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ネパールヒマラヤ 

2003年12月・ピサン・ピーク(6091m)へ

北海道山岳連盟海外登山研究会では、2000年のエベレスト登山の成功を機会に

新しい視野で世界の登山界に少しでも近ずけるようヒマラヤの高峰での経験者を育成

しています。2001年にはメラ・ピーク、ロブジェ東峰、アイランド・ピーク、2002年にはポカ

ルデ&メヘラピーク登頂、そして今年2003年の冬ピサン・ピークが計画されました。

セミナー登山ということもあり私も参加することになりました。

 

ピサン・ピーク(6091m)はどこに?

ピサン・ピーク(6091m)はネパール第2の都市ポカラの北北東、約50kmに位置し

アンナプルナT峰を主峰とするアンナプルナ山群に位置するトレッキングピークである。

初登は1955年ドイツ・アンナプルナ隊G.Wellenkawpが単独で南西稜から成功した。

登攀的難易度は低いが、高度と天候、および山頂直下での滑落に注意が必要。

トレッキングピーク18座の中では5番目に入山者の多い山である。

 

登山計画   期間 : 平成15年12月17日〜16年1月11日

      先発 : 12月17日発(L工藤寛・金沢明子・神原正紀・照子)

      後発 : 12月21日発(五十嵐順一・小松昭雄)

                帰国 : 16年1月18日

                            

                        H15年12月24日  フムデ付近からピサン・ピークを望む

隊員の顔

         

  隊長 工藤 寛            食料 金沢 明子         記録 小松 昭雄                    

              

装備 五十嵐順一          装備 神原 正紀            医療 神原 照子

登山隊日程表

第一回トレーニング山行

11月21〜23日初冬のカミホロカメトク山で隊員相互の交流を兼ねてユマーリン

グ、懸垂下降の訓練を行った。気温−18度C、風強く降雪の荒天の中、気がつけば

昼食もそこそこに、帰幕した時は腹ペコでした。

 

2003.11.23 カミホロでのトレーニング山行

テントでのくつろぎ

第二回トレーニング山行

15年12月6〜7日 第一回トレーニング山行と同じくカミホロカメトク山でお

こなわれました。6日は午後からユマーリングと懸垂下降を主体に訓練し、7日は

悪天候になった為、出発も近いことからミーテングのみを行い無理せず温泉に浸っ

て帰りました。

         

            H15年12月6日 安政火口入り口付近での訓練の様子

行動の概要

12月17日(水)幌別発6:08(千歳空港直行便)

       千歳空港着 7:20  隊長の工藤さん、金沢さんすでに到着。

         々 発 8:15  見送りの方々10数名来てくださった。

       関西空港着10:20

       

       関西空港発22:00 (バンコク行き)

いよいよ出発の日を迎えた。関西空港までは順調だったが、日本に来る筈のネパー

ル航空の機体がトラブルで来ていない。急きょ、タイ・バンコク行きのTG変更に

なった。 2000円の食事券を受け取り20時までの時間をどうやって潰そうか

                  
                         関空の待合室にて

それでもバンコク行きは時間通りに飛んでくれたので一安心。

12月18日(木) バンコクホテル着2:00

        バンコク発  10:30

        カトマンズ着 13:30

 国際空港からコスモトレックに足を運ぶ。お世話になるコックのP.ギャルツェンさんやキッチンボーイ

との初対面となる。カトマンズは午後の陽射しとあって熱く感じる。

半袖で調度よく14〜15℃の気温であろうか。8年ぶりのカトマンズはやはり喧騒としていた。

12月19日(金)

          起床 6:30

       朝食 8:00 4人が食卓に着いたところでSPO2(血中酸素                                

濃度)の測定を行う。以後毎朝の日課として各自が健康チエック表に記入する。

今日は隊荷や食料のチエックとデポ品の確認などを行う日なのだが、すでに大方の

装備はポーター達により出発しているとのこと。(日数の都合で)

それでも一日がかりで終了した。

夜はコスモトレックの忘年会パーティに招かれて思わぬご馳走にあやかりました。

 

        
                  暑い陽射しのなかでの点検作業             コスモトレックの忘年会に招かれる

12月20日(土)

 今日も雲一つ無い快晴の空になる。 午前中は日本への手紙を書いていると瞬く

間に時間が過ぎてしまった。

午後からは旧王宮へ見学へ出かけるが、広場は凄い人々で賑わっている。

       
マナスルホテルの中庭で手紙を書く金沢さん                    旧王宮での賑わい

 

