小論文の書き方入門講座〜きりかぶ先生と満月君#8

〜大学受験小論文・AO入試のために

小論文の書き方〜思いつきも、考えぬけば…

きりかぶ先生:こうやって考えてくると、いつも私が小論文の書き方として「とんでもないでたらめだ」ってけなしてる、「小論文は思ったままに書きましょう」ってのも、まったくのたわごと、とまでは言えなくなってくる。これはね、「書くことがない」「書いても字数が埋まらない」って悩みを解決する糸口なんだ。

満月君:そう!それそれ、それが悩みなんですよ!!どうすりゃいいんですか?

きりかぶ先生:うん。まず論題として与えられたテーマについて、なんにも思いつくことがない、っていうなら、これはもう仕方がない。原因はそのテーマに関する知識の欠如にあるんだけど、これはつまり、そのテーマに興味がないってことだからね。

誰だって興味があることなら、頼まれなくても本を読んだりして情報を集めるだろ? ってことは、これは大学に対して「あんたの学部学科、分野には興味ないや」「そもそも学問なんてしたくないや」って告白するようなものさ。これじゃあ、まあ100%受からないだろうね。

満月君:当然ですね。

きりかぶ先生:だろ? まあ、実際はこんなこと滅多にない。たいていの人なら、いくら興味や知識が無くても、なんにも思いつかないってことはほとんど無いはずなんだ。どんなに幼稚でありきたりでも、テーマに関して何か思うことはあるはずだ。

満月君:そうかなあ…。まあ、課題文に賛成か、反対か、とかぐらいなら。

きりかぶ先生:それがテーマに対する自分の意見、ってことになるわけだけど、それを思いつくままに書いたり、「こんなこと書いたらバカにされるんじゃないか」って、すぐに結論出して書くことをやめちゃう、これが「書けない」「字数が埋まらない」、1番とは言わないけど、まぁ5本の指には入る原因なんだ。

満月君:じゃ、どうすればいいんですか?

きりかぶ先生:考えりゃいいんだよ。まず、その思いつきが果たして正しいかどうか。正しいならどうして正しいか、その理由は何か、理由になる証拠は何かってことをね。このプロセスを踏んで、ちゃんと最後まで考えを進めることができたんなら、「思ったままを書く」のも、小論文の書き方としてあながち間違いじゃないってことになるのさ。

満月君:いや、どうもそのプロセスが苦手で…。

きりかぶ先生:そう、それが君の抱える問題の一つだね。実を言うと、これは大抵の受講生がぶつかるハードルなんだよ。自分の思いつきが果たして正しいかどうか、持ってる知識を総動員して、可能な限りの批判を加えていくっていうのは、やっぱり面倒くさい作業だからね。で、それを途中で投げちゃうから、中途半端な論になったり、すぐに反論されるようなことを書いちゃったり、しまいには考えた量が足りなくて、書くことが無くなったりする。

とにかく大事なことは、「思いつき」を思いつきのままにしないこと。少なくとも、これを、自分自身に対して合理的に説明できるぐらいには考え抜くことだ。ほら、「小論文では、自分の考え(=自説)を読み手に正確に理解してもらわなければならない」って、添削でもくどくどと言ってきたろ?自分にも理解できないんじゃ、読み手にはまずわかりっこないよね。

満月君:あ、あ、あ、じゃ小論文は、「書く」以前に「考える」ことの方が大事なんだ!

きりかぶ先生:ご名答!普段なら君が「当たり前」って言いかねないことが、思わず口をついて出ちゃったようだね。

さて、これでやっと、話が第1回に戻ってきた。

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