フィールドテクノロジー研究室ホームページへようこそ (2011.8.30更新)
バイオディーゼルは油脂(トリグリセライド)を主原料として製造される
ディーゼルエンジンを稼働させる燃料(軽油・重油)の代替液体燃料のことです。
地下資源の石油を製油所で精製して作られる軽油・重油は、
精製過程と燃料として燃焼したときに二酸化炭素を地上に排出し、
地上の二酸化炭素絶対量を増加させてしまいます。
この二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化の一因となります。
しかし、油糧植物から製造したバイオディーゼルは、
油糧植物が太陽のエネルギーを受けて光合成により地上の二酸化炭素を吸収して生長し、
それにより植物中に蓄えられた油脂を主原料として作られます。
この二酸化炭素を吸収して作られた油脂を主原料とした燃料を
ディーゼルエンジンで燃焼して発生した二酸化炭素はまた植物が吸収してしまうため、
二酸化炭素の循環がなされ地上の二酸化炭素絶対量を増加させません。
この考えを"カーボンニュートラル"(carbon neutral)と言います。
このため、バイオディーゼルを燃料として使用するのは
二酸化炭素排出量を削減することが、本来、最大の目的となります。
化石燃料の軽油をバイオディーゼルという燃料で代替えすることによって、
軽油の消費量を低減でき、地球温暖化を多少なりとも防ぐことができるのです。
昨今は、地球温暖化対策として、バイオディーゼルを使用することで、
50%以上の温室効果ガス削減が評価される公的な温暖化対策となってきています。
その効果を評価するのは、ライフサイクルアセスメント(LCA)です。
バイオディーゼルは、英語表記で"biodiesel"となり一語で燃料の意味も含みます。
日本で一般的な略称"BDF"との表記は、液体燃料に関する"登録商標"であり、
"BDF"(Bio Diesel Fuel)とする表記は外国において使われていません。
ヨーロッパでは主にナタネ(RapeSeed)を原料とした脂肪酸メチルエステルが
バイオディーゼル燃料であるので、"RME"と略称されていました。
(RME:RapeSeed MethylEster)
最近は、原料種類が多様化しこともあり、バイオディーゼルの主成分が
脂肪酸メチルエステルであるため、"FAME"と略称されています。
(FAME:Fatty Acid MethylEster)
日本のゆれ表記において、"バイオジーゼル"、"バイオヂーゼル"、"バイオデーゼル"と
記述されている場合もあります。
バイオディーゼルを作る理由
・地球温暖化防止に貢献する燃料を供給するため。
・農業を含めた新たな地域産業とするため。
・廃食油をリサイクル商品とするため。
・環境教育の題材とするため。
バイオディーゼルを使う理由
・地球温暖化防止に貢献するため。
・軽油より安価な燃料である場合があるため、燃料コストを考え経済性のため。
・温室効果ガスの排出権を獲得するため。
・軽油以外の燃料への興味。
・廃棄物リサイクルの普及啓蒙活動の代表例として。
・燃料の自給自足のため。
作る理由・使う理由は国や地域によって異なりますが、
時代やそれぞれ事情や考えなど多様性があると思いますので、
明示した理由以外にもあるかとも思えます。
戦争中は石油の入手が難しかったため、
ドイツと日本はその代替え燃料として作り、使用したた。
(1)脂肪酸メチルエステル
脂肪酸メチルエステルは、軽油の代替として汎用性が高い燃料です。そのため、
海外では、地球温暖化防止と農業保護を目的として
ヨーロッパ、アメリカなどで先進的に実用化が進みました。
東南アジアやアフリカでは、新たな産業として脂肪酸メチルエステル製造が開始されています。
京都議定書の発効により、世界的に
温室効果ガスの二酸化炭素排出量抑制用の燃料としてその生産量は飛躍的に増加しました。
ヨーロッパのナタネとヒマワリやアメリカの大豆などが主原料ですが、
単位面積当たりの油脂生産量の高い食用油糧作物でもあるパーム油が
原料として有望視されましたが、食用油糧作物が投機対象となり価格が高騰し、
また食糧としての価値が重要視され、中国、東南アジア、インド、アフリカなどで
非食用作物のナンヨウアブラギリ(Jatropha)に注目される原料が変化してきています。
日本で、脂肪酸メチルエステルは各地で"BDF"と称して生産され
自動車燃料として使用されている身近なバイオ燃料です。
軽油の高騰や自動車燃料としてのJIS規格化などによる品質向上もあり、
軽油代替燃料としては日本にしっかりと根付くことができました。
