フィールドテクノロジー研究室ホームページへようこそ (2008.4.21追記更新)

エネルギー作物

 

エネルギー作物とは

 "エネルギー作物"とは熱や電気のエネルギーの原料となる栽培植物を指します。

 栽培管理されない"雑草等"を原料とする場合は、バイオマス資源としての位置付けになります。

 実用化されているのは、ブラジルのバイオエタノールの原料となるサトウキビ(砂糖原料との兼用)、

 アメリカのバイオエタノールの原料となるトウモロコシ(飼料との兼用)、

 ドイツのバイオディーゼル燃料の原料となるナタネ(油粕は飼料)が

 草本類植物(=樹木でない植物)におけるエネルギー作物の代表例です。

 また、食用作物がバイオ燃料生産で需要増を理由に取引価格が高騰したため、

 非食用作物がバイオ燃料の価格が高騰しない原料として有望視されています。

 地下資源の石油・石炭・天然ガスは

 燃料として燃焼させたときに二酸化炭素を地上に排出し、

 大気にそのまま放出すれば、地上の二酸化炭素絶対量を増加させてしまいます。

 この二酸化炭素濃度の増加が地上の温度上昇の一因と言われています。

 しかし、エネルギー作物や植物バイオマスから製造した燃料は、

 植物が太陽のエネルギーを受けて光合成により地上の二酸化炭素を吸収し、

 それにより植物中で有機物(セルロース、デンプン質、糖分、油脂)を合成し生長します。

 この燃料を燃焼して発生した二酸化炭素はまた植物が吸収してしまうため、

 燃料に変換および輸送に化石燃料を使用しなければ、地上の二酸化炭素絶対量を増加させません。

 このような循環系を"カーボンニュートラル"と称します。

 エネルギー作物起源燃料の使用は二酸化炭素排出量を削減することが最大の目的となります。

 石油・石炭などの化石燃料をエネルギー作物を含む植物バイオマスの燃料で代替えすることによって、

 地球温暖化を微力ではありますが防ぐことができるのです。

 エネルギー作物は、英語表記で"energycrop"です。

 地域で必要な量だけ、農作放棄地で地域の人たちでエネルギー作物栽培し、

 地域の燃料や電気の地産地消をして、温暖化防止に取り組んでみませんか。

 

エネルギー作物燃料の種類 

  樹木から製造される木炭が日本における最も身近なバイオマス燃料です。
  ここでは、畑で栽培できるエネルギー作物から得られる燃料を中心に列記します。

 (1)バイオディーゼル

  作物中から搾油によって得た油脂をメチルエステル化して軽油代替燃料としたのがバイオディーゼルです。

 (a)ナタネ
   ドイツ、フランス、オーストリアで、食用と区別して食用作物栽培の輪作体系に組み込まれ
   バイオディーゼル燃料用に栽培されています。
   ドイツ農家は、食糧生産の中に組み込むことで、収益と環境貢献を両立させています。
   ではバイオディーゼルの採算性は、燃料と燃料化の副産物(油粕:飼料、グリセリン)の売価を含めて
   軽油価格が高いこと、免税の優遇措置やエネルギー作物栽培の国家補助によって成り立っています。
   また、石油燃料への炭素税・環境税などの課税効果もありバイオディーゼルは競争力を持っています。
   日本では、ナタネを栽培し食用油を得て、それを販売し収益を確保して、
   それを化石燃料を使っての加熱調理に使用し廃食油にしてから燃料化する
   食と密接な循環システムが各地でおこなわれるようになりました。
   日本においてもドイツのようにナタネ直接燃料化しても採算が得られるシステムを作ることが可能です。
   また、エネルギー用ナタネの日本での最適品種に関しての研究もなされています。
   ナタネのキザキノナタネという品種は、北海道での栽培において、3〜4トン/haの種子収量が得られます。
   エネルギー用のナタネに限定した作付けにバイオマス・ニッポン戦略の一環として補助がつけば、
   日本ではナタネ栽培適地が広範囲であるので、
   国内で経済的に困難だと諦められていることにとらわれず
   バイオディーゼルの循環システムを工夫することによって、
   新規産業が生まれる起爆剤となるように思います。
 (b)ヒマワリ
   フランス、イタリアで、食用と区別してバイオディーゼル燃料用に栽培されています。
   日本では、ヒマワリの春播き一年草という特徴を活かし循環型社会の実践教育として栽培され、
   搾油、食用油の製造、調理、リサイクルを学ぶことができます。
   また、景観作物や緑肥として利点も併せ持っている作物です。
   ヒマワリの茎はセルロースを含有しているので、紙やバイオエタノール原料としても使えます。
   北海道北竜町では、いろいろな機関の取り組みとして、
   ヒマワリ油からの製造する燃料について検討がなされました。
 (c)大豆
   アメリカで、飼料・食用の余剰分をバイオディーゼル燃料として使われています。

