小論文の書き方入門講座〜きりかぶ先生と満月君#4

〜大学受験小論文・AO入試のために

小論文の書き方〜小論文は、論理が命

きりかぶ先生:小論文を書くための思考には、志望分野のちょっとした知識と、それに地歴公民や数学など、普段習ってる一般教科の知識が必要だと話したね。そう、つまりこれだけ。これで十分なんだ。

満月君:だから、なんで数学なんです?

きりかぶ先生:君は芥川龍之介を知ってるよね。

満月君:え?…ええ。ド暗いですけど、何となく面白いからずいぶん読みました。でも「藪の中」なんてのは、話がよく見えないんで何とも言えないんですけど…それが何か?

きりかぶ先生:彼が今でも影響の大きい、たいへんな作家だってことは認めるだろう。それだけに彼は、「文章とはなんぞや?」と自分自身深く考えたし、またその秘訣なんてのもよく聞かれた。ある時のこと、「どうやったらいい小説が書けますか?」と聞かれて、「数学をおやんなさい」と言ったそうだ。

満月君:ははぁ。芥川っていう権威でもって、ボクを納得させようというんですね。

きりかぶ先生:…。そうやってすぐに見抜く、君のその頭の良さが、うまく小論文の書き方として働かないから、こうやって話しているんじゃないか。まぁ、それでもその眼力はほめてあげよう。でも私はこの話を、芥川センセイに任せっぱなしにするつもりはない。とりもなおさず、わたしもそれを、痛いほど思い知らされたからね。

満月君:ってことは、実は先生、数学ができなかったんですね!

きりかぶ先生:そうなんだ。からっきしダメだった。それでも何とか、早稲田の小論文試験は突破できたし、大学院に入っていいよ、といわれる程度の卒論は書けた。でもね、大学院生になってからが大変。数学ができないと手も足も出ない。

満月君:あれ、でも先生、確か文系でしたよね? なのになぜ数学が?

きりかぶ先生:それはね、論文、つまり人サマを納得させるための文章では、それだけに納得してもらえるだけの理屈、言い換えると論理が必要だからさ。そしてその論理を学べる教科っていうのは、高校では数学しかない。実際、WIEに送られてくる小論文の答案を見てると、数学が得意な受講生の答案は、概して論理に誤りが少ない。逆に私大文系志望の答案は、基本的な三段論法すら怪しいことが多い。

満月君:じゃ、ボクもダメなんですか?

きりかぶ先生:小論文答案の論理、っていう点ではね。でも心配しなくていいよ。ちょっと脅かしたけど、小論文の書き方として、それほど数学にこだわる必要はない。それよりも、小論文で最も大事なものとは何かを探して、余計なものを一枚一枚剥がしていくと、最後に残るのは国語力でも知識でもない、論理であることを覚えておいて欲しい。これが優れていなければ、いかに美文だろうと、知識をたくさん詰め込もうと、小論文としての評価は低くならざるを得ないんだ。

満月君:そうなのかなぁ。添削受けてて、そこのところがどうも納得できないんですけど。キチンとした文章になってるのに、どうして添削の赤字が満載なのか、よくわかんない。

きりかぶ先生:君が書いてるのは、小「論文」の答案だろ。

満月君:ええ。そうですよ。

きりかぶ先生:だったら、「論」じていなけりゃ論文じゃないじゃないか。それは作文や感想文であって、小論文の答案としては失格だ。それに、採点する大学の先生は、誰でも「論じる」ということに悩んだ経験のあるプロだから、論文か作文かの違いには厳しいんだよ。

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