バイオディーゼルとして海外で最も規格化がなされているのは脂肪酸酸メチルエステルです。
脂肪酸メチルエステルは、植物(ナタネ・ヒマワリ・大豆など)由来の油と
メタノールを原料として合成します。
ナタネはバイオディーゼルの原料として使用されたので、エネルギー作物の代表例となりました。
北海道北竜町では、1981年にヒマワリ油を用いてディーゼル代替燃料化が試験されました。
日本では、下記のような循環型社会の実現を目的として各地で製造されています。
(a)東京において燃料としての登録商標"BDF"と"VDF"を持つ
日本においてバイオディーゼルに先駆的に取り組んだ企業が
廃食油を回収し、それを原料としたバイオディーゼル燃料を製造し一般販売されています。
日本において、バイオディーゼル燃料を総称して一般に"BDF"と呼ばれるのは
この企業の先駆的実績が高く評価されていることが一因かと思います。
(b)滋賀県では、地域循環型社会の形成を目的とする"菜の花プロジェクト"において、
シンボル的製品として植物廃食油を原料としたバイオディーゼル燃料が県内各地で生産されています。
このプロジェクトは日本各地に波及し各地で、菜の花の栽培や環境啓蒙活などがおこなわれ、
バイオディーゼル生産の推進力となりました。
(c)京都市は環境サミットをきっかけとしてパッカー車やバスにバイオディーゼル燃料を使用する
先駆的自治体モデルを創りました。
この取り組みで1年間に約4000トンの二酸化炭素排出を削減したと公表されていました。
(d)バイオディーゼルの原料となるナタネ作付け面積、国内で一番(2006年)の北海道滝川市では、
ナタネ種子よりメチルエステル燃料を製造し、寒冷地の冬期間でも軽油へ混合することで、
使用可能であることを冬季走行試験で2006年2月に確認しました。
2006年12月から2007年3月まで軽油混合5%で本格的な冬季実用走行試験をおこないました。
(2)脂肪酸エチルエステル
脂肪酸エチルエステルは、脂肪酸メチルエステルと同様に軽油の代替として汎用性が高い燃料です。
ブラジルでは、植物油とバイオエタノールを原料として製造する脂肪酸エチルエステルが
バイオディーゼルとして燃料規格化がなされています。
脂肪酸メチルエステルより原料コストは高くなりますが脂肪酸エチルエステルも同様に製造できます。
脂肪酸エチルエステルは畜産飼料としても用いられ、食べることもできる燃料となります。
伝統的な食品製造の微生物反応でもつくれ、特許も出願されています。
木材やサトウキビ、イネ、ソルガムから製造されるバイオエタノールへの取り組みが、
日本でもガソリン混合燃料用として開始されていますから、植物油を脂肪酸エチルエステルに変換することによって、
日本でも畑と森の資源から地域で原料調達をできるシステムも作れます。
バイオエタノールが小規模でも製造できれば将来、脂肪酸エチルエステルも地域燃料として実用化されるでしょう。
脂肪酸エチルエステルは、一般に、"FAEE"(fatty acid ethyl ester)と略称されます。
脂肪酸エチルエステルは、ブラジルでは燃料規格がありますが、日本では規格のない燃料となります。
(3)炭化水素化
炭化水素油は軽油や重油と同様に主成分が炭化水素ですので、
軽油や重油の燃料規格を満たすように製造すればその汎用性は非常に高いものとなります。
(a)昭和17年に、日本において魚油を炭化水素油に変換する方法が
"硬化魚油よりデイゼル燃料油製造方法"として特許になりました。
(b)オゾンによって油脂の二重結合を切り流動性を高め、
植物由来の油脂や魚油を分解し炭化水素油として製造する方法も特許が出願されています。
(c)油脂(植物・動物)を原料とし、触媒反応で水素添加をおこない、
第二世代のバイオディーゼル(BHD:Bio Hydrofined Diesel)として、
日本の企業が製造方法を開発しました。
(d)油脂を含めてそれ以外の植物バイオマスを熱分解ガス化し、
FT合成(フィッシャー・トロップシュ法)より、炭化水素を合成し、
分留により軽油と灯油の代替のバイオマス液体燃料を得ることができます。
この方法で得られた燃料は、一般に、BTL(バイオマス・トゥ・リキッド)と呼ばれています。
日本国内でも、研究開発が進められています。第三世代のバイオディーゼルと云われています。
(4)油脂(トリグリセライド)
燃料として用いる場合、最近は、"バイオオイル"と称されています。
引火点や粘度が軽油や重油と異なるため、装置の簡易な改良といにより燃料として使用します。
