大網白里町の方言
〔 2002年 9月29日登録 〕

方言の特色と現状
大網白里町は、東京からわずか50キロ近くのところにあるため、近・現代に至っては、その影響が大きく山武郡内 の他地域に比較して、方言と言われるものが姿を消している。特色といえば、他地域の人と話すときは、標準語を 自由に使いこなし、一方同一地域内の人と話すときは発音まで変わり、方言を用いて話し合うのが全く不自然に 感じられないことである。しかし、それも次第に変化しつつあり、方言は姿を消しつつあるといってもよい。 上総地方は、昔から「ベエベエことば」といわれ、「行くベエ」、「もどるベエ」と語尾にベエをつけたり、あるいは、 「寒かっペエ」とか「よかっペエ」と語尾に半濁音のペエを付けるのが一般的である。方言といえば、なにか 「いなかくさいもの」と単純に思われがちであるが、その土地の生活の中で長い間培われた貴重なものであり、 その地域の特色をよくあらわしたものである。古典落語とか、歌舞伎劇のせりふの中には、こうした方言を知っていると よく意味のわかる場合がある。このことからも往時の方言は、その活用範囲はかなり広く房総もこの範囲に入って いたのだろう。江戸が東京都なりどんどん変化していったのに対し、当地域などは、こと方言に関しては、そのまま 往時の用法を残していたともいえる。(大網白里町史より一部抜粋)

