時間(2) 時間の矢前提事項: 時間(1)
「マクロの世界では『時間は不可逆』であるが、 ミクロの世界では『時間は可逆』である」 僕らが、何か物事を観察したとき、 時間は常に「過去→未来」と流れていると考える。 そして、「未来→過去」へと 時間が逆転するようなことは、 ありえないと考える。 なぜそう考えるのか? それは、時間が逆転したような現象は、「不自然」だからだ。 たとえば、「容器がひっくり返って水が飛び散る」という現象をビデオにとって、 逆回しに再生してみると、 「飛び散った水が、集まって容器に戻っていく」という映像になり、 それはあまりに 「不自然」 なものに見える。 (そんな現象を僕らは見たことがない) だから、日常的な感覚において、時間が逆転するような現象は、 「絶対に起こりえないこと」であり、 ここから「未来→過去へと時間が遡るような現象はありえない」という感覚が生まれる。 まさに「覆水盆に返らず」のことわざの通りだ。 しかし。 水というのは、結局、水分子という粒子(ボールみたいなもの)の集まりなのだが、 その水を構成する原子・分子のミクロな運動に着目したときは、 話がまったく異なってくる。 たとえば、「ある分子Aが、分子Bに衝突して、分子Bを弾き飛ばした」 という現象をビデオにとって、ある人に「順再生」と「逆再生」の両方を見せてみて、 「順再生しているのはどっちでしょう?」と質問したとしよう。 彼は、この質問に答えることができるだろうか? 実は、原理的にいって、どっちがどっちなのかを答えることは出来ない。 というのは、 そのビデオの逆回しである「分子Bが、分子Aに衝突して、分子Aを弾き飛ばした」 という映像は、決して不自然ではなく、ごく当たり前としてありえる現象だからだ。 |
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