(a)自動車内に油加熱キットを取り付け燃料としての粘度を低下させ、
食用油・廃食油をそのまま軽油代替燃料として使用する
"SVO"といわれる方法が国内でも普及しています。(SVO:straight vegetable oil)
(b)食用油・廃食油をそのまま軽油・灯油に混合して使用する方法も
国内で自動車燃料として使われていしたが、品確法の改正により法律上現在は使えません。
(c)食用油・廃食油を界面活性剤を使い水と混合しエマルション燃料としても使えます。
(d)廃食油はC重油代替燃料としてボイラー燃料としても活用されています。
(e)船舶のC重油燃料で動くディーゼルエンジン用としては、
油脂を脂肪酸メチルエステルに変換しなくても植物油のまま使えます。
軽油代替としてディーゼルエンジンが動くバイオディーゼル燃料の種類
(1)植物油から製造した脂肪酸メチルエステルと軽油との混合物[一般実用化:ヨーロッパ、アメリカ]
(2)廃食油から製造した脂肪酸メチルエステル[一般実用化:日本]
(3)植物油・魚油より製造した炭化水素[実用化]
(4)植物バイオマスをガス化してFT合成した炭化水素(BTL)[実用化]
(5)植物油や魚油の軽油や灯油への混合物[日本国内では品確法に抵触しないか配慮が必要です]
(6)植物油・廃食油に界面活性剤を使用して水エマルジョン燃料として使用[実用化]
(7)植物油・廃食油の直接使用(SVO方式)[一般実用化]
(8)植物油から製造した脂肪酸エチルエステル[ブラジルで燃料規格あり]
バイオディーゼル燃料としてのメチルエステルは、
主に脂肪酸メチルエステル(FAME)を指します。(FAME:fatty acid methyl ester)
脂肪酸メチルエステルは、油脂とメタノールを原料として様々な方法で合成できます。
脂肪酸メチルエステルは化学製品原料として古くから製造されており、
日本におけるその製造方法に関する特許は100件以上出願されています。
昭和4年には、"脂肪酸エステル製造装置"(特許番号82142)がすでに特許となっています。
分析化学分野では硫酸を、食品分野ではリン酸を触媒として用い合成します(酸触媒法)。
また、外国や日本においての実用製造方法として、
水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを触媒として使用する方法が使われています(アルカリ触媒法)。
日本国内では、このアルカリ触媒法を用いて、
廃食油から脂肪酸メチルエステルを製造する装置を販売するメーカーが多数あります。
さらに、触媒として新たに酵母等の微生物や微生物や
微生物や植物由来の酵素(リパーゼ)による合成方法も開発されました(生物系触媒法)。
それから、触媒として取り扱いが容易なイオン交換樹脂や
酸化カルシウム、金属化合物などの固体触媒も開発されました(固体触媒法)。
他に、触媒を使用しないで高温メタノール吹き込み、
超臨界や超高圧を利用して製造する方法も開発されています(無触媒法)。
フィールドテクノロジー研究室では、触媒として固体触媒となる酸化カルシウムを使う方法を提案しています。
ホタテ貝殻(主成分:炭酸カルシウム)を原料とし製造した酸化カルシウムを使い、
遊離脂肪酸をカルシウムセッケンの状態の固形物として析出し固液分離により除去し、
脂肪酸メチルエステルの水洗を必要としない製造方法を開発しました。
酸化カルシウムを使用しての脂肪酸メチルエステル製造方法に関しては特許(特開2004-35873)を出願しました。
この特許を基礎技術として、NEDO助成事業(2006〜2007年度)により実用化に耐えうる技術に高度化しました。
NEDO助成事業では酸化カルシウム法での副生グリセリンの活用についても共同研究を実施しました。
その成果を特許出願(特開2009-299000)し、さらなる技術の高度化に取り組んでいます。
酸価30程度の植物油から酸化カルシウム固体触媒で製造する方法も共同研究で開発し、
特許出願(特願2009-136603)しました。
鉄鋼スラグを固体触媒とした脂肪酸メチルエステル製造方法も開発し特許出願(特開2008-239941)しました。
また、バイオディーゼルを製造するのに、
燃料が燃焼時に発するエネルギーと同量の化石燃料を起源とするエネルギー(電気等)を使うと、
単なる化石燃料の置き換えということで、二酸化炭素排出抑制に効果のない燃料となってしまいます。
バイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)の発熱量が約9800kcal/リットルですから、
