|
リンクリスト 掲載記事 雑誌「創」
TBS「NEWS23」で「ザ・スクープ」存続を求める会の運動を評価
―――筑紫哲也キャスターと鳥越俊太郎氏との対談、ホームページで再録
テレビ業界で極めて珍しいことが起きた。
10月4日(金)のTBS報道番組「NEWS23」で、ライバル他局のテレビ朝日の同じ報道番組である「ザ・スクープ」が9月末に打ち切りとなったことを惜しんで、キャスターの筑紫哲也氏が、同じキャスターの鳥越俊太郎氏との対談を企画、テレビの報道番組のあり方について、話し合ったのだ。
筑紫氏は、対談の中で、「存続を求める会」の運動について、「番組終了までのわずか3週間で、1万2000人もの番組存続を求める署名が集まったのは、前代未聞」と驚きを見せた。そして、筑紫氏は、「テレビ番組は、テレビ局だけのものなのか、むしろ、そうではない。今回の場合、そういったことを踏まえて、視聴者の側が、自分たちにもモノを言う権利があるということを提起した。そこに意味がある」とも述べ、テレビ番組に対する視聴者の側からの新しい運動が起きつつあることに、評価を加えた。この点について、鳥越氏も、「今回の視聴者の動きは、テレビ局に対して、私たちも言わせてくれ、ということを明確に打出した点で意味がある。一種の参加型社会になってきたと言える」と述べた。そこで、この機会に、両氏の番組での対論を再録してみた。(敬称略)
「1万2000人もの番組存続の署名は前代未聞」(筑紫)
筑紫 報道番組「ザ・スクープ」が打ち切られるというのは、本当に残念です。それにしても9月末の番組終了までのわずか3週間で、1万2000人もの番組存続を求める署名が集まったのは、前代未聞ですね。
鳥越 正直言って、驚きました。こんなに番組の存続を求める動きが展開するとは思わなかったです。人が死んだ時に、普通は、その人の評価が定まるということがありますが、まさか、自分たちの番組が終わる時に、これほど、自分たちのやってきたことの意味を知らされるとは思わなかった、というのが実感です。
筑紫 視聴者は、何を「ザ・スクープ」という番組に求めたのでしょうかね。
鳥越 調査報道、検証報道でやってきたことが評価になったのでしょうね。週1回、デイリーでカバー出来ないもの、もう少し先を見越したもの、もう少し深いもの、本当のものは何なのかということを、番組としては伝えてきた。そこが視聴者の評価になったのでしょうね。
「視聴者がテレビ局に対し私たちにも言わせてくれと要求、参加型社会に」(鳥越)
筑紫 テレビ番組は、テレビ局だけのものなのか、むしろ、そうではない。今回の場合、視聴者の側が、そういった点を踏まえて、自分たちにもモノを言う権利があるということを問題提起した。そこに意味があるし新しい動きと思う。
鳥越 確かに、この視聴者が参加しての番組存続を求める運動というのは、予想していなかったところです。21世紀になって、NGOとか、いろいろなものに、市民が参加していく。今回の視聴者の動きは、テレビ局に対して、私たちも言わせてくれ、ということを明確に打出した。一種の参加型社会になってきたのでしょうね。
筑紫 放送法では、電波は公共のものとなっているのに、そうはなっていない。ところが、テレビでは、受け手と送り手の区別がある。いわば、何かが決まっている。私自身も、それがイヤだった。実際は、見ている人とつくっている人とのクロスプレーみたいなはずなのに、そうはなっていないのですね。ところで、検証報道や調査報道というのは、テレビの世界の中では、やりにくいことなのですかね。
鳥越 調査報道というのは、米国のウオーターゲート事件でワシントンポスト紙がやって、クローズアップされた。ただ、それは新聞など活字の世界の話で、テレビ局にとっては不得意なものだった。ところが、TBSの番組「報道特集」で、それをやり、テレビ朝日が続いたが、やってみたらやれる、ということがわかった。テレビ局でも、ディレクターとか
テレビで働く人らが取材し、取材力もついてきた。われわれの番組自体は、13年間も続いたが、それはそれなりに意味があった。
「視聴率で番組が打ち切られるはずはないのだが、、、」(筑紫)
筑紫 ただ、テレビ局にとって、検証番組を背負うというのは、時に荷物になることもあった。いわば、お荷物というものだ。視聴率そのものが悪いわけでないので、視聴率で番組が打ち切られるはずがないのだが、カドがたつ、というのは、いろいろ反応があるので、テレビ局にとっては、負担なのでしょうな。
