小論文の書き方入門講座〜きりかぶ先生と満月君#11

〜大学受験小論文・AO入試のために

小論文の書き方〜考える「自己」の育て方

満月君:じゃ「賛成か反対か、それが問題だ」ってのは、間違ってるんですか?

きりかぶ先生:お、シェークスピアで来たな。でもこいつは間違っちゃいないよ、TPOによってはね。でも小論文の書き方として万能じゃない。早い話が、課題文が無くて、「これこれのことについてどう思うか書きなさい」って設問が出たら、反対も賛成もあったもんじゃないだろ?

満月君:あー。

きりかぶ先生:これまでくだくだ話してきたように、小論文で一番大事なのは、書く前に、そして書くにあたってどれほど深く、広く考えたかなんだ。だから極端に言ってしまうと、結論なんかどうでもいい。あくまでも、極端に言えばだけどね。要は、そこに至るまで、どこまで考えたかなんだ。ということは、「賛成か反対かに決めちゃえばOK」っていうお気楽な対策は、この「考える」ってことと最も遠いやり方だと言える。だって、考えなしにどっちかに決めちゃおうっていうんだから。

満月君:んー、そうなりますかねぇ。…あ、そうか、「考えなしに」ってことは、考える「自己」を捨てちゃった、ってことですか?

きりかぶ先生:そうそうその通ォーり。前回話したように、たとえどんな話題であれ、自分だけの意見を言うには、「考える」自分がいなくちゃならないってことだね。これがまさに、「他者」に対する「自己」なんだよ。

満月君:だけど先生、そんな自分を、どうやって作っていったらいいんです?

きりかぶ先生:うん、それはね、一見簡単、でもちょっとキツい道だね。

満月君:え? やだなぁ。

きりかぶ先生:これこれ。始めっからラクをしようとしてはならんぞよ。してもいいけど、しちゃったら、まずいい答案は書けない。

満月君:ええ、まぁ…覚悟はできてます。

きりかぶ先生:じゃ続けるね。その秘訣はね、普段の身の回りのことや世の中の様々なことに対して、「これはどういうことか?」ってのを考える習慣をつけることだ。もちろん、おやつに何を食べようかとか、今買うノートの色は何色にしようかとか、そんなことは「好き嫌い」でパッと判断しちゃってもかまわない。でもさ、できれば1日に1回、せめて週に1回でもいいから、「どうしてボクは、青色のノートなんか買っちゃったんだろう?」とかを、考えられるだけ考えてごらん。そうするとね、単純に見える「好みだから」って結論にも、いろんな過去の出来事や、世の中の動きなんかが関係したり、影響したりしてることに気付くはずだ。

満月君:え?…ああ、そういやボクも青色が好きだけど、なんでかな?

きりかぶ先生:さあ? それは私にはわからない。わかるのは君だけ。…ここ重要だよ、わかる?

満月君:???

きりかぶ先生:結論は? …青が好きって言う…

満月君:あ、そうか、その理由は、ボクだけにしか考えられない!

きりかぶ先生:そうそうその通り! …「好き嫌い」っていう、一見しょうもない話でも、それに対して自分で理由を付けられるっていうのが、他の誰でもない、「自己」なんだ。だから、小論文の書き方として、何かを「覚え」ようとしたり、はなはだしくは答案を「暗記」しようとするのは、全く間違ってる。うまくしたもので、いい大学であればあるほど、「丸暗記」では答案が書けず、不合格になるようにできている。

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