|Project トFKDのホームページへ|日本語のトップページへ|
契約
機器やプラントの売買は契約に始まり、契約で終わります。
ここでは、日本の建設会社やエンジニアリング会社が海外にプラントを建設する場合について説明します。
顧客:
海外にプラントを建設し運営する組織は、施主、ownerとも言われますが、ここでは単に顧客と表現します。顧客には、「海外生産を行うためにプラントを建設する」日本企業と、「自国にプラントを建設する」外国企業があります。さらに、日本企業と外国企業との合弁会社もあります。
顧客は、その国の市場調査により将来の製品需要予測をもとに企業化計画を策定します。さらに詳細なFS
(Feasibility Study) を行い採算性を検討します。こうして投資計画が確定し、企業化プロジェクトが開始され、資金計画、生産・販売計画、プラント建設計画、要員計画、官庁認可交渉、試験販売などが具体化します。
プラント建設については、建設サイトの決定、電力・用水や交通などのインフラ調査、製品生産のKH
(Know How)、ライセンスなど導入技術の決定、建設工事計画の策定を行います。さらにプラント建設のための、土建工事、機材購入、機器据付工事などの引合資料を作成します。

プラント会社(プラント建設会社、エンジニアリング会社):
日本から海外に出掛けてプラント建設を行う会社を,、ここではプラント会社と表現します。プラント会社には、プラント建設技術をもとに「建設工事に従事する」会社、プラント設計・建設技術をもとに「建設を請け負う」会社、自社内に生産製品の核となる機器や製造技術を持っていて「機器や技術を輸出する」会社などがあります。複雑なプラントになる程、専門的業種の会社が多数、プラント建設に関わってきます。一般にプラント会社は生産製品の製造技術を持たないので、製品の製造ライセンス供与会社(ライセンサー)とコンビを組みます。
プラント会社の営業部は、現地滞在の商社とともに何回も顧客を訪問して、顧客の企業化計画
(Feasibility Study) の早い時期からプロジェクトに関与するように努めます。しかし多くの場合は、顧客の計画がほぼ固まったプラント引き合いの段階から参加します。いずれにせよ、最後はプラントの性能と価格、すなわちプラント会社とライセンサーの技術力とサービス力、商社の市場力をもとに競争相手と熾烈な戦いをします。
顧客とプラント会社との関係
プラント会社にとって、顧客には「新規な顧客」と「リピートの顧客」があります。プロジェクトを契約通りに仕上げ、日頃のサービスを心掛けることがリピートの顧客を増やすための要諦です。顧客がプラント会社に注文を出す場合、または、リピートの顧客の場合、引合によらず特命で注文をすることがあります。特殊な技術のために、顧客から特命で注文を受けるような技術があれば良いのですが・・・。
顧客がプラント建設をどこまでプラント会社にまかせるかは顧客の技術力、要員、予算、国情などによって決まります。整地からプラント完成まですべてプラント会社に任せる「ターンキー」、土建工事を自分で行い、機器据付から試験運転までをプラント会社に任せる「セミターンキー」、機材の調達、現地工事の手配はすべて自分で行い、プラント会社に工事指導だけを要請する「技術者派遣」があります。
契約
輸出プラントについて、顧客とプラント会社間である程度合意に達すると、顧客から内示書が発行されます。さらに契約交渉が行われて最後にプラント会社と「機器輸出契約」、「プラント輸出契約」、「現地工事契約」、「プロジェクトマネジメント契約」、「技術者派遣契約」など、またライセンス会社と「ライセンス供与契約」、「研修生受入契約」など、輸出側の業務内容に応じて契約を締結します。
契約書は通常、コマーシャル部分とテクニカル部分で構成されます。コマーシャル部分については、国際標準とか日本標準とかありますので必ず、参照します。
プロジェクトの成否は契約次第です。国内では、従来のよしみで契約書無しに工事を始めることがありますが、海外ではとんでもないことです。顧客によっては弁護士も絡んでいます。契約書には契約解消時の手続きまで詳細に取り決めます(結婚の契約に際して離婚条件まできめることと同じ)。特に、日系合弁会社との契約は相手企業が外国会社であることを絶対に忘れないこと。また優先文書は英語もしくは現地語が普通です。
プロジェクトの開始と終了
案件の営業開始からプロジェクトの開始まで大体、半年から1年以上、大プロジェクトでは2〜3年を要するものもあります。そして成約に至るのは「千に三つ」とは言いませんが非常に低い確率です(研究開発プロジェクトでも同じことが言われているようです)。
プラント会社のプロジェクトチームは、正式には「プラント輸出契約」が発効してからスタートします。実際には「内示書」の段階でメンバーの手配を始めます。チームは、プロセス、機器、工事の設計グループ、機材調達グループ、プロジェクト管理グループ、営業・契約グループ、経理・会計グループ、現地工事グループなどから構成され、業務の進捗に応じて要員も増減します。
また機器設計は半年から1年、工事設計には2年、機器製作には設計を終えて1〜1.5年を要します。現地機器据付工事は1〜2年が普通です。こうして、プロジェクトの開始から終了まで10億円規模で2〜3年、100億円規模で3〜4年を要します。数百億円では数年以上掛かります。
プラント案件の例
某社の資料を基に作成した中国プラント案件のフローの例を示します。かなり古い資料ですでに時効になっている(基本は変わっていないが多くの変更がなされている筈)と考えます。プラント案件の大変さの理解の参考になれば幸い。

|このページのトップへ|Project FKDのホームページへ|日本語のトップページへ|
|