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プロジェクトマネージャ
1. リーダーシップ

  1. プロジェクトマネージャ(以下プロマネ)とは、顧客に直結するプロジェクト責任者であると同時に、企業の経営にも直結する人です。
  2. プロマネは、幅広いビジネス常識、技術的知識、およびプロジェクトマネジメントに関する知識が必要です。そのためには、プロジェクト業務の豊富な経験がないと勤まりません。PMIのPMP受験資格は、3年以上のPM経験を要求しています。
  3. プロマネはまた、プロジェクト内外の様々な人々を動かすリーダーシップが必要です。適材を適所に配置し、その人に積極的に動いてもらうためには、プロマネは属する組織の中で信頼を得ていなければなりません。
  4. 組織の中でプロマネに任命されて、一つのまとまった仕事(プロジェクト)を任された以上は、プロマネはその目標達成に全力を尽くすことです。
  5. プロマネに与えられるauthorityに対し、プロマネはresponsibilityとaccountabilityを持ちます。
  6. プロマネは、プロジェクト実施に際して、OJTにより次世代のプロマネの養成を心掛ける必要があります。
  7. プロジェクト管理部門(プロジェクトオフィス)は、新しいプロマネにプロジェクト運営マニュアルなどの支援資料を整備し、配布します。 

2. 成功するプロジェクトマネージャになるには

  1. ゼネラリストであること    
  • 一つの専門分野だけに精通したSpecialistは、プロマネに不適当です。プラント建設プロジェクトの場合、例えば機械系エンジニアであれば、機械に関する知識だけでなく、電気工学や制御工学、化学工学、土木建築工学の知識も要求されます。さらにプラントが属する分野の常識も必要です。またコスト管理のための経理知識、契約や特許管理のための法的知識など広汎な常識が必要です。
  • 自分の専門とする分野に囚われることなく、むしろ専門分野への未練を捨ててでも、興味と好奇心を持って未知の分野に果敢に挑戦する意欲が必要です。
  • 広汎な知識を持つことによって、プロジェクトで発生する事象や問題に興味を持ち、情報の処理方法やその伝達先も考えることができます。

 2..  コミュニケーション技術に通じること

  • プロジェクトの目標をメンバーに分かり易く、明確に示すこと。そのためには口頭と書面によるコミュニケーション技術に熟達していること。
  • 簡潔で明確なスピーチを心掛けること。自分の書いた手紙やメモを読んで無駄を省くように努める(米国ではdebateにより、あるいは訓練コースでスピーチ技術を学ぶ)。他人がスピーチをしている場に参加して、その技術を学ぶこと。
  • プロジェクトを取り巻く人々、例えば顧客を初めとするstakeholderに対し、連絡、報告、相談を絶えず行うこと。
  • 人の意見をよく聞き、人々が気安くアプローチして来る雰囲気を作り出すこと。

 3. 時間を管理すること

  • 時間を有効に利用すること。今日明日、やるべきことをリストアップし、嫌なことから片付けていくこと。
  • メモ、書類、メールなど処理できるものは直ちに処理し、関係者に回すもの、保留して熟慮を要するするものなど仕訳けをします。
  • 20対80の法則を知ること。1日のなかで、20%の時間に精神を集中すれば重要な仕事の80%を終えることができます。
  • 自分の時間を管理することがプロジェクトをスケジュール通りに進めることにつながります。。

 4. ミーティングを活用すること 

  • ミーティングは有効なコミュニケーションの手段ですが、時間と金が掛かるものです。結論の出ない会合は許されません。
  • ミ-ティングのルールが確立されていること。前以て出席者には目的、議題、時間を通告しておきます。ミーティングの記録者も決めておきます。
  • 時間やついでがある時に、メンバーと議事録を必要としない非公式の小会合を持ち、表に出ないテーマや問題を引き出し話題にします。

  5. 全体を見ること

  • プロマネは優先してなすべき事項が分っています。全体を俯瞰できる人であり、重箱の隅をつつく人ではありません。
  • 「what if」理論により、重要なことと些細なことを区別できます。「もしこれが起きたらどうするか、もし、これをしなかったらどうなるか、これをしたらどうなるか」と考えるテクニックです。あるいは、「これにより何人が影響されるのか、コストや工程がどの程度影響されるか」を考えると問題の大きさが分ってきます。
  • 問題が起きる前に問題を回避する、人から言われる前に行動を起こす、をproactiveプロマネと言います(reactiveの反対)。

