP-ACWP で計算する。実際になされた作業量(金額表示)に対し、支払った代金の差である。マイナスは、実際の作業量よりも代金の払い過ぎを意味する。 Cost Performance Index (CPI)=BCWP/ACWPである。 コストの偏移の度合いを示す。 |
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| Schedule Variance (SV) スケジュール差異 Schedule Performance Index スケジュール性能比 |
SV=BCWP-BCWS で計算する。予算に対して、実際になされた作業量(金額表示)の差である。マイナスは、実際の作業(金額表示)が予定した金額よりも少ない、すなわち遅れていることを意味する。 Schedule Performance Index (SPI) =BCWP/BCWSである。スケージュールの偏移の度合いを示す。 |
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| Critical Ratio 臨界率 |
Critical Ratio=SPI*CPI、または =(BCWP/BCWS)*(BCWP/ACWP)、この比率によりプロジェクトの進捗を判定することができる。0.9<CR<1.2では良好、0.8<CR<0.9, 1.2<cr<1.3 では要注意、0.8>CR, CR>1.3 なら危険とする。 | |
| Budget at Completion (BAC) 完成時の実行予算 |
プロジェクト完了時の実行予算。これに対して、プロジェクト実行中に行うEstimate at Completion (EAC)は、完成時点の予測である。BACを元に、現時点でEACを予測できる。悲観的または楽観的な三通りの方法がある。 | |
| ABC Management ABC管理 |
対象を「ABC」にランク付けして管理をする。例えば、商品の販売数量や金額の多い順に累計を求め、これを、A:上位80%まで、B:80〜95%、C:95〜100%とABCランクに区分する。ABCの順に、メーカーの製品品質や納期管理、あるいは商品の在庫管理を行う。なお流通業界などで行われる、業務活動(アクティビティ)毎にコスト分析を行うABC管理(Activity Based Costing)とは別である。 | |
| Quality Management 品質管理 |
顧客の要求する機材、設備、工事の仕様が品質基準になる。機材購入製作、工事施工について仕様、性能基準を明確にし、その検査体制、検査方法、検査基準、検査時期などを規定する。工事段階で機材、工事の製作ミス、施工ミスが形を現してくるので、その発見に遅れないことである。 | |
| Failure Mode and Effects Analysis (FMEA) 故障モード影響解析 |
潜在的故障モード影響解析。意訳すれば「失敗予測」。製品設計または工程設計を対象に行う。対象とするシステムや機械の構成要素、部品を調べる。予想される故障を摘出し、発生の確率、頻度、影響を予測する。1枚のシートに結果をまとめ、総合評価をして緊急度、危険優先度を求め、改善を行う。 | |
| Safety and Health Management 安全衛生管理 |
全体計画、設計段階から安全、衛生に気を配る。特に工事段階で重大事故が発生する確率が高いので、安全実施体制、作業員の教育、作業環境の整備、安全施設、安全保護具、安全行動に留意する。 工事現場の安全は、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)に始まる。各作業員に個人保護具 PPE( Personal Protecting Equipment) を支給するのは雇用者の責任である。なおSHEと略称する場合は、安全 Safety、衛生 Health、環境 Environment を意味する。 | |
| Safety Task Assignment (STA) 安全作業指示 |
監督者が作業者に仕事の指示をする際、その仕事の指示だけでなく、仕事をする際に安全上、心すべき注意事項と取るべき行動についても説明をする。作業者はこのSTAを良く理解し、遵守する。 | |
| Tool Box Meeting (TBM) ツールボックス・ミーティング |
TBMは、監督者が毎日、職場で(工具箱の横で)作業者を集めて行う打ち合わせである。朝の挨拶、お互いの体調や個人保護具のチェック、今日の作業予定、仕事の説明を行う。班長をリーダーとする作業班単位で行う、 | |
| SC-5 (5分間安全点検) |
SC-5とは、作業者が各自、仕事を始める前と終わる前に5分間、自分の作業場の安全性をチェックすること。SCはSafety Checkの意味。 | |
| Hazards Prediction Training (KYT) 危険予知訓練 |