1リットルの燃料製造時に使えるエネルギーの総量は9800kcal以下でなければなりません。
そこで、燃料の製造時に、可能な限り化石燃料起源のエネルギー(加熱・電気等)を使わず、
排水や廃棄物を発生しないようエネルギー・マスバランスに注意を払って製造方法の開発に努めています。
エネルギー・マスバランスは、EPR(エネルギー収支比)という評価方法があります。
付加エネルギーの節約による二酸化炭素排出量削減効果はLCA(ライフサイクルアセスメント)で計算され数値化できます。
また、廃食油を原料とする場合は、廃食油の回収に使う化石燃料の使用量に気をつけなければ、
回収で発熱量の約9800kcal/リットルを越えて、温暖化対策として意味をなくすことがあります。
軽油代替としてメチルエステルの製造方法種類のまとめ
(1)アルカリ触媒法[触媒:水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど]
(2)酸触媒法[触媒:硫酸、リン酸、フッ酸など]
(3)生物系触媒法[触媒:酵母菌体、酵素(リパーゼ)]
(4)高温メタノール吹き込み・超臨界法・亜臨界法[無触媒]
(5)固体触媒法[触媒:酸化カルシウム、イオン交換樹脂など]
(6)超高圧法[無触媒]
日本において、リサイクル燃料として
植物油の廃食油を原料として使う方法が実用化されています。
廃食油の価格が低いことが軽油価格に対抗でき、
廃食油を回収しリサイクルすることで、下水道や河川へ排出されることが防げ、
燃料化により環境事業としての波及効果もあることが、一石二鳥の利点となり実用化に結びつきました。
ヨーロッパ、アメリカではエネルギー作物として栽培されたまたは余剰に生産された
ナタネ・ヒマワリ種子や大豆から食用油にせず、その粗油を原料としてメチルエステルを合成しています。
これは、二酸化炭素排出量削減を第一として、それに生産農家への補助を目的としたためです。
海外では、国の助成や副産物の商品化などで、
燃料製造会社の運営が成り立つシステムができています。
ナタネやヒマワリの油粕は、飼料や肥料として、
油を抽出除去された脱脂大豆は、食品や飼料として有価物ですので、
農業生産物としてのナタネ等の価格が
燃料原料としての原価にならないことに注意を払って製造コストが考えられています。
アジア、アフリカではナンヨウアブラギリがバイオマスプランテーションとして栽培され
ナンヨウアブラギリの油脂を原料としたバイオディーゼルが生産される
地球温暖化を強く意識した新たな生産業です。
日本においてのリサイクルと環境の関係に視点を置いたものとはやや違います。
2000年から北海道滝川市でヨーロッパのような
菜の花(ナタネ種子)からの直接燃料化の検討がおこなわました。
その取り組みにフィールドテクノロジー研究室も参画し、たきかわ菜の花まつりのおり、
農業用トラクターのデモ運行で使用したバイオディーゼル燃料を2001年と2002年に提供しました。
滝川産ナタネを圧搾し粗油を得て、10日かけて澱を比重分離し、
脱ガム処理(リン脂質の除去)をしただけで、
食用油の製造工程の脱酸、脱臭、脱色工程をおこなわず
水酸化ナトリウムを用い脂肪酸メチルエステルを製造しました。
脱酸、脱臭、脱色工程はメチルエステル化工程およびその洗浄工程でなされます。
これにより、食用油を製造するために付加する多量のエネルギーを軽減しました。
2006年2月の走行試験時には、脱ガム処理も省略する方法で製造しました。
これにより、食用油を製造するために付加する多量のエネルギーをさらに軽減しました。
・食用植物油を経由した廃食油の例
食用植物油の中で、コメ油(米糠油)は全て国産ですが生産量は少なく、
食用植物油の原料はほとんどが海外からの輸入です。
よって、食用植物油の廃食油を原料としている日本のバイオディーゼルは、
実質的に海外に資源を依存している状態です。
揚げ物の使用した旨味成分を含む油を炒め物に使用し
廃食油をほとんど出さないで使い切る中華料理と異なり、
天ぷらやトンカツなどの揚げも物で使用した油を
炒め物料理で使用することが少ない日本の食文化ですので、
日本のキッチンは廃食油を生み出す油田として機能します。
キッチン油田から油を集めるために、日本各地でいろいろな工夫がなされています。
食用油を使い切り廃食油として廃棄しないのがリデュースで、
食用油として燃料の原料となる品質で廃食油し、
バイオ燃料として機能シェアするのがリサイクルです。
・食用油とエネルギーの複合生産の例
ナタネの搾り粕からヘキサン抽出で二番搾り油も得られます。
大規模生産の場合、一番搾り油は高価な食用油として使い(収入を得て)、