大網白里町の方言328語一覧表〈アイウエオ順〉
方言標準語方言標準語
アブクあわ(泡)アオッチレ青白い
アオノケあおむけアガットあがり口
アカマンマアカッパジ大恥
アキッペーヤローダ飽きっぽい男アクタイ悪口
アサッパラアシタンアサ明朝
アジョニモどうにもアスブ遊ぶ
アタマンケ頭髪アタツパあたりちらすこと
アッチあちらアツコムまたぐ
アッペコッペつべこべアッポ汚物
アッパトメルろうばいアナモロ
アニなにアニサなにさ
アマンダレ雨だれアマッタレ甘えん坊
アマッチョつばアラヌカ籾殻
アメンボつららアリンボ
アンダ・アンシタどうしたアンモなにも
アンヤンドンあの野郎どもアンケェあのくらい
アンベェワルイ調子が(病気など)悪いアンコとび職
アンナゴあの女アンナゴドンあの女たち
アンヤロあの男アンヤロドンあの男たち
アンデェなんでアンベェあんばい・味をみる
イイッペいいだろうイイデンヨーよいではないか
イェーおいイケェスカネェー意が好かない
イシナンゴくるぶしイスス石臼
イタッパ板きれイッカイおりますか
イッチャ一把イッサキ一番先
イッテンベッェ行ってみようイッケェ大きい
イッコクモノ強情者イビ煙たい(煙)
イナゴ乾いた砂イナサ東南の風
イネンホ稲穂イグベェ行こう
ウグシ屋根の棟ウスベッテェ薄っぺら
ウスバカおろかものウソッコうそ
ウッチョメル埋めるウッチャル捨てる
ウテェにぶいウナウ耕す
ウンテェ重いウヌラお主ら
ウンナラガス馬力をかけることエーサンコ良い気分
エンガワ廊下エンデェ涼み台
オイネサーいけないオイネェコッタ困った事だ
オエル終わりオジッポロ長男以外の男
オシャラク着飾るオセェーおそい
オセル教えるオッケみそ汁
オッツァレル叱られるるオッペシ漁船を押す女の人
オッカナガリボー臆病者オッダガ俺たちが
オッカンネェー恐ろしいオッタス追い出す
オッコロス殺すオッサヨ相づちをうつ
オッパナス放すオバ長女以外の女
オボキ産着オヤドン両親
オラゲ我が家オンカ公然
オンマス追い回すカッタテルかき回す
カッポセェやせているカックラッテル頭がおかしい・大いに食べている
カックラス殴るカベッタ稲刈り後の一番耕起
カラバカ大ばかものカラキッテさっぱり
カンカ(カンコ)子供の下駄カンピンタンやせこける
ガブクッタ水の中に落ちることカワイソギニかわいそうに
ギタギタひどく疲れるキッポシレテルたかがしれてる
キッタンネェーきたないキドコネうたた寝
キビショ急須キノンバン昨晩
キモガイレル腹が立つゲンナリうんざり
クゲンスル苦労するクタバル死ぬ
クッタイくださいクッチャメまむし
クッチャベルよく喋るクッカク噛みつく
クネ垣根クマゼ熊手
クロ畦畔クンノム飲み込む
ケエベヤア帰ろうケタクソワルイあと味が悪い
ケッタカア帰ったかケツネンポけち
ケッタリイだるいケード屋敷入口前の道
ケッタグル蹴り飛ばすケラババおけら(虫)
ケンコ貝殻ケントンネェ見当もない
ゲーモネェ無駄・無益の意ゲレッポ最下位
コエー・コワイツカレタゴザッパタキ最後まで居残る
コシテクレゆずってくれコジャー間食
コスイずるいコソッペーくすぐったい
コシテクレゆずってくれコジャー間食
ゴーロ土の固まりゴッタク炊事
コットズレ俺たちコッダケこれだけ
コッデサこれでコッペツクナ文句を言うな
コバッコ端の方コマッチャクレなまいき
ゴロンボカジリ間食の好きな者コンヤッドンこの子供たち
サゲオチリおっこちるシケェ敷居
シッケンナンネェどうにもならないスッカたくさん・いっぱい
シマァベェーおしまいにしようシメシおむつ
シャゴムかがむジャンボン葬式
ジョワコ娘子ションネェヤロウダしようもないやつだ
ジョウボ屋敷の入口ショウシィ恥ずかしい
ショロビク後ろにものを引くスケル助ける
ススタッケェうるさいスッタレ泥はね
スッポンズリおいてきぼりスッケェー酸っぱい
スノバ納屋・小屋スベタ女性にする悪口
ズリィずるいセグル他人の土地をけずる
セナヤロウ長男センザシボウ心張棒
センゼェ野菜ゼンゴぜんまい
ゼンナ蛤の小さいものセンニ先ごろ
スナッパラェー行事のあとの慰労会ソクソク徐々に
ソソビ失火ソコラントコその辺に
ソウダッペそうでしょうソブク引く
ソッポ外の方向ソンデネクテンそれでなくても
タケェー高いダスベー物を与えること
ダダッピレェー非常に広いタッポたにし
ダッペェーだろうタテメエ棟上げ
タマゲル驚くタマンボ黄金虫
タルイレ結納タレェたらい
タンケェからす貝タンゴロマンおたまじゃくし
チャッケェー小さいチットバリ少しばかり
チッコチャブケ茶うけ
チョウスだますチョウバックカタルうそをつく
チンドロサッケェー血まみれツットス刺す
ツマッカシイ質素にするテショー小皿
テビ小さい溝・水路テンカラはじめから
テンデンコ自分自分にトウシミ灯心
トウレエ後妻ドウコぶりき缶
ドク退くトッコスとおりこす
トッパグルとりはぐるトッパドス仕損じる
トッペッモネェ途方もないトッツェル取り押さえる
ナゴ女子ナサネエイカ生まないか
ナシタカ生まれたかナラシ稲架
ナレェ東北の風ナントお墓
ナンヨー・ナーヨーお手玉ニシ・ニシラお前・お前ら
ニヤバ母屋の土間ヌカッポぬかるみ
ヌクトマル暖まるヌルマのろま
ネジクルつねるネエショ内緒
ネネッコ赤子ノゲッタぬぐった
ノスタケ外板張ノーノーさん曽祖父母
ハシケェ痛がゆいハジッコすみ(角)
ハダツ事をはじめるハッチャセルぶつかる
ハッカスル我をはりあうバッチョウ大工
ハドス仕損じる・はずれるハバキ田ももひき
ハヤスからかうバンゲ
バンガタ夕方バンコ料理人
ハンナグルぶん殴るバンドシ夕食の仕度
ヒザッカブひざヒシテ終日
ヒックジケル折れるヒッチョウ負ふ
ヒッチョビク引きずるヒテップシイ料理人
ヒデェひどいヒトカタケ一食
ヒトマルキ一束ヒマチ休日
ヒヤッケェ冷たいヒレェキ広い
ビンチョいびつブコッネーぶあいそう
ブタグチ三角袖の上衣ブッカク割る
ブックス壊すブッケッタ倒れる
ブックジク打ちくじくブッタクル奪い取る
ブッツァバク引き裂くブッパタックたたく
ブッタセ出せフンヌクひきぬく
ブンマス追いまわすヘッツクバル頭をぺこぺこ下げる
ヘクソモンネェー何にもならないヘナッチ粘土
ヘナサマひなさまボウチョタカリ頭にできもののできた人
ホキルよく育ったホコス火を焚きおこす
ホソックリ細いひもボッカ根株
ボッコス打ち壊すホッタラケェス投げやりにする
ボテフリ魚の行商人ホンコン本気
ホマチへそくりマガット曲がり角
マキザッポまきマットもっと
マチおまつりマブル混ぜる
マヤ馬小屋マルク束ねる
ミテクレみばえムケェドキ丸一年
ムグルもぐるムセェ容易にへらない
メエメエタツボかたつむりモモッチャリ燃え残り
モクモゲェ可愛い
モジクもぐヤケッツリやけど
ヤッペェ始めようヤッカムこねむ
ヤットンコラショようやくヤッケェ柔らかい
ヤベ一緒にこいヤマ
ヤロッコ男児ヤンデコイ歩いてこい
ヤンメはやり目ヤンドン野郎ども
ユケ湯手拭いヨコッピン横鬢
ヨッピテ一晩中ロクデネェーいじわる
ワッケェモンドン若いものたちワザントわざと


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