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スケジュール (工程)
1. スケジュール表

1. プロジェクトには、始めと終わりがあります。そのため、プロジェクトの開始から終了までの作業(タスク)をその実施順にスケジュール表にまとめます。
2. 必要なタスクをWBS手法により列記します。次いで各タスクについて、所要期間を見積もります。期間は、利用できるリソースの規模だけでなく、さまざまな条件で決まります。
例えば、通常のコンクリートは、28日間経過しないと100%の強度が出ません(時間的制約)。狭い場所では、多数の作業者が同時に働くことはできません(空間的制約)。工事会社の規模にもよります(人的制約)。型枠が不足したり、材料の入荷が遅れると全体が遅れます(物的制約)。
3. タスクとその所要期間が決まると、各タスクを作業順に配置します。タスクとタスクの相互関係はほとんどがFS (Finish to Start) です。すなわち、Aタスクが終了するとBタスクが始まります。

2A. ガントチャート 1 (Excelソフトを利用します・・・手作りです) 
Excelソフトによるガントチャートを示します。縦軸にタスク項目、横軸に期間を表示します。作成は手で書くのと同じです。
1. プロジェクト開始に当たり、プロジェクト終了までの、全体の実行計画(基準計画)を立てます。各メンバーは、これに沿った担当工事の短期計画を立てます。
2. プロジェクト開始後は、チーム全員が月に一回集まり、スケジュールの確認と予測を行います。メンバーは週ごとに担当工事のスケジュールを組みます。
3. ガントチャートに、Critical Pathを表示できます。また、進捗実績も書き込むことができます。
4. 右図は、2月末に進捗実績をチェックしたものです。灰色は基準計画、青色は実績工程です。
5. Excelを使用するので、コスト管理にも便利です(スケジュール・コスト管理参照)。
6. Excelシートを使用したガントチャートでは、クリティカル・パスが自動的に表示されないのが欠点です。
もちろん、手で書き加えれば表示できますが、スケジュールと作業内容が完全に頭に入っている必要があります。
2B. ガントチャート 2 (Excel Pro工程表・・・マクロです) 
SystemWatanabeから提供されている、Excelソフトによるガントチャートです。フリーソフトとシェアウエアがあり、ホームページのhttp://www.syswat.com/ のExcel VBAから、「マルチシート型」をダウンロードします。
1 スケジュール表は縦軸に作業内容、横軸に期間を表示します。

先ず、メニューでプロジェクト名、休日の設定を行います。

なお、このソフトは、マクロを利用しているので、WindowsXPでは、インターネットオプションでセキュリティを「中」にしておきます。
次いで、「マクロを有効にする」必要があります。
2. 作業内容に対し、予定開始日と予定終了日を記入すると、自動的に青線が引かれます。
実績開始日と実績終了日を記入すると自動的に赤線が引かれます。
1ヶ月のシートで作成した作業内容を3ヶ月シートにコピーして貼り付けることができます。
Excelを使用するので、コスト管理にも便利です(スケジュール・コスト管理参照)。

参考情報
(2009/01/19)
「エクセルグラフ大辞典」の著者、寺田祐司氏の試作ホームページ http://terrapy.sakura.ne.jp/index.htm の「自作グラフマクロ」に、無料のガントチャート作成ソフト Ver1.04 (Free) が掲載されています。上記ページからダウンロードできます。
ワークシート上にオートシェイプを使ってガントチャートを描画するエクセルのマクロです。開始日や日数を入力すると、色付きの四角形を自動的に表示します。

