朱雀正道 homepage sujaku ぼくは、きょう、こんなことをおもうんだ。
東京はどこまでも広がっていてとらえどころがなさそうだけれど、
ところが、どうだ。あるとき浅草からフェリーに乗ってみると、
水の上を移動しながら次々現れる橋の下をくぐっているうちに、あ、
水の街なんだ、東京も・・・と、
いきなり東京が輪郭を持った都市に感じることができて、
東京もはじめて愛することができる対象になる。
そう、東京が、ちょっと色っぽく見えてくるんだってば。
吾妻橋、駒形橋、厠橋、蔵前橋、
両国橋、
新大橋、清洲箸、墨田大橋、新大橋・・・
と、まず橋の名前も風情があって。
へぇ、佃煮って佃島が発祥の地なんだ、
「はーるの、うらーらーの、すーみーだーがーわー」だものね。
隅田川の水は透き通っていて、
そのきれいな水のなかを魚が泳いでいて、
川べりではシジミがたくさんとれて、
そのシジミで作った佃煮を、町の人が買っていったんだ。
チ・トン・シャン、テテテ・トンッ・・・なんて三味線の響きも聞こえ、
遊び人も、色町のきれいなおねえさんも、
両国のお相撲さんも
たまにはその佃煮を買ったりして、その佃煮を食べたんだ。
下町の軒先には、朝顔の蔓が伸び、
歌うように夏の朝を彩っていて・・・。
いまではその向こうには、リバーサイドなんとかなんていう
高層マンションもたっている。
+
その川は、また、もうひつの川と通じ合っている。
そう、神田川だ。神田川は、
井の頭公園と、ほど近い善福寺池を水源に
飯田橋では皇居(旧・江戸城)とぶつかり、
水道橋の手前で分岐し、
お茶の水、秋葉原、浅草を通って、隅田川と合流する。
+
そして東京湾を抜け、羽田沖に出れば、
遙か山梨を源流に流れてきた多摩川が、現れる。
(クルマでちょっと贅沢をすれば、東京湾アクアラインで、
川崎から千葉の房総まで、びゅーんとひとっ走りなんだ)。
+
水の町、東京。
たとえば落語の傑作「芝浜」では、昔は品川の浜で
(増上寺さんの鐘の音なんか聞きながら)採った貝などを、
天秤棒をかついでじゃらじゃらと、都内各所へ持ってった
・・・そんな時代が感じられるのだった。
ぼくは、いま、西葛西に住んでいる。
ここは埋め立ての町なんだとおもう。
水が近く、川はすぐそこに、流れている。
(2002/7/9)
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