小論文の書き方入門講座〜きりかぶ先生と満月君#3

〜大学受験小論文・AO入試のために

小論文の書き方〜本当に必要な知識は

満月君:考えるには知識が必要だけど、これは鍵じゃない。じゃ、何が鍵なんですか?

きりかぶ先生:だからさ、その第一歩が前回話した「観察と認識」なんだよ。これはこれだけじゃ鍵じゃないけど、欠かす事の出来ない鍵の一部であることは間違いない。

満月君:知識はどうなんです?

きりかぶ先生:知識ももちろん大事さ。でも、考える事──これをこれからは思考、と言うね──のプロセスの中では、いわば信号機のようなもので、無いと先には進めないけど、際限もなくたくさんある必要も、またないんだ。

満月君:どうしてです?

きりかぶ先生:それはね、思考の最も単純なプロセスである、観察→認識→判断の中で、知識がありすぎると、たくさんある事例や要素を整理しきれなくなって、かえって先に進めなくなるからなのさ。早い話が、交差点に違う色が光ってる信号が10本も立ってたら、君も困るだろう。

満月君:ええ…そりゃそうですが。

きりかぶ先生:立ってるのが10本だろうが100本だろうが、それをキチンと整理して、思考を進めていくのがプロ、つまり学者というものだけど、フツーの人である君には、そこまでのことは要求されてない。だからそれぞれの立場、君の場合なら大学を目指す受験生として、望ましいレベルの知識を持ってれば、小論文の書き方としてそれで十分なんだよ。つまりね、大学受験の小論文で要求される知識なんて言うのは、そんなにごたいそうなものである必要は無いのさ。

満月君:そうはいっても、小論文のテーマなんてかなり高級ですよ? ボクなんかには歯が立たないものだっていっぱいあるし…。

きりかぶ先生:歯が立たない、なんて泣き言を言ってもしょうがない。難しいテーマを出すってことは、その大学が、受験生に「この程度の知識は持っていて下さい」って言ってるってことなんだから。でもね、ある学部なら学部で、その分野に興味があるから目指すんだろ? それならせめて、普段新聞を読んでいるときに、関係する記事なんかは読んでおいて欲しい、と大学が求めるのも無理はないんじゃないかな? 

…まさか、新聞なんて読まない、なんてことは言わないよね?もしそうなら、一般入試で目指した方が、合格の可能性は高いよ。

満月君:あ、それは大丈夫です。ちゃんと毎朝読みますし、志望分野の記事は面白く読んでます。じゃ、小論文の書き方のうち、知識はこれだけでバッチリですか?

きりかぶ先生:何か重要なことを忘れてないかい?

満月君:え? 何です?

きりかぶ先生:志望学部に関連することだけじゃ、知識としては不足だよ。むしろ、その分野をどんどん深めるより、もっと基本的なこと、つまりどんな小論文にだって必要な知識、高校生として、あって当然とされている知識があるはずだよ。

満月君:う…。なんだかいやな予感がします。

きりかぶ先生:そう、ね。当たり。それはとりもなおさず、普段習ってる一般教科なんだよ。特に、歴史とか公民は大事だよ。数学もね。

満月君:公民はわかりますよ。小論文のテーマはほとんどが、この社会のからくりについてだから。でも歴史とか、特に数学なんて何で?

きりかぶ先生:それはおいおいお話しするよ。だからせめて今日からでも、公民科の教科書をしっかり読んで、頭に入れておくことを覚えておいて欲しいな。

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