二番搾り油(ヘキサン抽出油)は食用油としての価格が低くなりますから、
二番搾り油をバイオディーゼル燃料に加工すれば、食用油とエネルギー生産を両立できます。
一定規模の地域にヘキサン抽出による搾油工場があれば、
低品位大豆や米糠も油原料に加えることができ、
ヘキサン抽出油をバイオディーゼル燃料の原料油として
一定規模の地域の需要をまかなうエネルギーの地産地消も可能ではないでしょうか。
ヘキサン抽出より省エネルギーの油脂抽出方法も最近は開発されています。
油を搾り取った脱脂ナタネ油粕は高級肥料になり、脱脂米糠は漬物の糠床や飼料として、
脱脂大豆は醤油の原料や飼料として有価物となり、農業や畜産業による食糧生産に貢献できます。
ただ、国内で食用油を製造する場合、食用油は高価格となり、営業・販売費もかかり、
食用油製造業の継続には、新たなビジネスモデルを作らなければなりません。
高い油は揚げ物用油としての使用より、高価格故に、ドレッシング用などで使われ、
廃食油としての回収が困難になることが考えられます。
・エネルギー生産専業の例
ナタネ種子を農産物として燃料製造会社が農家から購入すると、
油分の燃料原料販売収益、油粕の肥料または飼料として販売収益、
副産物グリセリンを化学原料・化粧品・食品用に精製した後の販売収益をあわせると
バイオディーゼル製造専業でもトントンの収益が確保できる可能性があります。
ナタネ莢や茎の含有セルロースをバイオエタノール原料や、
木質と同様にペレット燃料をつくれば、その分が収入としてプラスされます。
バイオエタノールや固形バイオ燃料(ナタネペレット)で、
さらに二酸化炭素排出抑制に貢献できることとなります。
ナタネ油粕肥料を稲作農家に使ってもらい、
"菜の花米"などのブランド米の生産などで地域貢献もできます。
・輪作体系の中で収入をあげる複合型エネルギー生産の例
エネルギー作物は飼料作物より売価が低いことが予想されます。
しかし、その栽培にほとんど手をかけませんので、栽培コストは低くなります。
その中で、ナタネやヒマワリなどのエネルギー作物は景観性も良く観光資源としての価値もあります。
連作のできない油糧エネルギー作物(ナタネ、ヒマワリ)は、
エネルギー作物開花時の"一面の黄色"の景観を楽しんでもらい、
輪作体系として食用野菜・穀物を加え、
畑の傍に立地した農家直売所の併設など別途収益をあげることで、
農家の収益を確保する方法も考えられます。
いざというときに食用作物栽培ができるように耕作放棄地を作らないように、
農地の保全対策としてもエネルギー作物の栽培は有効です。
ただ、耕作放棄地の活用には耕作放棄地の権利農家の了承が必要です。
また、手間のかからないバイオガス用・バイオエタノール用の作物や
化粧品用油糧作物やサプリメント用作物
高価格な化粧品用油糧作物(メドフォーム油・イブニングローズ油など)や
サプリメント用作物(亜麻仁油・セントジョーンズワート)を輪作体系に組み込むことで、
農家によるエネルギー作物栽培が可能になります。
・フィールドテクノロジー研究室の取り組み
2004年から、北海道で適する油糧植物を化学肥料および農薬を使わないで
当社実験農場にて10種類程度栽培し適否を試験しております。
この試験においては植物の景観性にも注目し観光資源としての役割も考察しています。
食用に適しないがアロマ用キャリアオイルや燃料にはなりうる油糧植物や
食用よりも植物油としての価格の高い化粧品用油脂を含む油糧植物も栽培しています。
イブニングローズ油(月見草油)は試作しました。
油糧植物のナタネやヒマワリは連作ができませんので、
他の作物と組み合わせ、収益が上がる輪作体系を作り上げることも
バイオディーゼル燃料を生産するために重要ですので、地域に合ったシステムを考えています。
転作作物としての栽培試験を受託した実績もあります。
2009年には、非農地の工業団地でエネルギー作物の栽培試験をおこないました。
日本国内では難しいとされている"バイオマスエネルギープランテーション"を研究しています。
脂肪酸メチルエステル原料として適する植物油で、
日本のバイオディーゼルの任意規格に対応できるのは、
ナタネ、ヒマワリ(一部品種)、大豆、パーム、ナンヨウアブラギリ(ジャトロファ)、
ココナッツ、トウゴマ、コメ(米糠)、コーン、綿実、ゴマなどがありますが、
品種などによりリノレン酸含有量とヨウ素価(不飽和結合の量)が
規格外となりバイオディーゼルに不適な場合もあります。
国内におけるバイオディーゼル燃料の業務としての製造に関し関連する法律・条例と