  6 楽観的であること

  • 全てが上手くいかない時に楽観するのは困難です。しかし問題の解決に積極的であるべきです。解決策があるに違いないと信じて行動します。
  • 楽観的で積極的であることは、危険や落とし穴を無視することではなく、あらゆる可能性を検討しておくことです。

  7. 決断力があること

  • プロマネは要件を明確にし、方針を決定せねばなりません。どっちつかずの曖昧な決定は許されません。
  • 皆の意見を聞いた上で、決定するのはプロマネです。しかしこの場合、プロマネにはaccountability(説明責任)があります。

  8. 変更は手順に従うこと

  • 管理されない変更は、プロジェクトの予算やスケジュールがオーバーする原因になります。変更を実施に移す際には、コストとスケジュールへの影響をチェックし、変更をオーソライズしておく必要があります。

  9. 権限を委譲すること

  • プロマネはエキスパートの持つ専門知識を尊重し活用します。エキスパートに全ての情報を与え、問題に対する彼の意見を求め、素人にも理解できるように説明を要求します。
  • エキスパートと絶えず「what if」の討論をします。こうして彼の意見に基づきプロマネは方針を決定します。決定の責任は全てプロマネにあります。
  • 決定した方針が期待通りに進んでいないようであれば、プロマネはエキスパートと共に問題を討議し対策を取ります。
 10.人を知ること
  • 人は、他人からガタガタ言われなくても働くものです。一挙一動を指図されると仕事をやらされると思います。自分の意思で自主的に働いていると認識させることが大切です。仕事を「やる気で」やれば、成果も変わってきます。
  • 人には目的は明確に伝えなくてはなりません。しかし目的達成の手段はその人に任せるべきです。そうすれば自由に創造性を発揮して、いろいろ自ら考えて、新しい仕事のやり方を見つけ出します。仕事は楽しんでするものです。ただし、人に仕事を任せるとは、放任することではありません。常に見守る必要があります。
  • 人は他人から喜ばれることが励みになります。その人の行為をよく観察して、感謝すること、褒めることを忘れてはなりません。
  • 人の個性は変わりませんが、能力は伸ばそうと思えば、いくらでも伸びるものです。深みを増すだけでなく、幅を広げることで、何人分もの仕事ができるようになります。また、個性を活かして仕事の与え、指導することもできます。こうして、1+1は3にすることができます。
11.リーダーシップ論
  • リーダーの役割の第一は、組織の共同の目的を設定し分配すること。目的を明確にし、目的達成のための方針を出せる人であること。
  • 目的を達成する方法は、メンバー各自に任せること。そのために各自の目標達成度を高めるための教育を施す。任せたことについては責任を持たせる。すべてが自由であるはずがない、自由には制限がある。この制限をできるだけ取り去るのがリーダーの役目。
  • リーダーは、任せたから勝手にやれではない。「陰ながら見守る」ことが大切。「放任」と「任せる」は同じではない。リーダーは、メンバーの行動に対し深い関心をもつこと。
  • メンバーも困ったときは、遠慮なくリーダーへ相談し、リーダーの意見を聞く。
  • 計画が狂ったとき、それをいかに早く感知し、いかに早く的確な手を打つか。「災いを転じて福となす」か。臨機応変の処置が取れるには、事が起きたときに慌てふためかないこと。平常心を失わない。柔軟な心を持つ。失敗してもくよくよしないで、「過ちは改むるに憚ることなかれ」という態度を取れること。


注記 : このページについて、The M.E.Kellogg Co.,のA.E.Kerridge氏のレポートを参照した。
参考 : プロマネとしてグループを率いてゆくには、孫氏謀攻篇の「知彼知己、百戦不殆」にあるように、自分だけでなく相手の性格を知っておくことも大切。それに適した人間関係のページをリンクした。
追記 : 項目10は、西堀榮三郎著「技士道十五ヶ条」朝日新聞社を参照した。
築城 : 項目11は、西堀榮三郎著 「ものづくり道」ワック株式会社 を参照。


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