K.Nyui SAR-3TS(2007/12/24)

これは、「VanZandtの聖地」のみで復活した、K.Nyui-Guitarのストラトモデルです。
【K.Nyuiとは・・・】
VanZandtの工房の代表者である乳井さんによって、コンセプト、材の選定、加工、セットアップまで行うという本当の意味でのビルダー製作のギターです。復活第1弾としてはジェフベックのテレギブが製作され、その出音、完成度に驚いたのですが、今回は「乳井さんの考えるVintageタイプのストラト」というコンセプトで、アッシュ+メイプル、アルダー+ローズがそれぞれ1本づつ製作されました。

【VanZandtとの違い/位置付け】
今回のモデルに関しては、
・PU:JasonLollarのS-BLONDセット、
・コンデンサー:Vintageのもの、
・ブリッジ:FenderVintage
・塗装:超極薄ラッカー鏡面仕上げ、導電塗料なし
ということで、VanZandtのオーダーでは使用できないもの、できない仕上げもありますが、
スペックだけで語るなら色々自分で手を入れられる部分も多いので、大きな違いはないと思います。が・・・
テレギブの時もそうでしたが、一番の違いはコンセプト、材のセレクト〜組込みまで音に関係のある部分は全て乳井さん自身がおこなっているということが一番の違いだと思います。結果は、実際に弾き比べて実感するしかないと思いますが、所謂アタリのギターになっています。
位置付けとしては、「VanZandt」が自分の思う仕様で「かなり自由にオーダーができる」ことに対して、「K.Nyui」は「乳井さんが製作してみたいと思うギターしか製作されない」ので本当の意味でのビルダー製作物ということになると思います。無理矢理例えるならF社CSのチームビルドがVanZandtのオーダー物、マスタービルダーが自分の好きなモデルを製作したものがK.Nyuiという感じでしょうか。
なので現在は、残念ながら自分の好きな仕様でオーダーできないのですが、ある一定の制約の中でオーダーできるようになると最高だと思います。
【レビュー】
以下簡単にレビューを記載しますが、正直なところこのギターはかなりの確率でVintageに近づける要素が多い固体だと思っています。
カラーはスタンダードな3トーンサンバーストですが、極薄ラッカー鏡面仕上げにより、かなりの高級感が出ています。外周の黒い部分は良く見ると濃いブラウンで着色されています。コンターに関しては、60年代というより57年辺りの深いもののエッジを滑らかにしたような形状です。
ネック及びボディーのアルダー1Pはともに乳井さんセレクテッドということですが、何より持った時バランスとアルダーらしい出音が最高です!
メイプル+アッシュだと出音が良い物はたまにありますが、新品状態で「おっ!」と思わされるアルダー+ローズは私の経験上かなり少ない確率だと思います。もう1本あったアッシュ+メイプルの個体もバランスの良さは同じで、何と重さも私の固体とほぼ同じでした!恐るべしK.Nyui。

PUは「JasonLollarのBLOND」なのですが、このPUは50年代後半のSTの音を再現した物のようです。「出音が非常にクリアでスムース」な印象があります。なによりLollarは出力がかなり低いPUなので、かなり木材の質が高くないと冷たい音になってしまう可能性が高いと思います。
フレットはVintageタイプの極細のものでエッジの面取りはVanZandtより更に時間を掛けて仕上げられているようです。あと今回のモデルにはFenderのブリッジが搭載されていますが、「特筆すべきはそのセットアップ」だと思います。各ポジションでの「ピッチが安定」していて、「アーミングが滅茶苦茶スムース」に行えます。これはかなり使いやすいです。
【総評】
Vintageなルックスや出音と使いやすさって中々両立している物が少ない中、非常に高いレベルで新品状態から即ライブやレコーディングで使えて、将来かなりの確率で更に良くなるポテンシャルを持つギターって感じです。
VanZandtが好きな人でより上位機種が欲しい場合、F社CS、その他の30万以上のギターを検討している場合、迷わずK.Nyuiを試してみてください。確実に選択肢が1つ増えると思います。
PickUps:JasonLollar S-BLOND
Body:Selected Alder 1P
Neck:Serected Maple on Madagascar Rose/180R/21F
Paint:Body/All Nitro Lacquer Neck/All Nitro Lacquer
Bridge:Fender Vintage Syncronized Iron Block
Weight:3.27kg