  12月21日(日)                                            

 午前中はマナスルホテルより歩いて15分ほどのタメルへ買い物に出かける。

日中はやはり暑くて、喧騒としたざわめきとゴチャゴチャ街の景観が加わり汗ば

んでくる。

19時30分、後発の五十嵐さんと小松先生が 無事にカトマンドゥ入りしたのでこれで全員が揃った。

12月22日(月)                                            

 後発の二人の休養を兼ねて、ホテルで明日からの登山準備を行う。

しばらくシャワーも浴びれないので、午後から早めにシャワーする。喉の痛みでてくる。

12月23日(火)                                            

              カトマンドゥ発 10:00

             マナン空港着 10:40〜12:30(昼食時間含む)標高3400m

              ピサン村着 15:15 標高3200m

                   
                  マナン空港を降り立ち初めて見るピサンピークの前で
              (サーダーのラクパさん、小松先生、神原テ、隊長、金沢さん、五十嵐さん)

 空港を降りると初めて見るピサン・ピークが聳えていた。すでに3400mを超えるマナン空港から

約200m下にあるピサン村のホテルまで2時間45分をかけて降りる。

12月24日(水)                                           

  起床 7:00

  ピサン村発 8:30

  チャーメ村着 14:55 標高2700m

 高度順応の為、2700mのチャーメ村まで

降りる。針葉樹に囲まれた平坦で歩き易い街

道はトレッカーも少なく行き交うゾッキョの商

隊も疎らであった。

 マルシャンディ河は激しい流れで乾いた冷       
                                               チャーメ村からのラムジュンヒマール

たい風を運び、アンナプルナ山群に陽を遮られると急速に気温が下がり始める。

 12月25日(木)

 チャーメ村発 8:20 標高2700m

 ピサン村着  15:20 標高3200m

 標高2700mのチャーメ村ではあるが、今朝の私のSPO2は92%と少し下がった。

今日は昨日下ってきたピサン村に戻る日です。元来た街道をのんびり歩く。

夜から夫の体調が芳しくなく頭痛、食欲不振、体温37.3℃となり風邪症状が出てきた。

12月26日(金)

起床 7:30

ピサン村発8:55

ヤクカルカのBC着13:00〜13:30

ピサン村着 15:20                                                                   今日も一杯のミルクティから一日が始まる。

ピサンのホテルはひんやりとして中々暖た

かくならない。今日はBCまでの順応

日の為、一気に
1000mの急な尾根を登っ      ピサン村からのピサンピーク

て行く。 日当たりのよい草地にはエーデルワイス、ヤマハハコの枯れ花を見つける。花

の時期には見事な競演が予想される地だ。そんなことを考えるが「ハァハァ、ゼイゼイ」呼

吸がやたらと続かない。夫も風邪が抜けきらず私と同じ歩調でなんとか頑張って進む。

BCからは登り4時間のところを2時間で降りる。

12月27日(土)

昨日BCに順化に行ったので今日はレスト日になる。食堂でトランプに興じたり読書をした

り昼寝をしたり思い思いの時間を過ごす。

寒さを感じたら、夕方から小雪が降りだしてきた。マルシャンディ河からの風が一層冷たく

感じる。雪は止まずどんどん降りしきる。

12月28日(日)         

朝おきると、昨日までの風景とは一変し、

辺り一面雪野原になっていた。30Cmは

積もっている。サーダーからキッチンボー

イの靴では上には行けないことを告げら

れて止む無く今日もレスト日となる。出鼻

をくじかれてしまうが仕方がない。
 

この日夫が再発熱して38℃になった。                          
                                                   雪のピサン上村

レスト日に助けられる。                    

12月29日(月)         

起床 6:50                    

ピサン村発 9:15

B C着   15:30 標高4200m

 

今日はBC入りの日になるが、昨日はレスト

日になったので日程の予備日がなくなっ

た。いよいよアタック体制に入った感じだ。

体調が悪い者も今日中にBCに入らなけれ
                                  
BCへの登りでの休憩
ばアタックのチャンスはなくなる。

皆深雪を漕いで頑張ってBCに到着した。                                      
                   

12月30日(火)         
               