鳥越 その点は、テレビ局にとっては、確かに、厄介なところなんですね。報道というのは、権力監視となると、どうしてもカドがたつ。しかし、そういった点は、テレビ局の経営者が受けてもらわないとね。しかし、時々、そうもいかないことがありますね。
筑紫 ある時期、報道番組の時代と言われながら、それがいつの間にかすり替えられ、情報番組になった。しかし、知らせることには、時に、カドがたつ面がある。そこがむずかしい。
「調査報道にかかわったことが評価になり番組存続を求める動きに」(鳥越)
鳥越 これから、ますます時代が大きく変わって来る。その時に、視聴者が、この問題は、本当の背景は何なのかと聞きたい。デイリーの動きだけではわからない。だから、われわれは調査報道にかかわり、それが1万2000人の番組存続を求める動きになった。そういった意味でも、番組が打ち切られたのは残念です。しかし、いまは悔しさ
を通り越して、、、。まあ、モノごとには終わりがあるので、冷静に受け止めざる得ないかと思っています。
筑紫 われわれの番組も、鳥越さんの番組と同じ13年になっています。
鳥越 そうですよね。それと筑紫さんは朝日新聞から(毎日新聞系の)TBSへ、そして、私が毎日新聞から(朝日新聞系の)テレビ朝日へ、というのも面白いめぐり合わせです。しかし、「NEWS23」も、よく続いていますね。
「 NEWS23にもいろいろシビアなことがあった」(筑紫)
筑紫 むしろ、いろいろあったから、続いている。その点では、いろいろシビアなこともあったし、時に追いつめられたことも。
鳥越 筑紫さんは、私よりも5歳も上なのに、(毎週月曜日から金曜日まであるのに)なぜこんなに、お元気なのですかね。
筑紫 世の中で起きていることが面白い、ということなのでしょうね。
鳥越 私も、その点は同じです。ニュースが好きなのです。
筑紫 番組終了後は、どうされるのですか。
鳥越 テレビ朝日は、今後、年4回ぐらい「ザ・スクープ」の特別番組をやる予定でいます。いまは、「スーパーモーニング」というのに出ています。調査報道のタネ火は残していきます。ニュースには、これからもかかわっていきます。
朝日新聞(アサヒ・コム)から
「民放の良心」 テレ朝「ザ・スクープ」存続求めシンポ
(8/24)
調査報道番組の転機 テレ朝「ザ・スクープ」13年で幕
毎日新聞(Mainichi INTERACTIVE)から
Yahoo!ニュース
- 社会 - 毎日新聞(9/25)
緊急シンポ:
「テレビ番組は誰のものか?」で活発な議論 (8/24)
8/7
スポーツ報知紙面より
8/8
東京スポーツ紙面より
★月刊『創』(つくる)9月号(8月7日発売)
「ザ・スクープ」打ち切りについて特集記事掲載!
「ザ・スクープ」打ち切りが決まったことは既にいくつかの媒体で報道されており、テレビ朝日側は、レギュラー枠をやめて年数本のスペシャル番組として今後放送すると説明していますが、今回、鳥越キャスターは打ち切りを批判し、スペシャル番組を受けるつもりがないことを表明しています。また朝のワイドショー「スーパーモーニング」の仕事も、話は来ているが、「ザ・スクープ」打ち切りに納得がいかないのに、ハイハイと受けるわけにはいかない、と言っています。ただ秋の改編で「スーパーモーニング」に投入される青木プロデューサーは、「ザ・スクープ」を一緒にやったいわば“戦友”で、彼が朝のこの時間帯で勝負をかけるという時に簡単には断れず悩んでいる、と述べています。
テレビ朝日のこの再編については、鳥越キャスターの今後の処遇についても既に決まっているかのように言われていますが、鳥越さんの意思は違うことを、明確に表明しました。まだ番組が続いている段階で、メインキャスターが局の方針をこんなふうに公に批判するのは異例であり、鳥越さんなりに決意のうえでの意思表明です。
|
特集記事は
(1)鳥越俊太郎氏インタビュー5ページ
「『ザ・スクープ』打ち切りは納得できない」
(2)ライター・小田桐誠氏による最新レポート7ページ
「『ザ・スクープ』打ち切りに視聴者の抗議続々」
の2本立てです。
|
月刊『創』は現在書店で発売中。近くの書店で見当たらない場合は以下の住所まで550円分の切手を同封のうえお送りください。送料無料で郵送します。
〒160-0007 新宿区荒木町13
四谷テアールビル3F 創出版02年9月号係
※問合せはTEL03−3225−1413
(『創』編集部直通)
FAX03−3225−0898
ホームページ http://www.tsukuru.co.jp
Email: mail@tsukuru.co.jp
|
リンクリスト
|