クオリア(2)

たとえば、ボクが、赤い色のバラを見て指さす。
みんなが「赤色」と答えたとする。

この時、ボクを含めた全員が、
「赤という質感(クオリア)を感じている」ということになるが、
ボクが感じている「赤色のクオリア」が、
みんなと同じであるかどうかは、確かめようがない。

だって、どんな言葉、シンボル、比喩を使おうと、
ボクが見ている「この色」がどんなものなのかを、
他人に伝えることなど不可能だし、
「他人が見ている色」を取り出して、
「自分が見ているこの色」と比較することもできない。
比較ができないのだから、「同じ色(クオリア)を見ている」
なんて言えるはずがない。

だから、もしかしたら、ボクが、「この色」で見ているバラを、
自分以外のみんなは「この色」で見ているかもしれないのだ。

つまり、みんなは「この色」を見て、
「赤色だ」と呼んでいることになるが、
本当の問題は、仮にそうだったとしても、
そういう違いが起きていることが、
みんなにもボクにも、絶対にわからないということだ。

「今見ている色って、夕日の色と同じだよね」と説明しても無駄だ。
みんなは夕日を(ボクで言うところの)「」で見ていて、
目の前のバラも、その色で見ているのだから
「うん。そうだね。夕日と同じ色だ」となるだけなのだ。

つまるところ、赤という「言葉の定義」が同じであるならば、
会話が成立してしまうため、質感(クオリア)の内容が変わっていても、
その違いは決して表面化しない。

この問題は、色の話だけではない。

「音」「味」「痛み」「恐怖」「悲しさ」「嬉しさ」
我々が感じる一切の質感(クオリア)について、それが言える。

ようするに、
会話が通じてるからと言って、
両者が同じものを感じているとは限らない
のだ。
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