作業時に起こりうる危険を予知する能力を作業者に身に付けさせる訓練。通常のKYTでは、班長が作業状況を示す簡単なスケッチを班員に見せて、予想される危険について全員に自由に意見を言わせる。班長は、最も可能性の高い危険をまとめ、さらにその予防策を説明する。最後に結論を全員で唱和する。 | |
| Lost Time Injury/Illness Severity Rate (LISR) 傷病強度率 |
危険に曝された20万時間当たりの傷病による労働損失日数。(注:厚生労働省は百万時間当たりで示す) 計算式 LISR=(傷病による労働損失日数)*200,000/(危険に曝された労働時間の合計) OSHA指針による算式。20万時間は100人が1週当たり40時間、年間50週働くと仮定したもの。 |
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| Recordable Injury /Illness Rate (RIR) 傷病度数率 |
危険に曝された20万時間当たりの傷病発生数。(厚生労働省は百万時間当たりで示す) 計算式 RIR=(要記録の傷病の発生数)*200,000/(危険に曝された労働時間の合計) OSHA指針による算式。20万時間は100人が1週当たり40時間、年間50週働くと仮定したもの。 |
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| Toyota's Method トヨタ方式(業務革新の手法) |
生産の現場では「作業=働き+動き」とし、動きを徹底的に除去し(作業のムダをなくす)、部門ではJIT(ジャストインタイム)を実現した。これをさらに進め、「作業=働き+改善」として、リーダー、監督者、作業者ごとに持続的に改善を行う。そのために問題を顕在化(見える化)し、生産の自働化(自動化ではない。異常が発生すればライン停止)を行う。業務革新を持続して行う仕組みをつくる。問題が生ずれば、「なぜを5回」繰り返してその要因をつかむ。 | |
| Theory of Constraints(TOC) 制約理論または制約条件の理論 |
業務改革に際し、システムの最も弱い部分を改善する。一点集中方式。TOC改善のステップは、@制約条件を特定する。A制約条件を徹底活用する。B他のすべてを制約条件に従属させる。C制約条件の能力を強化する。D惰性に注意しながら@から繰り返す。CCPMは,TOCをプロジェクトマネジメントに応用したものである。1970年末にEliyahu M. Goldrattにより開発された。 | |
| Six Sigma(6σ) シックスシグマ |
原義は、プロセスの改善を行い品質のバラツキ(欠陥品の発生確率を6σ=百万分の3.4に押さえる)をなくすこと。経営上の課題解決のため、「DMAIC」の5つのフェーズでメンバーがその知識を共有して行う。D:定義、VOC(顧客の声)を基に課題CTQ(Critical to Quality)を設定。M:現状把握のデータ収集。A:要因を特定。I:分析、試験を行い解決策の決定。C:解決策を現場に引き継ぎ、定着させる。効果の数値化とメンバー間のコミュニケーションが重要。1980年代にモトローラ社で始まりGEが経営改革に展開した。 | |
| Theory of Inventive Problem Solving(TRIZ) 発明的問題解決理論(トゥリーズ) |
250万件の特許に基づき、問題解決パターンを分析整理し定式化したもの。問題解決を思い付きや試行錯誤で行うのでなく、矛盾を抱えた問題の解決手法、問題をシステムとして捉える問題定義手法、技術進化の流れの中で適用されてきた標準的な問題解決手法、求める機能から検索できる(物理学、化学、幾何学)効果を網羅した逆引き知識辞書、発想のプロセス化の手法などで行う。1946年旧ソ連の特許審議官、Genrich. Altshullerが始めた。特許は「一つ以上の矛盾を持ち、未解決のものへの解答である」と考える。アイデアの質や効率が高まる。 | |
| 参考文献: Project Management: by 1.Jack R. Merdith等、2.Sunny and Kim Baker、3.David I. Cleland、4Harold Kerzner、5.Marion E. Hayns、6.Gary R Herrkens、7.Donna Deeprose Professional Construction Management by Donard S. Barrie等。 Project Planning, Scheduling & Control by James P. Lewis. Construction safety by ; Jimmie W. Hinze ものづくりの教科書「革新のための7つの手法」編集:日経ものづくり |
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