バイオディーゼル燃料の使用に関連する法律・条例を列記します。
個人での製造や小規模での製造では摘要されない法律もあります。
油糧種子を栽培し食用油を製造し揚げ物用油として使用した後、バイオディーゼルと使用する場合、
食用油の製造において、食品衛生法に関連し保健所の許可を必要とする場合があります。
・バイオディーゼル燃料を製造する場合の法律・条例
消防法:製造規模により摘要を受ける場合あり
脂肪酸メチルエステルは第4類第3石油類
原料植物油(廃食油も含む)は第4類植物油類
メタノールは第4類アルコール類
軽油は第4類第2石油類
下水道法:排水処理規模により摘要を受ける場合あり
労働安全衛生法:製造規模によりメタノールの取扱で摘要を受ける場合あり
産業廃棄物処理法:廃食油を廃棄物として収集運搬・処理する場合に摘要を受ける場合あり
地方税法軽油引取税・軽油取引税:軽油との混合後販売する場合は摘要を受ける
品確法:軽油へ5%以内で混合して製造する場合適応を受ける場合あり、
改正により、自動車燃料として、5%以上の混合が難しくなりました。
・バイオディーゼル燃料を自動車燃料として使用する場合の法律・条例
道路運送車両法(車検):廃食油原料の燃料を使用する公道走行車両の車検記載事項の届け出が必要な場合あり
地方税法軽油引取税・軽油取引税:使用者が軽油との混合をする場合は摘要を受ける
特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(オフロード法):土木重機、農業トラクターなどの燃料に規制があり、
バイオディーゼルが使用できない場合があります
2006年2月滝川市では、フィールドテクノロジー研究室が協力し、
滝川産ナタネ種子から製造したバイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)を
低温流動性の確認実験をおこなった後、軽油引取税納税の手続きをおこない、
軽油へ20%(流動性改善剤添加)、5%混和し、
ゴミ収集車で冬季走行試験をおこないました。
日本においてバイオディーゼル燃料に関し、
混合した場合の軽油規格が品確法に2006年度末に追加されました。
2006年4月に日本のバイオディーゼル関連の規格案が経済産業省より公開されました。
軽油へのバイオディーゼル燃料(この場合はメチルエステル)の混合上限は5重量%です。
軽油に混合するメチルエステルの規格(自動車燃料-混合用脂肪酸メチルエステル)は、
社団法人自動車技術会が、JASO規格(JASO M 360)として2006年10月3日に制定しました。
2008年2月20日に、JIS規格(JIS K 2390)が制定されました。
諸外国ではすでに自動車用バイオディーゼル燃料としてメチルエステルは規格化がなされています。
日本国内で使用されている自動車用バイオディーゼル燃料は概ね諸外国の規格に準拠した内容となっています。
このことから、日本においては、軽油に5重量%以内の混合をおこなって使用することが、
既存のディーゼル自動車を安全にトラブルなく、
使用者にとってリスク回避ができる製造者責任を明確とした使い方となります。
よって、軽油に混合しないで脂肪酸メチルエステル100%で使用する場合は、
品確法に定められた使用方法ではありませんので、
バイオディーゼル燃料について深い理解の上での使用が大切です。
2004年より国土交通省では、
バイオマス燃料対応自動車開発促進事業検討会を設置し、
燃料の性能を最大限に発揮するため、バイオディーゼル燃料専用の自動車の開発も開始されています。
しかし、2009年9月現在、国内メーカーからは専用車は販売されておりません。
バイオディーゼル燃料は、日本の二酸化炭素排出量削減に多少なりとも貢献できる燃料となります。
この燃料を使用することが二酸化炭素排出権として取引に使われるかもしれません。
この燃料に排出権が発生し、環境税や炭素税が導入されることも含め、
原料コストが高いから採算はないとの概念に囚われず、新規ビジネスモデルを創造することにより、
国内栽培油糧種子から企業が製造しても収益を上げて、
日本でもドイツのように軽油程度の販売価格でユーザーに提供できます。
たとえ、軽油より価格が高くとも2008年からの京都議定書の目標を達成するためには、
微力でも地球温暖化防止のために使わなければならない燃料です。
現在使用の既存ディーゼル車で使える二酸化炭素排出量削減の即戦力の燃料です。
また、種子からの場合は含有脂肪酸メチルエステル成分が一定となり、
一定品質(特に燃料流動性など)を保つことができると思えます。
