身体の支持と関節
*身体の支持と動作性について
骨格には、私たちの身体を支える支柱の役割があります。
しかし、私たちの身体は一本の骨によって支えられているのではなく、
複数の骨がつながりあって身体全体を支えています。
それによって重力をコントロールして身体のバランスを維持しつつも、
様々な動作を行うことができるようになっています。
例えば、背骨は一本の骨ではなく、
頚椎から腰椎まで24個の骨が積み重なるように構成されています。
その一つ一つの骨のつなぎ目にある程度の可動性を持たせることによって、
私たちは身体を直立させるだけでなく、
前に倒したり、後ろに反らしたり、身体をねじったりできます。
また、重力に抗して身体を支えるという点からも、
一本の骨で支えるよりも、複数の骨が連結して支える方が都合よいです。
例えば、背骨は横から見ると「S字型」のカーブを描いておりますが、
24個の骨の積み重ねによって、このようなS字型にカーブした形状になることで、
「バネ」と同じ作用が生じ、それぞれの骨にかかる負担を分散しているのです。
ちなみに、例えば背骨が一本の骨であったり、
24個の骨が真っ直ぐにつながっていたとしたら、
背骨に強めの衝撃が加わった際に折れてしまったり、
負担を分散させることができずに、骨や周囲の組織、
筋肉などに過度の負担を強いることになってしまい、
身体を支えるどころか、
様々な動作までも制限することになってしまいます。
このように、
私達の骨格は身体を支えると同時に、動作性を確保できるという、
非常に都合の良い構造になっております。
そして、それぞれの骨の連結部分は「関節」であり、
関節は骨格の連結と動作性を同時に請け負う重要な役割を担っています。
*身体の支持と衝撃の分散・吸収
人間は直立二足歩行ができる動物です。
上半身の重量を骨盤で左右の足に分散させ、
バランスを保ちながら立ち、そして歩行します。
平地での地球の重力は、基本的に人間に対して垂直方向に作用します。
それに対して、上半身は背骨を中心として支えられ、起立性を維持しています。
先述したように、背骨は一個一個の骨が積み木のように積み重なって構成されており、
その一個一個のつなぎ目が可動性を持ち、全体として竹のような「しなり」生み出すことによって、
上半身の動作性を確保しつつ、更に上半身の重さによる負担や動作時の衝撃を吸収しています。
骨盤から下の下半身は、
まず、骨盤の中央にある仙骨で背骨からの荷重を受け止め、
左右の腸骨(いわゆる
股関節で左右の
下肢(足)では大腿から膝、足首の関節を経由して、
最終的に荷重は足の裏で地面に達します。
下半身は、例えば歩行の際には身体全体を支えながら、
前に進むための動作を行わなければなりません。
下肢(両足)の関節は、上方よりかかる荷重を下方に伝えつつ、
歩行のための関節動作(主に曲げ伸ばし)を行っています。
もし、関節に何らかの異常があれば、
上方からの荷重を下方へうまく伝えられないばかりか、
歩行時などの関節動作が制限されてしまうこともあります。
その結果、反対足の負担が増したり、身体全体の負担が偏ったり、
関節周囲の筋肉や関節そのもの(靭帯・軟骨・骨)にも負担がかかって、
痛みや故障の原因となります。
ところで、二本足で立っているときの身体全体の重さは、
足の裏から接地面(地面・床など)に伝えられているのは当然のことですが、
その地面や床などが身体の重みで沈んでしまうことがほとんどなければ、
単純に言って、足の裏は地面からも押し返されていると言えます。
同様に関節部においても、上側の骨と下側の骨が双方向からの反発する力を伝えあって
身体の支持と歩行などの連続的動作を行っています。
但し、軟骨などの組織がある程度の衝撃を分散・吸収し、
骨を傷めることのないように保護しています。
また、背骨のS字カーブは
上半身を支える際の負担をバネのように分散させると述べましたが、
同時に歩行時などに下半身からの衝撃を吸収して、
脳を保護するという役割も担っています。
このように身体支持に関係する関節は
身体の支持、動作、衝撃吸収の複数の役割を同時に担っています。
↑このページの先頭へ↑