小論文の書き方入門講座〜きりかぶ先生と満月君#14

〜大学受験小論文・AO入試のために

小論文の書き方〜受講生満月君の問い「合格答案とは」

満月君:先生! 合格答案とはどのようなものですか? どのような対策が、それを可能にするのですか?

きりかぶ先生:それは、3つの必須要素を満たした答案である。

3つの要素とは、

・設問および課題文に対する「正しい理解」

・その理解に基づきつつ、論理的に進められる「正しい思考」

・その思考を、読み手に対して説得的に語る「正しい言葉」

に他ならない。

世に、小論文に関して述べられた数多くの本がある。小論文を書くにはこうすればいいと説く、無数の講義がある。

しかしそれらのうち、この3つの1つでも欠いているものは、みな誤っている。

同時に、この3つを備えていれば、あとはどのようなことを説こうとも、従い学ぶ価値がある。

はじめに問題提起して、ついで問いに対してYES/NOを答えるとよいとか、

とりあえず反論してみろとか、

そのような、実は合格答案にとってどうでもいいことばかりを説く本や指導者に従う限り、かえって合格は遠のく。

もちろん、このような言説が出てくる理由は容易に想像できる。

3つの要素を満たすこと、満たせるように訓練を積むことは、楽なことでもすぐにできることでもないからである。

特に、難解に思える課題を読み解き、面倒くさがらずに考え抜くという、これら理解と思考に耐えられない受験生は、非常に多い。

そうした受験生に対し、手っ取り早く「小論文のようなもの」を書いてもらうためには、こうしたどうでもいい事柄を、パターンとして与える方が喜ばれることがある。

なぜならそうした受験生は、今ここでの疑問や不安を取り除くことだけを求めており、本来求めるべき合格への道を、忘れているからである。

これは受験生にとって、非常に不利な道である。

その考えが根本から誤っていること、求めている楽で手っ取り早い方法が、まるで役に立たないことを、客である受験生に、あえて指摘することは難しい。

なぜなら報酬を受け取る者として、客の要求を素早く満たすことは、正しいことのように思えるからである。

しかしそのような処方は、客たる受験生のためにはならず、いい加減なことを説いたとして、師もまた非難される。

だから満月君よ、こうした短絡的な欲求には、不合格という大いなる災いがあることを知って、正しい訓練を怠らぬよう努めなさい。

それこそが合格答案を可能にする道であると、私は説く。


※このコンテンツは、故中村元先生の著作を参考にして作られています。

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