起床7:30                

BC発 9:25標高4200m
                                                ガレ場から見るピサンピーク                                                               

HC着13:45〜14:20                       

HCへ順応に出かける。雪が深いところでは           

膝上まであり調子が出ない。HC手前には

安定しないガレ場があり、岩峰を見上げては

溜息がでる。見た目よりもずっと時間がかか               
                                                 
                                              
                                                  
りなかなか着かない。一緒に出たサーダーは上部

のフイックス工作に向かいすでに姿は見えない。

明日HC入りの為、キッチンボーイ達はテントを張り 
     
                                       
HCへの順化中
終えてすでに下山して行った。                     

                                       
                                                                                       

12月31日(水)         

起床 7:00

BC発 9:30

HC着 13:25

 登頂日を明日に控えて緊張感が増

してきた。HCから見る限り白い山頂

をのぞかせてピ サンピークは何気な

い表情で佇んでいる。

全員がここまで揃って来られたことは

何とも嬉しい。但し私の体調が今ひと

つ力が入らな い。                                                 
アンナプルナV峰をバックに記念撮影

14時に気になってSPO2を測ってみたら67%しかなかった。

HCが私の最高地点になるかも知れないという予感がして、委ねられた登別山岳連盟と登

別嶝友会の旗を持ち記念写真を撮る。

その夜の食事もあまり食べられず、こんな調子ではとても上には向かえない。

隊長に自分の意向を話し、明朝のSPO2の結果次第となった。

平成16年1月1日(木)

新しい年を迎えた。午前4時15分、5名のメンバーはピ

サンの山頂を目指して出発して行

った。残念ながら私は体調悪く登ることができない。途中

下山はより危険性があるため、何

とか自分の力でBCまで降りなくてはならない。皆が出て

から寒いので8時過ぎまで寝袋で

過ごし、9時15分1人でBC目指して下降する。足に力

が入らずに情けない格好だが何と か                      
1月1日午前4時15分隊長を先頭に出発

BCに辿り着く。「疲れたァ〜」という感じで差し出され

たホットジュースを飲んでテントに入 るがムカムカと吐き気が出てきて飲んだジュースを嘔

吐した。それからの後は下痢が激しくなり一晩中トイレに通った。やはり上に行かなくて正

解。こんな調子では大変なことになったに違いない。

午後3時過ぎ、Pギャルツェンさんの無線により頂上組は後少しのところで引き返したと

いう連絡をボンヤリとした頭で聞いていた。

1月2日(金)

昨夜はトイレ通いですっかり消耗してしまった。まるでコレラか赤痢にでも罹ったようで辛

い思いをし、すっかり脱水状態になった感じで元気が出ない。

9時半過ぎ「お〜い!」叫びながら夫等はHCから帰ってきた。予定では昨夜のうちにBC

に戻る予定が遅くなり今朝になった。TOPまで行けずに残念ではあるが時間切れでは仕

方が無い。皆揃って下山できるのだからこれ以上の喜びは無いと思わねば……

ピサンホテルに着いてその夜はPギャルツェンさんの腕の見せ所、日本料理がテーブル

を埋めた。先ずはビールで乾杯!出て来る料理はみな美味しそうだったが私は相変わら

ずに食欲不振。「あ〜あ、ローストチキンが食べたい!」目の前にあるのだがどうしても食

べられない。

  

          料理の数々                               話も弾んで

          
                   みんな揃って

1月3日(土)

予定ではフムデからチャーター便の飛行機でカトマンズゥに戻る筈だったが、飛行場が雪

であと1週間は使えないとのこと。急きょ、ヘリコプターを要請した。

ピサン村のホテルの上の広場に来るという。待

つこと数時間ヘリが飛んできた。その間、

地元の子供達とネパール語のお勉強をする。

利発そうな子供がいて最後まで本を見ながら付

き合ってくれた。ヘリコプターが轟音をたてて着地

するころ村の人々が大人も子供も集まってきた。

年頃の娘さん、赤ちゃんを抱いた若いお母さん等どこにこんなに住

んでいたのだろうと不思議にさえ思われた。

やがて私たちはヘリに乗る。(サーダー、コック、キッチンボーイも皆)中でもキッチンボーイ

の殆どはヘリに乗るのが初めてだといって嬉しそうな顔をしていた。

長い間お世話になったピサン村とピサンピーク、子供達よさようなら。

 

         

                 1月3日  全員揃って記念撮影