2C.開発マイルストーン 1.12 (Excelによるガントチャート)
次のBrothersoftのページ http://mairusuton.brothersoft.jp/ からダウンロードできる無料ソフトです。このページに会員向けの簡単な解説があります。
開始日と日数を入力するだけでガントチャートが自動的に表示されます。月単位、週単位、日単位、時間単位での表示が可能。 実績を入力すれば遅れ、進捗状況などが自動的に表示されます。 休日や祝日などが自動的に計算されて終了日を決定します。 担当者の作業が重ならないように工数調整できます。標準工程を作成しておけば、簡単にスケジュールが挿入できます。
私は使った経験はありません。
2D. ガントチャート 3 (GanttProjectソフト・・・無料でダウンロード可) 
フリーウェアのGanttProjectです。2010年6月現在、V.2.0.10に進化しています。 構成び作成法は上記のガントチャート1に同じですが、タスクに「F to S」の関連付けができます。
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1 タスクのプロパティに、名称、開始日、工事期間を記入します。図上で「タスク期間」をドラッグして期間を変更できます。
GanttProject 2.0.6では、土曜日、日曜日の休日設定のほかに、日本の祝祭日の設定ができます。
方法は、メニューの「プロジェクト」>「新しいプロジェクトの生成」>名前記入>デフォルト>公休日でJapan の順に設定します。
2 図上で「タスク期間」の終わりをクリックして、次のタスクの先端に矢印を持ってきてドロップすると、「F to S」が設定されます。
あるタスクの期間を変えると、自動的に後続のタスクの期間も調整されます。
3 タスクをクリックして、タスクのプロパティに「進捗度」を記入できます。図上に実線で進捗度が表示されます。
4. ダウンロードの仕方:ウェブページhttp://ganttproject.biz/ から、GanttProject 2.0.10をダウンロードできます。ファイルサイズは9MBです。ダウンロードせずに、スライドでデモを見ることもできます。
2E.プロジェクト管理ソフト(OPENPROJ®の例・・無料ソフト)
NWLab.comのページに紹介されています。http://www.nwlab.com/?p=1002
ダウンロードは、http://openproj.org/ から行います。

WBSを定義して、WBSの鎖のマークをクリックすると、タスクの依存性が定義されて、ガントチャートが作成できるという。日本語の使用もできます。私は使ったことがありません。
2F. プロジェクト管理ソフト (MSプロジェクト®の例・・有料ソフト)
マイクロソフトの「MSプロジェクト」を使用して管理する例です。有料でしてネット上で7−8万円。私は以前、使用したことがあります。
ほかにも類似のソフトがいろいろあります。なかでもPrimaveiraは高価なソフトですが、それだけの価値のあるソフトのようです。価格は組織・プロジェクトの役職に応じたモジュール別で、プロジェクトマネージャー用モジュールが1指名ユーザーあたり28万円、100名規模の場合の参考価格が570万円から。私は使ったことがありません。
1 まず、タスクとその所要期間を入力します。タスクの順序はあまり考えずに入力します。
2 次いで、マウスを用いて、各タスクを結び付けて(FSに関係付ける)、鎖アイコンをクリックすると、自動的に配列が行われます。変更も簡単に行えます。
3 さらに、各タスクに予算金額やコスト計算式(例えば時間単価)を記入しておきます。これで実行計画が完成です。基準計画として保存します。
4 各月末に、各タスクについて実績開始日と完了日を記入します(完成タスクの達成率は100%になります)。未完業務は、その達成率(出来高による)を%で記入します。
5 そうすると、その月末の進捗状況、実行予算額、出来高などが計算表示されます。今後のスケジュールは進捗に応じて自動的に前後に移動します。
6  図は、灰色の基準計画と青色の実績工程との差異を示します。今後の予定は、当初予定よりも少し遅れていて、赤色のクリティカルパスになっています。

3. スケジュール管理

1. タスクが数百以上の大規模プロジェクトでは、人力でのスケジュール管理には無理があります。その場合、プロジェクト管理ソフトが便利です。特に、進捗の遅れやタスクの変更が生じた場合に、プロジェクトの完了日を予測するのに管理ソフトは威力を発揮します。
2. 中小規模のプロジェクトでも、管理ソフトを使用すれば作業が楽になります。小規模のプロジェクトでは、Excelでも充分、管理できます。チームメンバーが行う、1、2週間単位の個別のスケジュール管理では、Excel方式が便利です。
3. スケジュール管理では、工程の遅れ対策が管理の目標になります。機械力の追加、作業者の追加、作業時間の増加、作業手順の変更など工事業者と相談して手を打ちます。また作業者の作業意欲の向上策を考えます。特にCritical Path上にあるタスクのうち、実行中のものについて、着手状況、進捗状況、完了予定をフォローし、次のタスクについて、段取り状況を調べます。