(d)〜(f)は、樹木系のバイオディーゼル用エネルギー作物です。

 (d)パーム(アブラヤシ)
   東南アジア、インドで、食用・化学原料用として栽培されたものをバイオディーゼル燃料にも使われ始めました。
   京都議定書の発効により、東南アジアのパーム油メチルエステルが日本に導入される動きがあります。
 (e)ココナッツ
   フィリピンで、バイオディーゼル燃料として生産されています。
 (f)ナンヨウアブラギリ(別称:ヤトロファ、ジャトロファ、ジェトロファ)
   パームとは別種の油で、食用油でないため、食用作物の生産や価格に影響を与えないことや
   比較的土壌がやせていても栽培でき、含有油量も多いことから、
   バイオディーゼル燃料の本命のように考えられるようになり
   アジア、アフリカで栽培が増えています。

 日本では、食用と区別したバイオディーゼル用エネルギー作物を生産していませんが、
 NEDOの2004年度の委託調査で北海道滝川市と北竜町を想定してその可能性が検討されました。

 (2)バイオエタノール

 植物中の糖分、デンプン質、セルロースを原料として発酵をおこないうことによってエタノールを製造し、
 それを蒸留によって高濃度エタノールとし燃料として用いる。
 エタノール専用車やガソリンとの混合燃料(ガソホール:gasohol)、
 ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル:ethyl tertiary-butyl ether)へ転換後ガソリンへ混合して
 ガソリン車で使用されています。

 (a)サトウキビ
   ブラジルでは、製糖用のサトウキビの茎より糖を得てそれを原料としてエタノールを製造します。
   絞り滓の茎(バガス)はボイラー固形燃料として使用され、
   化石燃料をほとんど使用しないで製造するシステムを確立しているため、
   製造方法に限定すると温暖化防止に貢献度の高い燃料といえます。
   日本では沖縄県で複数の取り組みがなされています。
 (b)トウモロコシ
   アメリカで、飼料・食用も含めて栽培されているトウモロコシの
   デンプンを原料としてエタノールが製造されています。
   北海道の公設研究機関では、茎からのエタノールが製造が研究されています。
 (c)イネ(コメ)
   2005年度より新潟県内においてイネを原料としたエタノール製造と
   籾殻によるガス化発電の調査事業が開始されています。
   北海道苫小牧市でも輸入米を当初の原料として製造プラントが作られます。
 (d)ビート
   製糖の原料となる作物を原料としてその糖質を原料としてエタノールを製造します。
   日本国内では、北海道十勝地方で取り組みがなされています。
 (e)スイートソルガム
   飼料や製糖の原料となる作物でしぼり汁を原料としてエタノールを製造します。
   日本国内では、山形県新庄市で取り組みがなされています。
 (f)草本類植物
   木質のセルロースに対し、柔らかなセルロースということで、ソフトセルロースと称される植物です。
   セルロースをデンプン化または糖化後、アルコール発酵でエタノールを生産します。
   ススキ、稲わら、麦わらなどのような形態の植物が日本における代表例です。
   アメリカでは、スイッチグラスが有望な原料として研究されています。
 (g)木質
   木質としては、生長の速い樹木のヤナギなどがバイオエタノール原料として話題になっています。
   リサイクルとして建築廃材を原料としてエタノールを製造します。
   日本国内では、大手メーカーがプラントを販売しています。

 日本では石油からエチレンを経由してエタノールを製造しています。
 2006年4月より工業用アルコールの価格が自由化されます。

 (3)バイオメタノール、バイオDME、BTL、バイオブタノール

 バイオメタノールおよびバイオDME(ジメチルエーテル)は、植物のあらゆる部位をガス化炉でガス化して、
 メタノールやDMEを合成されます。
 
 日本国内においてバイオメタノールの製造装置開発がなされています。
 バイオメタノールは、モバイル型燃料電池の燃料としても使用できます。
 メタノールは、バイオガスプラントから製造されるメタンからも
 日本国内での製造実績はありませんが同様に合成できます。
 
 天然ガスを原料としてDMEを製造する装置が開発され規格化も進められておりますが、
 バイオDMEは開発されていませんが、
 プロパンガスのインフラが使用できるので、将来、流通すると思われます。
 DMEは、排気ガス特性に優れており、自動車燃料として非常に有効です。
 
 ヨーロッパではDMEよりGTL(ガス・トゥ・リキッド)の開発に力が集中しています、
 燃焼ガスから触媒を使い、軽油のような炭化水素をFT合成(フィッシャー・トロップシュ法)するものです。
 バイオGTL=BTL(バイオマス・トゥ・リキッド)は、2005年度に
 日本において、木質からBTLを実験室規模で製造する装置が開発されました。
 