そのため、海外のバイオディーゼル規格値物性を有するナンヨウアブラギリ油メチルエステルを輸入して
日本国内の需要増に貢献しようと商社などが導入を働きかけています。
JIS規格におけるバイオディーゼル(脂肪酸メチルエステル)の品質項目
エステル分、密度、動粘度、引火点、酸価、ヨウ素価、銅板腐食、酸化安定性、
セタン価、蒸留性状、低温性能、
硫黄分、残留炭素分、固形不純物、硫酸灰分、水分、メタノール、リノレン酸メチル
モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、
遊離グリセリン、全グリセリン、金属(Na+K)、金属(Ca+Mg)、りん
2011年9月1日より2011年11月30日の間、実験室の一部を工事するため体験会はお休みします。
植物油(食用キャノーラ油=ナタネ油)とメタノールを原料として
触媒に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を使用する最も基本的なアルカリ触媒法を用い
室温でバイオディーゼル燃料(脂肪酸メチルエステル含有率90%)100mlの製造を
自らの手で化学実験器具を使用する実験室規模の有料体験を随時おこなっています。
キャノーラ油とは、種子にエルシン酸とグルコシノレートを含まない品種のナタネを原料とした油です。
2011年7月末現在、有料体験に参加いただい方は総数で52名様となりました。
場所:フィールドテクノロジー研究室(札幌市中央区盤渓201-4)
開催日時:有料体験参加希望者のご都合になるべく合わせます(土日祝日も可)
体験時間:約5時間30分
同時体験定員:1〜3名 (実験器具数量の関係により4名以上は対応できません)
体験料:1名 平日(9:00〜18:00) 5,000円(税込み) (原料・試薬・説明資料代を含みます)
土日祝日(9:00〜18:00) 10,000円(税込み) (原料・試薬・説明資料代を含みます)
1名でも開催いたします
申込方法:下記アドレスへのメールに有料体験参加希望の方のお名前、連絡先、体験者人数、
有料体験希望日時、参加動機または目的を記入してお送りください。
申込いただければ日時の調整についてご返答メールします。
お電話での申込み、お問い合わせは電話対応者が常駐しておりませんので
留守電に連絡先をご指示ください、留守電確認後連絡いたします。
製造有料体験内容概略:体験者ご自身で下記(1)から(5)の操作を行うバイオディーゼル製造と質疑応答
(1)水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)のメタノールへの溶解 (約30分)
(2)食用キャノーラ油の脂肪酸メチルエステルへの室温でのエステル交換反応 (約60分)
(3)メチルエステルとグリセリンの分離 (約30分)
(4)メチルエステルの洗浄 (約190分)
(5)メチルエステルの脱水・ろ過 (約20分)
(製造有料体験で使用する道具と試薬類)
製造有料体験でご自身が製造されたメチルエステル、副産物グリセリン、洗浄水はお持ち帰りできます。
ご自身の手で製造体験いただくことによるバイオディーゼル製造の基礎知識(規格など)の取得や
JIS規格(JIS K 2390)に規定される品質を得ることが難しく、
どのように製造すれば規格値を達成できるかの検討として、
地球温暖化防止に役立つバイオディーゼル入門としてご利用ください。
製造有料体験で製造するバイオディーゼルは、室温で1時間のエステル交換反応でも、
脂肪酸メチルエステル含有率90%となります。
製造有料体験開催場所は、ばんけい峠のワイナリーに隣接の建家です。
ワイナリーの看板を目印においでください。
冬期間は積雪が多く駐車スペースがほとんどありませんので、
公共交通機関をご利用いただければと存じます。
有料体験会参加申込メールアドレス bankeiwine@k5.dion.ne.jp
バイオディーゼル燃料について有料勉強会を開催します。
バイオディーゼルに関することで知りたいことを2時間程度で、当社の
バイオディーゼル担当者とディスカッション形式で勉強するものです。
入門から専門技術分野までご希望の内容に対応します。
場所:フィールドテクノロジー研究室(札幌市中央区盤渓201-4)
開催日時:勉強会参加希望者のご都合になるべく合わせます(土日祝日も可)
勉強時間:約2時間
同時勉強定員:1〜5名
勉強料:1名 平日(9:00〜18:00) 2,000円(税込み)
土日祝日(9:00〜18:00) 4,000円(税込み)
1名でも開催いたします
