小論文の書き方入門講座〜きりかぶ先生と満月君#15

〜大学受験小論文・AO入試のために

小論文の書き方〜受講生さくらさんの問い「正しい理解とは」

さくら:小論文を書くに当たって、「正しい理解」とは何ですか?

きりかぶ先生:小論文を書く前に、何ごとにも段取りがあり、優先順位があると知れ、さくらさんよ。

さくら:段取り、優先順位とは何ですか?

きりかぶ先生:Aを始めるにはBが必要である。なぜなら、AはBの必要条件だからである。

Aを始めるにはCが必要である。なぜなら、CはAの必要条件だからである。

Aを始めるにはDが…Eが…必要である。なぜなら、Dは…Eは…Aの必要条件だからである。

しかし、BからZまで終えようとも、1から999,999,999,999まで終えようとも、必ずしもAのために十分とは言えない。

なぜなら、Aの十分条件は、場合によって異なるからである。

では、何がAの十分条件か? …それを知るのが、段取りを知り、優先順位を知るということである。

さくら:どのようにすれば、それを知ることが出来るのでしょうか?

きりかぶ先生:その方法は、自らの持つ根気、自らの持つ知識を用いて、与えられた情報を正しく解釈することである。

自分は何を求められているのか?

どのような条件の下でそれを行うよう規定されているか?

何を禁じられているのか?

…これらはすべて、正しく解釈され、正しく実行されなければならない。

たとえば、論文を書くように求められたのに、作文を書いてはいけない。

1000字で書くよう求められたのに、1001字で書いてはいけない。また700字で書いてはならない。

自分の体験に引き寄せてはならないとされたのに、自分の体験のみで完結させてはならない。

氏名を書くよう求められたのに、その欄が空白ではいけない。

枠内に書けと定められているのに、はみ出してはいけない。

鉛筆で書くことを禁じられたのに、鉛筆で書いてはならない。

これらは全て、採点対象外である。

いかに優れた論であろうと、どれほど美文であろうと、瞠目すべき筆記であろうと、

これらは全て、0点であって、合格答案ではない。

これらは全て、優先順位を誤っている。

なぜなら、答案の内容よりも、規定が優先されるからである。

しかもこのような誤りは、非常に多いことを知れ。さくらさんよ。

では何によって、このような誤りがもたらされるのであるか?

それは、ものぐさと知識の不足によるのである。

あらゆる規定、あらゆる要求は、必ず事前に示される。

なぜなら、示されない事柄に、従う必要はないからである。

規定が多いからと言って、規定に責任があるのではない。

要求が多いからと言って、要求に責任があるのではない。

いかに多くの規定、要求であろうとも、それに従わないからには、責任は自分にある。

示された事柄を理解するのを厭(いと)うのは、ものぐさのしわざである。

示された事柄の理解を省きたがるあせりは、実にものぐさのしわざである。

示された事柄を解釈できないのは、知識不足のしわざである。

示された事柄の解釈の必要性を知らないのは、実に知識不足のしわざである。

これらは全て、自分のしわざである。

従って、ものぐさと知識不足は、不合格という大いなる災いをもたらすものだと知って、

怠ることなく、よく気をつけ、よく知識を蓄えることを知れ。

これが、「正しい理解」に至る第一の門であると、私は説く。
※このコンテンツは、故中村元先生の著作を参考にして作られています。

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