通関士講座:輸出通関
作成日 2006.3.29
管理人:木津隆夫
通関士講座:輸出通関
合格祈願! 通関士受験のサプリメント
平成16年 第11号 (平成16年6日15日発行)より転載
ワン・ポイント・レッスンを講義生中継でお届けします。
今回のテーマは「輸出通関」です。
「講師の木津です。よろしくお願いします!
前回は、保税制度についてお話をしました。
今回は、輸出通関について、お話しましょう!
関税法という法律の中で頻繁に使用される重要な語句には、
誤解を避けるために、用語の定義がされています。
何気なく、一般用語として使っている「輸入」や「輸出」にも
定義がされています。
面白いのは、「外国貨物」「内国貨物」という定義でしょう。
輸入の許可がされると、外国貨物が内国貨物に変身したり、
逆に、輸出の許可がされると、内国貨物が外国貨物になるんですね。
この辺りの学習は、終わっていますよね。
さて、そこで、
定義と保税制度は、
本格的に関税法を勉強する
「基礎」またはイントロ(導入部)だとお考え下さい。
この基礎に上に、関税法では、2本の柱が立っています。
さて、その2本の柱とは、
通関 と 関税 です。
今回は、その一本目の柱である「通関」。
その中の「輸出通関(前編)」についてお話します。
通関には、
貨物を輸出する場合の手続である「輸出通関」と
貨物を輸入する時の「輸入通関」の2種類あります。
輸入通関には、関税という税金の手続も絡み、少し複雑になるので、
今回は、シンプルな「輸出通関」を少し眺めていこうと思います。
さて、
外国のバイヤーと商談がまとまれば、
船に積んであるいは航空機に積み込んでバイヤーに
約束の商品を送り出せば、輸出者は義務を果たしたことになります。
だからといって、
船会社や航空会社との間で運送契約が整えば
即、積み込めるかというと、
実は、そうではないのです。
税関という国の機関に対する手続を完了してから出ないと、
船舶や航空機に商品(貨物)を積み込むことができないのです。
輸出する予定の人(会社)は、
税関長に「輸出したいので許可を下さい」という輸出申告をして、
必要であれば検査を受けて、
そして、
税関長から輸出の許可をしてもらって始めて
船などに積み込んで外国へと貨物を送り出すことが
できるというようになっています。
この輸出の申告から輸出の許可を受けるまでの手続を輸出通関と
言っています。
この輸出申告をする前に、輸出しようとする貨物を、
保税地域に運び入れなければならないことになっています。
ここで、保税地域の登場です。
通関という柱を支える基礎のことですよ。
つまり、申告をして許可を受けるでの間、貨物を保管する場所ですね。
税関の監督下にある場所とでも解釈しておきましょうかね。
ということで、原則として、税関に対する輸出申告は、
貨物を保税地域等に運び入れてからすることになります。
原則ということは、例外があるということですね。
大量貨物などについては、事前に税関長の承認を受ければ、
保税地域等に搬入しないで、直接、貿易船に積みこんで通関手続が
できる制度があります。
これを「本船扱い」といいます。
本船、つまり、貿易船で通関手続きを扱うから「本船扱い」と
いうのでしょうかね。
他にも例外は2つほどありますが、ここでは省略。
ところで、保税地域等の「等」というのはわかりますか?
左の列のスリッパをはいてる君、涼しそうですね。
「等」って、何でしょうか?
そうですね、
他所蔵置許可場所ですね。良くできました!
さて、
輸出申告をするときには、原則として、
仕入書という書類を一緒に提出することになっています。
貿易でいう「インボイス」のことですね。
輸出者が輸入者宛に、出荷する貨物の明細を知らせる書類だったかな。
関税法には、一定の記載事項が規定されていて、
その記載事項が書かれているものを「仕入書」といって
インボイスと異なる用語を使っているんですね。
試験的には、原産地は記載事項に入っていません。
このことを知ってるかどうかが短答式で問われていますね。
さて、仕入書提出についても例外がありまして、
これが複雑怪奇ですね。
とりあえず、重要な例外を1つ紹介しましょう。
関税法以外の他の法律で輸出について規制がない貨物については
輸出申告価格の総額が100万円以下の貨物を輸出しようとする場合、
仕入書の提出は必要ないとされています。
「関税法以外の他の法律で輸出について規制」というのが厄介ですね。
「関税法以外の他の法律」を短くして「他法令」といいますが、
その代表選手が外為法でしょうね。
例えば、外為法という法律では、
兵器(武器)などに使われる可能性のある貨物については、
事前に経済産業大臣の許可を受けなさい、という規定があるんですね。
ですから、そのような他法令の規制にない貨物であれば、
100万円以下の貨物を輸出しようとする場合、
仕入書の提出は必要ない、ということですね。
長くなりましたので、今回はここまでです。
お疲れ様でした。」
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