 バイオブタノールは、バイオエタノールと同様に発酵法によって生産され、
 軽油代替燃料としてアメリカで開発が進められています。

 (4)固形燃料(炭化、ペレット)

 上記燃料の製造過程で発生する有機物残渣の"チップ化"や、籾殻くん炭のような"炭化"や
 圧縮加工した原料を明確かした"バイオペレット"などが、流動床ボイラーなどで固形燃料として活用できます。
 木質をペレット化した燃料が製造され、暖房用ペレットストーブも市販されています。

 北海道で炭鉱があった時代から、
 石炭と木質を混合した複合燃料が作られ、海外へその技術が移転されています。

 (5)バイオガス(メタン化)

 既存のバイオガスプラントで農業廃棄物の雑草や燃料製造過程で発生する有機物残渣で
 メタン発酵することによりメタンガスを得られます。
 このメタンガスを燃焼することによって、発電と熱を同時に得ることができます。
 現在は、畜産廃棄物や生ゴミの処理装置としてしか評価されていませんが、
 バイオテクノロジーを活用したメタン製造装置でもあるのです。
 また、不純物ガス成分の影響が懸念されますが、一酸化炭素を効率的に得られれば、
 メタンガスからバイオメタノールの製造も可能となります。
 廃棄物の処理装置としてでなく、メタンガス製造装置として考えて、
 エネルギー作物のメタンというエネルギー資源へ変換することにも注目してほしいと思います。
 ドイツのユンデ村では、バイオガス用エネルギー作物の栽培がなされています。
 

エネルギー作物を原料として代替される燃料 

 既存のエンジンおよび燃焼機器が使えるか、代替燃料専用機器で使用する燃料

  軽油:バイオディーゼル(油糧植物)、BTL(全ての植物)、バイオDME(全ての植物)、バイオブタノール

  ガソリン:バイオエタノール(糖質・デンプン質・セルロースを多く含む植物)

  重油:植物油(油糧植物)

  石炭:木炭・木質ペレット(樹木)、ガス化副生炭化物(全ての植物)

  灯油:BTL(全ての植物)

  ガス:バイオガス(全ての植物)

  水素:バイオメタノール(全ての植物)

 

エネルギー作物の栽培 

 エネルギー作物は、地球温暖化防止を目的とした作物ですから、

 可能な限り化石燃料起因のエネルギーを投入しないで栽培をおこなわなければなりません。

 農作業をおこなうトラクターの燃料をバイオディーゼルとし、

 基肥の施肥、播種、収穫以外の作業のない栽培方法を開発する必要があります。

 栽培により発生する温室効果ガスとしては、亜酸化窒素とメタンがあります。

 二酸化炭素に比較し、亜酸化窒素が310倍、メタンが21倍も温室効果係数が高くなっています。

 そのため、畑作においては、食用作物に施肥するより窒素肥料の種類と量の最適化を必要とします。

 エネルギー作物としてのイネの栽培においては、湛水状態のときに水面下の土壌よりメタンが発生するので、

 湛水期間の少ない栽培方法を開発する必要があります。

 エネルギー作物においては、従来の食用および飼料用作物の栽培方法を

 温室効果ガスの排出の観点に立って見直す必要があります。

 

 

フィールドテクノロジー研究室としてのエネルギー作物する業務 

 ・地域に適したエネルギー作物の調査

 ・札幌におけるエネルギー作物栽培試験の受託
   ナタネ、ヒマワリ、亜麻、月見草などの油糧系作物で栽培試験受託経験あり。

 ・エネルギー作物の景観性試験の受託(準備中)
   観光資源としてエネルギー作物を考える場合の開花時や生長期の景観性を評価をします。

 ・エネルギー作物の輪作体系の調査立案
   地域や生産する燃料に合わせた輪作体系を調査し栽培方法を含め提案します。

 ・油糧系エネルギー作物の搾油体験会の開催
   参加料金 一名 10,000円(3時間)  圧搾搾油、ヘキサン抽出など

 ・工芸作物に関する調査
   化粧品用、木工用、ワックス用、生分解プラスチック原料工芸作物の調査

 などをおこなっています。

 

問い合わせ先

 郵便番号 064-0945

 住所 札幌市中央区盤渓201-4

 会社 有限会社フィールドテクノロジー研究室

 eーmail bankeiwine@k5.dion.ne.jp

 URL http://www.h5.dion.ne.jp/~winery/main.htm

 エネルギー作物担当:金木

 tel & fax 011-618-0522

交通機関は、さっぽろ地下鉄東西線円山公園駅バスターミナルから
          ばんけいバスに乗車し、大乗院お寺前下車、進行方向へ徒歩7分です。

さっぽろ地下鉄東西線発寒南駅、南北線真駒内駅からは
          ばんけいバスに乗車し、 ばんけいスキー場下車、宮の森方向へ徒歩12分です。