. CPMとCCPM

1. 大・中規模プロジェクトでは、PERTによりコンピュータで作成したスケジュール表が使用され、これをもとにCPM管理を行います。小規模のプロジェクトでも手書きのスケジュール表で、CPMを管します。CPMとは、最終目標に達するパスの中で一番長いパスを意味します。しかしCPM管理を行ってもプロジェクトの遅延は起こります。
2. CPM管理で遅れが生ずる原因は、Critical Path上にあるタスクが予定通りに行われないからです。TOC(制約条件の理論)を考えたEliyahu M. Goldrattは、スケジュール管理を従来と異なった観点から行い、CPM管理に基づくスケジュール遅延を防止することを提唱しました。すなわちプロジェクトの制約条件はリソースにあると考えました。このTOCに基づくプロジェクト管理をCCPM、Critical Chain Project Managementと言います。
3. CCPMのポイントは、次の2項にあります。(1)すべてのタスクが持つ余裕(安全時間)を取出して、プロジェクトマネージャが要所要所にバッファーとして配賦して管理する。(2)プロジェクトの制約は、パスのあちこちに同じリソースが現れることにある。すなわち仕事の掛け持ちである。したがってこのリソースを順に並び替えて鎖のように結び付けてCritical Chainとします。
4. 幾つかのプロジェクトに従事していると、ついつい新規のタスクに着手するのが遅れます。この遅れは即、プロジェクトの遅れになります。Goldrattは、これを学生症候群と言っています。学生症候群とは、「試験があるのが分かっていても試験の直前にならないと勉強をしない」ことです。
5. 不確定要素が多いタスクの所要時間の推定にベータ関数による確率論的なアプローチをした場合は、長時間の安全時間が含まれています。例えば、確度50%で10日の所要日数が、確度90%の場合30日になります。
6. さらに時間算出者に多くの上司がいる場合や重要なタスクには安全時間が加算され、あるいは、従来から作業時間の一律カットが再々実施された場合にもそれを予測して水増しされます。一旦水増しされた時間は実行時にはなかなか短縮されません。Goldrattは、これにパーキンソンの第1法則「仕事は、完成までに利用できる時間を使いきるまで拡張される」を引用しています。
7. CCPMでは、critical pathに入ってくるパスにバッファー(合流バッファー。フィーディングバッファーとも言う)を組み込み、さらにプロジェクト終了直前にもバッファー(プロジェクトバッファー)を組み込みます。バッファーを設けることによって、ゆとりが生じます。プロマネはバッファーの消費状況に注意します。
8. バッファーとなる時間を創り出すために、各タスクに含まれる余裕時間を削ります。だがこの作業は、所要時間の算定者とPM間で信頼関係がないとうまくゆきません。さらに所要時間が同じような工事実績をベースに正確に算定できる場合は、安全時間は含まれておらず、バッファーの捻出は難しくなります。
9. またリソースの衝突を避けるためのCritical Chainは、当初のスケジュール作成時に当然配慮しておくべき事項と考えます。さらにリソースが、チームであれば人数をやりくりして(スピードダウンして)並行してできます。一人の人間であれば、二つのタスクを並行して行うことでタスク間で刺激を受けて効率のよい仕事ができることがあります。
10. CCPMの考え方は、従来のCPM管理を否定するものではなく、補強するものと言えます。スケジュールを組む段階でCCPMで指摘された欠陥を充分に配慮しておけば、CPM管理でもスケジュールの遅れを招くことはありません。
11. CCPMには、トヨタ生産方式の、生産ラインにおけるあらゆる種類のムダ(時間、運搬、加工、在庫、動作など)を徹底的に排除するという考えが基本にあります。各タスクのムダを省くことにより、背水の陣で仕事を進めることに意義があり、バッファーはそこに持って行くための説得手段のような気がします。
12. 米国でCPM管理をしていてもプロジェクトの遅延が非常に多いことから、CCPMが提案されました。私見ですが、米国では作業代金の支払いにコストプラスフィー方式が多いことにも一因があると思います。
13. プロジェクト内、又はプロジェクト間でリソースの競合がない場合は、CCPMはCPMに同じです。
14. 結論として、CCPMは不確定要素の多い研究開発プロジェクトに適用すれば効果があるでしょう。

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