申込方法:下記アドレスへのメールに勉強会開催希望の方のお名前、連絡先、参加人数、
勉強会開催希望日時、希望勉強内容を記入してお送りください。
申込いただければ日時の調整についてご返答メールします。
お電話での申込み、お問い合わせは電話対応者が常駐しておりませんので
留守電に連絡先をご指示ください、留守電確認後連絡いたします。
勉強会開催場所は、ばんけい峠のワイナリーに隣接の建家またはワイナリーテラスカェです。
ワイナリーの看板を目印においでください。
冬期間は積雪が多く駐車スペースがほとんどありませんので、
公共交通機関をご利用いただければと存じます。
勉強会参加申込メールアドレス bankeiwine@k5.dion.ne.jp
・植物油糧種子からのメチルエステル製造装置導入の技術調査
平成12〜13年度に財団法人北海道中小企業総合支援センターより
(ナタネ種子からバイオディーゼル燃料を製造する試作装置群、食用油も作れるので農家向け仕様です)
・固体触媒による脂肪酸メチルエステル製造方法の研究開発
平成18〜19年度に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構より
"新エネルギー技術研究開発/バイオマスエネルギー高効率転換技術開発(転換要素技術開発)"として
社団法人北海道総合研究調査会、北海道立工業試験場とともに補助を受け、
"固体触媒を用いて副産物グリセリンを有効活用するバイオディーゼル燃料製造技術の開発"の研究開発業務を実施しました。
開発研究内容の一部は、日本機械学会第13回動力・エネルギー技術シンポジウム(2008年6月20日)で発表しました。
・バイオディーゼル燃料受注製造と受注販売
第2回、第3回たきかわ菜の花まつりの農業トラクター試乗会用に
ナタネ油を原料としたバイオディーゼル燃料を製造し提供しました
受注製造ですので販売価格は要相談となりますことをご了承ください。
原料油脂と製造方法を指定をいただいての製造となります。
燃料の試作にも対応します。
20リットル、175リットル容量のバイオディーゼルが製造可能な装置を
所有しておりますので、その装置を使用してのご自身での製造にも対応します。
2009年12月現在、受注4件の実績があります。
・固形バイオディーゼル燃料(脂肪酸メチルエステル)の試作製造および作り方の指導
バイオディーゼルキャンドル(試作品)
軽油ではできない固形燃料化も引火点の高いバイオディーゼルなら作ることができます。
燃焼特性を説明するアイテムとして試作してみました。
燃焼時は天ぷら臭はしません。
・メチルエステル製造時副産物の活用方法の研究開発請負
油糧種子から直接バイオディーゼル燃料化するための経済性を得るための検討課題
油糧種子の搾り粕(ミール)、グリセリン、メタノール含有洗浄水
・(北海道内限定)バイオディーゼル燃料製造に関する手作り技術講習会のインストラクター
講習会参加人数や講習会施設によりインストラクター料は要相談
2009年12月現在1件の実績があります。
・バイオディーゼル燃料製造を含めた温室ガス排出量評価(LCA評価)の受託
ヒアリング調査をおこない報告書を作成し、カーボンオフセット対策をご提案します。
2011年9月より受付いたします。ご相談ください。
・油糧植物の栽培に関する企画立案
油糧種子から直接バイオディーゼル燃料化するための経済性を得るための検討課題
ナタネ、ヒマワリ、亜麻、月見草、ベニバナ、ぶどう、ホホバ、その他の油糧植物と輪作体系
2009年12月現在2件の実績があります。
・油糧植物のバイオディーゼル燃料以外の用途開発研究請負
油糧種子から直接バイオディーゼル燃料化するための経済性を得るためにの検討課題
ナタネ搾り粕の堆肥化、亜麻茎の繊維化、食用油の製造
・地域振興策としての油糧植物活用方法の企画立案
などをおこなっています。
郵便番号 064-0945
住所 札幌市中央区盤渓201-4
会社 有限会社フィールドテクノロジー研究室
eーmail bankeiwine@k5.dion.ne.jp
URL http://www.h5.dion.ne.jp/%7Ewinery/main.htm
バイオディーゼル燃料担当:金木
tel & fax 011-618-0522

交通機関は、さっぽろ地下鉄東西線円山公園駅バスターミナルから
札幌ばんけいバスに乗車し、14分後、森学舎(しんがくしゃ)・峠のワイナリー前下車、戻る方向へ徒歩1分です。
さっぽろ地下鉄東西線発寒南駅、南北線真駒内駅からは
札幌ばんけいバスに乗車し、
ばんけいスキー場下車、宮の森方向へ徒歩12分です。